シムソンの定理の一般化に関する mathedu での議論の記録


Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Tue, 16 Nov 1999 14:38:47 +0900

飯島です。

附属高校でシムソン線の問題の教材化をするあたりから,
一つの命題を見つけ,実験的には正しそうなのですが,証明まではいたって
いません。

これらの内容について,何か知っていらっしゃることがありましたら,
教えていただけると幸いです。

なお,大まかな内容は,次の2つです。
******************************************
命題6
ΔABCの外心Oを中心とする円C上に点Pをとり,
それぞれの辺(およびその延長)に下ろした
垂線の足をそれぞれ D,E,F とすると,ΔDEFの面積は一定である。
特に,C が外接円に一致する場合には,面積は 0 となる。
また,Cが外接円に含まれるような円のみに限定すると,
Pが外心 O と一致する場合は面積が最大になり,ΔABCの1/4となる。
******************************************
******************************************
命題7
ΔABCの外心Oとする。
動点Pをとり,それぞれの辺(およびその延長)に下ろした
垂線の足をそれぞれ D,E,F とすると,ΔDEFの面積は次の式で表される。

ΔDEF = ΔABC * (1 - (PO/AO)^2)/4

特に,P が外接円にある場合には,面積は 0 となる。
また,P の動きを三角形の内部(等[鈍角三角形の場合は修正が必要])
に限定すると,Pが外心 O と一致する場合に面積が最大になり,ΔABCの1/4となる。
******************************************

なお,これに関する探究記録の詳細は,
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc/world/simson/11.htm
にあります。
----------------------------------------------------------
愛知教育大学  数学教室  飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics

yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/
tel(fax): 0566-26-2329
Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
----------------------------------------------------------

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Tue, 16 Nov 1999 22:49:36 +0900

竹田宏紀です。

>これらの内容について,何か知っていらっしゃることがありましたら,
>教えていただけると幸いです。
>
>なお,大まかな内容は,次の2つです。
>******************************************
>命題6
>ΔABCの外心Oを中心とする円C上に点Pをとり,
>それぞれの辺(およびその延長)に下ろした
>垂線の足をそれぞれ D,E,F とすると,ΔDEFの面積は一定である。
>特に,C が外接円に一致する場合には,面積は 0 となる。
>また,Cが外接円に含まれるような円のみに限定すると,
>Pが外心 O と一致する場合は面積が最大になり,ΔABCの1/4となる。
>******************************************
>******************************************
>命題7
>ΔABCの外心Oとする。
>動点Pをとり,それぞれの辺(およびその延長)に下ろした
>垂線の足をそれぞれ D,E,F とすると,ΔDEFの面積は次の式で表される。
>
>ΔDEF = ΔABC * (1 - (PO/AO)^2)/4
>
>特に,P が外接円にある場合には,面積は 0 となる。
>また,P の動きを三角形の内部(等[鈍角三角形の場合は修正が必要])
>に限定すると,Pが外心 O と一致する場合に面積が最大になり,ΔABCの1/4となる。
>******************************************


  何とか証明することが出来ました。Pの通る円の半径をkなどと置いて、
外心の垂線と 外心とPを通る直線のなす角をシータとでも置いてすると、
コサインの混じった式になり、それが一定になることを示して成功しました。
詳細な部分はここで説明すると、冗長になるのでご勘弁下さい。
もし必要でしたら、そちらに手紙を送らして下さい。
 それにしても、非常にきれいな定理だと思います。シムソン定理と Pが
外心 O と一致する場合に面積が最大という有名な二つの定理を統合し
た立場から証明してあるのですから。
            koki-takeda@pop12.odn.ne.jp

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Tue, 16 Nov 1999 20:33:24 +0900 (JST)

高遠@木更津高専 です。

飯島先生の見つけられた命題を数式処理で計算したところ
正しいことが確かめられました。
幾何学事典など、文献はまだ見ていませんが。
*************************************************
  高遠 節夫 (たかとおせつお)
   木更津工業高等専門学校    基礎学系
   〒292-0041 千葉県木更津市清見台東 2-11-1
      TEL(0438)30−4000(代表)
      TEL(0438)30−4063(直通)
              E-mail   takato@yourou.kisarazu.ac.jp
=============================================================

