数学教育と情報化
教師の視点から>

人脈を広げる

ネットワークが最も基本的に有効なのは, この「人脈を広げる」ということでしょう。
我々が他の人と接する機会は, 地域的な制約, 時間的な制約によってかなり制限されています。特に,夜遅くまで学校にいるのが当たり前の地域ではなおさらであり, その学校以外の型と接点を持つ機会さえ少ないのではないでしょうか。

メール/携帯

携帯電話と電子メールは, 我々の情報インフラを一新させてしまいました。
(私は携帯電話は使っていませんが)
仕事の上での効用を考えてみると, 携帯は危機管理体制を高めてくれます。一方, メール(特にPCを中心とするメール)は, Web上の様々なリソースへの「リンク」も一緒に提供することも含めて,膨大な情報源やネット上の試みと結びついた形での膨大なコミュニケーションを非常にローコストで実現してくれています。
もちろん, 個人メールも重要です。しかし, 「情報化」というときには, 次に示すメーリングリストの方が重要性が高いと言えるでしょう。

メーリングリスト

「メーリングリストとは何か」については, ここでは述べません。しかし, 少ないとも明確なのは, 興味・関心が共通する人々が, たとえ地域・時間の支障があるとしても, それを越えて, コミュニケーションをすることができるということです。
(100人が参加し, 毎日5つのメールが届くとすれば, 同様のことをハガキで行うとしても, 50円×100×5 = 25000円 が毎日かかります。メーリングリストの運用はほぼ無料で行えるわけで, いかにローコストかつ迅速かが分かるでしょう。)

(1) 職場

職場ならば, 会議をすればいい。それも一つの方法です。しかし, たとえば20人いるとして, 1時間を会議に費やすとすると, のべ20時間を費やしていることになります。20×平均時給の経費がかかっているとも言えます。「それだけの経費を投資するだけの価値ある議論をしているのか」は考えた方がいいことだと思います。
会議の中で議論しなければならないことはすべきです。しかし, メールのやりとり等で済ますことができるような定型的なことであれば, 「見る側」の時間をかなり削減することができるかもしれません。「お決まりのことの報告」の時間が減れば,同じ会議でも, もっと本質的なことの議論をすることができるかもしれません。

(2) 複数の職場に関わるプロジェクト

たとえば, 私は2003年現在,いくつかの仕事に関わっています。その一つは学力向上フロンティア事業というもので, 2002年には愛知県内で関連する学校は19校。2003年には37校でした。2002年でのやりとりは, 基本的に電話,FAX,郵便,会議でした。メールも使いましたが, 個人メールなので, 電話と基本的に変わりません。つまり, 1対1を基本とするものです。全体で集まるような会議は時間と経費がかかるので, 数回しかできません。また, 直接それぞれの学校とやりとりをする場合も, すべて個別になりますから, (もっとも, 学力向上の問題は, 学校ごとの事情に依存することが大きいので, 基本的に個別になりやすい。)たとえ内容が同じであったとしても, それぞれの学校と別々のやりとりをしていると, 学校数が増えるのに応じて,私の方のやりとりの量は膨大なものになります。
そこで, 今年(2003年)は, メーリングリストを試験的に使ってみることを提案してみました。(うまくいくかどうかは分かりませんが。)