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数学科におけるコンピュータとネットワークの使い方

- 四日市市立教育センター, 98.12.4 -

愛知教育大学 :  飯 島 康 之 


概要



はじめに

0.0 今日できることとこの概要の関係

この概要は,今年の夏に県の教育センター等で行った講座の内容を元にし,ネットワーク的な部分をその後の変化に合わせて加筆している。時間的な制約を考えると,中心は作図ツールを中心としたコンピュータ利用の在り方が中心になると思うし,それ以外のことはあまり詳しくできないと思う。
しかし,少し先を考えると,ネットワークは不可欠のことなので,概要の中では両方を見渡したものを用意し,当日扱えるものは触れ,そうでないものは,後で参考資料としていただくつもりで配布することにした。

0.1 コンピュータ利用の端境期としての現在

95年を境に,一般社会の中でのコンピュータ利用は大きく変化した。単体としてのコンピュータから,ネットワークの一部としてのコンピュータに変化した。現在,企業や大学,家庭でのコンピュータ導入において,インターネットやイントラネットとの関わりなしに検討されることはまずありえない。

学校教育に関しても,2003年までにはすべての学校をインターネットで接続することが計画されている。(推進役の文部省のサイトでは,いろいろな情報発信がされている。新学習指導要領,教育改革,教育白書等の情報は,今までよりもかなり早く,誰でもアクセスできるようになった。もちろん,まだまだ公開すべき資料は多いが,この様子ならば,期待してもいいように思う。)

もちろん,「現在」使える学校は少ないかもしれない。また,使えるとしても,職員室で数台のパソコンが使える程度かもしれない。だが,長期的に見るならば,いずれ学校の多くのパソコンはネットワークに接続される。(しかも,それほど遠い未来の話ではない。少なくとも,現在,小学校に新規導入されるパソコンは,回線とその予算さえ確保できれば,ネットワークに接続可能である。)コンピュータ利用の多くはネットワークを通じてという形になるかもしれない。

このあたりの機器の整備状況等は,地域によってかなり異なる。インターネットが使えると言っても,職員室のパソコン数台がppp接続で使えるだけという学校もあれば,校内のほとんどの教室等に情報コンセントが用意され,かなりの機器が用意されている学校もある。たとえば,愛教大附属名古屋中に以前在任された玉置崇先生が勤務されている小牧市立小牧中では,校舎の移転・新築に伴い,かなりの整備を行われたそうである。しかも,LANやパソコンの整備だけでなく,いろいろな観点での情報化を進めているという。(先日は Microsoft から取材に来て,そのうち,広告等に写真が出るようだということだった。)それぞれの地域でいくつかのテストケースを元にそれぞれの整備を行っているが,地域格差や温度差がかなりあるように感じている。しかし上記の小牧中の例のように,その使い方等の中で,公開可能なものは,学校外からもその様子を知り,そのノウハウ等を共有することができるわけだから,行政地域等の壁を越え,先行したいい事例をうまく生かしていくような展開になるのではなかろうか。
(ちなみに,12/4現在,ここ(大阪教育大学,インターネットと教育)から参照した限りでは,三重県内でホームページを持っていて公開している学校は,小学校 18 ,中学校 13 高校 35 など)

しかし,「現在できること」を考えてみると,ネットワークを使ってできることはまだ少ない。(そしてまた,まだ「使えない学校」がほとんどである。)

そういう意味で,現在は,コンピュータ利用の端境期なのである。

0.2 この講座の特徴

そういう意味で,「将来」のことを考えて,「ネットワーク」を意識したコンピュータ利用について触れたいと思う(5)。そして一方で,「どの学校のどの機器でもできること」についても触れたい(1 - 4)。
しかも,なるべく実践的な形で扱うことにしたい。


1.コンピュータとの付き合い方 - ツール型ソフトと付き合うための基本 -


2.「目の前のコンピュータ」とどう付き合うか


3.Geometric Constructor (DOS版) を使った授業の基本


4.Geometric Constructor の楽しみ方


5.ネットワーク社会への入場券と今でもできること


6.ソフトとWWWの連動


7.ネットワークが実現するこれからの教材作り


10.参考文献