5/14のレポート


Date: Sun, 17 May 1998 15:49:43 +0900 (JST)
From: Shingo Nakano <s930339@auecc.aichi-edu.ac.jp>
Subject: 「変形」についての考察 
Sender: iijima-report-request@math-ntserver.auemath.aichi-edu.ac.jp

 「変形」とは、「与えられた教材の一部(または全部)の条件を変えること」で
あり、ある教材の性質や定理を発見したり、その性質や定理をより一般的に理解し
たり、生徒の授業へのやる気・好奇心を高めるときなどに用いる手段である。その
プロセスとしては、次の2種類のものに分けることができると考えられる。
 1つめは、まず子どもに教材を与えただけの状態からはじめ、その教材をいろい
ろと変形させてみることを通して、その性質や定理などを導く。そして、成り立つ
性質や定理がすでに分かっている教材を、さらに変形させ、「変えても成り立つ条
件」・「変えたら成り立たなくなる条件」を見つけ、どのようなときに成り立つの
かを、一般的に理解できるようにする。すなわち、はじめの教材のみの、一意的な
理解を避ける、というものである。
 2つめは、子どもに教材を与えたら、変形を通して子どもが気付いたことを、と
りあえず箇条書きでどんどん羅列し、それをまとめるのは一番最後(次の機会)に
まわす、というものである。
 この際に注意すべきことは、「単元の内容と大きくかけ離れた発見を否定しない」
ということである。子どもがせっかく気付いたことを否定すると、変形に対する好
奇心・やる気がなくなってしまうので、たとえ単元の内容と関連がなくても、その
発見に何らかの肯定をするべきである。1つめのプロセスでは、不要な意見を排除
しがちであるので、特に注意する。
 次に注意すべきことは、変形の程度があまりにも小さいと、気付くことが少ない
ので、そのような子どもに対しては、もっと大きく変形することを促すということ
である。1つめのプロセスで、教材をさらに変形する際には特に、「成り立つ」条
件だけでなく、「成り立たない」条件を知ることは大切なので、注意する。逆に、
変形が大きすぎて、「成り立たない」条件しか見いだせない子どもにも注意する。
 また、2つめのプロセスにおいて、変形の自由度が大きすぎてとまどう子どもに
は、ある程度範囲を絞ってやり、気づけることがなくなってきて、だらけてきた子
どもには、新しい考え方を提起してやる、などの、子どものやる気を喚起するよう
な支援も、「変形」を扱う授業では重要である。
同様に、1つめのプロセスで、子どもに気づいて欲しいことが、なかなか子どもか
らでてこないときも、授業として中だるみしてくるので、そのような場合には、随
時ヒントを出していくことが重要である。


Date: Tue, 26 May 1998 10:33:51 +0900 (JST)
From: Kentaroh Hatano <s940330@auecc.aichi-edu.ac.jp>
Subject: 5/14 分課題(変形について) 
Sender: iijima-report-request@math-ntserver.auemath.aichi-edu.ac.jp

