数学で扱う図形は, 「特別な形」,「動かない形」ではありません。 「平行四辺形の対辺の長さは等しい」というのは, 「どんな平行四辺形であっても」ということを主張したいわけであり, 教科書に描いてある図形は「代表的なもの」であり, それを通して, 「どんな平行四辺形についても成り立つこと」を学んでほしいと思っているわけです。 ここでは, 様々な条件を満たす図形を説明なしに並べてみました。 それぞれが特殊な場合としての正三角形や正方形のような場合として並べられていますから,一見するだけでは, どのような形か分かりません。 動かしてみることによって, それらがどんな条件を満たす図形なのかを調べてみよう。 そういう問題です。 このような種類の問題は, 図形が動かせない形として提示される場合には, 質問として成立しません。つまり, 作図ツールなどを使うことによって初めて成り立つ問題ということができるでしょう。 なお, 作図するときには, 意図を持って作図していますから, 「これはこういう図形だということを見抜くのは簡単だろう」と思ったりするのですが, それを忘れてから観察してみると, モノによってはかなり難しいものもあります。 |