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生徒の探究のために使う


コンピュータを使って調べる授業
「探究」という言葉で何を意味するのか。これも人それぞれだと思います。
その授業で何をねらいにするかによって, 「探究」に値するかどうかは, 意見の分かれるところだと思います。
少なくとも授業の形態を考えるときに, 「コンピュータを使って生徒が調べる活動」を中心にすることが考えられます。これまでも様々な学校で実践されてきました。
コンピュータ室など, 一人あるいは二人に一台のコンピュータが使える環境の中で, 調べ学習をする。そういう授業です。

「投資に見合う効果」
これまでは, 学校の中でコンピュータを使うとしたら, コンピュータ室しかないことが普通でした。作図ツールを使う授業と言えば,コンピュータ室での授業でした。
コンピュータ室に行けば,一人あるいは二人に一台のコンピュータがあります。先生だけがコンピュータを使い,見せるだけで, 生徒には使わせない。そういう授業に生徒が満足するはずはありません。ですから, 過去の多くの実践は, 生徒がコンピュータを使って調べる活動を盛り込んだものでした。
今,学校には普通教室にコンピュータやプロジェクタが導入されつつあります。授業者としての選択肢は,
という二つがあります。前者が必ずよいというわけではありません。
探究的な授業では, 一つの問題に取り組む時間をある程度確保しなければ意味がありません。つまり, 「学習時間」を投資するわけです。その「投資」に見合うだけの学習効果がありうるような場合にのみ, 探究的な学習をすべきです。
いろいろな観点から比較し, 5分の提示型の利用の方が優れているようであれば, その方がよいのです。

探究的な学習の効果
ところで, 探究的な学習をするときの学習効果とは何でしょう。
基準が確立しているとは言えません。まだ研究の途上にあると言えるでしょう。
しかし, 少なくともいわゆる「ペーパーテストでいい点を取る」ことだけに限られるものではないということだけは明らかだと思います。
たとえば, 一般化や特殊化の意味を肌で感じることや, あいまいな問題状況を定式化し, 個々の場合についてきちんと調べることなど, プロセスに関するものもありうるでしょう。
ある問題にじっくりと取り組み,それに夢中になるということや, 数学の実験的な側面に触れるというような興味・関心・態度に関わるようなものもあるでしょう。
知識・技能は無関係でしょうか。
探究的な学習をする環境がインターネットにつながっているとすると, 調べたことをネット上で議論したり, ネット上にある様々な資料を使いこなしたりすることもありえます。
分かったことを自分なりにまとめることなども必要になるでしょう。
自分の問題に関わるより深い数学的知識を学習することもありうるでしょう。
しかし, 「すべての生徒が学習することを想定されている知識」とは性格が違うということは確かです。ときには, 高校や大学の知識でないと解決できないことに接する可能性もあります。「分からない」ことを実感することもあるかもしれません。
そのような様々な可能性を, どのように教育の場で生かしていくのか, あるいは, 制限していくのか。そういうことが, ここに関わっていると思います。