 まず「変形」とは何かについて書きます。「変形」は、当たり前なのですが、簡
単に言ってしまえば「内容はそのままにして形だけを変えること」だと思います。
例えば、「四角中点」の問題の場合、ある四角形に対して、その各辺の中点を結ん
で四角形を作るという「内容」を保ちながら、最初のある四角形の頂点の位置を変
えたり、辺の長さを変えたり、角度を変えたりすることだと思います。図形に関す
る場合、もう少し一般的に言えば、問題に与えられている条件を満たしながら、図
形のいろいろな要素の大小、長短を変えることだと思います。「変形」は図形に限
らず、「式変形」などもありますが、そこまで一般的に考えれば、結局、「内容は
そのままにして形だけを変えること」ということになると思います。
 次に、「変形」に関連する様々な事柄について書きます。「変形」をするときに、
それを観察するわけですが、ただ漠然と観察するだけでは、その観察の結果も漠然
としたものになってしまうと思います。うまく言えないのですが、計画的に観察す
る必要があると思います。それから、観察において最も基本的かつ重要であるのは、
「何が変わると何が変わって何が変わらないか」ということだと思います。例えば、
「四角中点」の問題の場合、外の四角形が、一般の四角形、長方形、ひし形とする
と、中の四角形はそれぞれ平行四辺形、ひし形、長方形になると思いますが、この
とき「外の四角形の性質が変わると、中の四角形の性質はどう変わるか」について
観察するべきで、またそうするはずだと思います。さらに、ここでは外の四角形と
中の四角形、一般には「何」と「何」の間に一種の対応のようなものができていて、
その対応について考察していくことが必要であると思います。
 最初に「変形」について書いたときに、「与えられている条件を満たしながら」
としましたが、図形に関しては一般化、特殊化をすることも重要であるので、「条
件をはみ出す」ことも必要なのかもしれません。四角中点を自分が調べるとしたら、
頂点の動かし方によっては、相当変わった図形も出てくると思います。自分でも矛
盾していてよくわからなくなってしまいましたが、真の「変形」はむしろ今述べた
方のことなのかもしれません。
                            波多野賢太郎


Date: Tue, 26 May 1998 12:56:39 +0900 (JST)
From: Mamoru Furuhata <s940332@auecc.aichi-edu.ac.jp>
Subject: 数学教育方法論 I
Sender: iijima-report-request@math-ntserver.auemath.aichi-edu.ac.jp

  5月14日分のレポートに関して具体例をあげます。

  △ABCでAB=BCのとき、辺BC上の点PからAB,ACへ垂線PH,PKをひく。PH=x,PK=yと
おくとき、Pが辺BC 上のどこにあってもx+yは一定であることを示せ。

 この問いについて、Pが辺BCの延長上にあるときは、|x−y|が一定となる。
 また、

 星形の頂角について、その頂点をA,B,C,D,Eとするとき、∠A,∠B,∠C,∠D,∠Eの
和はどうなるか。  

 この問いについては、頂点をどのように動かしても頂角の和は変わらない。
 どちらの問いについてもツールを用いて問題から何か性質を見つけ、そしてその
性質が数学的に成り立つかどうかを論証問題として行えば、ツールと論証の良い意
味での「共存」がなされると思う。


Date: Tue, 26 May 1998 16:30:58 +0900
Subject: 数学教育方法論1 レポート(5/14出題分)
From: s940862@auecc.aichi-edu.ac.jp (Kiyoshi Kawaguchi)
Sender: iijima-report-request@math-ntserver.auemath.aichi-edu.ac.jp


川口@情報科学専修領域 です。

1.キーボードのみでの利用について

  Windows アプリケーションでは、基本的にマウスで操作を行なうため、キーボード
操作を意識して作成する必要はあまりないと思う。ただし、キーボード操作ができる
ように作成するにこしたことはない。

2.DOS版とのデータおよび操作の互換性について

  データの再利用を考えると、データの互換性は持たせたほうがよい。
  操作の互換性についてはどちらでもよいが、できればそのOSにあった操作法を考
慮するべきである。

3.GC と Sketchpad との比較

  「四角形のそれぞれの辺の中点を結ぶ」という操作は以下のように行なえばよい。
  ただし、もっと簡単な方法があるのかもしれないが...
  #は私の感想。

● GC の場合

	#何もできない。何をしてよいのか分からない 
 (1) 「ファイル」→「新規作成」を選択する
 (2) 4点を適当にとる[点の配置はクリック]
 (3) 任意の位置で右クリックをする
	#こうしないと、上部のメニューを選択することが出来ない
 (4) 「作図」→「線分」→「2点を結ぶ線分」を選択する
     4つの点で、始点をダブルクリック→終点をダブルクリック
     ※4回行なう
	#前にも述べたことだが、ダブルクリックでないと選択できない
 (5) 「作図」→「点」→「分点」→「n等分」を選択する
 (6) 始点をダブルクリック→終点をダブルクリック→「2」を入力する
     ※4回行なう
 (7) 4つの中点で、始点をダブルクリック→終点をダブルクリック
     ※4回行なう

