< 更新: 1995-03-27 >
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Geometric Constructor マニュアル  vo l.3 (中 級 編)

448 愛知県刈谷市井ケ谷町広沢1 愛知教育大学 数学教室 飯島康之 E-mail : yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

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        0.はじめに

この中級編は,通常の授業での利用を念頭においてまとめています。そのため,「授業 のための基本的な内容」と「リファレンスマニュアル」との性格を持っています。より初 歩的なことは初級編に,より高度なことは上級編などにまとめています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本マニュアルは,Geometric Constructor ver.4.9C(95.1.10) 版を元に作成しています 。本マニュアルを改版するまでは,それ以降の版に対応する修正は,配付フロッピィの中 のREADME.GC というファイルに記述していますので,ご覧下さい。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    I.授業のために

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1.0 必要な機器

どのような利用の仕方をするかによって,必要な機器の種類は異なります。いくつかの 観点から列挙しておこうと思います。
1.0.1 最低限 Geometric Constructor の稼働のための最低限のシステムとしては,次のものを想定し ています。 CPU : 80286 以上 (実際には8086系すべて) FD : 2HD のドライブが1 つ以上 メモリ: 640KB(通常のパソコンなら増設なし) HD : なくてもいい ディスプレィ: カラーあるいはモノクロ (できればカラーがいいが,モノクロ対応のスイッチ もある。) 機種 : 98系,FMR-50 系(TOWNS/MARTYを含む。R10,30も可能とは思うがテストマシンが ないので不明),FMR-60系(R70,80,280 を含む),DOS/V 系。 入力デバイス:キーボードまたはマウス(単独あるいは併用も可能) 要するに,普通の16,32 ビットのパソコンとディスプレィさえあれば十分です。使えな い機種は,Macintosh のように,CPU が68000 系のもの。8 ビットマシンなどです。最近 の価格の低下はすさまじいものがありますから,95年3 月現在, デスクトップで最低10万 程度, ノートでも10万程度, TVでの利用なら5万程度 (富士通のMARTY)で揃います。 また,より快適な利用をするためには,次の点に注意するといいでしょう。 (1) ハードディスクを使う (2) メモリを増設し,MSDOS6.2以降を使って, ・HIMEM.SYS, EMM386.EXE を使う。 ・MEMMAKER.EXEを使ってできるだけ空きコンベンショナルメモリを増やす。 ・日本語FEPを使うときはEMS対応のものを使い,コンベンショナルメモリを できるだけ消費しない。 (3) あるいはMSDOS3.1以前のものを使う。 (上級編参照のこと) 1.0.2 みんなで見るために(1) - OHP + 液晶ディスプレィ - 教室等でみんなで見るためには,大きな画面がなければいけません。そして,実際の 授業での利用を考えると,まずこの段階から入ることが基本だと思います。 いろいろな方法がありますが,第一の方法は,OHP と液晶ディスプレィを使う方法です 。このとき,次のことに気をつける必要があります。 (1)OHPは透過型 (反射型でない) であって,メタハラ型であることが必要。 反射型では写りません。また,通常のOHP では光量不足で見えません。 (2) メタハラ型は高価 メタハラ型は,体育館等でも使える優秀なものですが,40〜50万程度かかりますし,電 球一つだけでも10万程度かかります。 (3) 液晶ディスプレィは,物によって透過度がかなり異なる。 (4) カラー液晶ディスプレィは綺麗だが多少暗くなる。 カラー液晶ディスプレィはとても綺麗ですし,VTR 等も表示できるものがあり,なかな かの優れ物ですが,授業で使うことを念頭に置く場合には,なによりも明るさを検討して おく必要があります。 (5) 部屋を暗くすればOHP は見えるが手元が見えなくなり,授業はしにくくなる。 (6) 通常の教室はとても明るい。 数学教室で所有し,利用している機器は, OHP  :内田洋行 UM575Z 液晶ディスプレィ:内田洋行 LP−40 (1990年頃購入) 1.0.3 みんなで見るために(2)  - テレビの利用 - 第二の方法は,テレビを使う方法です。 ・明るいブラウン管 ・大きくても安いし,どこにでもある。 という二つの特徴はなかなか魅力的です。これを使うためには, (1) パソコン +スキャンコンバータ + TV (2) MARTY + TV という二つの方法があります。MARTY はスキャンコンバータよりも安いのですが,S-VIDE O 出力はむしろこちらの方が美しいと思います。ただ,スキャンコンバータには様々なパ ソコンの様々な解像度に対応可能で,速度のパソコンに依存しますが,MARTY の場合には ,640 ×480 固定で,計算速度が少し遅いのが欠点です。 スキャンコンバータにはいろいろな機種がありますが,数学教室で使用しているのは, 電波新聞社 XVGA-1v \69800  (1994年購入) です。 なお,テレビを教室でみるためには,30インチ以上くらいが必要になります。また,テ レビの画面の表面はガラスがそのままになっている場合が多く,結構反射しますから,う まく見えない席があることがあります。暗幕やカーテン等の利用をする方がいいかもしれ ません。 1.0.4 みんなで見るために(3) - 液晶プロジェクタ - TVの画面では小さすぎるというような場合には,液晶プロジェクタが便利です。液晶プ ロジェクタの場合, スクリーンを何にするかと部屋をどの程度暗くするかでかなり画面の 大きさが変わります。本当に暗くしてしまえば,講堂のようなところで数百人に見せるこ ともできます。しかし,手元が見えませんから,授業にはなりません。 また,専用スクリーンを使うと画面は広くできます。しかし,鏡のような反射効率の高 いものを使っているので,見やすい角度が限定され,見える場所の範囲(角度)は狭まる ことにも注意する必要があります。 数学教室で使用しているのは, シャープ:BX−A1Z (プロジェクタ) シャープ:XV−FP75(スクリーン) (1993 年購入) です。 1.0.5 個別学習のために 個別学習をさせる場合には,2 人一台程度以上のパソコンが必要になります。また,同 時に作業できるスペースがあるかどうかを確認してください。キーボードを置くと精一杯 というような机ではいけません。また,机の配置は通常変更不可能なので,議論しても仕 方がないのですが,できるだけ,いろいろな人の画面を観察できるような形態になってい る方がうまく機能することが多いようです。 画面転送をするためにはLAN が必要ですが,LAN がなければいけないかというと,必ず しもそうとは言い切れません。そういうときには,全員に提示するための機器を必ずセッ トしておいて,それを使って発表させるようにすることが必要です。LAN がある場合でも ,発表のときは,同じものをみんなで眺める方が集中できるので,OHP 等はあった方がい いでしょう。 LAN での画面転送を使うときに困るのが,「 ここがこうだから...」というような説明の ときに,自分の画面を指で指しても伝わらないことです。マウスによる落書き機能を使う のも一つの手ですが,多少慣れる必要があります。学校によってはプリントを実物投影機 を使って説明させるところもあるようです。 また,いわゆる授業は,コンピュータ室よりも普通教室の方がやりやすい場合が多いの が実際です。コンピュータを使わないときには通常教室に移動したり,あるいはコンピュ ータ室であっても,コンピュータを使わないで議論に集中できるようにするなどのメリハ リをどう確保するかが授業技術として必要なようです。 授業中, 生徒にプリンタを使わせるかどうかは議論の分かれるところだと思います。一 般的に,ハードコピーには時間がかかりますし,音が大きいので,思考を妨げないことを 最優先するならば,プリンタは使わない, あるいはF7キーなどで保存しておいて後で必要 と思えるものを集中して印刷する方が妥当ではないかと思います。

1.1 いくつかの利用法

利用形態から考えると,次のような種類が考えられます。 (1) プリント作成等のために正確な図を描く (2) 動くOHP として使う (一斉指導) (3) 個別の探究のための道具として使う これらは,一概に優劣をつけることはできません。それぞれの目的が違います。 むしろ ,熟練した先生の授業では,これら3つがうまく組み合わされて使われていると考える方 が実情にあっていると思います。 なお,それぞれについて簡単な注意点, ヒント等を以下に記しておきます。また,授業 の仕方等を念頭に置かれている方は,1.2 以降の項目をご覧になってください。
1.1.1 プリント作成等のために正確な図を描く 一台のパソコンでもできますし,通常の授業形態を変えずに試してみることができる最 も簡単な利用方法です。留意点としては,どんな場合の図形のプリントを作るかだと思い ます。 「 教科書の図」 のコピーで構わないのならば,その方がずっときれいです。一つの 問題に関する図であっても,条件を満たす図は多様です。それを調べながら,いろいろな 場合のそれぞれについて考えていくというようなときには,教科書の「一つ」の図では不 満を感じることがあります。そのようなときには,Geometric Constructor でいろいろな 場合の図を作り,それをプリントにして作業をするといいのではないでしょうか。 1.1.2 動くOHP として使う (一斉指導) 第二の利用法は,教室で一台で使う方法です。大きなディスプレィか液晶ディスプレィ をOHP で投影するかどちらかの準備が必要です。後者の方法の場合には,教室がかなり明 るいため,OHP を性能のいいもの(メタハラ等) にする必要があります。コンピュータ室 等, 暗幕を使える部屋でも,あまり暗くしすぎると,手元が見えなくなってしまうので, かえって使いにくくなることがあります。 このような、動くOHP として使うときに重要なのは,次の点ではないかと思います。 −−−−−−−−−−− (1) 事実を観察させる。 −−−−−−−−−−− 細かい言葉は必要ありません。一体どんなことが起こっているのか, その事実をじっく りと観察させることです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2) 「調べ方」「観察の仕方」の提示でもある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 観察というと,「 一人一台でなければいけないではないか」 という反論があるかと思い ます。 確かにそうです。自分自身で操作できないようでは,本物ではないでしょう。しか し,次の項でも書こうと思っているのですが,「 一人一台の環境が与えられたからといっ て,そう簡単に観察できるようになるものではない」 のです。一体どのように「 調べたら 」 いいのか,「 どのような点に注目して観察したら」 いいのかが分からないのです。この ような基本的な調べ方は,「 指導すべき内容」 なのです。一つの方法としては,それぞれ の個人指導の場面で行うということも考えられますが,実は,一斉指導の中でする方が適 しているのではないかというのが,私自身の感想です。 −−−−−−−−−−−− (3) 「議論」の場である。 −−−−−−−−−−−− 一斉指導の中ですべきことの一つに,生徒同士による議論, あるいは生徒と先生による 議論があります。これは,単に個別化のみを行ってもできるものではありません。もちろ ん,個別の探究から分かった成果を議論させれば,より一層の効果が期待できますが,集 団による検討と相補的な存在であることに注意してください。 −−−−−−−−−−− (4) まとめの場である。 −−−−−−−−−−− もうひとつの役割は,まとめの場だということでしょう。まとめたことを,もう一度振 り返って, 現象を観察しながら確認できれば,学習の定着に有効なのではないでしょうか 。 1.1.3 個別の探究のための道具として使う コンピュータは,基本的に,探究者のための世界を構成するための道具です。そのなか でいろいろな振る舞いをすることができ,いろいろな結果を調べることができるような世 界です。あるいは,そのような世界であるべきです。探究者に対して指示を与え,それに 追従さえしていけばいいというような姿がその反対の像ということになるでしょう。 このような観点からコンピュータを捉えると,個別の探究のための道具としてのコンピ ュータ像は,最初から想定される姿であり,一つの理想的な利用方法だということができ ます。 しかし,そのような姿を現実に授業の中で一気に実現しようと思うと,思いどおりにい かないことの連続ばかりで,授業の中ではコンピュータはとても使えないという印象を持 たれるのではないかと思います。 しかし,よく考えてみると,これは当たり前のことです。まず,大人がコンピュータを 自由に駆使している場面を考えてみましょう。大人がコンピュータに接するときは,その 目的はかなり限られています。 決まりきった作業のためにはどう使ったらいいかがかなり 明確です,その訓練さえすれば,それなりに仕事として使うことができます。しかし,そ の程度の使い方でさえ,いろいろな基礎知識が必要です。マニュアル等, いろいろなもの を参照しながらやっと使えるようになっているはずです。準備としてかなりの時間と労力 をかけた成果として,コンピュータ利用が成立しているのではないでしょうか。 大人でさえ,このような労力の成果としてコンピュータ利用が成立しているのですから ,十分な準備なしに使いこなすようになることなど,ほとんど不可能なのです。 しかし,ここでいう「 準備」 とは,生徒に対していろいろな準備を要求するということ ではありません。例えば,我々は,銀行のCDを使ってお金を下ろすときに,いろいろな準 備が必要でしょうか。テレビを見たりコピーの機械を使うために, いろいろな準備が必要 でしょうか。そのような準備を要求するようでは,到底使いものになりません。簡単に使 ってもらえるように,作り手の方がかなりの工夫をしています。そのような工夫を予めし ておくことが必要なのです。現在の私に思いつく範囲の中で,そのような点を挙げてみよ うと思います。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1) 目的と場面を限定して,必要とされる知識を最小にし,利用効果を最大にする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ソフトのすべての機能を使いこなすには,いろいろなことを知る必要があります。しか し,そのソフトを使ったある使い方をするためには,ほんのすこしの知識のみで十分なこ とがほとんどです。あるいは,そのようなことができないソフトならば,放棄しましょう 。そして,どのようなソフトであれ,そのソフトが使う価値のあるソフトならば,ほんの 少しの努力で,かなりの成果を挙げるような使い方があるはずです。そこに目的と場面を 限定するのです。ほんの少しの努力と時間を投資することによって,どんな成果が上がる かを生徒が実感できるように準備するのです。その投資と成果が見合うものだということ が分かれば,生徒はより多くの投資をして,多くの成果を得たいと思うでしょう。自分自 身で積極的に,使い方を習得し,そして自分なりの成果を導いていくはずです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2) コンピュータ任せにするのではなく,人間を最大に利用する −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表現がおかしいかもしれません。要するに,こういうことです。第一に,分からないと きには,気楽に相談しあえるようにすることです。そして,先生であっても,分からない ことは分からないと率直に言え,使い方も調べながら使っていこうという姿勢を形成する ことです。コンピュータのソフトの利用は,一般に使いながら理解していくものです。そ の経過で,いろいろな人同士の相談が非常に重要です。それが自然なものとして成立する ような環境作りが大切です。 −−−−−−−−−−− (3) 議論を大切にする。 −−−−−−−−−−− 同じ道具を使いながら,それぞれがどのような異なる結果を生み出すかが,コンピュー タを使うときの面白いところです。それを楽しむことを核心としながら,コンピュータを 使いこなしていくことが,「 自分の目的のためにコンピュータを使う」 という,当たり前 なのになかなか実現できないことをきちんと実現することになるのではないでしょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (4) これまでの教材研究とは異なる観点からの教材研究を行う −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 授業という観点から考えた場合, これまでの数学の教材は,これまでの教授=学習過程 を前提にして作られてきました。コンピュータを使うときに,それがそのままで適切に使 えるという保証はありません。ほんの少しの工夫で,有効に使えるような場合もあるでし ょうし,あるいは,カリキュラムを根底から書き換えることが必要に思えるような場合も あるでしょう。そのような,教材研究を地道に行うことが,コンピュータ利用を「教科」 の中で実現し,定着させるには最も必要なのです。 −−−−−−−−−−− (5) 研究の蓄積の必要性 −−−−−−−−−−− そして,このような利用法の確立には,時間が必要です。自分なりの使い方を確立させ るには,同じ教材に関して何回も授業を繰り返したり, 他の人の授業での成果を検討した りすることが必要です。授業とというものは非常に微妙な存在で,ほんの少しのことでう まくいかないことなどがありますから,一度の研究授業がうまくいかなかったからといっ て,簡単に放棄すべきではありません。少なくとも,そこに一つでも次の研究への手掛か りが見つかれば,それを実現するために,どのような工夫が考えられるかを検討し,じっ くりと取り組んでいくことが必要になるでしょう。しかし,逆に,そのような光明が一つ も見えないのであれば,さっさと切り換えて, 他のソフトを考えたり, 別のアプローチに よる授業を考える方がましかもしれません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (6) 臨機応変に切り換えられる対応策を準備しておく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 生徒によって,反応はいろいろとあるはずです。決まりきった授業のみを想定するので はなく,生徒に応じて,いろいろな臨機応変の対応ができるように工夫しておくことも必 要です。個別学習と一斉指導の切替え方や,複数のワークシートの開発など,先生自身の 守備範囲を広げておくことが大切です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (7) 「 通常の授業の延長線」 として考えていく −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− コンピュータを使う授業なので,これまでの授業とは全く別の授業の在りかたとして考 えていく方法も一つかもしれません。しかし,地道に,そして長く使っていくためには, 通常の授業の延長線に,そのような使い方を考えながら進めていく方がいいのではないで しょうか。肩に力が入ったままの使い方では長続きしないのではないかと思います。 通常 の授業をしながらも,その途中で,ちょっと現象を確認してみたくなったら,教室の横に あるパソコンに電源を入れて,簡単に調べてみる,そういう気楽な使い方ができるように なることが必要なのではないでしょうか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (8) ソフトとの接し方,ソフトに対する目を養うこと −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして,これは時間が経てば自然にそうなることではないかと思うのですが,ソフトに 対する目を先生も生徒も養うことが必要だと思います。 教室の中で,ソフトに対する接し 方が自然に身につけば,やがて,社会に出たときにも,自分なりにソフトを選択し,自分 なりのコンピュータとの接し方を確立していくことができるのではないでしょうか。現在 でさえ,ソフトは星の数ほどありますが,それらの未知のソフトに出会ったとき,それほ ど苦労せず接していけること,そして時間や労力を投資するに値しないソフトをすぐに見 抜く目を持てるようになると思います。 −−−−−−−−−−−−−−− (9) よりよいソフトの開発の支援 −−−−−−−−−−−−−−− 最後に必要なのは,そのような良質のソフトの開発です。しかし,問題は,そのような ソフトを「誰」が開発すべきなのかという問題です。現場の先生に,そのようなソフトの 開発まで要求すべきとは思えません。そのようなソフトの開発は多大なる労力と時間が必 要なため,現場の先生に要求するのは,過酷です。しかし,ソフトハウスが簡単に行える ことか,あるいは行政が予算を組んでプロジェクトを作れば理想的なソフトが作れるかと 言うと,これもよく分かりません。予算が多ければいいものができるというわけではあり ませんし,コンピュータの専門家がいればできるというものでもありません。ソフトその ものの開発は意外に少人数の方が適している場合が多いのです。そして,いいソフトを育 てるには,確かに人材も予算も必要ですが,それ以上に人的ネットワークという目に見え ない大きな資産が必要であって,それらによる支援をどう形成するかが大きな意味を持つ と思えるからです。そして少なくとも必要なのは,そのようなソフトを育てていくための 素養を,多くの人が身に着けていくべきだということだと思います。 ソフトの利用は,ソ フトの開発で終わりではありません。それに続く教材の開発, 授業のためのノウハウの蓄 積が不可欠ですし,ソフト開発に限定してみても,それを修正しながら進んでいくのがソ フトの本来の姿であって,一度作ったらそれでお終いというようなものではないというこ とも自覚していく必要があるでしょう。この辺の詳しいことは,「上級編」の中で触れよ うと思うのですが,いずれにせよ,現在簡単にできることは,「よいと思えるソフトは支 援しよう」ということです。ソフトを支えるものは,何よりもユーザー文化であり,ただ 「使う」という消費者の立場だけでなく,積極的に働きかけるユーザーになることが大切 だと思います。いいものはいいと言い,よくない点はその改良を要求し,そして何よりも ,どういう授業がしたいのか・できるはずなのか・できたのか・できなかったのか,それ らについていろいろな成果を蓄積し,熟成することです。そして,そのような成果がちく せきされることによって,現在不都合な様々な事柄が少しずつ改善されるようになってい くのだと思います。 以上, ここで書くべきことの枠をはみ出た感じもありますが,それらの内容については ,上級編等で,もう少し突っ込んで検討していきたいと思っています。

