1998.08.19-20
平成10年度情報教育指導者講座(高等学校数学)
(島根県,島根県立松江教育センター),飯島の担当分

講義・演習

ソフトウェアの活用と指導案作成

愛知教育大学・飯島康之


  1. 私はどういうことをしている人間か(自己紹介を兼ねて)
  2. 安易なコンピュータ利用は必ず失敗する
  3. 数学教育を取り巻く状況の変化(コンピュータ利用を考える前提として)
  4. 出発点 = 数学的な面白さの分析とその実現可能性の模索
  5. 未知の数学的な面白さを体験するきっかけの一つとしてのコンピュータ
  6. 数学教育におけるコンピュータ利用の可能性(1) - 単体としてのコンピュータ -
  7. 典型的なソフトの種類
  8. ソフトの実体
  9. 数学教育におけるコンピュータ利用の可能性(2) - ネットワークで結びついたものとしてのコンピュータ -
  10. 授業化のために
  11. 多様性の源泉とそれを制御するものとしての発問など
  12. ケーススタディ 1
  13. 作図ツール GC/Win を使った事例をいくつか考えてみよう

    (プロジェクタの画面を見ながら考えるやり方で)

  14. 機器の特徴と選択
  15. ネットワーク利用の可能性
  16. GC/Winのインストール
  17. 配布されている CD-R から, GC/Winをインストールする。

    主な手順

  18. GC/Winをちょっと使ってみよう
  19. GC/WinをWWWブラウザとの連携可能にしよう
  20. ケーススタディ 2
  21. 実は,上記のケーススタディ 1 もWWW経由ではあるが,それをより意識しつつ,次の事例についてブラウザを使いながら,考えてみよう。

  22. 課題
  23. まず,コンピュータを使うことによって,数学的な面白さをさらに引き出せると思われる問題を明確化する。(発表した例等の拡充でもいい)
    グループごとに,次のいずれかの課題に取り組んでみよう

    「いくつかの」発問例を考え,比較する
    ある発問に関して,違うソフトを使った場合の授業の違いを比較する
    WWWでワークシートなどを作るとしたら,どういう形態ものがよいかを検討し,実際に作成する。
    ネットワーク等でディスカッションするには,どういう問題が適しているかを検討する

  24. 19日の追加資料
  25. 発表と考察(19日)
  26. 今後への課題
  27. 現状で,十分なネットワーク環境がある学校は少ない。すべての学校で,ネットワークを気楽に使えるようになるまでには,まだまだ時間がかかる。しかし,我々の人的ネットワーク形成と,様々なプロジェクトを進めていく上では,ネットワークの普及は大きな可能性をもっている。
    しかし同時に,「誰かが作ったデータ等を使おう」というだけのスタンスでは何も変わらないし,進まない。ネットワークの向こう側にいる人々とうまく連携を取りながら,自分たち自身(教師/生徒)がイニシアチブをとり,自分たちに必要なものを,自分たちでうまく育てていく必要がある。
    そのためには,どのようなものが必要なのか,どういう試みが可能性があるのか。
    そして,そういう試みを実行するにあたり,「その気」と努力さえあれば,大した予算がなくてもできるところにネットワークのよさがある。

    個人的な意見だが,あまり近視眼的に「明日の授業をどうしよう」とばかり考えない方がいいと思う。まずは,自分たちの専門である数学に関して,いろいろな知見を深めていくために,「自分たちを育てる」こと,「自分のよさを伸ばすこと」そして,「いろいろな人とのコミュニケーションを取ったり,連携プレーを図ること」を考え,実行してみることが大切ではないかと思う。
    そういう中で,ネットワーク時代に適した価値観とか,行動様式とかいうものが見えてくる。そういうものを背景にしながら,次世代の子どもたちにとっての数学を考える中で,自然に,いろいろな事例が育っていくのではないだろうか。

    さて,みなさんは,どういう試みを今後なさるでしょうか。
    大学や教育センターなどは,どういう機能を果たすべきでしょうか。
    MLも作っていただいたことですし,続きはそこでやりましょう。


全体のスケジュール

受付・開講式・オリエンテーション講義
学習指導要領の目指す数学教育
(文部省教科調査官)

事例発表・研究協議
効果的なコンピュータの活用事例紹介
(各県参加者の自己紹介を兼ねて)
同左
発表
コンピュータの活用実践例1
三刀屋高校・栂瀬久男
発表
コンピュータの活用実践例2
松江東高校・長野 宏
演習
数学科におけるインターネットの活用
松江教育センター・飯国,福代
同左
講義・視察
マルチメディア活用事例研究
松江工業高校
松江工業高校・舟木,新田
同左講義・演習
ソフトウェアの活用と指導案作成
愛知教育大学・飯島康之
同左
講義・演習
ソフトウェアの活用と指導案作成
愛知教育大学・飯島康之
同左講義・演習
ソフトウェアの授業における活用
学習環境研究所・加藤 譲
講義
コンピュータやネットワーク上の著作権
コンピュータソフトウェア著作権協会・久保田 裕
講義・演習
数学で利用できるソフトウェア
松江教育センター・飯国雄司

参加地区

石川県,福井県,山梨県,長野県,岐阜県,静岡県,三重県,滋賀県,京都府,兵庫県,奈良県,和歌山県,鳥取県,島根県,愛知県からの39名。(96年度の場合は大阪府も参加されていた)