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|                         於:松江教育センター (1996.8.5-6) |
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|          数学におけるコンピュータ利用について          |
|     −図形指導の改善とネットワークの可能性に焦点を当てて−      |
|                               愛知教育大学 |
|                               飯島 康之  |
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          0.はじめに −時代は変わりつつある−

0.1 キーワードは「ネットワーク」

0.2 コンピュータ関連の変化
    (1) ハードウェア
    (2) OSやソフト -Windows95 など- 
    (3) WWW の普及による「インターネット」の認知

0.3 ネットワーク社会
  (1) 企業のネットワーク革命 -「イントラネット」に象徴される- 
  (2) 「家庭でインターネット」も「可能な線」にまで普及してきた
  (3) 様々な試みがいろいろのところで始まりつつある
  (4) 大学でのコンピュータ利用の大半はすでに「ネットワーク」
    ・同時に様々な問題も生じつつある。

0.4 学校におけるコンピュータ利用の変曲点
  (1) 数年後には実現するネットワーク利用
  (2) 「ふるい」にかけられる「教科内のコンピュータ利用」の在り方
  (3) 「ソフト」開発から「教材・授業・カリキュラム」のデータベース化へ

0.5 「ネットワーク社会」が教育にもたらす可能性と危険性をどう見極めるか
  (1) 人間像や価値観の変化
   (2) 膨大な「技術情報」や「知識」群の波をどう泳ぎきるか
  (3) 「環境」からの学習
   (4) 「組織」から「個人」へ -「アピールできる個人」をどう育てるか- 
  (5) 「場所・時間」の制約を越えた「教育」の可能性
    (6) 「この学校」の先生から脱皮
  (7) 「学校」あるいは「教師」は生き残れるか
  (8) たどり着くのは「授業」- 参加するに値する授業の創造 -

            1.コンピュータとの付き合い方
          −ツール型ソフトと付き合うための基本−

1.1 教育的利用では「効率」が問題ではない
  (1) 安易な利用は必ず失敗する
  (2) 一般的な利用では,「省力化」は大きな意味がある。教育的利用では,省力化
    「だけ」ならばする価値はない。
  (3) それによって新しく可能になる「学習」あるいは「経験」が問題

1.2 判断基準 (1)−これは避けよう−
  (1) 「だから何なんだ」
    ・「省力化」しか生まれていないときに生じる症状
  (2) 「何をしたらいいの」
    ・「目的」や「手順」(探究の進め方,ソフト等の使い方)の明確化が不足して
     いるときの症状
  (3) 「こんなに『準備』が必要なの」
    ・目標をもっと明確かつ具体的に
    ・学習のポイントを「絞る」
    ・本質的な部分は事前に処理してしまう
  (4) 「コンピュータに使われている感じ」
    ・主役は「人間」
     →数学的探究の主役は「生徒」
     →授業のイニシアティブは「教師」(あるいは生徒)

1.3 判断基準 (2)−コンピュータ利用の手掛かり−
    (1) これまでの授業で「やりたいのにできなかったこと」の実現
    ・「やりたいこと」がないのならしない方がまし
  (2) コンピュータによって可能になったことの試行
    ・「過信」しないこと,「テスト」する気持ちを忘れない
    ・「授業」に値するかどうかを検討

1.4 判断基準 (3)−インターラクテビィティ(ツール型ソフトに不可欠なもの)−
  (1) 「見せるだけ」は「だから何なんだ」
  (2) ちょっと観察→「どういうことかな」
          →「こういうのも調べてみよう」
        また観察    →「ふーん, そういうことか」
                    →「まてよ,ということは,こうなるんだろうか」
          →「え,今度はだめなの」
                    →「じゃあ,こういうときはこうなるかな」
    ・・・・
    (3) どういう事実 (図)を作るかは多様
        「事実」の解釈の仕方は多様
        行動の仕方も多様
        次に何をしたいか, どういう問題を考えたいかも多様
       ↓
    この「多様性」が「授業」に合っている。

1.5 「具体例」が重要
    (1) 「この問題」「この授業」が一つでもあれば,そのソフトは生き残る
  (2) 「一つの問題」を極めることで,いろいろなことが分かってくる

         2.Geometric Constructor を使った授業の基本

2.1 必要なキーあるいはマウス操作
    (1) 最低限必要なキーは6つ
    矢印キー (←↑↓→) で「候補変更」, 「移動」
        リターンキー        で「実行」
    Esc         で「終了」
    ・困ったらEsc を何回か押せば標準メニューに戻る
  (2) マウス
          左ボタン:矢印キー/リターンキー
          右ボタン:Esc キー
        という対応関係が基本
    作図などでの対象の選択のときは,「2回」押すような感じになることがある
  (3) 変形などでのマウス/キーボードの関係
    キーボード:一定の方向に一定の長さで移動
          機器の速度がそのまま反映される
          思っているものと違う順序になることがある
    マウス  :目で見ているものを選択
          遅ければ「表示の間引き」
          「アバウト」は適しているが,「まっすぐ」などは難しい
          「微妙さ」に疲れることもある
          98の場合,マウスポインタが見えないのが難点
          (解消の方法がないわけではない) 

2.2 基本的な機能
    (1) 変形
    (2) 軌跡
    F9のスイッチによるON/OFF  −+
        軌跡の設定         −+の二種類が必要
  (3) 作図
        種類  →  手続き  →  どれを元にするか  という流れ
        「最初から」の場合は,いくつかの点をまず入力する

