シムソンの定理の一般化(探究記録:その2)

愛知教育大学 数学教室
飯島康之


はじめに

以下に記述するのは,シムソンの定理の教材化の過程で,私なりに探究した経過です。もちろん,別の展開もありうるでしょうし,既知の内容であることもあるかもしれません。お気づきの点などありましたら,メールをいただければ幸いです。


これまではこちら


matheduへの投稿

1999/11/16に,次のような投稿をしました。

飯島です。

附属高校でシムソン線の問題の教材化をするあたりから,
一つの命題を見つけ,実験的には正しそうなのですが,証明まではいたって
いません。

これらの内容について,何か知っていらっしゃることがありましたら,
教えていただけると幸いです。

なお,大まかな内容は,次の2つです。
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命題6
ΔABCの外心Oを中心とする円C上に点Pをとり,
それぞれの辺(およびその延長)に下ろした
垂線の足をそれぞれ D,E,F とすると,ΔDEFの面積は一定である。
特に,C が外接円に一致する場合には,面積は 0 となる。
また,Cが外接円に含まれるような円のみに限定すると,
Pが外心 O と一致する場合は面積が最大になり,ΔABCの1/4となる。
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命題7
ΔABCの外心Oとする。
動点Pをとり,それぞれの辺(およびその延長)に下ろした
垂線の足をそれぞれ D,E,F とすると,ΔDEFの面積は次の式で表される。

ΔDEF = ΔABC * (1 - (PO/AO)^2)/4

特に,P が外接円にある場合には,面積は 0 となる。
また,P の動きを三角形の内部(等[鈍角三角形の場合は修正が必要])
に限定すると,Pが外心 O と一致する場合に面積が最大になり,ΔABCの1/4となる。
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なお,これに関する探究記録の詳細は,
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc/world/simson/11.htm
にあります。

すると,これに関連して,いろいろな反応がありました。

詳しい記録は,こちらにありますが,おおまかな流れは次のようになっています。

この議論は私にとって,いろいろな意味で刺激的でした。