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Wed, 17 Nov 1999 11:34:34 +0900

飯島です。

<000201bf3039$bba3b340$3cef5a8f@default> の、
   "[mathedu] Re: $B30?4$+$i$N?b@~$NB-$N" において、
   ""Koki-Takeda" "さんは書きました:

koki-takeda> 竹田宏紀です。

koki-takeda>   何とか証明することが出来ました。Pの通る円の半径をkなどと置いて、
koki-takeda> 外心の垂線と 外心とPを通る直線のなす角をシータとでも置いてすると、
koki-takeda> コサインの混じった式になり、それが一定になることを示して成功しました。
koki-takeda> 詳細な部分はここで説明すると、冗長になるのでご勘弁下さい。

さっそく解決された方がいらっしゃったのには脱帽です。
(私の計算力のなさが露呈されたというべきか。
しかし,数学でも「内容の発見」と「定理の証明」を分業でするような
ケースもあってもいいはずかと思いまして,投稿してみた次第です。
)

koki-takeda> もし必要でしたら、そちらに手紙を送らして下さい。

もし可能であれば,竹田さんの証明を, WWW で掲載したいと思うのですが,
いかがでしょうか。
お手紙でもいいですし, FAX でも構いません。
お送りいただければ幸いです。

koki-takeda>  それにしても、非常にきれいな定理だと思います。シムソン定理と Pが
koki-takeda> 外心 O と一致する場合に面積が最大という有名な二つの定理を統合し
koki-takeda> た立場から証明してあるのですから。

はい。
だから,どこかにありそうな気もするんですけどね。
幾何学辞典(笹部,聖文社)のようなものを眺める限りでは見つかりませんでした。
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愛知教育大学  数学教室  飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics

yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/
tel(fax): 0566-26-2329
Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
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Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Wed, 17 Nov 1999 12:07:21 +0900

飯島です。

<199911161133.UAA12460@yourou.kisarazu.ac.jp> の、
   "[mathedu] Re: $B30?4$+$i$N?b@~$NB-$N" において、
   "takato@yourou.kisarazu.ac.jp (Setsuo Takato)"さんは書きました:

takato> 高遠@木更津高専 です。
takato>
takato> 飯島先生の見つけられた命題を数式処理で計算したところ
takato> 正しいことが確かめられました。
takato> 幾何学事典など、文献はまだ見ていませんが。

数式処理で計算させる場合は,
どのように定式化して,どう処理されるのでしょうか。
もしよろしければ, それらも WWWで提示できるとみなさんの参考になると
思うので,
・手紙やFAX → 私がWWW化
・メールに添付 → 私がサーバーにコピー
・高遠先生がどこかで HTML 化 → 私からはリンク
等のいずれでもよろしいので,していただけますととてもうれしいです。
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愛知教育大学  数学教室  飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics

yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
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tel(fax): 0566-26-2329
Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
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Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Wed, 17 Nov 1999 19:49:25 +0900
Status: RO

竹田です。

 申し訳ありません。前の問題において、点Pが
円からはみ出してしまうときに、自分の命題が成
り立たないことを含め、色々な場合が漏れていま
した
 もう少し粘らして下さい。
 PS この定理で正三角形の場合は
 3つの垂線の二乗の和が一定となり、きれいな
結果が出ました。これを正N角形に拡張しても面
白い命題が出てきそうです。 あと、この問題を
他のMLに流して意見を聞いてみようと思います。

      koki-takeda@pop12.odn.ne.jp

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Wed, 17 Nov 1999 23:20:12 +0900

三重県の山崎です。

竹田さんや飯島さんの件名が文字化けしています。

よろしく対処をお願いします。

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Thu, 18 Nov 1999 12:45:47 +0900

山梨大学の成田です。

At 11:34 99/11/17 +0900, Yasuyuki IIJIMA wrote:
> さっそく解決された方がいらっしゃったのには脱帽です。
> (私の計算力のなさが露呈されたというべきか。
> しかし,数学でも「内容の発見」と「定理の証明」を分業でするような
> ケースもあってもいいはずかと思いまして,投稿してみた次第です。
> )

