GC/Win とネットワーク対応

愛知教育大学 数学教室 飯島康之


概要


0.はじめに

DOS版のGeometric Constructorを開発したときには,ネットワークは一般的ではなかった。数年前でさえそうだった。だから,ソフトも資料もすべてフロッピィや郵送が中心だった。あるいは,部分的には,電話やFAXを使った。
それらにはそれらのよさがある。ネットワークですべてが解決するわけではない。しかし,時代はネットワークに流れている。各種資料に関しては,WWWを通じた情報の提供をしてきたが,Geometric ConstructorをWindows化するにあたって,別の面のネットワーク対応をしてみようということを思い,そして試みている。

1.FD配布の代わりとしてのWWW(FTP)

まず,これまでの経緯をおさらいしておこう。Geometric Constructorの配布はFDが中心であったが,WWWサーバーの稼働に伴って,GC Forumを開設し,そしてソフトのダウンロードが可能になった。FD配布の代わりとして,ネットワークからのダウンロードが可能になったのである。パソコン通信でライブラリに登録するなどの方法もあるだろうが,それはしなかった。WWWサーバーで自前でできるからである。同様のことはFTPサーバーを稼働することによっても可能だが,ここではWWWで行った。

2.印刷物配布の代わりとしてのWWW

同時に,GC Forum の充実を試みた。たとえば,マニュアルの公開やGCワールドの充実などである。これらは,印刷物などとして配布していたものを別の方法で配布することに相当していると言ってもいい。実際,かなりの物は,元々印刷して配布していたものを,WWW化したものである。
なぜ,パソコン通信のライブラリにアップしなかったのかと言えば,一つの理由がここにある。つまり,ソフトのみでなく,その他の資料との関わりで使っていただきたいということである。
このような意味でのWWWは強力である。どんなに文書量が多くても,ほとんど問題にならない。1GBのディスクを一杯にするのには,果たしてどれだけの量がありうるか。
あるいは,100KBのテキストファイルを印刷するときに必要な紙はどれだけだろう。かなりのものである。現在のWWWでは,Jpegファイルが多いが,それでも100MB以上のデータを提供しようというとき,もしそれを「紙」で行うとしたら,...。考えただけでもぞっとする。

3.Geometric Constructorで使えるデータをどう提供するか(1)

さて,次の段階が,ここなのであるが,WWWで見る資料は,ほとんど「紙」に等しいのが現状である。要するに,動かない。Geometric Constructorで取り込めない。そういうデータである。もちろん,これまでも,Geometric Constructorで使うデータはWWWに掲載してきた。たとえば,公開講座に関連するものが
ここにある。
これらを使う場合には,

という作業が必要だった。だが,実はそれほど問題を感じたわけではない。というのも,Geometric Constructor自体がDOS版であり,DOSというのは,ネットワークとはほとんど無縁の存在であり,しかも,そういう図を作るという作業自体,それほど難しいものではないからだ。
だが,Win95では,基本的にネットワークに繋がっていると思ってもおかしくない。そして,ソフトをWin95/NT対応にするに際しては,配慮してもいいよね,ということになる。
ま,そういう経緯である。


4.Geometric Constructorで使えるデータをどう提供するか(2)

さて,「ネットワーク対応」で何をしたいのか,第一の目標はこういうことである。


5.Geometric Constructorにおける二つの対処

さて,このような要求に対して,Geometric Constructorでは,次の二つの対処を考えた。
詳しいことは,それぞれのリンク先のページで。