1.2 Geometric Constructor を使った授業の段階

一般にツール型のソフトは様々な利用の仕方があります。そして,最初から高次の利用 法を考えても,なかなか最初はうまくいかないことが多いのが実際です。様々な原因が考 えられますが,ソフトの使い方にも,いくつかの段階があるのではないかというのが,私 の考えです。以下はまだ試案程度のものですが,このような授業の段階を考えてみました 。なお,別の観点として,どの機能を使うかという,機能の段階も考えられます。「機能 段階」も合わせてご覧ください。 (1) 授業のまとめで,シミュレーション的に使う (2) 授業の冒頭で,動機づけや問題の把握に使う (3) 教科書の問題等, 通常の授業で使う問題の解決あるいは議論のために使う (問題は変えない) (4) 教科書の問題等, 通常の授業で使う問題をよりオープンな形に変え,それを追究す るために使う。 (5) ソフトがあって初めて追究できるような問題の解決あるいは議論のために使う (6) ソフトがあって初めて可能になるような活動を焦点化し,その活動の授業化を行う (7) 個別追究とそれに基づくレポート等の作成を中心にした授業を行う。

1.3 Geometric Constructor の機能に慣れていくための段階

一般にツール型のソフトは機能が豊富で,最初は一体何をどう使っていいかがわからず ,それを授業で使うためには,その機能の説明等の準備に多くの時間がかかってしまうの ではないかという懸念が生じることが多いのです。しかし,実際には,すべての機能を使 わなければいけないというようなことはほとんどありません。むしろ,最も基本的な活動 のためには,ほんの一つの機能で構わず,より複雑な活動のためには複数の機能が必要に なるというように,使うべき機能をどう選択するかということについても,段階があるは ずです。そして,授業で利用する場合,生徒の利用を禁止するまでにはいかなくても,先 生の方が説明し,利用する機能はその機能までに制限するというくらいの気持ちで接する 方がうまくいくようです。以下は,Geometric Constructor の機能に関する段階の試案で す。 (1)「例の読み込み」 と「 変形」 (2)「F9」 のみを使うという意味での軌跡 (それ以外は先生が設定する) (3) 補助線の追加という意味での「 作図( 継続)」 軌跡の設定, 測定( 数式は使わない) (4) ズーム (5) 数値変化 (6) 測定における数式 (7) 編集, オプションでの各種の機能

1.4 授業研究の重要性と必要性

ここまでに書いてきているような授業像というものは,多くの先生方にとっては未知の ものではないかと思います。普段の授業というものは,何らかの形で経験しているものが 多いわけですが,コンピュータを使って授業を設計する場合,そのような未知のことが多 くあります。もっとも,授業というものを謙虚に考えると,毎回違っているはずで,惰性 でできるような授業にいいものはないはずですから,コンピュータに限らず,授業研究と いうものは必要なはずなのですが,少なくとも,コンピュータをつかった授業の場合には ,その必要性が他の場合よりも明白なのは確かです。 そしてまた,コンピュータを使った授業はいうものは,「これまでにできなかった授業 」を可能にしてくれる可能性もあります。そういう意味で,数学本来の面白さをいかに引 き出すか,また生徒の自主性をいかに引き出すか,そして自分の指導力をいかに引き出す か,を検討するための道具として位置づけて考えると,教師自身がイニシアティブを取っ てコンピュータと接することができると思います。そういうスタンスで取り組むためには ,やはり「授業研究」というものに一つの重点を置いて取り組むことが重要であり,また 必要だと思います。 そのような授業研究をするためのノウハウを詳しく記述するのは別の機会にし,ここで は要点のみに触れておこうと思います。
1.4.1 見せるための「研究授業」ではなく,授業本来の可能性をさぐる「授業研究」 1.4.2 気軽にVTRを使いこなそう 1.4.3 「修正しながら何回か授業を行うこと」を前提とする 1.4.4 事後検討会だけでなく,事前検討会も効果的である 1.4.5 他の教具を使った授業との比較検討を行おう 1.4.6 Geometric Constructor を使ったある授業についてのコメント 以下は,ある授業に関連して思いついたことをまとめてみた文書です。研究授業は,最 初からうまくいくとは限りません。そして,多くの場合,事前の検討会, 事後の検討会を いかに率直に議論できる会にするかによって,たった一回の研究授業でもとても効果的な ものになったりします。以下の文書はVTR を拝見してから書き,それをお送りしたもので すが,事後の検討会では,同様の観点などからよく議論をすることがありますから,そう いう例と思って読んで頂けますと幸いです。 (1) 課題の適切性 私自身の課題の追究が不足しているとは思うのですが,課題が適切だったかどうかが, 一つの問題だと思います。 この「課題の適切性」というのは二つの観点から考えることができるかと思います。一 つは,数学的内容としての適切性です。つまり,「4 つの頂点から同じ長さだけとって作 った四角形」というものが,どれだけ追究の値するのかという問題です。元になる問題と しては,「平行四辺形の場合,...」あるいは「正方形の場合,...」などがあると思うので すが,それをより広い集合に拡張したときに,どれだけめぼしいものが出てくるのかとい う問題です。「私自身の課題の追究が不足」と書きましたのは,そのような追究から出て くる新しい発見を,私自身が持っていないということでもあるのですが,もしそれがある としたら,それはどのような作業をするとどう発見できそうなのか,その見通しが必要か と思います。また,もしないとしたら,一般の四角形について調べることをするのではな く,「長さ」の方を変えても大丈夫という方に力点をおく必要があります。 もう一つの観点は,生徒の作業としての適切性です。生徒はあくまで,数学の課題を解 決するための活動という意識の中で作業する必要があります。コンピュータの存在は極力 排除する必要があります。手でもできるけれども,コンピュータでやるともっと簡単でよ く分かる, というような意識の中ですべきだと思います。「何をしたらいいか分からない 」という状態はできるだけ避けるようにしなければなりません。Geometric Constructor のようなツール型のソフトは,ソフトの設計自体は,教材内容を配慮していませんから, 与えかたによっては,「使い方が分からない」「使い方の基礎を学習しなければ学習が成 立しない」ということになってしまいます。一般的結論として,「数学の学習に入る前に ,コンピュータの操作の学習をする必要がある」ということになってしまいます。 数学は基礎から構築していく学問であり,基礎を理解してから応用を, というのが数学 の先生方によく見られる考え方ですが,私は,コンピュータとの接しかたは逆の方がいい と思っています。そして,典型的に有効に使える使い方をまず明示して,そのことに最低 限必要なことは何かを考え,それに限った操作のみを教えるべきだと思います。ある意味 では,使い方に段階を考えるべきだということになるのかもしれません。例えば, A:先生が提示した図形のある点のみを動かして観察し,現象について考える B:複数の点の中から動かす点を選択し,観察する C:点の動きの軌跡をとり,観察する (軌跡の設定は先生が行っておく) D:必要なファイルを選択する E:補助線を追加する F:数値を測定する G:最初から作図する などのようなものが考えられるかと思います。これらは,ツールのもつ汎用性のどの段階 までを引き出すかという段階と考えることもできるかもしれません。あるいは,生徒の学 習の自由度をどこまで許容するかという段階とも考えられます。いずれにしても,学習の 幅を狭くすれば,せいぜい一つのキーの意味を理解すればいいという程度のことになりま すし,幅を広げるためには,自分自身で作業の制御とコンピュータ操作の仕方の熟練が要 求されるということになりますが,どの程度のところを狙うべきかということが適切性を 考える上で必要です。 そう考えたときに,この授業では最初から作図をさせているのですが,果たしてそれは 適切なのかという問題が一つ生じてきます。そしてもう一つは,4つの頂点から等しい距 離をとるということを,目分量で行うべきか,あるいは自動的に処理させるべきかという 問題がありますが,もし前者ではあまり有効な発見ができないとしたら,後者にすべきと 思いますが,Geometric Constructor の場合, 後者の作業はそれほど簡単ではありません 。もちろん,ソフトの改善可能性の問題として検討する余地もありますが,簡単でない作 業を生徒に要求すべきか,あるいはその作業( 作図して保存しておく) は,先生の方で準 備してしまい,生徒はそれを動かして観察する程度に押さえておくべきかもしれません。 そう考えたときに,この課題は適切だったのかということは検討しなければならないと思 うのです。 これは私の思いつきですが,授業として成立させるためには,学習する「調べ方」を一 つ用意すべきだと思います。そして,操作に関して学習すべきポイントも,できたら一つ , せいぜいいくつかに限定する必要があると思います。そうでないと,数学の学習になら ないのではないでしょうか。この授業の場合, 生徒は作業に関して学習しなければならな い内容が多すぎます。「多角形なんてどうやって書けばいいのだろう」「辺上に点をとる のはどうしたらいいのだろう」「点が辺の動きに連動していない」「測定はどうするか」 などです。その中で,本当に必要なもののみに,本時の学習は制限する必要があると思い ます。そして,それ以外は,先生の方からファイルの形で提供してしまうのです。「単純 すぎる」と生徒が思えば,しめたものです。簡単な操作しか覚えなくても, 数学的にいろ いろなことが分かるのなら,コンピュータ利用は価値がありそうだと思ってくれるかもし れません。「決まりきったことだけを調べるのではなく,自分だったらこう調べたい」と 思ったらさらにしめたものです。教材依存ソフトの場合, 「ちぇっ。ここから先はできな いのか」ということなりますが,ツール型の場合, 「そういうことを調べるためには,も う少しコンピュータの使い方に慣れる必要があるけれど,こんな風にしたら,そういう調 べかたも実現できるんだ」という形になるのではないでしょうか。 いずれにしても,ツール型のソフトでは,いろいろなことが可能ですが,入口は,でき るだけ単純明確なものにしていく必要があると思います。 (2) 基本的な「調べ方」の提示の必要性 附属中での授業をご覧になっていただけるとお気づきになるかと思うのですが,一つの 工夫をしました。角の2等分からできる四角形の授業なのに,授業の最初に辺の中点から できる四角形を数分扱っています。 これは何のためにしているかといいますと,基本的な「調べ方」を提示するためです。 コンピュータを使ったときの追究は,生徒にとって初めてです。どうしたらいいか分かり ません。こちらは,この程度の課題だったら大丈夫と思い,最初から「やれ」と指示して しまうことがよくあったのですが,必ず「何をどうしたらいいんですか」という生徒が出 てきます。もちろん,操作の仕方を説明することも必要にはなるのですが,生徒の様子を 見ていると,むしろ,問題なのは,「作業の目的」あるいは,「どういうことを調べるた めに, 図形をどうしたらよくて,そのためには何をしたらいいのか」という, 目標と手段 の関わりについての理解ではないかと思いました。それが明確ならば,メニューを眺めて いるだけで,大体こんなことをしたらいいのではないかということが分かってくるもので す。そうでないと,メニューに表示されているものをいろいろといじってみることの方に 流れてしまいます。 そのような目的を意識化させるためには何が必要なのでしょう。一つは,基本的な「調 べ方」を抽出すること。そして,それを示す典型的な事例をできるだけ簡単な形で提示で きるようにすること。学習の際には,その典型的な事例を使って,「こういう作業を,今 回はこの課題について行いたい」という形で,作業の大まかな流れを掴むこと。ではない かと, 現在は思っています。 そして,その調べ方に限定した範囲で,生徒はどのような追究が可能か,どのような支 援が必要か, などを準備することが,授業準備として必要な作業なのではないかと思って います。 (3)一斉指導の必要性 (2) とも関連することになりますが,コンピュータを使った授業, 特にツール型ソフト を使う場合には,個別追究も重要ですが,それと平行して一斉指導が重要だと思います。 ただ,通常の一斉指導とは,押さえるべきポイントは多少異なるのかもしれません。少な くとも,次の内容は,一斉指導の中で行うべきです。 A:基本的な調べ方 B:問題の発見, 定式化 C:個人追究のまとめ --------------------------------------------------------------

