GCを使った「外心」を求めるための指導

2点を通る円に注目

田上雄一(熊本大学大学院[1996.7.25])


〔展開〕

(1)あらかじめ、3点A,B,Cの座標を決めておく。 (2)B,Cを固定して、Aを自由に動くようにした△ABCを考え、△ABC   の外接円を描く。  @△ABCが2等辺三角形となるようにAを動かし、その時の外接円の軌跡を   描かせる。(図1) A△ABCが不等辺三角形となるようにAを動かし、その時の外接円の軌跡を   描かせる。(図2)→美しい図ができるので生徒は感動! B軌跡がどんな図形になるか考えさせる。 →BCを通る円の集合であるが、その特徴を考えさせる。ある点に注目すれ    ば・・・その動きが分かるのでは? (3)(2)と同様にして、今度は△ABCの外接円の中心Pの軌跡を描かせる。  @△ABCが2等辺三角形の時の外接円の中心Pの軌跡を描かせる。(図3) A△ABCが不等辺三角形の時の外接円の中心Pの軌跡を描かせる。 →Pが一直線上にきれいに並ぶことに生徒は驚く。  B軌跡がどんな図形になるか考えさせる。   →Aをどのように動かしても、軌跡の図形が直線上にBCの垂直2等分線に    なることを発見させる。(Aを縦に動かしたものが図4、横に動かしたも    のが図5) (4)中心Pの軌跡が、BCの垂直2等分線になることを証明させる。 (ヒントとして補助線PB,PCをひかせる。) (図6) (5)Aを元の座標の位置に戻し、今度はABを固定しCを自由に動かして、同   様の作業をさせる。BCの垂直2等分線と、ABの垂直2等分線の交点をH   とする。 (6)最後にACの垂直2等分線を引き、それがHを通ることを画面で示す。 (7)結局、このHが△ABCの外接円の中心であった。この点に名前を付けて    授業終わり。

〔作者より〕

GCのすばらしい機能をつかって、任意の外接円の中心が 1直線上に並ぶことを見せようと思いました。 そのために、あえて円の軌跡を描かせてみました。美しい図を見て、 結論を予想してくれる生徒がいてくれれば幸せです。なお、図1〜6は後日掲載します。