3円交線の証明(震源地)



問題

3つの円がある。
それぞれの2つずつの円に注目し,交点を通る直線を引いてみるとそれらの3つの直線が一点で交わることを証明せよ。


アイデア

3つの点A,B,Cは,地震の観測点と考える。そして,震源地探しをする状況を考える。


地震の発生と観測される時刻の違い

たとえば,地中の点 P を中心として地震があったとします。
すると,観測地点 A,B,Cのそれぞれで,違う時刻に地震を感じるはずです。
私は詳しいことは知りませんが,P波とS波の速さの違いから生じる「初期微動」の長さによって,震源地からの距離を知ることができるはずです。
つまり,観測値を基にして,それぞれの地点は震源地からどれくらいの距離にあるかを知ることができるはずです。

「Aを中心とする円」の解釈

たとえば,観測地点 A で,「震源地から 10 km」ということが分かったとします。
すると, 震源地の位置は,観測地点 A を中心とした「半径 10kmの『球』」になるはずです。そして,その球と地表との交わりが,地表での「円」として描かれるはずです。
問題の中で与えられた円は,その円であると考えることにしましょう。



2円の交点を通る直線の解釈

さて,観測地点が2つあるとします。すると,二つのデータから,2つの球が得られ,二つの球の交わりの部分が,震源地の可能性になります。
この「交わりの部分」というのは,二つの球の交わりですから,「円」になります。しかも,二つの観測地点は地表にあるのですから,この円は,地面に対して垂直にある円となります。そして,地表はこの円の中心を通って分断するわけですから,
震源地は,地表上の2点を結ぶ線分を直径とするような半円周上にある
が分かります。
つまり,図で描くと,


3円は3球の切断面

さて,このように考えると,次はどうなるでしょう。
そう,3つの観測地点があったら,3つの球ができますね。
3つの球の交わりはどうなるでしょう。

ちょっと図がうまく描けないので,それをここに披露するのは勘弁してください。
(誰かスケッチを描いてくれないかなあ)

しかし,想像してみましょう。上図のように,二つの球がくっついているところに,もう一つ球を追加するのです。2つの球の交わりは円ですから,円と球との交わり,つまり2点が必ず,震源地の候補として浮上するのです。しかも,それは地上と地下に地面に対称に現れますから,地中の震源地は「1点」になるわけです。

3円と3線の解釈

まず,上のことから,3つの円が交わるような配置での3円に関しては,かならず,震源地が存在することが分かりました。つまり,
「3つ円を大円とする3つの球を考える。それらはかならず地下の1点(Pとする)において交わる。」

すると,次の図は,次のように考えることができます。