NT(Server)によるサーバー運営
数学教室 飯島康之
[95][WindowsNT(Server)][WindowsNT(Wrokstation)]
概要
利用した機器
- 数学コンピュータ室:FMV6200D8,メモリ:64M
- 飯島研究室:FMV5133D6,メモリ48M
インストール
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最初は簡単だった。
FMV6200D8は,Win95がインストールしてあるマシンだった。購入価格は235000円程度。PentiumProでこの程度だから,安くなったと言っていいと思う。
NTのインストーラでインストールしたら,特に問題なくインストールできた。インストールするとしたらこの辺に注意という部分を挙げておきたい。
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Domainについて
プライマリにするか,バックアップ(セカンダリ)にするか,スタンドアロンにするかを決めておく必要がある。ここでは,プライマリにした。
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Administratorのパスワード
これも,事前に考えておく方がいいだろう。その場で思いつきを使うと,忘れてしまいやすいと思う。
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TCP/IP関係
実は,ここでミスをしていた。これがDNS関係の設定に悪影響を及ぼしたのかもしれない。センターの用紙をきちんと確認し,きちんと入力することが必要だ。ちなみに,このときは,
- Domain名を,aichi-edu.a.cjpなどというタイプミスをした。
- サブネットマスクをデフォルトのままで,「255.255.0.0」にした。
というミスをした。(誰だっけ。これ入力したのは)
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ドメインユーザーマネージャー
次に,ゼミの全員で確認しながら作業したのは,ドメインユーザーマネージャーだ。
Administratorのパスワードを共有するのはまずい。NTの「ユーザー管理」をそのままきちんとするには,最初にまずこの作業をするのがいいと思う。
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DNSサーバーでこける
- 最初のインストールとエラー発生
最初のインストール作業はスムーズに行った。ところが,DNSマネージャーでゾーンとして,「auemath.aichi-edu.ac.jp」を作成し,ホスト名を追加すると,PTRレコードがうまく作成できない。「逆引き...ができない」というようなエラーが生じる。その時点で,TCP/IP関係での設定が「a.cjp」と間違っていることに気づいた。
- 設定を直してもうまくいかない
そこで,TCP/IP関係のプロパティを修正した。サブネットマスクの異常にも同時に気づいたので,そこも修正した。しかし,DNSマネージャーでのエラー発生状況は同様である。
- DNSサーバーの再インストール
そこで, DNSサーバーを削除し,再インストールすることにした。ところが,今度はDNSサーバーのサービスが,「必要なファイルがありません」というようなエラーによって,稼働しないのである。...困った。
こういうとき,たとえばWindows95やDOSなどであれば,気楽に
最初からインストールしなおそうぜ
ということになる。果たして,NTでも,そういう気楽さは通用するんだろうか。
DNSサーバーでのミスを思うと,なんだか気が重くなる。
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NTの再インストール
- 修復インストール
まずは, NTの修復インストールをしてみた。すると,いくつかのオリジナルファイルがないことが分かった。しかし,結果的には, DNSに関する設定はうまくいかないままだった。つまり,DNSサービスが稼働しないままなのだ。
- 別のコピーをインストール
そこで,仕方がないので,NTを再び新規にインストールした。WINNT2というディレクトリィを設定し,そこに新たにインストールしたのである。結果的には,一つのPCに,二つのNTがインストールされたことになる。電源を入れると,「NT Server」が2つと「NT Server (VGA)」が二つ。そして,「Windows」が一つ表示され,かっこ悪いことこの上ないが,よくもわるくも,NTでは,そういう仕様になっているらしい。OS Loaderでの選択肢を削除することができるといいのだが。(きっとできるんだろう)
今回は次の点が前回と異なった。
- ネットワークボードが自動認識された。
前回は,手動で認識したと思う。そのときに認識した名前が違っていたような気がする。前回は,「Fujitsu FMV-...」で,今回は,「Intel ...」だと思う。
- 最初から,必要なサービスは追加。
前回は,後からDNSサービスを追加した。今回は,最初に,DNSもIISも追加した。
- DNSに関しては,別の事情が分かった。
さて,今回は正常に動作した。前回の当初と同様に,DNSサービスもうまく動いている。しかし,DNSマネージャを使ってみると,前回と同様に, PTRレコードの追加において,エラーが生じる。「逆引き...ができない」というエラーだ。しかし,ここで,今回はちょっと冷静に,ヘルプ等を調べてみた。あまり詳しい記述はないのだが,どうも,DNSサービスを稼働した後で,マネージャを稼働する前に,上流のDNSサーバーで設定をしておくことが必要になるようだ。それでうまくいくのかどうか,まだ分からないが,正規の「auemath.aichi-edu.ac.jp」に関しては,うまく動作してくれていないと困るので,たとえば,「math.aichi-edu.ac.jp」のような名前を登録して,動作するのかどうか等を確認してから,「auemath.aichi-edu.ac.jp」をこちらに移行する方がいいような気がする。
