愛知教育大学 数学教育講座 飯島: [GC Forum][GC ワールド][問題状況・探究]
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離心率による2次曲線の描画



離心率の定義

平面に直線 d と点 F ( d の上にない点) をとるとき,

F からの距離
------------ = e ( e > 0 の定数)
d からの距離

となる点の軌跡は2次曲線になるが,このとき, e を離心率, d を準線, F を焦点という。
また,この方法では,円は得られないが,円の離心率は 0 と定める。


放物線の作図

放物線の作図にもいろいろあるが,「条件を満たす点の集合」として作図する場合は,「離心率が 1 」の場合の作図とみなすことができる。

このときの作図は,次のようになっている。

放物線の作図の概略

  1. 定点 F と,直線 L を作る。(焦点と準線)
  2. 自由に動く点 P を作る。
  3. FPの長さを測定する。
  4. Pと直線 L の距離を測定する。
  5. 数式機能を使って, 二つの測定値の差を作る。
  6. 軌跡の設定で,「変数」の中の「差」をする。
  7. Pをいろいろと動かして,領域を二つの色の部分に分ける。


放物線の作図の一般化

上記の作図を「改良」することを考えてみよう。
放物線の場合には,

焦点との距離
----------- = 1
準線との距離

なので,

(焦点との距離) - (準線との距離) = 0

と見なすことができた。一般には,

焦点との距離
----------- = e (離心率)
準線との距離

なのだから,

(焦点との距離) - e * (準線との距離) = 0

と考えればよい。
ということで,次のような作図を考えることができる。

作図の概略

  1. 定点 F と,直線 L を作る。(焦点と準線)
  2. 自由に動く点 P を作る。
  3. FPの長さを測定する。
  4. Pと直線 L の距離を測定する。
  5. 数式機能を使って, 「 e (離心率) × (準線との距離)」を作る。そして,その際,離心率を,「新しい変数」として,入力する。値は0より大きくしておく。
  6. 数式機能を使って, 二つの測定値の差[(焦点との距離) - e * (準線との距離)]を作る。
  7. 軌跡の設定で,「変数」から選択する。
  8. Pをいろいろと動かして,領域を二つの色の部分に分ける。


e = 0.2 の場合


e = 0.5 の場合


e = 0.7 の場合


e = 1 の場合


e = 2 の場合