重心の発問について(1)
玉置崇 小牧市立桃陵中学校
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<問題状況>
三角形の3つの中線は一点で交わる。
<発問1>
・ 三角形をいろいろな形に変形してみよう。どんなことに気づきますか。
<コメント1>
三角形をどう変形しても中線が同じ点で交わっている事実を見て、なんとも感じない
子どもと不思議に思う子どもがいるはずである。また、発言を求めても、いつも一点で
交わっていることは当たり前すぎる事実だと思い、恥ずかしそうに、申し訳なさそうに
発言をする子どももいるだろう。授業では、この不思議に思った子どもの気持ちや自分
の気づきは価値がないと思い込んでいる子どもの気持ちを大切にしていきたい。つまり、
1点で交わるといった事実を表現できた子どもはまず大いに賞賛したい。こうしたいわ
ば展開(演出)があってこそ、その後の「どうして」という問いかけが、子ども自身の
心の中にぐっと入り込むことになると考える。教師自身が不思議だよなあという気持ち
を表現しないで、淡々と進めたのでは、”やらされている”という気持ちを持ったまま
の子どもが教室にいっぱい出てくるのではないだろうか。
そういう意味では、この「どんなことに気づきますか」という発問は、子どものどんな
考えにも共感し、なんとか数学の場面にのせていくことができる力量が必要なんだとつ
くづく思っている。
あとの子どもの気づきとしては、中にできる三角形の面積が同じではないかといったこ
とが出てくると予想している。