これは,いい話ですね。授業でもこういった分業を体験できるようなしかけにしてお
くといいですね。

 ----
成田 雅博
山梨大学 教育人間科学部 附属教育実践研究指導センター
電話 055-220-8099 or 8325   FAX 055-220-8790
http://www.cer.yamanashi.ac.jp/narita/

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Thu, 18 Nov 1999 13:26:43 +0900 (JST)

>数式処理で計算させる場合
  私は専ら maple を使っていますが、三角形や円の問題解法用のライブラリを作
っています。
  それを用いると、この命題は次のプロセスで証明されます。

> read `:userlib:agtoolv7.m`;
> read `:userlib:nztrianglev7.m`;
> putTriangle(m,n,r):
> slideTriangle(circumCenter,[0,0]):
> ptA:=vertexTop:
> ptB:=vertexLeft:
> ptC:=vertexRight:
> ptP:=[x,y]:
> ptD:=[op(1,ptP),op(2,ptB)]:
> eq1:=eqLine(ptA,ptC):
> eq2:=eqLine(-1/coeff(rhs(eq1),_X),ptP):
> ptE:=intsectLine(eq1,eq2):
> eq3:=eqLine(ptA,ptB):
> eq4:=eqLine(-1/coeff(rhs(eq3),_X),ptP):
> ptF:=intsectLine(eq3,eq4):
> temp:=areaTriangle(ptD,ptE,ptF):
> sDEF:=collect(calcfr(temp),[x,y],factor);

                                                   2
                     2
                (m n - 1) n m (n + m) x             (m n - 1) n m (n + m) y
sDEF := 4 ------------------------ + 4 ------------------------
                     2      2         2 2                        2     2
      2 2
                  (n  + 1)  (1 + m )                       (n  + 1)  (1 + m )

                               2
                 r  (n + m)
     - 1/4 -------------
               m n (m n - 1)


方法は初等的ですが、数式処理で計算するポイントは、
三角関数や無理式を用いない(表に出さない)ことで、
そのための工夫があります。

この問題については、出てくる方程式が線形なので簡単です。

私はこの方法を勝手にmnr法と読んでいますが、多少詳しいことは
   日数教学会誌(数学教育) 1998.11
などで報告しています。

>もしよろしければ, それらも WWWで提示できるとみなさんの参考になると
>思うので,
>・手紙やFAX → 私がWWW化
>・メールに添付 → 私がサーバーにコピー
>・高遠先生がどこかで HTML 化 → 私からはリンク
>等のいずれでもよろしいので,していただけますととてもうれしいです。

   喜んで公開したいと思います。
   ライブラリは maple 用に作成してありますが、
   考え方はそれに限定していないので、たとえば mathematica
   用のものを作成することも容易だと思います。

*************************************************
  高遠 節夫 (たかとおせつお)
   木更津工業高等専門学校    基礎学系
   〒292-0041 千葉県木更津市清見台東 2-11-1
      TEL(0438)30−4000(代表)
      TEL(0438)30−4063(直通)
              E-mail   takato@yourou.kisarazu.ac.jp
=============================================================

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Thu, 18 Nov 1999 14:44:31 +0900

飯島です。

ヘッダが文字化けしてますので,変えました。

<1269192167-424866475@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> の、
   "[mathedu] Re: $B30?4$+$i$N?b@~$NB-$N" において、
   "NARITA Masahiro "さんは書きました:

narita> 山梨大学の成田です。
narita>
narita> At 11:34 99/11/17 +0900, Yasuyuki IIJIMA wrote:
narita> > さっそく解決された方がいらっしゃったのには脱帽です。
narita> > (私の計算力のなさが露呈されたというべきか。
narita> > しかし,数学でも「内容の発見」と「定理の証明」を分業でするような
narita> > ケースもあってもいいはずかと思いまして,投稿してみた次第です。
narita> > )
narita>
narita> これは,いい話ですね。授業でもこういった分業を体験できるようなしかけにしてお
narita> くといいですね。

授業では,そういうケースはかなり多いはずだと思います。
また,「気づき」を主役にしてあげられれば,
普段主役になれないでいる生徒もかなり主役に引き立てられる可能性があると思います。

