ハードウェアとの付き合い

愛知教育大学 数学教室 飯島康之


概要


メインマシンのコンセプトと変遷

コンセプト

FMR-30HX

上越に就職して最初に自分で選択したパソコンがこの機器だった。トランスポータブルというコンセプトのマシンで,マイナーだったけど,私はとても気に入っていた。HDは40MBしかなく,それを区分けして使っていた。

FMR-60FD + PC9801RA21

愛知教育大学に転勤して,まず目を付けたのが,コンピュータ室でほとんど使われていなかったFMR-60FDという機器だった。上越のとき,これも考えたが,高価で手が出なかった機器の一つである。 FM-OASYSを購入し,主としてワープロとして使った。そして,GCの開発用には,PC9801RA21を購入してもらった。この二つの機種を並行して使っていた。

FMR-50NBX

98ノートなどはそれまでにも発売されていたが,「自分が使うマシンは親指シフトで32ビットでなければならない」と辛抱強く待った。発売と同時に買いに行った。そのせいか,マザーボードの初期不良に よる交換も経験した。最初のノートパソコンは,自前で購入した。だからFDモデルになった。 しかし,FM-OASYSはICカードでサポートされたので,十分の機能となり,この機種から本格的なモービルコンピューティングが始まった。どこに行くにも鞄に入れたこの機器と一緒になった。GCの開発もこの機器で行った。コンパイラ用のディスクとソースディスクを入れ換えたりしながら行った。コンパイルに掛かる時間を考慮して,自分なりの「make」を作ったりしたものだ。

FMR-50NL

しかし,さすがにFDのみでの利用には限界を感じてきた。そしてもう一つの問題点はキーボードの固さだった。NBXのキーボードは嫌いだった。腱鞘炎のようになってしまう。しかし,やはり辛抱強く待っていたらやはり,当時,私にとっては画期的なマシンが登場した。それがこのFMR-50NLというマシンである。正直言って,今でもこのマシンは好きだ。
この条件を満たしているWin95マシンはまだない。ただ,問題点もある。 これさえなくて,DOSレベルで行う処理であれば,ほとんど文句ない。 しかし,特にネットワークが使えないという点は,私にとっては致命的な欠点となり,次期マシンの必要性が高まってきた。

OASYS-V5100NU/W

これは選択の余地はなかった。実は,親指シフトが使えるWin95マシンと言うと,これしかないのである。正直言って,BIBLO(B5)と比較して価格は高いなど,いくつかの問題点もあったのだが,選択の余地はなかった。
しかし,これを使いはじめて,非常に気に入っているのも事実だ。最大の点は,親指シフトが快適に使える点である。実は,FMVなどでも親指シフトキーボードも使えるのだが,変換の動作などが,どうしてもモタモタして,思ったような快適さを実現してくれない。そういう部分でのストレスがないのが最大の利点である。
また,ネットワークを気軽に使えるという,Win95用ノートの特徴は,非常に快適である。やはりこれがあるので,長く愛用してきたFMR50NLにはなかなか手が出なくなってしまった。
ネットワークに接続できると,いろいろなことが変わる。もちろん,通信マシンとしての性格が出てくることもあるが,リソースを共有できるため,そのマシンに搭載しなければならないものがかなり減る。たとえば,データのバックアップを考えるとき,単体ではFD以外手が出ない。それ以外のものに接続しようとすると,scsiなど,いろいろなものが必要になる。しかし,ネットワークを使えば,デスクトップのハードディスクにコピーしておしまいである。使う環境が制限されていれば,FDだって必要ないくらいだ。

(97/3/18)
このマシンに関して,あまり不満はなかったのだが,致命的な問題が一つあった。それはHD容量の不足である。もともと810Mしかない。OASYSに150M,Save to Diskに50M。Windows用のDOS領域はせいぜい550M程度だったようだ(計算が合わない?)。
当初は「550Mもあるんじゃない。これなら当分大丈夫」と思った。しかし,プレインストールマシンのせいなのか,それとも95マシンのせいなのか分からないが,あっという間にDiskは埋まっていった。それほど多くのアプリを組み込んだわけではない。Navigator と VB と Paint Shop 程度。後は要するに,サーバーのデータのコピー。もっとも,これは名目は40Mだが,ファイル数が多いので,非圧縮だとかなり容量を食っているのかもしれないが。 ただ,いずれにしても,そういう必要最低限と思われるものだけで,残り容量が50M程度になってしまった。フロッピィのイメージで不要と思われるものを消したり,いろいろなことをしてみたが,どうにもならない。しかも,他に組み込んでおきたいアプリもある。 「HD増強作戦」は必須であった。
しかしまた,そのための部品は標準では売っていない。交換用のHDはかなり高価な上,810Mのものしかない。
分解して確認してみると,使っているHDは東芝の標準的なHDである。しかし,挿入するときに固定する部品は富士通独自のもののようだ。その部品だけでは売っていないと言う。
「これしか手がない」と腹を括って,東芝のHDに換装する作戦を立ててることにした。
資料は通信販売のツートップのWWWが役立った。価格も56000円程度。科研費の残額もこれを見越して70000程度残しておいた。しかし,その部品を通常のルートでは入手できないということになった。 要するに,工場に納入するような形態でしか,元々販売しない代物だが,通信販売では,それを小分けして売っているということらしい。 しかし何とか,事務の方々の多大なるご協力をいただき,通販ルートで入手することができた。