1.5 マウスとキーボードの比較

Geometric Constructor では当初はキーボードのみの利用でマウスは使えませんでした 。しかし,ver.4.7 で「落書き機能」という習作的な機能を追加し,ver.4.9 以降本格的 に使えるようにしました。マウスの利用については,ver.2.0 のときから,いろいろな方 に「マウスを使う方がいいよ」とアドバイスを頂きながら,いろいろな事情でそのままに なっていたのですが,懸案の課題に自分なりの答えを出すことができました。現在の作図 ツールでは,マウス中心のソフト, またキーボードでは操作不可能なソフトが大半ですが ,私自身はそのことに多少疑問を持ちつづけてきました。そこで,以下ではGeometric Co nstructor における両者の使い勝手の比較をしてみたいと思います。
1.5.1 基本的な使い方 まず,キーボードの場合の基本的な使い方ですが,最も基本としては, リターン :選択,実行 Esc    :中止,取消 ←↑↓→ :候補変更 の6つのキーだけで十分です。より細かい使い方としては,それぞれの場面で何種類かあ りますが,通常の授業の中で生徒が使うのならば,この6つだけという使い方もできると 思います。 マウスを使うときの基本的な使い方は, 左側のクリック:選択, 実行  (キーボードの「リターン」,矢印キー) (現在候補になっていないものを選択したときには「変更」を意味し,現在候 補になっているものを選択したときには「実行」を意味する。つまり,ダブ ルクリックをすれば,そのまま「実行」を意味する。 ) 右側のクリック:中止,取消  (キーボードの「Esc 」) です。例外は, ・ [例外: 数値の変化, 回転] このときは, 左ボタン=↑ =増加, 左回り 右ボタン=↓ =減少, 右回り 両方 = Esc=終了 という意味になります。 使える場面ごとに,具体的に説明しましょう。 (1) メニューの選択 今までは矢印キーで移動していましたが,メニューのところにマウスを移動し,クリッ クすればいいことになりました。「例」のときのように画面内ですべてのメニューが表示 できないときに,下の方に隠れているもの,あるいは上の方に隠れているものを表示した いときには,メニュー全体の上部, 下部をクリックすると,一段分動かします。本来は, 連続的にスクロールしたかったのですが,今回はここまでにしました。 (2) 幾何的対象の選択 今までは↑↓を押しながら選択したので,位置が離れているときには,何番目に表示さ れるか分かりませんでしたが,マウスを使うと,「マウスに一番近い対象」を選択するた めかなり便利になりました。重なっているときなどは,今までと同様に,↑↓で選択して ください。今押すと何を選択することになるのかを表示できるといいのですが,これも今 後の課題です。 (3) 「変形」時の点の移動 「変形」時に, 今まではキーボードで一定の距離ずつ移動していましたが,マウスで場 所を移動し,左側をクリックすると,そこに点を移動します。左側をずっと押しながら移 動すると,連続的に移動します。キーボードとマウスによる移動とはそれぞれ特徴がかな り違うので,一概にどちらがいいとは言い切れませんが,マウスの利点としては, ・自由なところに簡単に移動できる。 ・遅い機種でも移動は遅くならない。その代わりに,描画の回数が減ることになる。 ・特に直線や円の上を変形させる場合に,見ている動作と行っている動作がそのまま一 致する。キーボードの場合には,矢印の方向と異なることがある。 等が挙げられます。逆に欠点としては, ・きちんと「合わせる」ことが難しい。 ・動きすぎてしまうので,意図を持って動かさないとよくわからないことがある。 ・一定の速度で動かしたときの軌跡等を調べることはできない。 また,変形時に,FM系ではマウスポインタを表示したままにすることができますが, 98系では表示できません。これは開発言語と98用のマウスドライバとの相性の悪さから 生まれた問題だったのですが,DOS6.2に添付のマウスドライバはかなり相性がよさそうな ので,この辺のことは今後かなり改善できるかもしれません。 1.5.2 マウス利用までの経緯 マウスの利用は以前から指摘されながら,なかなか実装しないままできた機能の一つで した。実装しなかった理由はいくつかあります。 (1) 私自身がそれほど必然性を感じなかった。 (2) できるだけ簡素なシステムを前提にしたかった。 (3) マウス利用よりも「履歴」を取ることの方を優先したかった。 (4) マウスを前提としてプログラムをあまり作ったことがなかった。 実際,作図ツールの多くはマウスの利用を前提にしているものが少なくありません。私 自身, それらを使ってみた感じた不満点としては,次のようなものがありました。 (1) 私自身にとってはキーボードを押す方がずっと簡単。(Geometric Constructor では 最低限6つのキーだけで操作できるようにしている。) (2) マウスでメニュー選択等をするのは目が疲れるのと時間がかかる。(余談になるが, 最近, Windows を使うことが時々あるが,目が疲れて1時間くらいすると続ける気 にならない。しかし,キーボードで文書等を作るだけなら何時間でも大丈夫。) (3) マウスの方が「自由に」動かせる反面, 細かい部分をきちんと合わせようとすると とても大変。たとえば長方形を作ろうなどと考えるととても大変。マウスできれい に字を書くのはとても難しい。 鉛筆等を使うようなわけにはいかない。ある点をま っすぐ動かしたときに図形全体がどう変わるかを調べる方が,一見不自由に見えて ,実際には数学的な追究には合っているというようなことが多い。 このような事情があって,「キーボード中心だっていいところもあるんだよ」と開き直 ってきたのですが,希望される方が後をたたないことと,「マウスがなければ使えないソ フト」は嫌いでも,「マウスも使えるソフト」だったらいいと思うことから,(3) の問題 の解消方法を検討し,何とか目処が立ったため,取り組んでみた次第です。 最初の取り組みは以前に行った「落書き機能」でした。今回は,まず「変形」機能から 始め,「点」の選択やメニューの選択等の機能などに拡大し,現在のところでは,「文字 を入力しなければならない」部分(たとえばファイル名の入力)を除いて,他はほとんど マウスだけでも操作することができるようにしました。しかし,すべての入力はキーボー ドでも行えるようにすることを前提としたため,中にはマウスだけでの操作を前提にする 場合とは多少使い勝手が違う部分もあります。例えば,「ドラッグアンドドロップ」とい う形態で「選択と変形」を行う方が,操作感は増すと思いますが,今回の改良では,「動 かす点を選択」してそれを「動かす」という操作が二つの別の操作に分かれています。 1.5.3 マウスを使ってみてどういうことがどう変わったか (1) マシンの性能があまり関係なくなった。 ある意味ではこれは副産物なのですが,決して無視できない結果だと思います。これま でのGeometric Constructor はマシンの性能, 特にCPU の速度によってその操作感が大き く変わっていました。同じ「動かす」という操作でも,286 マシンでの動きと486 マシン での動きはとても違います。片方はトロトロ動くのに対して片方はサッサッと動きます。 286 でもサッサッと動くような場合は486 では速すぎてどこを動いているのか分からない ような状況になりました。 その結果,開発に当たっていろいろと苦労したのは,「遅いマ シンでもそれなりに速く動くようにするために,無駄な描画と計算をいかに削除するか」 という点でした。 しかし,マウスを使って動かす場合,「図形の動きの速さ」の方はマウスが決定してし まいます。マシンが遅ければ描画が疎らになり,マシンが速ければ描画が細かくなります 。もちろん,速い方が「連続的変形」をしているという実感が湧きますが,遅くてもそれ なりの効果はあるわけです。 (2) 図形上の点を動かすときの操作性はとても向上した。 直線上の点や円上の点を動かすとき,今までは矢印の方向と点の動きが合っていないこ とがありました。マウスを使う場合には,動かした方向に動くため,そのような不具合が 解消されました。 (3) 「連続的変形」の印象が変わる。 (2) の場合もそうですが,一般に変形の印象が変わりました。上述しているように,ど ちらがいいかというのは一概に結論を出せませんが,キーボードのときの動かし方とは別 のアプローチが可能になったということは確かです。 (4) 細かく合わせるのはできないことの是非 最初からの予想通り,マウスを使って点の位置を決めるのは,とってもアバウトにしか できません。そのため,ぴったり90°にしたいというようなときには結構ストレスを感じ ます。そういうときには,キーボードを使い,まずオプションで1 ドット( あるいはS を 押すと1ドットずつになる) に設定し,ぴったり合うように微調整するという手もあるか もしれません。 しかし,アバウトだからいいということもないわけではありません。大雑把に全体像を 掴むということもできますし,また,ぴったり合ってしまうことによる問題点が生じにく くなるということもあります。(特に,円と直線の交点等を作っている場合)

1.6 文献案内

まず,この段階で一番手頃な「作図ツールを使った授業に関する本」としては, 飯島, 礒田, 大久保(1995)「コンピュータで数学授業を変えよう- 作図ツールGCによる 図形の指導」, 明治図書 が挙げられます。また,Geometric Constructor を使った教材研究の例が,次の本に挙げ てあります。 礒田, 大久保, 飯島(1992)「メディアを活用する数学科課題学習−場面からの問題作成に よる授業改善」,明治図書 また,1995秋〜1996春にかけて,明治図書から,Geometer's Sketchpad, カブリ, Geom etric Constructor の3種類の作図ツールに関する授業書がそれぞれ刊行される予定です 。それらを比較されると面白いでしょう。 また,このような授業のためのアドバイスの本としては,Geometric Supposerを元にし た次の本もとても参考になります。 Chazan,D., Houde,R., (1989), "How to Use Conjecturing and Microcomputers to Teac h Geometry", NCTM, また,授業を設計するためには,授業のためのノウハウ以前に,作図ツールを使うとど ういう新しい数学的世界が広がるのかを知ることが重要です。それを明確にすることは, 以前からの緊急の課題であり,それを次の本としてまとめることが数年前から企画されて いるにもかかわらず,私の方の執筆が進まないために,遅れています。しかし,できるだ け早い時期にまとめようとしていますので,まとまりましたら,よろしくお願いいたしま す。 飯島「作図ツールによる図形の探究」 (仮題),森北出版 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

2.メニュー別のリファレンス −状況関知型ヘルプ用文書−

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2.0 メニューのツリー構造

2.0.1 機能の種類 +−−−−+        +−−−−−−+          +−−−−−+ |スタート|        | 標 準 +−−−−−−−−−→| 終 了 | +−−+−+        +−−−+−−+          +−−−−−+    +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−+−−−−−+−−−+−−−−−−−−−−−+ +−−−+−−−++−+−+    +−−+−−+     +−−+−−+ |ファイルI/O 系||作図系|    | 処理系 |    | 設定系 | +−−−+−−−++−+−+    +−−+−−+     +−−+−−+ +−+−+−+ +−+++−++−+−+−+−+−+−+ +−+−+−+−+ |例|保|削| |作|作|測||変|変|数|元|回|ズ| |軌|オ|補|編| | |存|除| |図|図|定||形|形|値|の|転|ー| |跡|プ|助|集| | | | | |・|・| || |・|の|点| |ム| |の|シ| | | | | | | |新|継| || |複|変|を| | | |設|ョ| | | | | | | |規|続| || |数|化|取| | | |定|ン| | | | | | | | | | || |の| |り| | | | | | | | | | | | | | | || |点| |直| | | | | | | | | | | | | | | || | | |す| | | | | | | | +−+−+−+ +−+−+−++−+−+−+−+−+−+ +−+−+−+−+ 実線で囲んでいる部分には更に下位メニューがあります。 中間で点線で囲んでいる部分は便宜的な分類です (メニューにはない) 。 最下位項目で点線で囲んでいる部分は実際のメニュー項目です。 2.0.2 実際のメニューのツリー構造 +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |作図 (継続) | |点        |2直線の交点/直線と円の交点/2円の交| +−−−−−−+ |         |点                  |    |         |n等分/内分・外分/2点からの延長  |    |         |三角形の外心/内心/重心/垂心/傍心/|    |         |9点円の中心/            |    |         |点の回転/線対称/点対称/反転/   |    |         |新しい点の追加/新しい点(図形上)/ |    |         |xy座標を与える           |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ |直線       |2点を結ぶ/直線に平行・1点通過/  | |作図 (継続) | |         |直線に垂直・1点通過/線分の垂直二等分| | (続き) | |         |線/1点を通る円の接線/2円の共通外接| +−−−−−−+ |         |線/2円の共通内接線/極線      |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |線分/ 多角形   |線分(2点を結ぶ)/垂線の足/    |    |         |多角形/正多角形           |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |半直線      |半直線(2点を結ぶ)/角の2等分線/ |    |         |角のn等分線             |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |         |中心と半径/中心と一点/3点を通る(外|    |円        |接円)/直径/内接円/一傍接円/九点円|    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |複素数としての演算|+/−/×/÷/^(べき)/逆数   |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |繰り返し(Redo) |直前の作図手続きを繰り返す      |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |最後抹消(Undo) |直前の作図手続きを抹消する      |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |マクロ |    +−−−−−−−−−+    |図形追加 |          +−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 測 定  | |長さ       |2点間の距離/点と直線の距離/    | +−−−−−−+ |         |点と円の距離/2直線の距離/直線と円の|    |         |距離/2円の距離/          |    |         |円周/円の半径            |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |角度       |3点(0〜180)/3点(0〜360)/3点(-180|    |         |〜180)/2直線(0〜90) |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |面積       |三角形の面積/三角形の面積(+/-)    |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+ |オプション | |エディタの表示桁数  | +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+    |文字表示の有無 |    +−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ |描画サイクルの数 | |オプション | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | (続き) | |パス名の変更 |作図データ/画面データ/参照文書/  | +−−−−−−+ |         |履歴データ/マクロ/図形追加     |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |ハードコピー設定 |    +−−−−−−−−−+    |BAK ファイル |    +−−−−−−−−−+    |白黒対応スイッチ |    +−−−−−−−−−+    |例のソート順 |    +−−−−−−−−−+    |文書のソート順 |    +−−−−−−−−−+    |画面データ のソート順|    +−−−−−−−−−+    |外部エディタ設定 |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |画面縦横比率設定 |通常/TOWNS(通常)/任意設定  |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |測定値の桁数 |    +−−−−−−−−−+    |角の描画  |    +−−−−−−−−−+    |DOS |    +−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 補 助  | |ファイル名の変更 |図形/画面/文書/ヘルプ文書/履歴/ | +−−−−−−+ |         |スナップショット/その他       |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |画面データ読み込み|元に戻る/ファイル一覧・読み込み/ハー|    |         |ドコピー/現ファイル名変更/     |    |         |全ファイル一括印刷          |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |DOS |    +−−−−−−−−−+    |メモリチェック  |    +−−−−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 編 集  | |データ表示 |幾何対象/作図データ         | +−−−−−−+ +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |大域変数の分析 |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |色の設定 |点/直線・線分・半直線/円/変数   |    |         +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |         |白/赤/青/緑/黄色/水色/紫/   |    |         |書かない               |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |点の表示(・/×)|・/×/○/□/■/Δ/塗(境界,白)|    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |直線/線分/半直線|直線/線分/半直線/半直線(向き反対)|    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |名前の設定  |点/直線・線分・半直線/円/変数   |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |点の束縛条件 |自由な点にする/別の点と同一にする/ |    |         |直線(など)の上にとる/円の上にとる |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |選択候補にする点 |選択の候補にする/選択の候補から外す |    +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+    |作図の数値入力変数|    +−−−−−−−−−+ ---------------------------------<標準.DOC >---------------------------------

