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コンピュータ室での利用


「孤立化」させないことが重要
コンピュータ室での利用の利点は様々な点があるでしょう。同時に, 「失敗する懸念」もいろいろあります。
特に,生徒が「受けなきゃよかった」と思わないようにする配慮は不可欠です。
その最たるものは「孤立化してしまう」ということではないでしょうか。
「何をしていいのか分からない」
「周りはみんな分かっているのに, 自分だけで遅れてしまっている」(ように感じる)
「先生を呼びたいけど, なかなかここまで回ってくれない」
などです。
それを避けるには, いろいろな工夫がありえますが, 基本的な工夫の一つとして, 「一人一台ではなく, 二人程度のグループで相談しながら操作する」というものがあります。

「個々に任せるべきこと」と「的確に指示し,学習すべきこと」のメリハリ
一人あるいは二人に一台の機器があるのですから, 個々に調べるべき課題があり, 発表に値することを発見できるようにすべきです。
一方, それ以外のことに関しては明快でなければいけません。「効果的に教え込む」つもりで, 操作の仕方などを指示すべきです。
一斉指導の中での「探究」は「自由に何をやってもいい探究」ではなく, 限られた時間の中で, それぞれのグループが調べ,その結果を集約して学習が進展するための調べ学習です。
「どうやったらいいんですか」という質問はせめて3名以下に抑えないと, 一人ではサポートしきれません。その程度になりうるように, 発問や操作の仕方などを明確かつ効果的に行う必要があります。
使える時間が1時間だったら, 調べるための時間はせいぜい5〜10分
コンピュータ室を使うと言っても,すべての時間で調べ学習ができるわけではありません。
「限られた時間の中で, それぞれのグループが調べ,その結果を集約して学習が進展するための調べ学習」である以上,導入(問題の理解)もあれば, 基本的な操作の仕方の指示もあるし, 結果の発表やまとめなどの時間も不可欠です。それらすべてで, 1時間あるいは2時間の中に納めなければ, 数学の学習になりえません。
そのような時間を1時間あるいは2時間から除外してみましょう。コンピュータで調べるための時間は, 実は意外に少ないものです。
逆に言えば,調べるべき課題が明確なとき, 結果を得るまでに1時間かかるような課題というのは, 普通の中学生や高校生には, 重た過ぎます。
そういう意味でも, 「調べるべき課題が明確になったら, 5分程度で結果が出るなら1時間の授業, 20分くらい必要なら2時間の授業」というくらいの考え方が妥当ではないでしょうか。