情報化のために
- はじめに -
愛知教育大学数学教室 飯島康之
変わりつつある社会
社会のいたるところで情報化が進んでいます。そして,それは私たちも無縁ではありません。たとえば,次のようなことが進展しています。
- 研究情報・就職情報および,各種の情報の検索・照会,また仲間との情報交換がネットワーク上に移行している。
- 数学の中でも,コンピュータ等による実験を並行して行うような研究も増えているし,他の分野で情報化を行う上で,様々な数学的定式化を行う場面も増えている。
- 学内の事務処理・文部省を含め,行政等の情報公開および連絡・照会などもネットワーク上に移行しつつある。
- 小・中・高校をはじめ,様々な学校にネットワークが導入され,私たちの役割も,教員「養成」だけでなく,日常的に,「使っていただけるための情報発信」あるいは,「ナビゲート」等も必要になりつつある。
- 同時に,それらは,教育研究・実践との結びつきのあり方等を変える可能性もある。
私たちにとって必要なこと
これらの点を踏まえると,次のようなことの必要性が出てきます。
- 教官・事務官・院生・学生が日常的にネットワークを使える環境を整備する
- コンピュータやネットワークを利用して,我々の研究生活・事務処理・学生生活を充実する
- ネットワークを使った「具体的な行動」と「一般的な行動規範」等を明らかにし,共有可能なものは共有する
インフラの整備
- 幹線・支線・対外接続までは大学側が設置・管理・運営しています。
- 支線から先の機器(トランシーバ,ハブ,ケーブル,多くの端末)は数学教室あるいは各教官が設置・管理・運営しています。
- 学生向けの端末は,情報処理センターの機器の他,何台かはコンピュータ室に数学教室が用意しています。
- しかし,それでは足りませんが,それ以上は教室予算では買えません。
- 今後の流れとしては,大学・教室で情報コンセントまでを用意し,学生は自分で購入したパソコンをそこにつないで使えるようにすることになります。(遅くても平成12年度からは)
- 教官・学生等が自宅からもアクセスしたい場合には,情報処理センターに ppp 接続することができます。(なお,刈谷市内以外からの場合は,プロバイダと契約した方が安いかもしれません)
モノを揃えればおしまいではない
さて,情報化が難しいのは,「モノ」を揃えれば,それでほとんど解消されるというわけではないところです。むしろ,それは前提程度にすぎません。それを使う構成員がどういうことについてどういう行動をするか。そういうものの集大成が,私たち自身が作る情報化社会そのものであって,そういう社会をどう作るかが重要なのです。