2.1 標準メニュー

これは,Geometric Constructor の最も標準的なメニューです。どのような状態にいて も,「Esc 」を数回押せばこの状態に戻ります。 以下に,それぞれの項目内容と機能に関する簡単な説明を行います。 1.変形 図形の中のある(一つの)点を動かしてみて,図形全体がどのように変わるのか,ある いはどのような性質は変わらないのかを調べることができます。 1'. 変形( 複数の点) 変形と同じですが,動かす点として,複数の点を指定することができます。指定する点 をリターンキーでそれぞれ選択し,選択しおわったらEsc キーを押して,「選択終了」を して,矢印キーで図形が動きます。 また,すべての点を選択すると,図形全体を移動することになります。 2.例 フロッピィ等のファイルに保存している様々な例を読み込みます。 なお,ファイルは複数のディレクトリィに保存することができます。「パスの変更」を 選択すれば,ディレクトリィの名前 (パス名) を変更できます。 3.ズーム 図形の拡大・ 縮小をします。 4.保存 フロッピィ等のファイルに図形を保存します。 5.作図 (継続) これまでに構成した幾何的対象を元にして,さらに新しい幾何的対象の構成を継続して いきます。これを繰り返すことでそれぞれの図形を作図することになります。 6.作図 (新規) 全く新しく図形を作ります。 7.軌跡の設定 どの幾何的対象の軌跡をとるかを指定します。実際に軌跡を「取る/取らない」という 設定は,F9を使います。 9.元の点を取り直す 図形が元にしている点を取り直し, 図形を描き直します。 例えば,直角三角形の場合はどうなるかなどのように,特別な場合の結果を知りたいと きには便利です。 10. 測定 長さ・ 角度・ 面積等を測定します。 11. 数値の変化 変形と似た機能です。変形の場合, 元にしている点を変形しますが,数値の変化の場合 , 元にしている変数の値を変化させ,全体の変化の様子を調べます。 12. 削除 保存しているファイルの中で不要なものを削除します。 13. 編集 色の指定, 名前の変更, 点の束縛条件の設定等, 様々な編集作業を行います。 14. 補助 メモリのチェック等の作業を行うことができます。また,DOS を選択すれば,チャイル ドプロセスを起動することができます。 15. オプション パス名の設定等を行うことができます。 なお,ここで設定した項目は,自動的に,CONFIG.GC4というファイルに保存され,次回 も同じ設定によって起動されます。 ---------------------------------<変形.DOC >---------------------------------
2.1.1 Geometric Constructor における「変形」 (1) −一つの点を動かす− (1) 基本的な考え方 Geometric Constructor では,図形を, 「元になるいくつかの点」 と 「それを元にして構成される様々な幾何的対象(点, 直線, 円など)」 として捉えますが,元になる点のどれかを動かしたときに,図形全体がどう変化するか ,あるいはどこが変化しないのかを考えることができます。 (2) 調べ方の基本的手順 1. 動かす点を指定する ↑↓によって,動かす点の選択ができます。 リターンキーで確定します。 あるいは マウスの左ボタンを押すと一番近い点にフォーカスが移動します。 同じ点をもう一度選択すると,確定になります。 2. 点を動かす ↑↓←→によって,その点を動かすことができます。 あるいは マウスを移動し,左ボタンを押すとその点に移動します。 3. 終了 Escキーを押すことによって,元のメニューに戻ります。 あるいはマウスの右ボタンを押すと元のメニューに戻ります。 (3) 束縛条件のある点を動かすとき キーボードで動かす場合,束縛条件のある点, たとえばある円上の点とか,直線上の点 という条件のある点の場合同様に↑↓←→によって点は動きますが,場合によっては,点 が動く方向とは別の方向に動くこともあります。 注意してください。 (マウスの場合には そのような現象は起きません。 (4) 動かしている最中に使えるキー S:点の動きが1ドットになります。 M: 5 F: 10 (最初の設定) 1 〜9:点の動きが,画面内の長さとしての 1〜9 になります。 O:点の動きをドット単位で任意指定できます。 A:座標軸を書きます。 あるいは消します。 座標軸をきれいに書き直したいときには2 回押してください。 なお,この座標軸についての「描く/ 描かない」の状態は保存し,通常の画面でも座 標軸を「描く/ 描かない」ようになります。 ?:描画速度の測定 -------------------------------<変形複点.DX2 >------------------------------- 2.1.2 Geometric Constructor における「変形」 (2) - 複数の点を動かす - (1) 基本的な考え方 通常は,一つの点を動かしてその動きを観察するのが多いのですが,この機能を使うと ,複数の点を一緒に動かすことができます。それによって,線分を動かしたり,対角線を 動かしたり,また円を動かしたり, 多角形を動かすことができます。 (2) 調べ方の基本的手順 1.標準メニューの中の「複数の点の変形」を選択する 2.動かす点を指定する ↑↓によって,動かす点の選択ができます。 リターンキーで確定します。 Esc (又はマウスの右ボタン) を押すことによって,動かす点の選択を終了します。 3.点を動かす ↑↓←→によって,それらの点を動かすことができます。 4.終了 Escキーを押すことによって,元のメニューに戻ります。 ・マウスを使う場合は2.1.1 での使い方に準拠してください。 -------------------------------<数値変化.DOC >------------------------------- 2.1.3 数値変化の機能 (1) 基本的な考え方 変形のときは,元にする点を動かしたとに図形全体がどう変わるかを調べました。 同様に,元にする数( 変数) の値を変えたとき,図形全体がどう変わるかを調べること もできるはずです。 「 数値の変化」 はそういう調べ方のために作った機能です。 まず,変数の一覧が出てきます。これは,元になっている変数, つまり独立変数のリス トです。この中から1つの変数を選択し,その数値を変えてみてください。 なお,変数の中には独立変数と従属変数があります。一覧表では,すべての変数が一緒 に表示されますが,選択したのが従属変数のときには, 「 この変数は従属変数ですから, 変更できません。独立変数を選んでください。」 というメッセージが表示されます。 (2) 変化時に使えるキー入力 ↑ :ΔX だけ増やす ↓ :ΔX だけ減らす I :任意の値を入力する (Input) O :ΔX を変える (Option) -------------------------------<変数活用.DX3 >------------------------------- 2.1.4 作図における変数の活用 (1) 作図での変数とは 定規とコンパスでの作図のときには,変数というような意識はあまりなかったかもしれ ません。しかし,これを意識すると,今までの作図の範囲を越えて,かなりいろいろな図 を作図することができますし,数学的な思考をそのまま反映した作図がかなりスムーズに 行えるようになるのではないかと思います。 [ 例1:垂直二等分線の作図] まず,定規とコンパスでもよく行う, 垂直二等分線の作図を考えてみましょう。 垂直二等分線の作図を, 「 二つの定点から等距離にある点の集合」 の作図として考えましょう。すると,定点A, B を中心にして,同じ半径でいろいろと円を作図し,その交点の集合がどうなるかを調べ るのではないでしょうか。 これと同じことを,Geometric Constructor ですることを考えるのです。 つまり,前の作図を分析してみると, A からx の距離にある点の集合と, B からx の距離になる点の集合との交わり を考え,x を変化させれば,求める集合が得られることになります。これらの集合は「 円」 になりますから, A を中心として,半径x の円と B を中心として,半径x の円との交点 を求めることになります。 これを,Geometric Constructor で実現すると, 「 中心と半径」 による円を選択し, 中心としてA を選びます。 半径としてのx はまだないので, 「 新しい数値( 変数) を作る」 ことにします。 として,取り合えずの値として,「5」 などを入力します。 次に,やはり「 中心と半径」 による円を選択し,中心として,B を選びます。 半径としてのx は前に作っていますから, 「 数値( 変数) の選択」 をします。 そして,前の円で半径として使った数値と同じものを選択します。 そうすれば,この値を変化させたときに,二つ目の円の半径も同様に変化することにな ります。 逆に,ここで「 新しい変数」 を選択すると,最初の円は半径x,次の円は半径y というよ うな形になって,x を変化させても,次の円の半径は連動して動いてはくれないことにな ります。 [ 例2:楕円] 例1 がマスターできれば,それ以降の例もかなり簡単に行うことができるはずです。 しかし,一つマスターしておくべきことがあります。それは,図形を,変数を使って理 解すること,そして,条件を満たす点の集合を意識することです。 例えば,楕円の場合は,変数を使ってもいいと言われると,どのように作図したらいい のでしょうか。 作図しようとする円が,例えば,A,B を焦点として,距離の和が10になるような楕円だ とします。 すると,AP = xとすれば,BP = 10 - x となるようにすればいいわけです。 このときに,AP = xとなる集合と,BP =10 - xとなる集合の交わりを作るわけですから , A を中心として,半径 xの円と B を中心として,半径 10 - x の円 との交点を作図するということになります。 そのため,Geometric Constructor での作図の手続きは,次のようになります。 「 中心と半径」 による円を選択し, 中心としてA を選びます。 半径としてのx はまだないので, 「 新しい数値( 変数) を作る」 ことにします。 として,取り合えずの値として,「5」 などを入力します。 次に,10 - xという数値を作りたいので,「 測定・数式」 を選択し, その中の「 数式」 を呼び出します。 10という数値はありませんから,まず,「 新しい数値( 変数) をつくる」 ことにします 。そして,10を入力します。 次は「-」 を選択し, 次に,x に相当する「 数値( 変数) を選択」 することにします。このメニューを選ぶと , これまでに作った数値( 変数) の一覧がメニュー形式で出てきますから,最初の円の半 径として使った数値「5」 を選択します。これで,10- xを作ることができました。 そこで,次に,「 中心と半径」 による円を選択し,中心として,B を選びます。 半径としての 10 - x は前に作っていますから, 「 数値( 変数) の選択」 をします。 そして,10 - xに相当する「5 / 10 - 5」を選択します。 そうすれば,この値を変化させたときに,二つ目の円の半径も同様に変化することにな ります。 交点をきちんと表示するのならば,「 作図(継続)」を選び,「点」 を選び,「2円の交点」 を選択し,二つの円を指定します。 さらに,その軌跡を残すのならば,標準メニューの中の「 軌跡の設定」 で「 点」 を選択 し, それぞれの点ごとに軌跡を色を指定しておきます。そして,F9を押し, 画面の左下の 方に「 軌」 の表示が出ているのを確認して,「 数値( 変数) の変化」 を選択, 実行すれば いいはずです。 [ 例3:双曲線] 楕円とほとんど同じ手続きで,双曲線も作図することができます。試しにやってみまし ょう。重要なのは, A を中心として,半径 xの円と B を中心として,半径 10 + x の円ということです。また,この作図のみでは,双曲線 の一部しか書けません。どうしてでしょう。また,どうしたらいいでしょう。 [ 例4:アポロニウスの円] やはり同じように作図できるものに,アポロニウスの円があります。これは, A を中心として,半径 xの円と B を中心として,半径 2 xの円ということです。やはりチャレンジしてみてください。 -------------------------------<例__読込.DOC >------------------------------- 2.1.5 「例_読込」の機能 ここからファイル名を選択し,リターンキーを押すと,そのファイル名で保存している 図形を読み込むことができます。 デフォルトでは,カレントドライブの \DAT.GC4 というディレクトリィから読み込みますが,オプションメニューによってパスを設定す れば,他のディレクトリィを使うことができるようになります。 なお,図形データ保存用のディレクトリィは,***.GC4 という名前にしてください。 例えばX.GC4 というディレクトリィを作るためには,MS-DOSのコマンドラインあるいは Geometric Constructor の「 補助」 メニューの中の「 DOS 」 を選択し, MD X.GC4 と入力してください。 また,文書を作ると,自動的に,***.DOC という名のディレクトリィを作成します。さ らに,その下に図形ファイルと同名のサブディレクトリィを作り, そこに文書を保存する ようにします。 また,例のソートの仕方は,デフォルトでは,名前+ 拡張子の順ですが,オプションの 中で設定可能です。詳しいことは,オプションの説明をご覧ください。 -------------------------------< ファイル 保存.DOC >------------------------------- 2.1.6 図形ファイルの保存 (1) 命名の基本 ファイル名は,前半に英数字8 文字( 漢字なら4 文字),後半 (拡張子と呼ばれる) に3 文字を使えます。選択するときにそれを見れば大体意味が通じるように付けることが基本 です。最初はなかなか難しいかもしれませんが,様々な例を参考にしてください。 (2) 拡張子だけ変える 同じ図形に少し手を入れたものを保存する場合には, 拡張子だけを変えるといいでしょ う。また,図形に関連した文書ファイルは,前半部が同じなら, 拡張子が異なっていても 共通のものを表示するようにしています。 「保存」のときに,拡張子だけ変える方法もありますが,もう一つの方法は,ファイル 名を変えずにリターンを押すことです。すると,以前と同じファイル名で保存しようとす るために,「上書きしますか」というメッセージと同時に,       はい, いいえ, 新しい番号を付ける という3 種類からの選択が可能になります。ここで「新しい番号を付ける」を選択すると ,まだ使っていない最も小さい番号を拡張子に付けて保存します。 この使い方は,MARTY などでキーボードがなく,マウスだけを使って暫定的にファイル を保存したいときにも便利です。 (3) 今までのファイル名を参照する 保存するときにファイル名を空白にすると,「例」のときと同じリストを表示し,そこ から選択した他のファイル名を参照し,それを編集することによって現在のファイル名を 作成することができるようになりました。特に有効なのは,フロッピィ等の利用において 日本語FEP を搭載していないが,類似の名の日本語名のファイルがあるという場合です。 また,類似のファイルを作っているときに,番号等が不明になったときなどに確認する際 にも便利です。 -------------------------------< ファイル 消去.DOC >------------------------------- 2.1.7 ファイルの削除 保存してあるファイルの中から,不要なものを消去します。 まず,削除するファイルの種類を指定します。そして,次に削除すべきファイル名を指 定します。本当に消去していいかどうかを尋ねますから,Yes を選択すれば消去します。 なお,消去したくないときには, Esc を押せば元に戻ります。 ver.4.9Cまででは図形ファイルのみを削除しますが,4.9D以降では,他の種類のファイ ルも削除可能です。 --------------------------------< ズーム.DOC >-------------------------------- 2.1.8 ズーム機能 画面の下に表示している内容で,大体の使い方はお分かりかと思います。 次のような使い方を想定しています。 (1) 3 点が交わっているかどうか ?など その付近をもっと拡大してみると,様子がもっとよくわかります。そのときには,リタ ーンキーを何回か押しましょう。ずれてきたら,←↑↓→によって,表示すべき場所を移 動しましょう。 あまり大きく拡大しすぎると,計算結果がオーバーフローして,元に戻ってしまいます 。 オーバーフローする倍率は,図形によっても異なります。 (2) 2 直線の交点が画面の外でよく分からない 私自身は,デザルクの定理の図を作った時に, 利用しましたが,交わるはずの点をすべ て画面の中に収めようとすると,なかなか大変な場合があります。そのようなときはとり あえず,画面に作図した後,縮小をしてみると便利です。こちらは,スペースを何回か押 せばいいのです。 (3) 複素数を扱う場合 複素数を扱う場合, 単位円の回りの動きを観察する必要がある場合が多い。このときは ,何倍かに画面を拡大しておく方がいい。また,その際には,「/」 を押して倍率を保持し たまま使う方がいい。 (4) ズーム機能の使い方 ズーム中に次のキーを押すと次のことを行う。 リターンキー : 拡大 スペースキー : 縮小 ←↑↓→: 移動 O : 任意倍率を設定可能 X : X 軸の右端の座標を設定することによって任意倍率を設定可能 これらは,複素数を扱うときに便利であるが,それ以外の場合には使わないか もしれない。 / : 倍率保持 なお,倍率保持の場合は,「標準メニュー」が表示されますが, 1. 「 終了」 ではなく,別の表示がされる。 2. ズーム中かどうかが左下にZ として表示される。 3. ズーム, その保持を数回繰り返している場合には,その深さがZ2,Z3 のよ うに数字で表示される。 -------------------------------<図形回転.DOC >------------------------------- 2.1.9 図形の回転 たとえば教科書の問題の中に,長方形を机の上を滑らずに転がすとき,ある頂点の軌跡 を求めよというような問題があります。この問題を Geometric Constructor でできない かというようなご指摘を受けたことが何回かありました。このような問題への対応が可能 になりました。 もっとも,実を言えば,私自身は,この問題を扱いたいと思ってこの機能をつけたわけ ではありません。この問題の場合,長方形自体は変化しないのですから,黒板等の上で, 教科書やノートを当てて,それを回転させ,ある頂点の部分にチョークを当て,その軌跡 を黒板に書き残す方が効果的ではないかと思っています。 私自身がこの機能を付けようと思ったのは,たとえば次のような場面です。四角形をい ろいろと変形する場合,元の形が正方形を横に置いてある場合,それを長方形や平行四辺 形に変形するのは簡単です。特に,「複数の点の変形」機能を使うとほぼ思いどおりに変 形することができます。しかし,これを菱形やたこ形に変形しようと思うと大変です。結 局,「元の点を取り直す」機能を使って,正方形を斜めに描き直す必要がありました。し かし,考えようによっては,「90°回転」をしさえすれば,このような状況は解消でき るはずなのです。そのような意味で,まず最初に,画面の中央の点に関して回転する機能 を実装しました。しかし,どうせなら,私自身がどう思おうと,上述のような問題を扱い たいと思っていらっしゃる方々もいるので,そのご希望にも添えるよう,回転の中心を指 定できるようにしようと思いました。そこで,最終的に実装した機能とその手順は次の通 りです。 機能: 図形全体の回転 手順: (1) 標準メニューの中の「 回転」 を選択する。 (2) 回転の中心の点を選択する。このとき,Esc を押すと,画面の中心( つまり原点) を中心とする。 (3) ↑↓を押すとそれぞれ+/-15 °ずつ回転する。 (4) また,このとき Oを押すと,回転角の大きさを設定できる。 (5) Escキーで元に戻る -------------------------------<作図構成.DOC >-------------------------------