また,今回のように,
「得意な部分が違うメンバー(matheduのこと)」がいるところでは,
それぞれの強みを重ね合わせるような効果があることを,
改めて実感しました。

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Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
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Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Thu, 18 Nov 1999 14:57:24 +0900

飯島です。

<199911180426.NAA13661@yourou.kisarazu.ac.jp> の、
   "[mathedu] Re: $B30?4$+$i$N?b@~$NB-$N" において、
   "takato@yourou.kisarazu.ac.jp (Setsuo Takato)"さんは書きました:

takato> >数式処理で計算させる場合
takato>   私は専ら maple を使っていますが、三角形や円の問題解法用のライブラリを作
takato> っています。
takato>   それを用いると、この命題は次のプロセスで証明されます。

私は maple も mathematica も詳しくないんですけど。
デフォルトの機能では,うまく処理できないわけですね。

takato> > read `:userlib:agtoolv7.m`;
takato> > read `:userlib:nztrianglev7.m`;
takato> > putTriangle(m,n,r):
takato> > slideTriangle(circumCenter,[0,0]):
takato> > ptA:=vertexTop:
takato> > ptB:=vertexLeft:
takato> > ptC:=vertexRight:
takato> > ptP:=[x,y]:
takato> > ptD:=[op(1,ptP),op(2,ptB)]:
takato> > eq1:=eqLine(ptA,ptC):
takato> > eq2:=eqLine(-1/coeff(rhs(eq1),_X),ptP):
takato> > ptE:=intsectLine(eq1,eq2):
takato> > eq3:=eqLine(ptA,ptB):
takato> > eq4:=eqLine(-1/coeff(rhs(eq3),_X),ptP):
takato> > ptF:=intsectLine(eq3,eq4):
takato> > temp:=areaTriangle(ptD,ptE,ptF):
takato> > sDEF:=collect(calcfr(temp),[x,y],factor);
takato>
takato>                                                    2
takato>                      2
takato>                 (m n - 1) n m (n + m) x             (m n - 1) n m (n + m) y
takato> sDEF := 4 ------------------------ + 4 ------------------------
takato>                      2      2         2 2                        2     2
takato>       2 2
takato>                   (n  + 1)  (1 + m )                       (n  + 1)  (1 + m )
takato>
takato>                                2
takato>                  r  (n + m)
takato>      - 1/4 -------------
takato>                m n (m n - 1)
takato>
takato>
takato> 方法は初等的ですが、数式処理で計算するポイントは、
takato> 三角関数や無理式を用いない(表に出さない)ことで、
takato> そのための工夫があります。
takato>
takato> この問題については、出てくる方程式が線形なので簡単です。
takato>
takato> 私はこの方法を勝手にmnr法と読んでいますが、多少詳しいことは
takato>    日数教学会誌(数学教育) 1998.11
takato> などで報告しています。

まず,そちらを拝見してみることにします。
(以前に,論文発表会で拝見した内容なのかもしれませんが。)

takato> >もしよろしければ, それらも WWWで提示できるとみなさんの参考になると
takato> >思うので,
takato> >・手紙やFAX → 私がWWW化
takato> >・メールに添付 → 私がサーバーにコピー
takato> >・高遠先生がどこかで HTML 化 → 私からはリンク
takato> >等のいずれでもよろしいので,していただけますととてもうれしいです。
takato>
takato>    喜んで公開したいと思います。
takato>    ライブラリは maple 用に作成してありますが、
takato>    考え方はそれに限定していないので、たとえば mathematica
takato>    用のものを作成することも容易だと思います。

なるほど。
私はデフォルトの機能でできるものと思っていたので,
スクリプト(というのかな)
を公開するだけで問題ないだろうと,
そして,それなら数行のテキストを表示するだけでいいから簡単だろうと
たかをくくっていました。

お話からすると,ライブラリの公開等が必要ということになるわけですね。
公開していただけることはとても嬉しい事ですし,
他の方々にも使っていただけるチャンスになるかと思います。

高遠先生のところでは,気楽に使えるWWWサーバはおありでしょうか。
http://www.kisarazu.ac.jp/~kiso/shoukai.html
を拝見する限りでは,
教官の個人のページはあまりないというか,
あっても(人文の方のように)他のプロバイダをお使いなのでしょうか。

