4角中点に関するコメント

愛知教育大学 数学教室
飯島康之


はじめに

この問題は,作図ツールにとって,もっとも基本的な問題の一つです。
「基本的」という意味は,簡単な例という意味だけではありません。もちろん,かなり初歩的な 使い方もできますが,問題自体に結構奥があるので,いろいろな観点から考えることができる のです。数学的探究という意味でもそうですし,またそれをどう料理して授業にするかという, 教授学的な観点からも考察することが可能です。
特に研究会等でこの例を出すと,「なんだまたその例か」というような反応を得ることがときどき あります。もちろん,私自身がもっと別の例を研究し,発表すべきだという反省もしなければ なりませんが,一方では,コンピュータ利用の場合には,「ケーススタディ」というものが,非常に 重要です。そのためには,いくつかの「テストケース」をきちんと把握し,いろいろなノウハウを 開拓し,それを他の例に移植するという方法を取ることが不可欠だと思います。
そういう意味でも,「分かりきった例」としてでなく,「より深く分析するための素材」として, 再検討してみる必要があると思いますが,いかがでしょうか。

問題状況

四角形ABCDのそれぞれの辺の中点をむすんでEFGHを作る。

基本的な数学的性質・内容


「どんなことに気づきますか」という発問


「中にできる四角形,つまりEFGHはいつも平行四辺形である。」に関連して


「中の四角形の面積は外の四角形の面積の半分である。つまり,
    □ABCD = 2 * □EFGH  」に関連して


「中にできる4つの四角形について注目すると,一つおきの和が等しい,つまり
   ΔAEH + ΔCGF = ΔBFE + ΔDHG  」に関連して


資料