2.2 作図の構成

2.2.1 作図の基本的な考え方 Geometric Constructor における作図Geometric Constructor での作図は, 「 元にするいくつかの点」 と 「 それらを元に構成されていく対象」 ( 対象 =数, 点, 直線, 線分, 半直線, 円) に図形を分解し,それを順序よく構築していくというものです。 そのため,元にするいくつかの点を指定した後は,次のような手続きを繰り返してくだ さい。 (1) どんな種類の対象を作りたいか 数 → 測定メニューに移る その他→ その対象を選択する (2) それぞれの対象ごとに,使える手続きがメニューに表示されているので,どの手続 きを使うかを選択する。 (3) その手続きを実行するにあたり,元にする対象を指定する。 すると,その手続きを実行し,画面に描画されます。 2.2.2 登録してある作図手続きの妥当性とカスタマイズの必要性 作図を「 定規・ コンパス」 で作図可能なものと限定して考える伝統的な立場から考えま すと,Geometric Constructor の作図手続きの中には,かなり余分なものがあります。例 えば角の3等分もできますが,もちろん,定規・ コンパスではできません。これらのこと についてのいくつかのポイントを以下にまとめておきます。 (1) 自分にとって必要なものを残せばいい ツールとしては,いろいろな場合を想定し, ほぼあらゆる場面に対応できるように準備 します。「 定規・ コンパス」 に対応することが必要ならば,それに対応する項目のみを残 せばいいのです。 (2) 生徒によって,使わせたい項目が違う 外接円が未習の生徒が使うソフトに,「 外接円」 という項目はあった方がいいか,ない 方がいいかを考えてみましょう。授業のときにはあると厄介なこともあります。しかし自 習をしているときに,手続きとしていろいろな面白いものがあることを知ることも意味が あるのかもしれません。結局, この場合でさえ,画面にその項目を出すべきかどうかは先 生あるいはその生徒自身が選択すべき問題です。 (3) 角の3等分の是非 角の3等分はどうしてもできないというのを,ソフトの上でも実現し動機付けをすると いう方法もあるでしょう。しかし一方, モーレーの定理を鑑賞し,動機付けを図るには, 角の3等分は不可欠です。やはりこれも指導の意図によって,是非が異なってきます。 (4)「垂直二等分線」 等の意味 定規・ コンパスを使う場合, 垂直二等分線を作図することは可能ですが,一度に書ける ものではなく,何回かの手続きが必要です。なのに,Geometric Constructor では,「 垂 直二等分線」 という項目になってしまっています。妥当でしょうか。 私自身はこう考えています。 外心などを作図する場合は,各辺に対して垂直二等分線を引いてみると,それが一点で 交わる, というのが,最も自然な考えだと思います。 つまり,「 垂直二等分線」 というの が,ここでの思考単位です。それが自然な場面では,それをそのまま使えるようにするこ とが最も自然なのではないでしょうか。 (5) マクロの意味 このことは,「 マクロ」 というのがどういう意味を持っているかを示唆します。 私たちは,自分の手持ちの方法を組み合せて,新しい思考単位を作ります。 垂直二等分 線を3本引くことで,外心ができることが分かれば,次の段階では,「 外心」 を思考単位 とし,使っていくことが自然です。次の段階では,外心を元に,新しい概念を作ってしま うかもしれません。そのときに,外心を何回も使うのではなく,その概念にあった名前の 手続きを自由に登録し,登録した後は,あたかも最初からその手続きがあったかのように 使えるというのが自然な形です。それを実現しようというのが,「 マクロ」 の意味です。 ---------------------------------<選択.DOC >--------------------------------- 2.2.3 幾何的対象の選択 作図などをしているときに,どの点あるいは直線などを選択するかが問題になることが あります。 そのようなときに,Geometric Constructor では,↑と↓を使って, 対象を選択し,リ ターンキーで決定します。 候補は赤で表示しています。また,左下には,候補の名前が表示されます。特に画面か らはみ出るような図形を選択する場合には, 役に立つでしょう。 元にする図形がないときには,その作業をキャンセルしますから,一つ元の段階から再 開してください。 ------------------------------------< REDO.DOC >---------------------------- 2.2.4 作図における「REDO」機能と「UNDO」機能 作図の際に,同じことを続けるのに, メニューを何度も辿らなければいけないのは不便 だ」 というご指摘がしばしばありました( 新潟, 竹田先生など) 。そこで,作図の手続き に関して,REDO機能を追加しました。しかし,現在のところ,REDOが使えない作図手続き が残っている可能性があります。順次解消していく予定ですが,ご了承ください。また, 「 REDO」 という表現に合わせて, これまでの「 最後抹消」 という表現に,「 UNDO」 を併記 しました。 -------------------------------<作図開始.DOC >------------------------------- 2.2.5 作図開始 新規の作図と作図の継続での差異は,新規の作図の場合には,元にする点をまずいくつ か入力するという部分だけが異なります。 -------------------------------<図形追加.DOC >------------------------------- 2.2.6 図形追加 ver.3.1 ではマクロ機能がありました。それをどういう形で復活するか,以前から懸案 の事項でした。しかし,マクロは本当に必要なのかという問題もありました。マクロは基 本的にユーザーが作るべきものです。あるいは,実行ファイルの外で,実行ファイルの機 能を高めるために作るものです。 「 作図」 というものを構成的に考えた場合には,基本作図として登録すべきいくつかの ものを元にして,他の作図を構成していくという方が見通しがいいわけです。公理系がは っきりしているです。基本作図が多くなればなるほど,節操のない「 作図」 が次々に増え てしまうことになります。しかし,一方で,マクロを書くにはそれなりの知識がなければ できないこと,学校現場で使うものであれば,実行ファイルのver を変えずにマクロの追 加で対処するよりは,実行ファイル自体のver upをきちんと行うことで対処すればいいの ではないかと考えられること,そして,ここまでのところ,本当に「ないと困る」と思う ような状況に, 一人のユーザーである私自身が追い込まれなかったことから,考えずに済 ませていました。 もう一つ, 懸案のままにしていた事項がありました。それは,「関数・グラフ」機能で す。ver.3.1 では実装していたが,ver.4.* では実装しませんでした。いろいろな理由が ありますが,最大の原因は二つでした。一つは,中学校までの内容では,グラフを書かな ければならない問題はあまりないということです。そして,もう一つは,少し特殊な画面 の使い方をする行儀の悪い機能だったため,それを実装するには面倒だし,また副作用が いろいろと出てきて,バグ取りが結構大変そうだったからです。 94.6.28-29に,松江で高校の先生方を対象とした講座をすることになりました。改めて 高校の素材をいろいろと見てみました。数学Aの平面幾何を見ているうちはいいのだが, それ以外の領域では,やはり関数のグラフを描いてみたくなることがときどきあります。 グラフそのものを一つの図形として使ってみることは,以前に気がついていたし,実際に やってみたこともありました。「関数・グラフ」の機能は,そのように,図形の一部とし て処理しようという気持ちになりつつありましたが,ここで必要性が出てきました。「い ちいちグラフに相当する作図を追加するのは面倒だ。」 このような背景から,まず既存の図形ファイルを「追加」する機能を付け加えることに しました。要するに,いままでの図形を消さないで,併存させるのです。 以前のマクロは,作図手続きを登録するという意味で設計していましたが,図形を追加 してみると,マクロのように使えることに気がつきました。要するに,後から追加した図 形の元になっている「点」を最初からある図形の「点」のどれかとくっつければいいので す。図形を追加して,点の束縛条件の処理をそれぞれ行えばいいのです。しかし,いちい ち点の束縛条件をメニュー操作しながら行うのは面倒です。それに,通常の図形ファイル と同じものを使えますが,パスとしては,図形ファイルと追加ファイルとマクロファイル は別にしておく方が便利です。 そのようなことを考慮して,「追加」機能の他に,独立して「マクロ」機能を付け加え ることにしました。 --------------------------------< マクロ.DOC >-------------------------------- 2.2.7 マクロ 2.2.6 をご覧ください。 ---------------------------------<測定.DOC >---------------------------------

2.3 測定メニュー

.3.1 測定機能の概要 測定と数式入力を行うことができます。 大体の内容は,メニュー項目を見るだけで十分だと思うので,ここでは,紛らわしいも のについての説明等を行います。 [ 距離] それぞれの種類の幾何的対象間の距離を測定できます。 [ 角度] 3 点を指定して測定する方法が3 つあります (1) 0 〜180 劣角( 小さい方の角) を測定します。 (2) -180〜180 角度の向きを考慮します。 (3) 0 〜360 すべて+ の方向のみを考えます。 また,二直線のなす角を測定することもできます。 [ 面積] 現在のところ,面積は三角形に対してのみ測定しています。 多角形については三角形の和として 円については円周×半径として 扇形については円×中心角/360として などの方法で対処してください。 また,測定方法として, (1) + のみ (2) + と- の両方 があります。多角形の場合には,(2) の和を実行すれば求められます。 2.3.2 一つ削除(UNDO)について Geometric Constructor では,作図と測定は別の項目にしていますが,データとしては 同じデータとして扱っています。つまり,測定も数を構成する手段として,作図の手続き の一種として扱っています。 そのため,最後の手続きを削除するときに,削除したい測定の後で別の作図を行ってい るときにはその作図の手続きを削除してしまいます。 ソフト全体の修正という観点から取り組むべきことなのかもしれませんが,現在のとこ ろ,このような背景から,このような現象が生じることをご理解願います。 -------------------------------<数式入力.DX4 >------------------------------- 2.3.3 Geometric Constructor における「 数式」 通常, 数式と言うと,文字と数そして,それらをつなぐ演算や括弧, そして場合によっ ては,sin,cos など,いくつかの関数から構成されています。 Geometric Constructor では,それらのすべてを表現できるわけではありません。 ver.4.0 では,今のところ,文字と数と四則演算(+-*/)のみからなる式だけを扱ってい ます。 ver.3.1 では括弧も使えましたが,ver.4.0 ではその代わりに,数式の値を新しい変数 として,次の数式構成のときに使えますから,括弧でかきたい部分を先に一つの数値とし て計算し,それを元に新しい数式を作れば, 括弧が使えないという問題は解消できます。 [ 数式構成の基本的な考え] Geometric Constructor での数式は数( 変数) と演算のみに限定していますので,数式 の構成は,すべて,数と演算が交互に現れる式のみになります。 ですから,入力のときには,奇数番目のときには,数値の選択を行い, 偶数番目のとき には,演算の選択あるいは入力終了の選択ということになります。 数値の選択のときには,いままでの数値( 変数) 一覧がメニュー形式で表示されますか ら,そこから選んでください。また,演算選択は,四則と「 終了」 のなかから選択してく ださい。 [ 数式をどう使うか] こうして得られた数式の値の使い方は,主として二通りです。一つは,元になる変数等 を変えたときに数式の値の変化を調べることです。そして,もう一つは,この数式の値を 使って,次の作図をしていくことです。 2.3.4 ver.3.1 までの数式との違い ver.3.1 まででは,測定を簡易モードと数式モードに分けて扱っていましたが,それを 統合しました。また,数式の計算は以前より速度の面でも改良されたと思います。 ただ,慣れないうちは,数式の作り方に戸惑われるかもしれません。Geometric Constr uctor では,順に幾何的対象を構成していますが,同様のことを数についても行っている とお考えいただければ基本的な設計をご理解いただけると思います。 詳しいことは,「 数式」 を選択した後でF1で参照するか,あるいはシフト +F1で,「 数式 入力」 というファイルを参照してください。 --------------------------------< オプション.DOC >--------------------------------

2.4 オプションメニュー

ここでは,各種の設定・ 変更を行います。 このメニューの中で設定可能な項目とその内容を簡単に以下に示します。
2.4.1.パス名の設定 図形のデータ, ヘルプ文書ファイル(F1), 画面保存(F7)用, 利用履歴のファイルのため のディレクトリィ名を設定できます。 まず,ドライブ名を選択し, 次にパス名を選択してください。 パス名の候補としては,*.GC4 というものすべてを表示します。場合によっては,適切 でないもの(MENU.GC4[メニュー用] など) も表示してしまうますので,注意して選択して ください。 2.4.2.簡易エディタの表示桁数の変更 簡易エディタを使うときの表示桁数を変更できます。 10〜78桁を指定でます。 10以下のときには40桁として, 78以上のときには78桁として処 理します。 2.4.3.文字表示の有無 点の名前の表示の有無を指定できます。 2.4.4.描画サイクルの設定 図形の描画の高速化に伴い, 「 変化しない図形は数回に1 回しか書かない」 ことにしま した。この「 数回」 を何回にするかを,この機能で設定します。 2.4.5.ハードコピーの設定 F6の有効/ 無効を設定します。また,これに応じて,F7 も有効/ 無効になります(9801 のみ)。 特に, 学校での利用のどの場合, ハードコピーの利用を禁止したいことがあると思いま す。そのようなときに使ってください。 なお,同等のことを,シフト+F2によって設定可能です。 2.4.6.白黒画面/ カラー画面の設定 液晶ディスプレィなど,白黒画面の場合には,色の代わりに,点線表示をします。 2.4.7.BAK ファイル メニューファイルの保存時に,BAK ファイルを保存するかどうかを設定します。BAK フ ァイルを作ることにすると,安全のためにはメニューファイル用に約2倍の容量を必要と することになりますが,何らかのトラブルでメニューファイルが破損したときには, 直前 の状態に戻すことが可能です。 2.4.8.例のソート順 例で表示するファイル名のソート順を設定します。 (+)/-N :ファイル名 (+)/-E :拡張子名 (+)/-D :ディレクトリィ属性のもののみ/以外のみ 例 -D N E : ファイルのみ, 名前+ 拡張子でソート D N : ディレクトリィのみ, 名前でソート 通常は名前+ 拡張子でいいと思いますが,あるテキストに対応するファイルを作って, そのテキストのページを拡張子に割り当てているような場合には,拡張子+ 名前の方が妥 当なときもあります。また,何も指定しないとソーティングを行わないので表示までの待 ち時間がとても小さくなります。 2.4.9:文書のソート順 F1,F5 キー等の文書読出・書き込みのときに表示するファイル名のソート順を設定しま す。使える文字は「8:例のソート順」の場合と同様です。 通常は,名前+ 拡張子ですが,読ませたい順番があるような場合には, 拡張子に読んで 欲しい順序を書き込み,拡張子を優先させるといいでしょう。 2.4.10:画面データのソート順 「補助メニュー」内の画面データを表示するファイル名のソート順を設定します。使え る文字は「8:例のソート順」の場合と同様です。 2.4.11:外部エディタ設定 内蔵エディタは消費メモリは少ないのですが,いろいろと不便な点も多いので,通常の エディタを使いたいと思われる方もいると思います。そのような方は,シフト+F5 キーを 押すと,予め設定しておいた外部エディタをチャイルドプロセスによって起動できますが ,そのときの外部エディタ名を設定します。なお,このときは残っているメモリの範囲内 でしかエディタを起動できませんから,消費メモリの小さいものを使うようにしてくださ い。ちなみに,私はEDIAS.EXE(富士通のMSDOS5.0(FMR/FMV) に添付されているエディタ) をときどき使っています。 ここで設定する内容は,チャイルドプロセスそのものなので,たとえば \DOS\EDIAS のように設定してください。 2.4.12:画面縦横比率設定 次のような場合に, この設定が必要になります。 (1)テレビ画面などに出力していて,円が楕円に, 正方形が長方形になってしまう。 (2)TOWNS のディスプレィでアスペクト比切り換えスイッチのない機種を使っていて,円 が楕円に,正方形が長方形になってしまう。 (2) の場合にはTOWNS 用に設定し,(1) の場合には,正方形や円を描画しておいて,正 しく表示されるように修正してください。 2.4.13:測定値の桁数 通常は小数点以下第二位まで表示しますが,角度の場合にはもっとアバウトの方がいい こともあります。また,逆に少数点以下かなりの桁まで表示したほうがいい場合もありま す。そのようなときに,測定値の桁数を設定することが可能です。なお,それらはすべて 表示される数値に関する問題で,内部ではすべて倍精度計算(16 桁) によって計算してい ます。 2.4.14:角の描画 角の記号を描画するかどうかは,以前はオプション機能となっていました。それをある 版以降では,この機能を削除し,自動判別機能を追加しました。つまり,角があるときは 描画し,ないときには描画しないように設定するようにしていたはずでした。新しく作図 をしたときには機能していたのですが,ファイルとして保存し,それを読み込んだときに は機能していないというバグがあることに気づきました。このバグは解消したのですが, 時として,角の記号がない方がいい場合もあるので,自動判別の機能はそのままとしなが らも,不都合なときには消去したり,また描画したりできるように,オプション機能を追 加しました。 2.4.15:DOS DOS のチャイルドプロセスに制御を渡します。終了したらExitと入力してください。 ---------------------------------<補助.DOC >---------------------------------