● Sketchpad の場合

	#起動と同時に新規作成がされているようだ
 (1) 「・」を選択する
 (2) 4点を適当にとる[点の配置はクリック]
 (3) 「/」を選択する
 (4) 4つの点で、始点の位置で押す → ドラッグ → 終点の位置ではなす
     ※4回行なう
	#Windowsのペイントでの線描写と同じ方法であるのでわかりやすい
 (5) 「↑」を選択する
 (6) 各辺を選択して、「construct」→「Point at Midpoint」
     ※4回行なう
	#メニューが英語だったのでちょっとわからなかった
 (7) 「/」を選択する
 (8) 4つの中点で、始点の位置で押す → ドラッグ → 終点の位置ではなす
     ※4回行なう

感想:
  GCとSketchpadとの大きな違いとして、例えば「現在、点を描く状態」や「現在、線を描く状態」といったような状態が把握しやすいかどうかがある。Sketchpadでは、状態は左端を見れば一目瞭然であるが、GCでは左下にちょっと書かれている程度なのでわかりづらい。もっと状態を把握しやすくするべきだと思う。
  あと、GCで気になったことは、まちがった操作を行なうとアプリケーションが強制終了してしまうことである。ユーザにとっては、突然の強制終了は非常にむかつくものである。エラー処理をもっと柔軟にすべきである。



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  川口 清志 (Kiyoshi KAWAGUCHI)

  愛知教育大学 大学院 教育学研究科 数学教育専攻 情報科学専修領域 1年
  Email : s940862@auecc.aichi-edu.ac.jp


Subject: 数学教育方法論I課題提出
From: Shigeya Sasane ( 笹根 成哉 ) <sm98070@auecc.aichi-edu.ac.jp>
Date: Tue, 26 May 1998 16:41:34 +0900
Original-sender: "Shigeya Sasane" <sasane@auecc.aichi-edu.ac.jp>
Sender: iijima-report-request@math-ntserver.auemath.aichi-edu.ac.jp

笹根@情報です。

課題を提出します。
ちょっと、悩みましたが。。。

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| Shigeya Sasane                                       |
|                                                      |
|    Aichi University of Education                     |
|       Department of Information and Computer Science |
|                                                      | 
|    E-Mail sm98070@auecc.aichi-edu.ac.jp              |
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「10分程度の練習で行うExcelの数学教育の適用について」

もし、実践的に考えるのならば、
Excelにしろ、他のソフトを使用するにしろ、
教育で用いるソフトは以下の条件を満たさなくてはならない。
・ 従来と異なり有益性があること
・ 生徒にとって使い勝手がよいこと
・ フォローする現場の教師にとって、負担をなるべく抑えること

いま、10分程度の練習で覚えられることと言えば、
表をつくって、図を描くこと程度であろう。
その場合、従来の様に、グラフ用紙にグラフを描くことと、
どれだけ有益性があるだろうか?

毎日、数学教育でExcelを用いながら、
少しづつ高度なことをしていくと言う考え方もある。
しかし、Excelでできるのは関数分野であり、
図形等では適用できない。
つまり、カリキュラムによって、Excelの使用を中断し、
また再開しなくてはならない。
再開した時には、Excelの使用方法について、
ある程度戻らなくてはならないが、
その場合の現場の教師の負担は決して小さくない。

数学教育ではなく、
情報教育において、Excelの操作方法を習わせることが考えられる。
確かに、Excel等の表計算ソフトについて、
使用方法については、他の表計算ソフトも基本的な操作方法は同じであるが、
異なる部分は当然ある。
今後Windows等のOS環境が大きく変化したら、操作方法もその影響を受ける。
すなわち、情報教育において、Excelという現在のソフトで、
将来どうなるかわからないソフトの操作方法を教えること自体問題かもしれない。