もし必要であれば,こちらのサーバを使って頂けるように
設定をさせていただきます。
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愛知教育大学  数学教室  飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics

yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/
tel(fax): 0566-26-2329
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Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Thu, 18 Nov 1999 17:15:09 +0900

竹田です

 湧源クラブという団体に所属していますが、
そこでのメーリングリストで、戸田アレクシ哲さん
(東京大学医学部医学科二年生)から、
未解決問題についてコメントをもらいました。

以下コメント
**************************
この問題は僕の持っている初等幾何の問題集に載っています。1997年にフランスで出
版された、La geometrie du triangle(直訳すれば、「三角形の幾何学」)、
Hermann, ISBN2 7056 1429 4です。僕はちょっとした幾何マニアなので、フランス
に旅行した際に買いました。フランスは初等幾何先進国だけあって、大学生用の初等
幾何の本があってうらやましいです。

さて、証明はここで書くと面倒なので補題の形で誘導を付けるだけにします。

AP,BP,CPと三角形ABCの外接円の交点をX,Y,Zとする。三角形ABCの垂足三角形の外接
円の半径、三角形XYZの垂足三角形の外接円の半径をr,r'とする。

(1) 2r=PAsinA/sinD=PBsinB/sinE=PCsinC/sinFを示せ。
(2) 2r'=PXsinX/sinA=PYsinY/sinB=PZsinZ/sinCを示せ。
(3) rr'=1/4 |OP^2-R^2|を示せ。但しRは三角形ABCの外接円の半径。
(4)  PB/PZ=sinA/sinX を示し、r/r'=sinAsinBsinC/(sinXsinYsinZ)を示せ。

以上を解けば命題6,7は解けたことになります。
*********************

 だそうです。今メールを目に通したばかりなので、詳細をよく
自分自身でチェックしていませんが、戸田さんのいうことなら
間違いないでしょう。

         koki-takeda@pop12.odn.ne.jp

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Fri, 19 Nov 1999 00:46:42 +0900 (JST)

高遠@木更津高専です。
飯島先生のメールを読みました。

>デフォルトの機能では,うまく処理できないわけですね。
  maple では geometry というパッケージが入っていますが
  文字変数が入った計算には向いていないようです。
  (私の使っているのは古いバージョンなので最新のはわかりませんが)

>(以前に,論文発表会で拝見した内容なのかもしれませんが。)
  はい、そうです。
  mnr法は、三角形や円の問題を数式処理で解くときにかなり
  有効で、万能ではないにしろ多くの問題がきれいに解けます。
  環円(Steiner環)の問題にも適用した結果を今年の日数教総会
  で報告しました。

>しかし,数学でも「内容の発見」と「定理の証明」を分業でするような
>ケースもあってもいいはずかと思いまして,投稿してみた次第です。
 (この部分は以前のメールから引用しました。)
  まったくその通りだと思います。

>お話からすると,ライブラリの公開等が必要ということになるわけですね。
>公開していただけることはとても嬉しい事ですし,
>他の方々にも使っていただけるチャンスになるかと思います。
  はい、使っていただければ幸いです。

>高遠先生のところでは,気楽に使えるWWWサーバはおありでしょうか。
  外部に開くのには多少手間がかかりそうですし、私もあまりくわしく
  ないので、使うのはちょっと・・・

>もし必要であれば,こちらのサーバを使って頂けるように
>設定をさせていただきます。
  お手数ですが、お願いできますでしょうか。

  maple のソース(テキスト形式、maple で読み込み可能)
  および各変数と関数の説明文

  をお送りします。
  説明文はどの程度のものにすればよいでしょうか。
  また、ソースおよび説明文の手直しの仕方についてお教えください。


*************************************************
  高遠 節夫 (たかとおせつお)
   木更津工業高等専門学校    基礎学系
   〒291 千葉県木更津市清見台東3ー29ー25
       TEL(0438)97−1341 内線291
              E-mail   takato@yourou.kisarazu.ac.jp
=============================================================

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Fri, 19 Nov 1999 18:04:37 +0900