2.5 補助メニュー

ここでは,Geometric Constructor に関する補助的な処理を行います。 以下にそれぞれの項目についての簡単な説明を行います。
2.5.1.メモリチェック メモリの状態を,Far メモリ, スタック, 文字列領域の3つについて調べます。 この機能を使うのは,特にFEP などの組み込みの可能性の検討やHIMEM.SYS などの効果 の検証の場合だと思います。Far メモリは軌跡等を取ると大きく消費しますから, 100K以上 : 余裕 50K程度 : 妥当 10K以下 : 逼迫 という位にみることができるでしょう。 2.5.2.DOS DOS のチャイルドプロセスに制御を渡します。終了したらExitと入力してください。 2.5.3.外部エディタ起動 外部エディタとして登録してあるエディタを起動します。シフト + F5キーでも同様の動作 をします。 2.5.4.ファイル名の変更 各種のファイル名を変更できます。 2.5.5.ファイル名の削除 各種のファイルを削除できます。(ver.4.9C までは図形ファイルのみ) ---------------------------------<編集.DOC >---------------------------------

2.6 編集メニュー

ここでは,図形に関する様々な編集作業を行います。
2.6.1.手続き・ 図形データの分析 作図の手続きを分析します。 そして,その表示は,簡易エディタを使って読むことができます。 作図データ: 作図手続きの分析結果 幾何対象 : 幾何的対象の分析結果 作図手続きの編集自体はここではできません。標準メニューに戻り, 作図の継続に移行 してから行ってください。 2.6.2.大域変数の分析 大域変数を分析します。 そして,その表示は,簡易エディタを使って読むことができます。 大域変数: 大域変数とその値のリスト 2.6.3.色の設定 それぞれの幾何的対象の色や属性を変えることができます。 色は, 無色, 青, 赤, 黄, 緑, 紫, 水色, 白の8 通りです。 2.6.4.点の表示 点の表示方法には,「・」,「×」,「□」,「■」,「○」などの表示方法があり, それぞれの点についてどれを使うかを指定できます。また,その中に「領域を塗る」こと も可能ですが,まだあまり有効には使えません。 2.6.5.直線/ 線分/ 半直線 直線系のデータは,それぞれ,直線, 線分,半直線という属性を与えられており,それ は後からでも変更することができます。 その設定をここで行います。 2.6.6.名前の設定 主として点の名前を既定のものから変更することができます。 点の名前などは自動的に付けますが,アルファベット順に付けるだけなので,不適切な 場合もあります。例えば,内心はIとしたいというような場合に使います。 また,直線などで,2 点を通るものは,ABなどの名前を自動的に付けますが,それ以外 のもので,適切な名前を付けたいときは設定できます。ABなどの名前が自動的に付けられ るはずのものは,設定しても,書き換えられてしまいます。 2.6.7.点の束縛条件 点は自由にとるだけでなく,直線や円などの上にその動きを制限することも可能です。 点の入力時にそれを指定することもできますが,後から修正することも可能で, その場合 この機能が使えます。 2.6.8.選択候補にする点 点によっては,動かすことはできるのだが動かしても仕方がないので,生徒たちに使わ せるときには,選択できないようにしてしまう方がいい点もあります。そのように,選択 の候補にする点を設定します。 2.6.9.作図の数値入力変数 作図において使用している数値変数の入力を変更することができます。通常は使わなく ても済むはずの機能です。 2.6.10.「例」 のソート順 デフォルトは,名前のみでソートします。 (1) ソート順の指定の方法 指定可能な項目は次の通りです。 なお,+(なくてもいい) は降順 - は昇順 です。 (+/-)N :ファイル名 (+/-)E :拡張子名 (+/-)T :日時( 現在は使えない) (+/-)D :ディレクトリィ優先 OD :ディレクトリィのみ ND :ディレクトリィは排除 これらの組み合わせが指定可能で,優先するものから順に,空白を間に入れて並べてく ださい。 例 N E : 名前+ 拡張子 D E- N: ディクトリィ+ 拡張子( 逆)+名前 2.6.11.「文書」 のソート順 デフォルトは,拡張子+ 名前です。 ソート順の指定の方法は2.6.10と同じです。 2.6.12. 外部エディタの設定 外部エディタの名を設定できます。 デフォルトは,EDIAS.EXE(FMのMSDOS5.0に添付されている) です。 PC9801ならば,VZなどできるだけメモリを消費しないものがいいでしょう。 -------------------------------<グラフ.DOC >-------------------------------

2.7 グラフの描き方

ver.3.0 のときは独立した「関数・グラフ」という機能がありました。ver.4.9 ではそ のような機能はありませんが,変数の変化をグラフとして表示し,それを観察するための 方法としては,次のような方法がありますので,紹介しておきます。より詳しいことにつ いては,機会があれば,GC通信等でまとめることになるでしょう。
2.7.1 最も簡単な方法 最も簡単な方法は次のような手順で行います。 (1) 少なくとも二つの測定値を作る。 (2) 作図( 継続) において,「 XY座標を与える」 を選択する。 (3) X 座標,Y座標に与えるべき変数を設定する。 これだけで,最低限のことはできます。 2.7.2 原点を動かす しかし,問題点がないわけではありません。元の図形とグラフとがそのまま重なってい る状態なので,グラフの場所が不適切なことがよくあります。そういうときの一つの方法 は,平行移動することです。このとき,平行線等を引いていると大変ですから,ベクトル としての和, あるいは複素数としての和を使うと簡単に処理できることを思いついてくだ さい。2.7.1 に次の作業を付け加えます。 (4) 新しく点を取る。 (5)「作図( 継続)」の中の「 複素数としての演算」 を選択し,「+」 を選択する。 (6) 4.1 でできたグラフの点と(4) の点の和を作る。 (7) (4) の点を移動すれば平行移動できる。 (8) 邪魔ならば4.1 で作った点の色を消す。 2.7.3 座標の間隔を変える( 変数を操作する) また,座標の間隔は元のものをそのまま使っているので,不適切なことも少なくありま せん。一つの方法としては,変数に対して,÷10等を行い,座標で表示しやすいように直 すという手があります。 2.7.4 座標の間隔を変える( 図形追加を使う) もう一つの方法は,「 図形追加」 を使うという方法です。この場合,次のような手順で 行います。 (1) 事前に,グラフ用のファイルを作っておく。 (たとえば「グラフ 座標」という名で保 存) (2) 測定値を作る。 (3) 「 図形( 継続)」で「 図形追加」 を選択し,「グラフ座標」 というファイルを読み込む。 (4) 「 点」 の中の「2点からの延長」 を使って, x 軸上に点を作る。 また,y 軸上に点を作る。 (5) この二つの点を,追加した図形の方の2点と結びつける。つまり, 「 編集」 の中の「 点の束縛条件」 を選択し,「 別の点と同一にする」 を使う。 -------------------------------<複素数.DOC >---------------------------------

2.8 複素数

高等学校の数学Bで「複素数と複素数平面」を扱うこととなった。松江で行われた高等 学校の先生方のための講座で検討する素材とて,この章も扱ってみたいと思い,複素数を 表すものとして平面内の点を考えたときに,点に対する操作としての演算(+,-,*,/, ^) を付け加えました。これが結構面白く, 私自身,かなりはまってしまいました。
2.8.1 簡単な問題例 以下に簡単な問題を挙げてみたいと思います。 ・zが直線上を動くとき,次の点はどのように変化するか予想し,観察せよ。 (1) 2z  (2)iz (3) 1/z (4) z2 + z+1 また,zが単位円上を動く場合はどうでしょう。 このような問題を少し変化させ,実際に観察してみると,今までとはかなり違った複素数 の顔が見えてきます。詳しいことはまたの機会に触れようと思います。 -------------------------------<________.DOC >--------------------------

2.9 その他

2.9.1 未登録 これは,未登録のメニュー等のときに表示されるメッセージです。おそらく,次回のバ ージョンアップのときには,解消されていると思います。 -------------------------------<スタート.DOC >------------------------------- 2.9.2 スタートメニュー このメニューは, Geometric Constructor を起動して最初に使うメニューです。 標準メニューの中で,最初に使うはずのない項目を削除してあります。 詳しいことは,標準メニューを参照してください。 ------------------------------------------------------------------- □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

   3.ファンクションキー別のリファレンス

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3.1 ファンクションキーへの機能の割当一覧

以下の割当ては, 変更することはできません。 F1: 状況ヘルプ (現在の状態に対応したヘルプ) F2: 画面分割/ 全体の切替え F3: 画面分割時に次画面に移行 F4: スナップショット参照 (図に関する履歴参照) F5: 図に関する文書参照 F6: ハードコピー F7: 画面をファイルに保存 F8: 落書き機能 (カーソル, マウス) F9: 軌跡をとる/ とらないの切替え F10: (シフト+ファンクションキー)の機能 F1: ヘルプ文書一覧 F2: ハードコピー系のスイッチのon/off F3: 画面分割時に前画面に移行 F4: スナップショット記録開始/ 終了 F5: 外部エディタ起動 F6: 全ての図を一括してハードコピー F7: F8: F9: 軌跡の記録の初期化 F10:現在使用しているメニューの編集 ---------------------------------<軌跡--跡.DOC >------------------------------

3.2 軌跡の取り方 (運動の跡としての軌跡)

軌跡の取るためには,次の二段階の手続きが必要です。 (1) 「標準メニュー」の中の「軌跡の設定」で,どの幾何的対象の軌跡をどの色で取る かを設定する。 (2) F9を押して左下に「軌」のマークが出ていれば,変形時に軌跡を取る。 また, ・軌跡を取りたくないときは,もう一度F9を押すと「軌」は消える。 ・軌跡を消したいときはシフト+F9 を押せばいい。 軌跡を取りすぎるとメモリ等の問題から,いろいろと支障が起こる可能性があります。 必要以上に残さないようにしてください。 なお,幾何学では伝統的に,点の動きを軌跡と呼びますが,直線や円の運動の跡は「軌 跡」とは呼びません。そういう意味では,ここでの使い方は伝統的な言葉の意味を拡張し ていますで,注意してください。 また,ここでの軌跡の設定はファイルに記録されますから,それを設定してから保存す れば,生徒にファイルを呼び出させ,F9の設定を押し変形するだけで目的の軌跡を観察さ せることができるようになります。 ---------------------------------<軌跡条件.DOC >------------------------------

3.3 軌跡の取り方 (条件を満たす点の集合としての軌跡)

一般に,軌跡には3.2のような「点の運動の跡」としての側面以外に,「条件を満た す点の集合」としての側面があります。例えば, ・点Oからの距離が10となるような点の集合 ・A,Bからの距離が等しい点の集合 などです。Geometric Constructor では,このような集合も調べることができます。たと えば,{CA=CBとなるような点Cの集合}についてどのような手順で調べるかをまと めておきます。 (1) A,B,C を画面内に取る。 (2) CA,CB を測定する。 (3) 「測定」メニューの中の「数式」によって,CA - CB を作る。 (4) 「軌跡の設定」の中の「変数」を選択し,「CA - CB 」を選ぶ。 (5) F9キーの「軌」マークが表示されていることを確認する。 (6) C を変形する。 すると,CA - CB の大きさによって,C の軌跡が次のように残されます。 CA - CB >0:+マークに○を重ねたもの(青) CA - CB =0:◎マーク        (白) CA - CB <0:−マークに○を重ねたもの(赤) この白い◎の点の集合や青と赤の境界が求める点の集合として見えるようになります。 3.2,3.3のいずれにも共通することですが,軌跡を厳密にきれいに画面内で作る ことに没頭してはいけません。むしろ,大体の形つまり概形を知るために使うべきです。 そして,その形の概形が分かったら,それは厳密にはどういう形をしていると考えたらよ さそうかを考え,本当にそれでいいかどうかを理論的に考えるようにする方がいいでしょ う。 ---------------------------------< ヘルプ.D15 >---------------------------------

3.4 ヘルプ機能

3.4.1 ヘルプの基本的な機能 F1: 画面左下に表示されている状態に応じたファイルを表示します。どの名前のファイルを 表示するかは,既定ですので,変更できません。 シフト+F1: 登録しているヘルプ文書の一覧を表示し,そこから任意に選択します。 表示するファイ ルは,拡張子の最初が Dになっているものすべてを表示します。 後から追加したファイル でも,この機能の場合は参照可能です。 3.4.2 ヘルプ参照時の注意 デフォルトのエディタは簡易エディタで,いわば,ラインエディタを無理にスクリーン エディタのように表示しているエディタですから,入力時には, 少し不便を感じると思い ます。 基本的には,すべて別の行と思って作業してください。行送り等の作業は行いません。 また,この簡易エディタは標準は20文字表示ですが,この設定は可変なため,行の先端が 空白のときには新しい行, そうでないときには,前行の続きとして保存します。 そのため ,前行の終わりの方が空白で,当行の先端が詰まっているときには,保存, 読み込みを行 うと,前の行に数文字を詰めた形で表示されます。 また,不便を感じるようであれば,オプション等の設定により,ご自分のエディタをお 使いください。 3.4.3 キーの機能割りつけ ↑ :前行に移動 ↓ :次行に移動 ←→ :行内での移動 Esc :保存し終了 シフト+↑: 当行の削除 シフト+↓: 当行の前に行挿入 シフト+Esc:印刷 ---------------------------------< 画面分割.D15 >------------------------------

3.5 画面分割機能

一つの図形を動かしていろいろな場合を観察するときに,それぞれの場合を並べて比較 したい時があります。また,論文等を作成するときに,画面全体で一つの図では大きすぎ るので,画面を分割して表示したいときや,動きを画面の変化で表現したときがあります 。このようなときは,画面分割機能を使ってください。主な機能は次の通りです。 F2 : 分割する/しない の切り換え F3 : 次の画面への移動 シフト + F3 : 前の画面への移動 なお,この機能における画面の分割というのは,印刷用という意味での分割であり,単 なる「保存」です。次の画面や前の画面に移るときには,現在の情報をそのまま持って次 の画面に移りますから,たとえばある画面での作業と別の画面での作業を並行して行うと いうような使い方はできません。 ---------------------------------< F5文書.D15 >--------------------------------

3.6 図形別の文書作成/参照機能

F5キーを押すと,現在使っている図形ファイルに関連する文書を参照したり,作成した りすることができます。 この際, 内蔵エディタを使いますが,それが不都合な場合には,シフト +F5 によって,外 部エディタを起動してください。 この機能を使う主な目的は次の通りです。
3.6.1 ある問題の探究記録を残す これは私が一番よく使う使い方です。問題を解きながら,その記録を残します。ファイ ル名としては,「問題」, 「解決」, 「予想」, 「発展」などに適当に番号を付けて,保 存します。ちょうど問題を解きながら,ノートにメモを取るような感じです。 3.6.2 問題集を作る これは一つの目的としながらも,まだあまりまともに使ってみたことはありません。要 するに,一つの図形に対して,「問題」, 「ヒント」, 「解答」, 「発展」などを蓄積す る方法です。これも結構いろいろな使い方ができると思います。 ---------------------------------< Sショット.D15 >------------------------------

