z3+z2+z+1+i=0 の解を求めよ。 |
複素数から複素数への関数(あるいは写像)として,
f(z)=z3+z2+z+1+i
を考える。
原点を中心とする円の半径を少しずつ変えながら,zをその円の上で動かし,f(z)の像を観察してみる。
半径 | 像の様子 |
---|---|
r = 1.5 | 像が原点の回りを3回回っている |
r = 1.25 | 像が原点の回りを2回回っている |
r = 1 | 像が原点の回りを1回回っている |
r = 0.75 | 像が原点から外れた |
r = 0.5 | 像が原点から離れ, 1+i の近くにまとまっていく |
r = 0.25 | 像も円に近い形になり,1+iの回りを1回回っている |
r = 0.25 | 上記の拡大図 |
r = 1.5 から r=1.25 になる途中で,「3重」が「2重」に変わる変わり目で像が原点を通過するはず(そこに解が1つある)
r = 1.25 から r=1 になる途中で,「2重」が「1重」に変わる変わり目で像が原点を通過するはず(そこに解が1つある)
r = 1 から r=0.75 になる途中で,「1重」が「0重」に変わる変わり目で像が原点を通過するはず(そこに解が1つある)
このようにして,「3重」の輪が「0重」になるまでに,3回通過するはずで,3つの解がある。
同様に,「n次式」であれば,最初の円の半径を大きくしておくと「n重」するはずで,その半径を小さくしていくのに応じて少しずつ像が変化し,「0重」までほどけていくはずだから,その途中に解が n個あると考えられる。
このアイデアは,愛知教育大学附属高校の石川理雄氏による。
上記のように,半径を微妙に変化させながら,像が原点を通過するときが近似的に求まったら,原点にとても近い点に f(z)が来るような z をその円上で探したらよい。
像が原点の近くを通る | |
原点の近くを通る | |
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