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その後
上記に書いたような事情を抱え,いろいろと相談し,また実験してみたのだが,結局,「逆引き」関係の問題は解消できなかった。NT関係の資料をいろいろと調べてみたわけではないので,手順に問題があった可能性も否定できないが, もしそうだとすると,通常購入する程度の資料では分からないというのは,おかしなものである。
また,別の事情も分かって来た。数学教室のコンピュータ室が所属するサブネットは,数学教室だけが所属するのではなく,他の教室・選修も関わるため, サブセット全体に関して,プライマリサーバーとして設定することはできないことなどの問題があるらしい。
いずれにしても, DNSは,グローバルに動作するものでなければいけない。自分のDNSに参照にいくだけなくば問題はないが,他のDNSに参照にいったとき, 解消できないというようなことでは,何のためのDNSか,そして何のための分散化なのか分からなくなる。そのようなことかは,少なくとも,今回は,DNSの設定は,情報処理センターの機器の方で設定してもらうことにして,数学教室のNTでは,扱わないことにした。今後の課題である。
DNS
上記のように,現状では,DNSの設定は,情報処理センターの方にお願いしている。
IIS
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標準機能としてのIIS
Web,FTP,Gopher などの標準機能として NT Server には IIS 2.0 が添付されている。そして, Service Pack 3 では, IIS 3.0 や Index Server などが添付されている。NT によるもっともお手軽で標準的な情報発信の形態である。
標準とは言っても,何もしなければ,やはり稼働しない。インストール時あるいは,その後に, 「サービス」の追加で,「IIS」を選択する必要がある。
しかし,それさえしておけば,後は,適当に設定しながら進めて言っても,特に問題なく動く。
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Index Server
Index Serverというのは,そのサイト内の全文書に対するキーワード検索機能を提供するアプリケーションである。これは, Serverでも, Workstationでも稼働するらしい。使ってみて驚いたのは,その速さである。現在の数学教室のデータ量は全部で100Mほどあるが, 大した時間もかからずに, データベースを構築してしまったようだ。そして,その後は,必要な部分のデータのみを更新しながら検索要求に対して応えて行くらしい。内容の全容を知らない人にとってのみならず, 「こういう資料があったと思うのだが,一体どこにあったろう」と思うようなときにもかなり便利なアプリであり,こうこう機能がいろいろなサイトで標準で装備されると便利である。
メール
資料の倉光氏の資料がとても役に立った。EMWACのIMSが,フリーで提供されているのだが,それを利用することによって,手軽にメールサーバーを立ち上げることができる。この資料から推察するに, ソフトを入手して,適当にインストールするだけではいくつかのことが不足し,うまく稼働しないようだ。ポイントとしては,次のことが挙げられる。
また,次のことが不可欠。
- DNSで, MXレコードを設定すること。これは,DNSを自前で稼働していれば自分でできるが,そうでない場合は,情報処理センターにお願いすることが必要になる。
- NTのユーザーグループとして,「バッチジョブとしてログイン」の権利を持つグループを作ること。
この権利をユーザーに付与しておかないと,メーラーなどでメールサーバーにアクセスすることができない。
- 当たり前のことだが,24時間マシンを稼働すること。
なお,基本的にはWSのときと一緒で,こっちに記述してあることは,そのまま通用する。
Mailing List
EMWACSのIMSで,「Alias」機能と「List」機能がある。Aliasは一つのアドレスに対する転送機能で, Listは,実質的には,複数のアドレスに対するAlias機能程度のことしかしてくれない。つまり, UNIXでよく稼働しているMailing Listで行われている次のような細かい設定はできない。
パスワードによるアクセス制御
教官向けのページを作ることにした。
最初は,95マシンの方で,パスワード付きにして暫定的に作ったのだが,問題が生じた。
同じサブネットの中でないとアクセスできないということと,やはり,セキュリティ的にいい加減ということだ。
そこで,NTにそういうページを作り,アクセス制御を行った。
- teacherというグループを作った。そして,その後,このグループに,「ローカルログオン」の権利を与えてみた。この権利を与える前は,アクセスができなかった。
- 教官全員のユーザー登録を行い,Domain Userと teacherのグループにした。
- ftprootの下に,○○というディレクトリィを作った。
- ○○というディレクトリィ以下のセキュリティを「teacher」のみ「フルアクセス」にした。もちろん,「everyone」は削除した。
- WWWのエイリアスとして,「InetPub/ftproot」を「/member」とした。この結果,WWWでアクセスするときには,「http://auemath.aichi-edu.ac.jp/member/○○」ということになる。
- NTエクスプローラで,上記のディレクトリィの「共有」を行い,アクセスの権利を同様に設定した。これによって,Microsoft Network 機能によってアクセスすることも可能になった。
資料
- NTに添付のマニュアル
- NTのCD-ROM
- ネットワーク管理向けのマニュアル
- Windows NT 4.0実践導入ガイド,Super ASCIIムック #9
- 倉光君郎「手作りPCとNT Serverによるスモールオフィス・ホームオフィスの作り方」,Try PC,97/4〜,CQ出版社
- マイクロソフト