3.7 スナップショット機能

これまでも履歴機能はありましたが,主な目的は生徒の記録をずっと取りつづけるとい うようなものでした。しかし,「ちょっと」でいい場合が結構あります。例えば,「この 図をこんな風に動かすと面白いんだよ」というような動きをせいぜい数秒残せば使いやす いのにということが結構ありました。そこで,そういうふうに,「ちょっと記録しよう」 というのを,「スナップ写真」を気軽に撮るのと同じような気持ちで,「スナップショッ ト機能」と名付け,履歴機能を変えたものを実装しました。( 今までの履歴機能の使い方 もそのまま使えます。) 以下にスナップショット機能の特徴と使い方を説明します。
3.7.1 スナップショットを見る スナップショット機能は,「図形ごと」に別々のディレクトリィに保存します。つまり ,その図形に関する資料を調べたいときには, F4 :スナップショット F5 :文書 というキーを押せば検索できることになります。 また,現在使っている図形に関して資料が保存されているかどうかは画面の左下に 文 :文書 S :スナップショット という文字が表示されているかどうかで分かります。 なお,これまでの文書に関する規約と同様, 拡張子だけが異なる場合には,資料は共有 します。 3.7.2 スナップショットを撮る 記録を撮りはじめたいときには, 1.まず標準メニューに戻る。 2. シフト + F4 キーを押す。 ( このとき,各種の設定を強制的に標準に戻します。) 3.通常と同じように操作する。 4.終了したいときに,標準メニューに戻って,F4あるいは シフト + F4 キーを押す。 (3 ) ファイルには自動的に番号が付けられますが,名前の変更は,「 補助メニュー」 の中の 「 ファイル名の変更」 で行えます。なお,DOS 上でRENAME等を使って変更しても構わない のですが, +--図形パス.GC4 ---図形ファイル +--図形パス.HIS ---図形名 -+-ファイル(1) +- DATA --------ファイル(2) という構造で,同一名のファイルが(1),(2) と2つあるので,両方の名前を同じものに変 更するように注意してください。 ---------------------------------< HCOPY.D15 >---------------------------------

3.8 ハードコピー機能

画面のハードコピーを取りたい場合には,次のような使い方ができます。
3.8.1 現在の画面のハードコピーを取る F6キー を押してください。作業を中断して印刷を「待つ」わけですから,簡単だけどあまり上手 な使い方とは言えません。 3.8.2 図形ファイルの一覧をハードコピーで取る 大体名前で図形ファイルの内容は分かるように命名する方がいいのですが,場合によっ ては,どういうものがあるのかを画面で観察しながら,またハードコピーしたものを観察 しながら作業を進めることが便利な場合もあります。そのようなときは, シフト+F6 を押してください。すると,図形ファイル一覧に対する操作ができます。 3.8.3 現在の画面をファイルに保存しておいて,後でまとめて印刷する この場合,まず保存するときは F7キー を押してください。すると,画面データパスに中に自動的に番号をつけたファイルが保存 されます。 そして,これを印刷したり,ファイル名を変更したりしたい場合には, 「補助メニュー」の中の「画面データ」 を使ってください。詳しいことは「補助メニュー」に関する部分にありますが,これを使 えば印刷等ができるようになります。 ---------------------------------< Mエディタ.D15 >---------------------------------

3.9 メニューエディタ

シフト+F10を3回押すとメニューエディタが起動します。この使い方は5章をご覧 下さい。 ---------------------------------< エディタ.D12 >--------------------------------

3.10 簡易エディタの使い方

F1,F5などでの文書参照等の目的のために,簡単なエディタを作りました。ライン エディタの寄せ集めのような機能しかないので,通常のエディタと比較すると使いにくい 点があると思います。 不都合な場合には,Vzなどのように,常駐できるエディタを使いこ なすのも一つの方法だと思います。 以下に簡単に仕様等を書いておきます。 (1)↑↓によって行の変更をする。 通常のエディタでは,桁数を保持するのが普通だが,ここではそれはしません。要する に,ラインエディタを繰り返し使っていると思ってください。 (2) Shift +↑↓によって行の削除・ 挿入をする。 通常のエディタでは,あるところでリターンを押すとそこで改行し,次の文字を先頭に する新しい文字列を作ってくれますが,ここではそれはできません。また,行の末を過ぎ ても, 次の行に送ってくれません。 (3) Shift +リターンで,最後の行を一行増やす 行数は起動時に決まります。 それ以上スクロールすることはできなくなります。 しかし,(2) の挿入等によって,その行数は変更が可能です。しかし,最下行の場合Sh ift + ↓が使いにくいので,Shift + リターンを用意しました。 (4)表示桁数の変更 表示の幅が広いとスクロールが遅くなりますし, 場合によっては, 画面の半分程度の方 がよい場合もあるので,表示桁数はオプションメニューにて変更ができます。 (5)長い文字列の処理の仕方 (4) との関係で,任意の桁数に合わせた保存の仕方をします。行頭が空白の場合には必 ず行頭にすべき部分と認識しますが,そうでない場合には,前行に隙間があれば,前に詰 めるという処理をします。 ---------------------------------< スイッチ.D11 >--------------------------------- □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    4.起動時のスイッチ別のリファレンス

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4.1 起動時のスイッチ

4.1.1 利用の仕方 GC04R50 /N /N=200 などのように,実行ファイル名の後に付け加えてください。 スイッチの区切り方は/ でも -でもあるいは空白のみでも大丈夫です。 4.1.2 スイッチの種類 L : 最初から軌跡のスイッチを入れます N : 最後の画面を出しません 学校等で使う場合にお勧めします W : 利用履歴を記録します。 R : 利用履歴を再生します。 X : エラーハンドラーを使いません 開発用のスイッチですから,通常は不要です( デバッグ用) N=数値 :幾何的対象のそれぞれの個数の最大値を設定します。 デフォルトは100 で,100 未満の数値を入力しても100 になります 特別に大きな多角形などを作らない限りは不要です DATA= :データパスを指定できます DOC= :ヘルプ文書パスを指定できます これら二つの指定は,利用者が不特定多数で,オプションを適当に変えてしまってい る可能性がある場合にお勧めします MENU= :メニューパスを指定できます。 デフォルトでは,起動するときのドライブのルートディレクトリィ下にある\MENU.GC 4 というパスがメニュー用のパスですが,他のドライブから起動したいときなどは,その ドライブにメニューがないと支障を起こします。そのようなときに, このスイッチを使っ てください。 LAN(GUAGE) 現在作ってあるのは「ENGLISH 」だけですが,実行ファイルとは別に辞書を作ることが できますから,必要に応じて,他国語でのメニューや学年対応のメニューを作ることがで きるはずです。

4.2 その他の設定の保存

上記以外の設定は,「CONFIG.GC4」というファイルに保存されています。また,その変 更は,オプションメニューの中で変更できます。CONFIG.GC4での設定とスイッチでの設定 が異なる場合には, スイッチの方が優先されます。CONFIG.GC4の内容は,エディタを使え ば簡単に読めるようにしていますから,関心のある方はご覧になってください。 なお,CONFIG.GC4で設定すべき変数の内容は,Geometric Constructor の版が変われ ば変わる可能性があります。不要になった変数がCONFIG.GC4の中にある場合は,その旨を 表示します。
4.2.1 CONFIG.GC4の例 以下は,95.3月発行のイプシロンに掲載する原稿を書いていたときのCONFIG.GC4の内容 です。 メニューパス = \MENU.GC4\ 文書パス = \Doc.GC4\ データパス = G:イプシロン95.GC4\ 画面保存用パス = G:イプシロン95.VRM\ 履歴データパス = \His\ マクロパス = 図形追加パス = 文字表示スイッチ = 0 描画サイクル = 2 外部エディタ = \DOS\EDIAS 例ソート順 = ND N E 文書ソート順 = ハードコピー = 1 白黒スイッチ = 0 ASPECT = 1 BAK ファイル = 0 数値桁数 = 2 -------------------------------< メニュー 操作.D13 >------------------------------- □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    5.メニューのカスタマイズ

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5.1 Geometric Constructor の特徴としてのカスタマイズの強力さ

現在,多くの教育用ソフトではメニューのカスタマイズをすることができます。作図ツ ールにおいても,可能なものが多いと思います。しかし,Geometric Constructor で可能 なカスタマイズはそれらで可能なことを大きく越えていると思います。実際,多くのソフ トでのメニューのカスタマイズ機能は次項の中の「隠す」程度であることが多いのです。 あるいは,ソフト独自の機能というよりも,それを作る汎用の機能の中で実現されている 機能を使っていると言った方が適切かもしれません。

5.2 メニューのカスタマイズの目的と方法

Geometric Constructor では,次のような目的によるカスタマイズを念頭に置いていま す。具体的な操作は5.4 を参照してください。
5.2.1 隠す 第一に,メニューの中のある項目を「隠す」場合です。たとえば,これから「外接円」 について学習しようというときに,「円」の中に「外接円」という項目は「ない」方がい いと思う先生もいるかもしれません。そういうときに,簡単に「消せる」と便利です。色 を「消す」だけではなく,たとえあっても「ないのと同じ」働きをする必要があります。 Geometric Constructor の場合,色を「書かない(0)」に設定してください。 5.2.2 強調する 「不要だから消したい」というのと反対に,「今日はこれを使いたいから強調した色を つけたい」と思われる先生もいらっしゃるかもしれません。(私はあまり使ったことはあ りませんが)そういうときには,色を何らかのものに設定するといいでしょう。 5.2.3 ショートカットキーの設定・変更 通常の利用では,矢印キーによるキー操作かマウスによる操作で十分と思いますが,慣 れた人が速く使うためには,ショートカットキーを使う方が適切な場合もあります。ショ ートカットキーは最初から使えるように設定してありますが,それを削除すると,メニュ ーはより簡素になります。別の文字への設定を希望される方もいるかもしれません。 5.2.4 言葉を変える Geometric Constructor を利用する可能性がある学校は,小学校〜大学まで多様です。 そのため,学校段階によっては,最初に使っている言葉が適切でない可能性もあります。 それを変えたい場合に,このカスタマイズ機能を使ってください。また,ここでの変更は メニューの内容のみですが,メッセージも変更したい場合には,6章の「多国語対応」を 参照してください。 5.2.5 メニューのツリー構造を変える 多くの場合,上記の3 種類で十分だと思いますが,中にはメニューのツリー構造を変え たいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。たとえば,ファイル操作に関するもの は現在標準メニューと補助メニューに分散していますが,それをまとめて一つの項目にし たいなどと思われる方もいるかもしれません。多くのソフトはそのような希望には対応し てくれませんが,Geometric Constructor では,そのようなメニューのツリー構造も変え ることができます。 また,そのような際には,既定のメニューファイルだけでなく,サブメニューを使う必 要が出てくる場合があります

5.3 メニューエディタの起動の仕方とその変更について

メニューのカスタマイズを行うには,シフト + PF10(F10)を3回押せば行うことができ ます。以前は, PF10(F10) を1 回押せばできるようにしていたのですが,授業中に生徒が 誤って起動させ,無用なトラブルが起こってしまったことがあったので,「意図しなけれ ば」起動できないように修正しました。ご了承ください。

5.4 メニューエディタの利用の仕方

(1) シフト+PF10 3 回で起動する (2) 項目、データ、色番号 が表示されている (3) 変更したい項目番号まで上下キーで移動 (4) 隣の内容に移動したいときにはリターンキーで右に移動。 右端でリターンキーを押すと左端に移動。 矢印キーは一つの内容の中での文字移動のみにしか使えない。 (5) 選択されている場所は白反転の表示だが、それ以外では色番号で指定している色表 示となる。 (6) 変更が終了したら、Esc キーを押せば、ファイルを保存して終了。 なお,選択させたくない項目は,項目, データの部分をそのままでも,色を0に指定す れば,その項目が「ない」のと同じ働きをします。 項目内容は自由に操作することができますが,データ部分に書くべき文字列とその意味 を5.7 に列挙します。なお,版が変わると, 多少追加されるものもあると思います。 --------------------------------< ショートカット.DX1 >-------------------------------

5.5 ショートカットキーの設定

メニューの中の選択は,通常矢印とリターンキーですが,項目の冒頭の文字を押すこと によってショートカットをすることもできます。 また,その設定は,メニューエディタ(F10) によってカスタマイズ可能で, ショートカットキーの文字: という並びにすれば大丈夫です。 ショートカットキーの文字として使えるのは,英数字カタカナ等, 一回の操作で入力可 能なキーです。( 他の文字も設定は可能ですが,実際には使えません) また,同じ文字を2回以上使っている場合には,現在反転しているメニュー以降で,最 初に登場するもの( なければ最初の項目に戻る) を選択するようになっています。 なお,このショートカットキーの設定は,次回以降から有効になるので,設定したら一 度終了し,再起動してください。 --------------------------------< サブメニュー.DOC >-------------------------------

5.6 サブメニュー

メニュー項目の中で,下位メニューを構成したい場合に,メニューファイルを操作する だけでサブメニューを使えます。次のような仕様になっています。 (1) メニューの中で, -***というように,冒頭を- とする。 (2) サブメニューで使うメニューファイルの名は,上記の*** を使い,SUB-***.GC4 となる。 (3) サブメニューでは,ある選択肢を選び,それを元のメニューの中で選ばれたような 形で返す。 現在,この機能を使っているもの,「F キー」があります。 --------------------------------< PROC.DX1 >----------------------------------

5.7 カスタマイズのためのデータ一覧

5.7.1 基本的なメニュー等 DEFM: 連続的変形 DEF2: 連続的変形(FMR60用) DEFN: 数値の変化 DEF3: 数値の変化(FMR60用) OPT : オプションメニュー HOJO: 補助メニュー HELP: ヘルプメニュー EDIT: 編集メニュー STND: 標準メニュー LOCS: 軌跡 SAVE: データの保存 READ: 例の読み込み ZOOM: ズーム NEW : 元の点を取り直す REST: 新しく作図 CONS: 作図の継続 CLS : 画面消去 5.7.2 測定, 数式での選択項目の候補 ND2P: 距離(2点) NDPL: 距離( 点, 直線) NDPC: 距離( 点, 円) ND2L: 距離(2直線) NDLC: 距離( 直線, 円) ND2C: 距離(2円) NA3P: 角度(3点 0-180) NA3+: 角度(3点 -180 - 180) NA3*: 角度(3点 0-360) NA2L: 角度(2直線) NAR3: 面積(3角形) NAR+: 面積(3角形,+-) NLC : 円周 NRC : 円の半径 NSIN: sin x NCOS: cos x NTAN: tan x 5.7.3 作図, 点での選択項目の候補 PC1 : 交点(2直線) PC2 : 交点(直線と円) PC3 : 交点(2円) PNEQ: n等分 PN : 内分・外分 PEXT: 2点からの延長 P1 : 三角形の外心 P2 : 三角形の内心 P3 : 三角形の重心 P4 : 三角形の垂心 P5 : 三角形の一傍心 P6 : 三角形の九点円の中心 PT1 : 点の回転 PT2 : 点の線対称移動 PT3 : 点の点対称移動 PT4 : 点の円に関する反転 PNEW: 新しい点を取る PBND: 図形上に点を取る PO+ : 複素数としての和 PO- : 複素数としての差 PO* : 複素数としての積 PO/ : 複素数としての商 PO-1: 複素数としての逆数 PO^ :複素数としての巾( べき) PXY : 点の座標から点を作る。) 5.7.4 作図, 直線系での選択項目の候補 L1 : 2点を結ぶ L2 : 平行線 L3 : 垂線(とその足) L4 : 垂直二等分線 L5 : 円の接線(1点を通る) L6 : 2円の共通外接線 L7 : 2円の共通内接線 L8 : 極線 LPGN: 多角形 LRGN: 正多角形 LH1 : 角の2等分線 LH2 : 角のn等分線 5.7.5 作図, 円での選択項目の候補 C1 : 円(中心と半径) C2 : 円(中心と一点) C3 : 円(3点) C4 : 円(直径) C5 : 内接円 C6 : 一傍接円 C7 : 九点円 5.7.6 作図以外の選択候補一覧 CHKM: メモリのチェック CLS: 画面消去と再描画 CHSW: 点の名前の表示のスイッチ CMP : 「 点」 の作図メニュー CML : 「 直線」 の作図メニュー CMS : 「 線分」 の作図メニュー CMHL: 「 半直線」 の作図メニュー CMC : 「 円」 の作図メニュー CMCO: 「 複素数」 の作図メニュー CONS: 作図の継続 DCYL: 描画サイクルの設定 DDTA: データ出力 DEFM: 変形(1点,2画面, 98,R50系用) DEF2: 変形(1点,1画面, R60 系用) DEFN: 数値の変化 DEF3: 数値の変化( 以前のversion) DEL: ファイル消去 DGLB: 大域変数の出力 DOS: チャイルドプロセス EDIT: 編集 EATP: 点の属性 EATL: 直線の属性 EBND: 点の束縛条件 ECLR: 色の設定 EDIA: 外部エディタ起動 ENAM: 名前編集 ENUM: 数の束縛条件 EOEX: 例のソート順 EODC: 文書のソート順 EOVR: 画面データのソート順 EPTH: パス指定 ESPT: 選択可能な点の設定 HELP: ヘルプ HOJO: 補助 LOCS: 軌跡 MACR: マクロ MERG: 図形の追加 MSR: 測定 NEW: 新しく作図をしなおす OPT: オプション REDO: 一つ前の作図手続きと同じものを選択する REST: 元の点を取り直す READ: 例 RNAM: ファイル名の変更 ROTA: 図形の回転 RSTL: 軌跡の消去 RVRM: 画面保存ファイルの処理 SAVE: 保存 DELA: 角描画スイッチOFF SETA: 角描画スイッチ設定 SETB: 白黒ディスプレィモード設定 SETD: 測定数値の桁数の設定 SETE: 外部エディタ設定 SETH: ハードコピースイッチ設定 SETK: BAK ファイルの設定 SETL: 軌跡スイッチ設定 SETS: アスペクト比( 画面の縦横比率) の設定 STND: 標準 UNDO: 一つ前の作図 (測定) 手続きを抹消する ZOOM: ズーム □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