飯島です。

<199911181546.AAA14803@yourou.kisarazu.ac.jp> の、
   "[mathedu] 三角形問題と数式処理" において、
   "takato@yourou.kisarazu.ac.jp (Setsuo Takato)"さんは書きました:

takato> 高遠@木更津高専です。
takato> 飯島先生のメールを読みました。
takato>
takato> >デフォルトの機能では,うまく処理できないわけですね。
takato>   maple では geometry というパッケージが入っていますが
takato>   文字変数が入った計算には向いていないようです。
takato>   (私の使っているのは古いバージョンなので最新のはわかりませんが)
takato>
takato> >(以前に,論文発表会で拝見した内容なのかもしれませんが。)
takato>   はい、そうです。
takato>   mnr法は、三角形や円の問題を数式処理で解くときにかなり
takato>   有効で、万能ではないにしろ多くの問題がきれいに解けます。
takato>   環円(Steiner環)の問題にも適用した結果を今年の日数教総会
takato>   で報告しました。

そういえば,
神戸大学の院生の方だったかな。
作図ツールと数式処理を併用しながら問題解決というような
テーマの研究もありましたね。
その後の展開はどうなんでしょう。

takato> >もし必要であれば,こちらのサーバを使って頂けるように
takato> >設定をさせていただきます。
takato>   お手数ですが、お願いできますでしょうか。
takato>
takato>   maple のソース(テキスト形式、maple で読み込み可能)
takato>   および各変数と関数の説明文
takato>
takato>   をお送りします。
takato>   説明文はどの程度のものにすればよいでしょうか。
takato>   また、ソースおよび説明文の手直しの仕方についてお教えください。

今日は,授業+ゼミで全く時間が取れない状況だったので,また週明けに
作業をしてみます。
「手直し」というのが何を指すのかが分からないのですが,
とりあえずはソース(テキスト形式)と変数等の説明文等のみ
をお送りいただいて,
「どこがどう分からないので説明がほしい」
等のことを,ここでやりとりしながら追加するという手もあるかと思います。

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愛知教育大学  数学教室  飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics

yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/
tel(fax): 0566-26-2329
Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
----------------------------------------------------------

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Fri, 19 Nov 1999 18:07:55 +0900

飯島です。

<002b01bf319d$109b4160$0def5a8f@default> の、
   "[mathedu] Re: " において、
   ""Koki-Takeda" "さんは書きました:

koki-takeda> 竹田です
koki-takeda>
koki-takeda>  湧源クラブという団体に所属していますが、
koki-takeda> そこでのメーリングリストで、戸田アレクシ哲さん
koki-takeda> (東京大学医学部医学科二年生)から、
koki-takeda> 未解決問題についてコメントをもらいました。

こういう広がりで解決されるというのも,ネットワーク的でいいですね。
「こういうこともあるんだよね」とゼミで学生に紹介しました。

koki-takeda> 以下コメント
koki-takeda> **************************
koki-takeda> この問題は僕の持っている初等幾何の問題集に載っています。1997年にフランスで出
koki-takeda> 版された、La geometrie du triangle(直訳すれば、「三角形の幾何学」)、
koki-takeda> Hermann, ISBN2 7056 1429 4です。僕はちょっとした幾何マニアなので、フランス
koki-takeda> に旅行した際に買いました。フランスは初等幾何先進国だけあって、大学生用の初等
koki-takeda> 幾何の本があってうらやましいです。

日本でも,古いものであれば,同様のことが載っているようなものもあるんでしょうか。
いずれにしても,現在では,「商品」にならないから,新しいものではありえない内容
でしょうね。

koki-takeda> さて、証明はここで書くと面倒なので補題の形で誘導を付けるだけにします。
koki-takeda>
koki-takeda> AP,BP,CPと三角形ABCの外接円の交点をX,Y,Zとする。三角形ABCの垂足三角形の外接
koki-takeda> 円の半径、三角形XYZの垂足三角形の外接円の半径をr,r'とする。
koki-takeda>
koki-takeda> (1) 2r=PAsinA/sinD=PBsinB/sinE=PCsinC/sinFを示せ。
koki-takeda> (2) 2r'=PXsinX/sinA=PYsinY/sinB=PZsinZ/sinCを示せ。
koki-takeda> (3) rr'=1/4 |OP^2-R^2|を示せ。但しRは三角形ABCの外接円の半径。
koki-takeda> (4)  PB/PZ=sinA/sinX を示し、r/r'=sinAsinBsinC/(sinXsinYsinZ)を示せ。
koki-takeda>
koki-takeda> 以上を解けば命題6,7は解けたことになります。
koki-takeda> *********************
koki-takeda>
koki-takeda>  だそうです。今メールを目に通したばかりなので、詳細をよく
koki-takeda> 自分自身でチェックしていませんが、戸田さんのいうことなら
koki-takeda> 間違いないでしょう。