「増設」と違って,「交換」なので,結構手間がかかった。DOSのように,単に別の媒体にコピーして,またコピーしなおす,という程度の方法ではうまくいかないのが 腹立たしい。バックアップの手段として CD-R を使ったが,ディレクトリィの深さに制限があったりして,やはりいろいろ面倒だった。
また,1からの組み込みは,思った以上に面倒だった。普通のWin95マシンでなく,OASYS専用機としても使えるような設計なので,区分け等も違う。Save To Disk 機能 なんかも,使ってはいても,それを組み込むのは初めて。また,OASYSのシステムフロッピィをはじめ,かなりのものはバックアップを取らないままでいたので,必要に応じて, また元のHDに戻してフロッピィ40枚のバックアップなんていうことになる。
以前は簡単に行えた LAN-Cardの認識も最初は失敗した。「PnPだから最初に認識するはずなのに」と思いつつ,デスクトップのときと同じ要領で,「ネットワークカード」 としてドライバを組み込んだら稼働しない。しかも,変なカードを認識し,勝手に変なドライバを組み込んで「!」マークが発生する。カード用のドライバディスクの「readme.95」 を読み直して,手順の間違いに気づき,改めて作業。
正直言って,かなりの時間がかかった。

しかし,自分用のシステムを1から組み直すというのは,いい経験だったと,今は思う。
プレインストールモデルは便利ではあるが,仕組みはよく分からない部分が多い。 カタログの数値からくる印象ほどHD容量は残っていない。「プレ」であるがゆえに,いろいろな ものが追加されていたりする。しかも,マニュアルを読んでみて,組み込みなおすことの可能性 等は分かっていたりするのだが,「今使っているHDをフォーマットしなおして作業しなおす」 というような危険なことはしたくない。何しろ,「今,不可欠の道具として使っている」のだから。
「換装」ということは,今までの HD には休憩していただかないといけないので,そういう意味では かなりもったいないのだが,しかし,いろいろな実験をするための「投資」と考えると,

新規購入したときも,別の HD を使って1から組み直してみる
くらいのことをしてみるのも,一つの方法なのかもしれないとさえ思った。

そして,取り敢えず,今のところ,新しい2.1GのHDは順調に稼働している。これが満杯になる頃には, また新しいHDがかなり容量が増加して登場しているだろう。それまでの安心は確保できたわけである。 とりあえず,いくつかのアプリを追加しようなどと思っているので,その日は意外に早いのかもしれないが。


デスクトップ

デスクトップの位置づけというのはかなり変化してきた。 以下に私のところのマシンの変遷を書いてみる。

FMR-60FD

PC9801RA21

この二つの機種は,どちらかと言うとメインマシンとして使っていた。逆に,ノートでその機能が代替できるようになると,テストマシン的な性格の方が大きくなった。

FMV466D

Windowsマシンとして設置したのだが,正直言って,ネットワーク関係で使いはじめるようになるまで,あまり使わなかった。それが一変したのは,メールの利用とNavigatorつまり,インターネットの端末としての利用ができるようになってからである。そういうものがない時代は,私にとってWindowsアプリというのは,ほとんど魅力のないソフトばっかりだったのである。
結果的には,Win3.1に関する様々な体験をしてみたマシン, DOS/Vとはどういうものかを体験するマシン,そして,現在は,スキャナを接続するためのマシンとなっている。

FMV-TOWNS

95マシンが必要になってきた。そしてまた,GC関係のデータの整理等も必要になってきた。しかし,GC関係のデータに一番親和性があるのはFMR-50/TOWNSである。その辺をいろいろと迷って,結果的に科研費の枠の中で購入したのがこのFMV-TOWNSである。いろいろな目論見もあったのだが,OASYS/Vを購入してからは,ネットワーク系のメインマシンとしての役割もノートに移行してしまった。

サーバー

インターネット関係の利用が増えてくると,単にクライアントとして使うだけでは限界があり,サーバーが必要になってくる。しかし,サーバーはすべて自前で揃える必要などない。共同利用で十分なものは,それでいい。しかし,共同利用の場合は,それなりの制約がついてまわる。その制約を取り払いたい場合や,自分なりの「実験」をしてみたいときは,サーバーを自前で用意することになる。

情報処理センターの共同利用機器

DNS,メールサーバー,ニュースサーバー, WWWサーバーなど,かなりのものが情報処理センターには揃っている。WWWサーバーのスペースレンタルなどは当初は行っていなかったが,現在では,準備もできているので,かなりのことをここで済ますことも可能だ。

数学教室の共同利用機器

自前と言っても,実際には教室単位での共同利用で十分なことが多い。現在,数学教室では,
がある。

研究室内のサーバー

これに加えて,研究室内での実験を行ってみるための機器をいくつか想定している。現在進行中なのは,
Windows NT サーバーであり,構想中なのは PC unixによるサーバー(特にメール関係)である。

テストマシン

自分の道具として使うパソコンだけであれば,メインマシンがあればかなりのことができるし,せいぜい研究室でデスクトップのセカンドマシンがあればもう十分ということになる。しかし,Geometric Constructorのようにあるソフトを開発していて,使う人によっていろいろな環境があることが想定されるような場合には,そのためのテストマシンをかなり必要とする。もっとも,いつも自分「だけ」が使うマシンである必要はない。特に,動作確認だけをするためならば,共同利用機器で十分である。
私自身は,テストマシンとして,次の機器を使っている。

PC-9801系

9801RA21(研究室),VX,RXなど,9821Ap,Fp,Xeなど(数学教室共同利用機器)

FM-TOWNS系

FM-TOWNS 2 MA(数学教室共同利用機器),FMV-TOWNS(研究室)
(教室での提示用機器として)MARTY(研究室)

FMR-50系

FMR-50NL(研究室)

DOS/V系

(デスクトップとして)FMV466D(研究室),FMV466D3(公開講座等で使う教育工学センターの機器)
(ノート)FMV-BIBLO(450)
(パームトップ)PC-110

周辺機器

Geometric Constructorで使う周辺機器

各種データ作成等に使う周辺機器

その他の周辺機器