          6.多国語対応   − 国語/メッセージ内容のカスタマイズと選択 −

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6.1 Geometric Constructor 独自の特徴としての多国語対応

カブリなどのように,英語版, 日本語版, ドイツ語版, フランス語版など,様々な版が 市販されているものもあります。しかし,それらはそれぞれが別のソフトです。これに対 して, DOS/V 用のMSDOS などは一つのソフトで英語環境と日本語環境の切り換えが可能で す。Geometric Constructor ではこの後者のように,ソフトそのものは一つなのだけれど ,別の工夫をすることによって様々な国語が使えるようにしようと考えました。このよう な試みは,このようなアプリケーションソフトでは非常に珍しいと思います。

6.2 多国語対応の目的

このような仕様を考えた背景には,次のような目的(=理由)があります。
6.2.1 利用する学校段階や学年段階が異なれば使う用語も異なる 一つは,5章でも触れたように,同じ日本語を使う場合でも,使う学校や学年が異なる ことによって,使いたい言葉が違うことがあり得ます。しかし,学年が異なるだけで違う 版を使わなければならないのでは不便ですし,開発にもきりがありません。それを簡単に 選択できると同時に,そのカスタマイズもユーザーに委ねることが一つの目的です。 6.2.2 日本国内の学校でも他国語利用の可能性 最近,日本国内の学校でも,日本語が得意でない生徒も増加してきました。国語や社会 科のような教科では難しいかもしれませんが,せめて数学のような万国共通の内容の教科 ならば,言葉が違うことによって生じる障害はなるべく解消してあげたいものです。 たとえばソフトの利用においても,日本語メニューで表示されたものだけしか使えない のならば,それらの生徒は十分に使えるはずがありません。一つの方法は同様の機能を持 つ英語版のソフト(たとえばカブリ英語版とか,Geometer's SketchPadなど) を使わせる という手もありますが,次のような別の問題も生まれます。 (1) 使い勝手が異なる。 (2) 98やFM-TOWNSなど,学校に設置してある機器では使えない。英語版が使えるMacint osh やDOS/V 機は学校にない。 (3) 英語も不得意の生徒も多い。 (4) ポルトガル語やスペイン語などは開発元で対応するのは難しい。その言葉に詳しい 人の協力が得やすい仕様にする必要がある。 Geometric Constructor では,このような問題を解消したいと思っています。 6.2.3 外国での利用の可能性 外国で販売するためというわけではありません。しかし,今まで次のようなことがよく ありました。日米共同研究などの際に,日本で使っているソフトの紹介をします。そうい うときにデモンストレーションを行ったとき,必ず次のような質問をされます。「そのソ フトが使えるのはNEC だけか」 (ここで,NEC はエヌイーシーではなく,ネックと発音し ます。考えてみたらMac がマックですからね。でも最初聞いたときは何を言っているのか わからず,いや,エヌイーシーだと大きな声で強調してしまいました。) 「NEC と富士通 の機械だ,それで日本の学校のコンピュータの大半をカバーできるから」と答えると,「 そうか」それでおしまいです。 考えてみれば,ばかげた話です。日本でしか使えないようなソフトのことを外国の人に いくら話をしてみても,それは日本でしか通用しない話です。聞いている側にとっても, それが自国で使えるのかどうかによって,本気で話を聞くかどうかに大きく影響するでし ょう。 このことを解消するためには2つの段階の仕事が必要です。一つは対応可能なハードを 増やすということです。一般的には,DOS/V とMacintosh に対応させるということです。 Geometric Constructor の場合,使っているコンパイラの問題から,Macintosh は不可能 ですが,DOS/V つまり,PC/AT 互換機への移植を行いました。 もう一つが対応可能な国語を増やすということです。カブリのように,それぞれの国の 版を作り,それぞれの国で市販化するという方法もありますが,Geometric Constructor の場合には,そういうことを組織的に行うための資本, 人材等がありません。しかも,対 応すべき国語として英語程度を扱うだけなら何とかなるかもしれませんが,ユーザーがカ スタマイズ可能とすることによって,潜在的に非常に多くの国語で使えるようにすること が可能です。日本語用のDOS/V で提供されるのは日本語以外には欧米の文字セットだけで すが, (まだ調べていませんが)DOSとの組み合わせによって,中国語や韓国語への対応も 可能かもしれません。そのような可能性を今の時点から作っておくという選択肢を選んだ わけです。

6.3 他国語選択の仕方

起動時に /LAN というスイッチを設定します。いつも使うときはAUTOEXEC.BATの中で記 述しておけば便利です。 すると,画面内に登録してある国語の一覧が出るので,そこから選択します。それによ って,その国語に対応したメニュー, メッセージを使うことになります。

6.4 他国語対応のための手続き

6.4.1 他国語対応の仕組み 例えば「ENGLISH 」を選択したときの動作を説明しましょう。他の国語を選択したとき も原理は同じです。このとき, −+−\MENU.GC4  −−+−通常の各種メニュー +−\ENGLISH.DIC  +−ENGLISH.MNU −−英語選択時の各種メニュー +−他国語用辞書  +−*******.MNU −−他国語用のメニュー という中のENGLISH.DIC と ENGLISH.MNUの下にある各種メニューを使います。 メニューに関しては,ENGLISH.MNU の下にある各種メニューをそのまま使います。 メッセージに関しては,辞書の中に     何かキーを押してください=Hit any key. のように, 日本語=対応する英語 が列挙されていますが,左側の日本語の代わりに右側の英語が表示されます。 また, 何かキーを押してください= のように,右側に何もないときは元の言葉がそのまま使われます。 従って,他国語に対応するようにするためには,***.DIC という辞書の編集と ***.MNU の下の各種メニューの編集という2種類の作業を必要とすることになります。 また,より徹底的に行うためには,ヘルプ文書等も書き換える必要があります。 6.4.2 メニュー内容の編集 新しい国語に対するメニューを作るためには,まずファイルをコピーする必要がありま す。たとえば,GERMANに対応するものを作る場合には, MD MENU.GC4\GERMAN.MNU COPY MENU.GC4 GERMAN.MNU とすることによって,通常のメニューをGERMAN.MNUにコピーします。そして,この中のフ ァイルをそれぞれGERMANつまりドイツ語に修正することになります。 このカスタマイズは,基本的に5章での編集作業と同じです。しかし,5章でのカスタ マイズはほんの一部のメニュー項目だけを変更すればいいのに対して,ここでの修正はす べてのメニューを変更しなければならない点が異なります。 通常のエディタを使って,一つずつメニューを変更する手もありますが,すべてのメニ ューを漏れなく速く修正するためには,MERGEDOC.EXEとSEPADOC.EXE という自作ツールを 使うと便利です。これらのツールは公開していませんが,その使い方等は開発編の中でま とめています。必要な方は直接ご連絡ください。 6.4.3 メッセージ用の辞書編集 GERMANのメッセージ用の辞書を作成するためには,GERMAN.DICを作る必要があります。 その元としては,ENGLISH.DIC が使えますから, COPY MENU.GC4\ENGLISH.DIC MENU.GC4\GERMAN.DIC とコピーし,このGERMAN.DICの内容の英語の部分をそれぞれドイツ語に書き換えればいい でしょう。 6.4.4 ソフトのバージョンアップに伴う辞書のメインテナンス Geometric Constructor のversion upに伴い,これまでのコメントが修正されたり,新 しいコメントが追加される可能性もあります。その際に,毎回一から作業をしなおすので は大変です。そのため,バージョンアップに伴う辞書のメインテナンスのためのツールと して,DICUP.EXE というものを作りました。これも使う方は非常に限られると思いますの で,必要な方は直接ご連絡ください。

6.5 辞書を充実させるためのお願い

さて,これまで述べてきましたように,Geometric Constructor ではいろいろな国語に 対応可能です。しかし,それらは単に「可能」というだけのことであって,「できている 」わけではありません。実際に作るためには,その言葉にかなり堪能でなければできない 作業です。使える可能性はあるけれども, 私にはとてもできない国語も数多くあります。 たとえば,ポルトガル語, スペイン語などになると手が出ません。もし,何らかのきっか けで,辞書を作成してみようと思われた方は,ぜひそれをお送りください。同じような環 境の方にも提供でき, より容易に使っていただけるようになりますから。 -------------------------------<故障かな.D17 >------------------------------- □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

      7.典型的なエラーとその原因

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ トラブルの中には, 原因のはっきりしているもの,対処の仕方のはっきりしているもの などもあります。以下にそれらの中のいくつかをまとめておきます。

7.1 起動しない

7.1.1 No System Files と表示される MSDOS のシステムが転送されていないときにこの表示が出ます。「初級編」を参照して MSDOS のシステムを転送してから起動しなおしてください。 7.1.2 最初から「メモリが足りません」という表示が出る 常駐物のデバイスドライバ等が多すぎることから生じる場合がよくあります。上級編を 参照してください。 7.1.3 その他 ・98系とFM系など,版と実際に使っている機種とが違っていませんか。 ・エプソンのパソコンを使っているのに,NEC のMSDOS をプロテクトを外さないままで 使っていませんか。

7.2 ハードコピーに関連して

7.2.1 ハードコピーが取れない PR-201系にのみ対応しています。エプソンやキャノンなどサードパーティの場合, モー ド設定をきちんとしないと印刷できません。 7.2.2 縦横の比がおかしい。図が断続している。 プリンタの機種あるいは設定を確認してください。NEC のプリンタでも,PR-201系でな くNM系の場合, 縦横の比が合いません。 また,それぞれの行がきちんと接続されないため ,行間に空白が少しずつ入ってしまうので, 図が断続しているように印刷されます。 7.2.3 ハードコピーの最中に止まってしまった ハードコピーの作業が終わらないと次の入力を受け付けてくれません。多くの場合, 紙 が終わってしまって,まだ印刷すべき部分があるのにそのままにしているため,停止して いるという原因です。 7.2.4 きれいでない, はっきりしない シリアルドットプリンタでは,濃淡の差などが出て, なかなかきれいにならないことが あります。また,熱転写プリンタの場合, 濃淡の差の問題はないのですが,行と行の接続 がきれいにならないことがあります。ページプリンタ, あるいはバブルジェットプリンタ をお勧めします。 7.2.5 時間がかかる ある程度仕方のない現象です。一つの解消手段としては,F7を使って画面をファイルと して保存し,後でまとめて印刷する方法があります。

7.3 インストールに関連して

7.3.1 文字は出てくるが図がでてこない (1) FM系の場合, CONFIG.SYSに GDS.SYS を登録し,起動するフロッピィに GDS.SYS を保存しておく必要があります。 一般に,GDS.SYS は機種によって異なります。 機種に合ったものを使ってください。

7.4 FEP に関連して

7.4.1 日本語入力ができない (1) 初期の状態は,日本語FEP を付けない状態で配付しています。日本語処理が必要な 場合,ご自分で処置をなさってください。 なお,現在はかなりのメモリを消費していますから,いろいろな工夫をしないと日本語 FEPは使えない可能性があります。詳しいことは上級編を参照してください。

7.5 メニューが出てこない, オプションでのパスの設定ができない

(1) カレントディレクトリィを確認してください。 デフォルトでは,カレントパスの下のサブディレクトリィに,メニュー用のディレクト リー「 MENU.GC4」 を置いています。 異なるドライブあるいはディレクトリィから起動して いるときには,メニューが表示されません。適切なディレクトリィに移動してください。 あるいは,起動時のスイッチ /MENU= をお使いください。 (2) サブディクトリィの中身を確認してください。 きちんと,サブディレクトリィの中に,それぞれのファイルを移していますか。COPYコ マンドだけでは,サブディレクトリィまで移してくれません。XCOPY.EXE の方が適してい ます。 また,XCOPY.EXE でも,/Sスイッチを使わないと,サブディレクトリィの中身まで は移してくれません。

7.6 動きが遅い

7.6.1 機種固有の問題 CPU があまり高性能でない場合, 遅く感じることもあります。しかし,80286 を使って いる機種以上でしたら,まあまあ満足できるのではないでしょうか。 (1) FM-TOWNS TOWNS で「遅い」と感じられる場合,モードが「高速モード」になっていないで,「互 換モード」になっている可能性があります。例えば,TOWNS IIでは,前面に「高速」とい う表示ランプがありますが,そこを確認してください。高速モードへの切替えは,TOWNS OSを起動して,「設定」のメニューのところで行えます。 (2) FM-R60系 FM-R60/70/80の場合, 全体画面の消去に時間がかかります。これは,Quick BASIC/MS-B ASICのライブラリの問題です。機種を変えてもあまり改善しません。 (3) DOS/V 系 DOS/V 系の場合,キーボード入力のタイミングが遅く感じられることがあります。特に ,変形のときに押しっぱなしにしているときに遅く感じられることがあります。その原因 は,キーボードのリピートの時間設定が不適切なことがよくあります。DOS のMODE命令を AUTOEXEC.BATの中に組み込んでみてください。 例 MODE CON:RATE=32 DERAY=1 (cf. フリーディア編『DOS/V 全コマンド解説』, 翔泳社,1993) 7.6.2 「例」でのソートに時間がかかる場合 このときの速度は,使っているディレクトリにファイルの数に依存します。そのため, 必要なもの以外を削除するか,あるいは,別のディレクトリィを作り,必要なもののみを そこにコピーして,パス名を選択して利用してください。 7.6.3 Geometric Constructor での対処 描画の速度に関しては, ver.4.3 での改版で改善しました。煩雑な図形の中の一部しか 変わらないというような図では,かなり効果的です。 多少画面が汚くなっても構わないならば,オプションで「 描画サイクル」 を10〜20程度 に設定するといいと思います。

7.7 マウスに関して

7.7.1 F8を押してもマウスが出てこない。 MOUSE.SYS あるいはMOUSE.COM などを設定しなければマウスを使うことはできません。 MSDOS に添付されているもの,あるいは何らかのアプリケーションに添付されているもの を使ってください。 なお,MOUSE.SYS の場合には,CONFIG.SYSの中に, DEVICE = MOUSE.SYS を追加する必要がありますし,MOUSE.COM の場合には,たとえばAUTOEXEC.BATの中に, MOUSE を追加する必要があります。 7.7.2 「変形」のときにF8を使うとマウスが出てこない。 初期のバグです。お使いの版では解消できませんが,VER.4.7 以降ならば修正している はずです。 7.7.3 マウスの動作がおかしい MSDOS6.2の環境下では,98版のマウスについては次のことが分かっています。 (1) MSDOS5.0 までに添付されているMOUSE.SYS/COM これらは次のようなおかしな動作をします。 ・右クリックが左クリックと同じ動作をする。 ・左クリックは認識されない。 (2) Quick BASIC あるいはMicrosoft-BASIC 等に添付されているMOUSE.SYS/COM ・メニューの選択等は問題なく動作する。 ・「落書き機能」に関して,機種によっては次のような動作をすることがある。 VMなど : 問題なし RA,RX,VX : 途中でハングアップしてしまうことがある。 Ap,Af,Bp,Bx:問題なく動作するが,途中でマウスの形が画面に残ってしまうことがと きどきある。 (3) NEC MSDOS 6.2 に添付されているMOUSE.COM ・問題なく動作する。 (4) NEC MSDOS 6.2 に添付されているMOUSE.SYS 上記(1) と同様の動作をする。 なお,FM系とDOS/V 系ではMSDOS に添付されているものがそのまま使えます。 ------------------------------------< End >-----------------------------------