[GC Forum]
各種作図ツールの比較・分析・考察
愛知教育大学 数学教室 飯島康之
目次
0. はじめに
このページは,おかしなページである。ある作図ツールの開発者でもあるはずなのに,「いろいろな作図ツールの「比較」等を行なうと言っても,それは「他のソフトの揚げ足取り」や「中傷」でしかないのではないかと,いぶかしく思われる方もいらっしゃるのではないだろうか。
そうなのかもしれない。実際そうなのかどうか,面白半分に読んでいただければ結構である。
実は,このようなページは,できたら,もっと中立的な方に作っていただければいいのにと,もう何年も前から思っていた。しかし,いくら待っていてもできない。私はGeometric Constructorの開発当初から,特定のソフトにのみ通用する概念等を作るのはいやだったから,できるだけ共有可能な研究成果を作ろうと思い,例えば,作図ツールという概念も,そういう思いで,そういう言葉とともに定式化した。しかし,それをそのようにして受け止め,使っていただいている方は必ずしも多くない。むしろ,より専門的な研究をされる方においては,別の言葉を作って独自の議論をする方が多いように思う。もし,別の概念を提示するというのであれば,既存の概念のどういうところがどうよくないのかを,明示し,議論をすべきである。それが優れているならば,みんなでそれに移行すればいい。ただそれだけのことと思うのだが,なかなか現実はそうはならず,垣根を作って「別の領域だよ」ということが多いように思う。別の領域だよという発想が基本だとすれば,他のソフトとの客観的な比較などということは起こり得ないだろう。
また,ときどき,人伝えに,「Geometric Constructorのこういう点が問題点だと指摘されていた」ということを聞くことがある。考察の対象にしていただけるだけ光栄なことではあるが,やはり,あまり喜ばしいことではない。だが,逆に,私自身においても,同様なことが言えるのかもしれない。あるいは,十把一絡げに「作図ツール」というのは集合概念で,Geometric Constructor以外にも,いろいろなソフトに共通することですなどと思わせぶりに表現していても,他のソフトについて本当にきちんと使っていない立場でそんなことが言えるのだろうか。そういう面もある。
さて,3/26に,以前から注文していたカブリ2の日本語版が届いた。期待にそぐわぬ機能がたくさんある。一本で,使いながら,「あれっ」と思うこともいくつもあった。
一人のユーザーとして,そういうことを明文化してみるのも面白いかなと思った。別の開発者として,考え方のズレなどを明らかにしてみるのも面白いかなと思った。
当初,「組織的」に,いくつかの観点を決めて,きちんと行なおうかとも思ったのだが,しかし,どうも面白いものになりそうに思えない。しかも,「完成」までには,とても多くの時間と労力がかかってしまいそうだ。そんなにしゃかりきにやるほどの時間的余裕もない。
そこで,やはり Web 的にと,発想を変えてみた。「できるところから」やればいいんだと。そして,同感する人や,違うことを思う人がいれば,他の観点からの議論を参入させていただいたり,あるいは,議論や実験をしてみたり,そういうインターラクションを楽しみにしながらの試みと位置づければいいんだと。
ということで,いわば,「日記風」に進めていることにする。時系列的に,思ったこと,実験してみたことなどを,並べてみたい。
ご意見・ご批判など,いろいろなことをお待ちしている。ご指摘があれば,ここに掲載したり,あるいは,ご意見のページへのリンクなどを張りたいと思っているので,忌憚のないご意見を,こちらまでいただければ幸いである。
1. インストールで思うこと
カブリ2をインストールしてみた。
まず思ったことが,「コンパイラは Microsoft 系じゃないような気がする。」
少なくとも,Visual Basicではない。私は他のMicrosoft系の言語は使っていないので詳しくは分からないが,Visual C++でもなさそうだ。だって,組み込まれる DLLが,
C:\WINNT\System32\Wing32.dll