私も私なりにチェックしてみようと思います。
戸田さんに,よろしくお伝えください。

ありがとうございました。

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愛知教育大学  数学教室  飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics

yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/
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Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
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Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Fri, 19 Nov 1999 19:54:25 +0900 (JST)

高遠@木更津高専です。

>竹田です
>
> 湧源クラブという団体に所属していますが、
>そこでのメーリングリストで、戸田アレクシ哲さん
>(東京大学医学部医学科二年生)から、
>未解決問題についてコメントをもらいました。
>
>以下コメント
>**************************
>この問題は僕の持っている初等幾何の問題集に載っています。1997年にフランスで出
>版された、La geometrie du triangle(直訳すれば、「三角形の幾何学」)、
>Hermann, ISBN2 7056 1429 4です。僕はちょっとした幾何マニアなので、フランス
>に旅行した際に買いました。フランスは初等幾何先進国だけあって、大学生用の初等
>幾何の本があってうらやましいです。
>
  5年くらい前のA.M.M の論文で、かつては、「三角形幾何」というカテゴリー
  があった、と書いてあったのを読みましたが、フランスでは健在なのでしょう
  か。上記の本に大変興味があります。ほかにもあったらお教えいただきたいの
  ですが。
*************************************************
  高遠 節夫 (たかとおせつお)
   木更津工業高等専門学校    基礎学系
   〒291 千葉県木更津市清見台東3ー29ー25
       TEL(0438)97−1341 内線291
              E-mail   takato@yourou.kisarazu.ac.jp
=============================================================

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Sat, 20 Nov 1999 20:45:31 +0900

宮口@和歌山です。うちの学校には他の数式処理ソフトは入ってないのですが、
Mathematicaはありますので、やってみました。

あまり賢い方法ではなく、手計算の部分をMathematicaにやってもらって、
楽をしたということです。

次のURLに置きましたのでよろしければご覧下さい。

http://www.wcsnet.or.jp/~miyaguti/meidai7/m7.htm

しかし、もっとうまい使い方があると思います。教えて頂ければ幸いです。

∩_∩ ∩_∩ 宮口 祐司  Email: miyaguti@wcsnet.or.jp  ∩_∩ ∩_∩
∩_∩ ∩_∩  HP-URL http://www.wcsnet.or.jp/~miyaguti  ∩_∩ ∩_∩

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Sun, 21 Nov 1999 17:17:43 +0900 (JST)

高遠@木更津高専 です。

飯島先生

>今日は,授業+ゼミで全く時間が取れない状況だったので,また週明けに
作業をしてみます。
  お手数ですが、よろしくお願いします。
  それから、説明文の件ですが、どの程度にしたらよいのか迷っています。
  一応、関数と変数の簡単な説明はすぐにでもメールで送れるのですが、
  それ以外に、拙稿
    日数教 1998.11
    日数教高専部会誌 1998.5
       (こちらの方にはプログラム例を載せてあります)
    プレプリント 「鎖円問題の数式処理的解法」
  から、適当に抜粋したいと思います。
  これらは郵送でお送りしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

宮口先生

>http://www.wcsnet.or.jp/~miyaguti/meidai7/m7.htm
>
  を見ました。
  私はふだん maple を使っていて、mathematica は古いバージョンしか
  持っていないので、詳しいことはわかりませんが、
  手作業で x ->  他を消す部分は、次のようにすればどうでしょうか。

    Simplify[%]    (* Solve した結果を簡単化したところ *)
    %[[1]]      (* 解リストの一番目をとる。Part[%,1] でもよい *)
    {dx,dy} = {x,y} /. %
             (* これで dx, dy に解の値が入る *)