2.3 最初は「デモンストレーション」
    (1) まずは「教室に一台」
  (2) 動かない図では説明しにくいことを説明するための道具として使う
  (3) 練習

2.4 多様性を生かした一斉指導
    (1) 一つの図の「解釈」の多様性
  (2) 予想の多様性
   (3) 「何をしたいか (問題) 」の多様性

2.5 一斉指導の中に隠されている意図的な指導
    (1) ソフトの使い方 (問題に則して) 
    (2) 数学的探究の流れ
    (3) 「問題 (意識) 」の共有

2.6 「僕にも使わせて」という気持ちが生じたら個別の利用へ
    (1) 「個別」が最善とは限らない
    (2) 一人一台が最善とは限らない
    (3) 集団→「自分でやりたい」→「個別の作業」→結果の集約と検討・議論
           |         ↑
           +→隠れたサポート−+
  (4) 20台を使うときは,「20台」が生きるような課題にすること

2.7 個別学習をする場合も一斉指導のノウハウは不可欠

           3.Geometric Constructor の楽しみ方

3.1 面倒くさい図を「精確」に作図してみる
  (1) 手作業では「内心」さえ結構面倒
    (2) 「問題の図をきちんと作図してみる」という経験は意外に少ない

3.2 「動かしてみる」ことから生じる意外性
    (1) 我々は意外に深く「静的な見方」に縛られている
  (2) 「この図形はこういうものだ」と思い込まないこと
    (3) 意外性の味をしめると禁断の果実

3.3 基本的な図ほど面白い
    (1) まずは動かしてみよう
    (2) 登場人物を追加してみよう
    (3) また動かしてみよう
    (4) 観察していると,どういうことに気づくようになるか

            4.ネットワーク社会への入場券

4.1 まずはWWW をのぞいてみよう
    (1) 情報の宝庫としてのWWW 
    (2) WWW には金がかかる
        ・ましなパソコン
        ・ネットワークの設備 (あるいは電話回線) 
        ・回線使用料
    ・WWW を使った数学の授業??? 

4.2 インターネットでのもう一つの主役はメーリングリスト
    (1) mathedu に参加してみよう
        ・mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp 宛に,Subject に cmd join と書いたメ
          ールを送ると自動登録できる。
  (2) 自己紹介を送ってみよう →  どんな返事がくるだろう
  (3) この講座での「課題」を送ってみよう  →  どういう意見がくるだろう
  (4) メーリングリストに参加するのに必要なもの
        ・コンピュータ (どんなものでもok) 
        ・モデムあるいはLAN 
    ・メールのアドレス (パソコン通信でもok) 
    ・費用はそれほどかからない
     (文字情報はサイズが「とても小さい」) 

            5.ネットワークが実現すること

5.1 「コミュニケーション」の障害の解消
    (1) 身近な職場に「関心が一致する人」, 「相談相手」がいるだろうか
  (2) 距離的な束縛・時間の束縛を解消してくれる
    (3) 全国の「関心のある」数十名〜数百名の中で公開して行う井戸端会議
    ・単なるROM でも「耳学問」
    ・困ったときは尋ねてみよう, 誰かが教えてくれるかもしれない
    ・自分の意見を出してみよう, 誰かが反応してくれるかもしれない

5.2 情報の「再利用」
  (1) 「引用」とコメント
    (2) 蓄積すべき情報・詳細情報はWWW やニュースへ
    ・クリックするだけでオリジナルな情報源へ
    ・「孫引き」ではなくなる
    ・「出典」が明確になる
  (3) 作る大変さは変わらないが,「再利用」のしやすさは格段に違う

5.3 情報の「再編集」
  (1) 「リンク」の不思議
  (2) 分かりやすさは「編集のよさ」
  (3) 素材が公開されているので,「再編集」が容易なWWW 

5.4 「組織」から「個人」の時代へ
  (1) 「組織」に素早い「意思決定」はできない
  (2) ネットワーク利用に「巨大資本」はいらない
    ・これまでのマスメディア利用には資本が不可欠。
        ・個人でいいアイデアを持っていても公開不可能
    ・ネットワーク上では,すべてがglobal
    ・「見る価値があるかどうか」が判断基準
    (3) 「アイデア」を生み出すのは「個人」
  (4) 「組織」は「金」で動く, 「個人」は「意志」で動く

             6.教育改革とネットワーク

6.1 コンピュータ利用のための第一のハードルとその判断基準
  −意味ある使い方の実現−
  (1) 「研究指定等がなくなっても,やり続けた授業」の生成
  (2) 教師集団による自主的な利用
  (3) 定番のソフト (群) の成立

6.2 次に生まれる課題
  (1) 「どの学校」でも一定水準のことができるようにする
        −教師に選択の自由はあっても,生徒には選択の自由はない−
  (2) 新しい教材・授業に関する情報の蓄積と公開
  (3) カリキュラムと道具 (コンピュータ) との整合性

6.3 ネットワークの可能性
    (1) 「教師」が主役へ
  (2) 「点在による孤立」や「同じ努力の同時並行」の無駄の解消
  (3) 様々なノウハウや知識の共有
  (4) こだわりを持った深い追究の可能性
    (5) 学校という枠を越えた交流の可能性

          7.教材作り・授業作りのためのノウハウ

                8.今後の可能性