紙でできたΔABCがある。頂点AをBC上に乗せて折る。
(ここでの記録は,98年公開講座と小浜での講座(98.9.17)での探究等を元に記述しました。 )
「相似になる」ための点 A の位置を調べるためには,いくつかの着目点があります。
その一つは,角に注目することで,この角あるいは,∠EBD = ∠FDC に注目することが考えられます。
そのためには,∠EDB - ∠FCB の符号について調べることが考えられます。
点 D を動かす探究を行っていて,∠BAC と BC の交点として D をとればいい,という事実が分かっている場合には, ∠BACの二等分線を追加して調べるというのが,一つの妥当な探究の仕方になるでしょう。
点 D を動かす探究を行っていて,∠BAC と BC の交点として D をとればいい,という事実が分かっている場合に, 上記のように点 A を実際にいろいろと動かしてみるというのではなく,点 A などが満たすべき条件を考えるというアプローチもありえます。
結果が円になりそうだということを観察して,「それはなぜか」と考える場合にしろ,結果を観察せずに,角の二等分線が通るという条件から推論する場合にしろ,それがアプロニウスの円に結びつくということが分かれば,「証明」にたどり着くことになります。
観察のみからアプローチする場合には,「なぜかは分からないが,こういう円になる」ということが経験的にのみ分かるという場合もありえるかもしれません。
逆に,作図ツールで調べるという方法が使えない場合には,このアプローチに到達できる場合は,紙と鉛筆等だけでも解決にいたれる,ということになるでしょう。
軌跡がどういう円になるかを構成できると, D を変化させたときの変化を観察することは次の自然な流れになるでしょう。