  解リストで {{ }} と2重括弧になるのは、多分  mathematica が
  Solve で複数の解を想定しているからだと思います。

  私の mnr 法も本質的には全く同じ解法なのですが、前にも書いたように
  現在の数式処理は多項式演算に比べて、三角関数などの計算が苦手です。
  たとえば、和を積に直す公式
    Sin[x] + Sin[y]    ==>   2 Sin[(x+y)/2] Cos[(x+y)/2]
  の変形が難しいのです。また、n を整数とするとき
    Sin[1/2 n Pi] + Sin[3/2 n Pi]
  の値は0なのですが、単に Simplify ではいかないと思います。
   (これらについて、どなたかご存知の方は教えて下さい)

  mnr 法は三角形の諸量を多項式で表して計算しようとする方法です。
  もし、興味がおありでしたら、まとめたものの別刷りをお送りします。

*************************************************
  高遠 節夫 (たかとおせつお)
   木更津工業高等専門学校    基礎学系
   〒292-0041 千葉県木更津市清見台東 2-11-1
      TEL(0438)30−4000(代表)
      TEL(0438)30−4063(直通)
              E-mail   takato@yourou.kisarazu.ac.jp
=============================================================

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Mon, 22 Nov 1999 08:24:51 +0900

takato@yourou.kisarazu.ac.jp (Setsuo Takato) さん、こんにちは。宮口@和歌山 です。

        Sun, 21 Nov 1999 17:17:43 +0900 (JST) の
        [mathedu] $B;03Q7ALdBj
        に関するメールにお答えします。

takato> 宮口先生
takato>
takato> >http://www.wcsnet.or.jp/~miyaguti/meidai7/m7.htm
takato> >
takato>   を見ました。
takato>   私はふだん maple を使っていて、mathematica は古いバージョンしか
takato>   持っていないので、詳しいことはわかりませんが、
takato>   手作業で x ->  他を消す部分は、次のようにすればどうでしょうか。
takato>
takato>     Simplify[%]    (* Solve した結果を簡単化したところ *)
takato>     %[[1]]      (* 解リストの一番目をとる。Part[%,1] でもよい *)
takato>     {dx,dy} = {x,y} /. %
takato>              (* これで dx, dy に解の値が入る *)
takato>
takato>   解リストで {{ }} と2重括弧になるのは、多分  mathematica が
takato>   Solve で複数の解を想定しているからだと思います。

早速してみました。 {dx,dy}={x,y}/.Part[Simplify[%],1] とまとめてしましたが、
うまく行きました。うれしいです。どうもありがとうございます。

takato>   私の mnr 法も本質的には全く同じ解法なのですが、前にも書いたように
takato>   現在の数式処理は多項式演算に比べて、三角関数などの計算が苦手です。
takato>   たとえば、和を積に直す公式
takato>     Sin[x] + Sin[y]    ==>   2 Sin[(x+y)/2] Cos[(x+y)/2]
takato>   の変形が難しいのです。また、n を整数とするとき
takato>     Sin[1/2 n Pi] + Sin[3/2 n Pi]
takato>   の値は0なのですが、単に Simplify ではいかないと思います。
takato>    (これらについて、どなたかご存知の方は教えて下さい)
takato>
takato>   mnr 法は三角形の諸量を多項式で表して計算しようとする方法です。
takato>   もし、興味がおありでしたら、まとめたものの別刷りをお送りします。

難しいことは私には分からないのですが、今回の証明には影響ないでしょうか?
この機会にこれからもっとMathematicaの勉強をしたいと思いました。

  miyaguti@ns0.wcsnet.or.jp

Sender: mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp
Date:  Mon, 22 Nov 1999 11:23:56 +0900 (JST)

高遠@木更津高専です

飯島先生の命題について

 幾何学大辞典(岩田至康) 補巻2 No73
にありました。2つの証明法が記載されています。
補巻2の初版は1993年なので、この命題は割合新しいのでは
ないでしょうか。出典についての記述はありませんでした。


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  高遠 節夫 (たかとおせつお)
   木更津工業高等専門学校    基礎学系
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      TEL(0438)30−4063(直通)
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