もし、あくまで生徒一人一人がコンピュータを操作する形態で、
Excelを用いた数学教育を目指すのであれば、
生徒に対する操作性や現場の教師の授業中の負担を考えれば、
マクロ等でインタフェイスをカスタマイズするのが最善と思う。
ただし、マクロ等でのカスタマイズは、現場の教師一人一人が行うのは、
授業前の準備での負担が大きい。
したがって、その部分は業者に委託することになろう。
当然、その場合は、コストの問題が出て来て、おいそれと実行は難しくなる。

上記のことから、やはり、教師がコンピュータを操作し、
その操作画面を生徒に見せる形態が、一番現実的と思うのだ。
その上での、画面や授業の進め方を議論すべきと思う。

もし、対象となるソフトが、Excelでなく、コンピュータソフト一般であるなら、
「生徒全員がこのソフトについて、基本的な操作方法は習得している」
との仮定をいれても、場合によっては、許されるかも知れない。
しかし、対象はExcelだ。現在のソフトであり、
将来は現在のようにポピュラーなソフトであるのかどうか分からないソフトだ。
ならば、現在の教育現場を考慮して、
どのように適用したら良いのかを議論すべきであり、
それを無視した議論は、全く役に立たないし、意味がないと思う。

From: "Takashi Wada" 
Subject: 5/28 Report
Date: Tue, 26 May 1998 23:05:04 +0900
Sender: iijima-report-request@math-ntserver.auemath.aichi-edu.ac.jp

●「キーボードのみでも使えるように」というのが、私の希望なのだが、
 それはどう思うか。

私も、ソフトウェアを評価する際に、キーボードによる操作性は重要であると
思います。
キーボードによる操作は、マウスなどのポインティングデバイスと比較して、
慣れれば操作が的確に行えます。これは、 Windows 環境においても同じことです。

しかし、マウスなどのポインティングデバイスによる操作の方が
とっつきやすいのも事実です。
このことは、ソフトウェアの習熟に充分時間をかけることが困難な
教育用ソフトウェアにおいて、特に重要です。
又、マウスなどのポインティングデバイスがあっての Windows ですから、
マウスによる操作性を犠牲にしてまで、キーボードによる操作に固執するのは
得策ではないと思います。


● DOS 版のソフトとのデータ互換性/操作互換性を求めるのが、
 私の希望なのだが、それはどう思うか(もちろん、DOS版を修正する手もある)。

長い期間に渡って使われるソフトウェアにおいては、データや操作の互換性が
重要となってきます。現在の著名なソフトウェアを見ても、互換性には深い
配慮がなされています。これらの例として、 DOS 版以来、一太郎では
[ESC] メニューが健在ですし、1-2-3 98 にも [/](スラッシュ)メニューが
あるそうです。これらは、古くからのユーザーの便宜を考えた結果と言えます。

しかし、生徒が使用する教育用ソフトウェアの場合、学習の過程で一時的に
使用するという形になると思います。
生徒が古くからのユーザーである可能性は少ないでしょう。
生徒の立場で考えれば、操作互換性は余り問題ではないと思います。
教える先生の側から考えれば、操作互換性は生徒の場合より重要となるかも
知れませんが、生徒にとっての操作性を犠牲にしては本末転倒です。
又、互換性を重視するなら、一太郎や 1-2-3 のような著名ソフトウェアのように
従来の操作方法を残しつつ、新しい洗練された操作方法も別に用意する方法も
考えられます。

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和田 隆司  |愛知教育大学大学院 情報科学専修領域
わだ たかし |E-mail: s930946@auecc.aichi-edu.ac.jp
       |        twada@walter.ics.aichi-edu.ac.jp