だけ。Microsoft系では, 「DLL と OCX をてんこもり」なんで,いたってシンプル。しかも,この Wing32.dll は, 13KBしかない。Wcabri2.exeは,たしかに904KBあるけれど,たったそれだけで動くようにできている。たしか,Grapes(関数のグラフを描画するソフト)は,Delphiか何かで開発されていたような気がするが,これもファイルは小さかったように思う。「配布」の気楽さを考えると,こういうのはいいよなあ。Borland系だとそうなるのかなあ。しかし,自分自身は Basic系の single skill しかないから, 移れる可能性はないけど。そんなことを感じた。
Microsoft的な発想が全く悪いというわけではない。共有する部品は,DLLやOCXの形で共有し,全体としてのファイルサイズ等を抑えるとか,不具合のある部分はパーツを漸次交換することで,対処することや,そもそも,部品と組み立て部分を別にすることによって,ちょっとしたアイデアだけでも,結構それなりに動くソフトをお手軽に作れる世界を提供してくれるわけだから,開発の側に対して,結構いい面もある。しかし,それを使ってもらう段階になってみると,パソコンに組み込まれている DLL,OCX群で構成されるシステムとしてのWindowsマシンに,システムの一部としてのソフトを組み込むわけで,「単品」を追加するDOS的あるいはカブリなどのような手軽さとは違ったややこしさがある。おまけに,DLLやOCXは,必然的にそれぞれがどこかでバージョンアップされているわけで,別のあるソフトを組み込んだがために,動かなくなってしまったがどうしようとか,そういうことを引きずる可能性を宿命的に引きずってしまうというのが,よくも悪くも Microsoft的な世界だからだ。
まあ,どっちがいいとか言える問題ではないが,
- FD2枚はいいね(GC/Winは4枚)
- DLLが一つだけっていいね(GC/Winは 21個。約 6.4M)
というのは,うらやましい。
ついでにいえば, たしか Goemeter's SketchPadは, VBだったような気がする。(versionはいくつだったかな?)
2. WWW作りをしながらのトラブル
gc-mlの中でも報告したことなのだが,カブリを使っていくつかのことをしながら,ついでにWWW上でまとめていたら,トラブルが発生した。カブリのデータへのリンクをクリックしたら,次のようなメッセージが発生したのだ。
具体的には,次のような名前のファイルが問題を起こした。
D:\WWW\auemath\teacher\iijima\gc\world\3\3-angles-01.fig
当初,カブリ2ではアプリケーションの関連づけができないのだろうかと思った。しかし,カブリ関連のWWWで,そのための設定方法があるのでおかしいと思い,少し実験をしてみたら,たとえば,同じファイルでも,名前を変え,
D:\WWW\auemath\teacher\iijima\gc\world\3\3-angles.fig
にすると,大丈夫なのだ。
D:\WWW\auemath\teacher\iijima\gc\world\3\3-angles-.fig
まではokで,「0」がつくとだめである。
また,奇妙なことに,
D:\WWW\auemath\teacher\iijima\gc\world\3\1234567890123456789012345678901234.fig
はだめだが,
D:\WWW\auemath\teacher\iijima\gc\world\3\123456789012345678901234567890123.fig
はOKである。
さらに,
D:\3-angles-01.fig
D:\1234567890123456789012345678901234.fig
はOKである。
また,
D:\WWW\auemath\teacher\iijima\gc\world\3\3-angles-01.gc4
は,GC/Winで起動可能である。
いくつかの常識的な仮説はそれぞれ覆される結果が出たので困惑しているのだが,少なくとも,次のことは明らかになった。
- パス名+ファイル名に関して,ある条件を満たさないときに,私の環境では,こういうことが起きるようだ。
- NT4.0 Workstation だから生じるのか,95/98でも生じるのか,私のところでだけ生じるのか分からないが,とにかく,私の環境では,WWWでこういう作業をするときに,面倒なことが起きてしまう。
- これって,GC Forumでは,カブリのデータはあまり載せない方がいいっていうことなんだろうか ?
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