イプシロン,39(1997),59-78

テクノロジーによって関数関係の探究を支援するために

-Geometric Constructorを用いたケーススタディを中心に-

愛知教育大学      飯島康之


0.はじめに -「式」中心であったこれまでの指導 -

関数関係の発見の手段としては,測定やグラフなど,様々なものがある。しかし,これまでの指導において,「式」は不可欠な存在と言っていいだろう。同時に,どうしても,「式」中心になってきた面が強かったのではないだろうか。また,その学年等での概念で扱えるようなものに限定されてきたという面が強かったのではないだろうか。
その最大の理由は,関数関係を調べるための道具として現実的な道具が「式」であったためであろう。たとえば,データを観察し,それをグラフ化するというような方法は,基本的であり,重要な方法だが,実際に実行するとなると,多大な労力と時間を要する。つまり,それだけの労力と時間を投資可能な場合には現実的な方法なのだが,逆に,そのようなリソースを利用できない場合には,現実的ではないのである。
また,「式」が便利な道具であるとは言っても,式に表現するだけですべてが解決されるわけではない。見ただけで関数関係の様子がすぐに把握できるようなものはほんの一部の関数でしかない。つまり,式によって表現した後の処理システムを学習しない限りは,実効性が保証されないわけである。
そのような事情を考慮すれば,これまでの関数に関する指導の背景は理解できる。換言すれば,我々が使える道具が変化すれば,関数の指導の在り方は,再検討する余地があることが明らかであると言ってもいいだろう。
本稿では,関数の指導,特に関数関係の発見に関して,テクノロジー,特に作図ツールがどのような影響を及ぼしうるのかを検討するための基礎資料として,いくつかのケーススタディを中心にした考察を行うこととする。

1.関数関係の探究を支援するための4 つのアプローチ

1.0 はじめに

関数関係の探究を支援するものとしての作図ツールについて本稿では検討していくが,関数関係の探究を支援するものは,それだけではない。本稿では,主として以下のものを想定している。

1.1 数式処理ソフト,関数描画ツールによる「式」による思考

関数に関するコンピュータ利用において,最も基本的なものは,数式処理ソフトであろう。あるいは,そこにより単純な関数描画ツールを加えてもよい。(なお,数式処理ソフトとして代表的なものは,Mathematicaである。しかし, 高校までの学校数学の範囲では,必ずしもMathematica のようなソフトの機能をフルに使わなければ探究が進まないというわけではない。関数描画ツールの代表的なものとしては,IBMによる「関数ラボ」や「GRAPES」があるが,個人的には,もっと簡単なもの(注1)でも,かなり役に立つと思う。)
 これらは要するに,「式」による思考を支援する。たとえば,「y = sin ( 7 * x ) + sin (8 * x)」と入力することによって,その概形をすぐに得ることができる。そのことを利用すると,たとえば,「y = (sin x) ^ 2」で描かれるグラフに対して,周期等を観察することによって,「y = sin (2 * x)」や「y = sin (2 * x)/2 」などをいろいろと当てはめて,その関数に対する(別の)式を得るようなことも可能になる。
もちろん,数式処理ソフトには,これら以外にも,様々な機能があるが,やはり,「数式」そのものを一つの思考の対象として操作するという点は変わらない。換言すれば,「式に表す」までの段階に関しては支援してくれないと言っていいだろう。

1.2 表計算ソフトによる「データの処理」

現実のデータを利用するための一つの方法は,表計算ソフトである。ここでは,データは何らかの方法で入手されていることが前提である。そして,そのデータを加工し,いろいろな分析を行う部分を支援してくれる。データの入力は必要だが,たとえば,様々なデータがすでにデータベース化されていれば,それを利用して分析を進めるような学習はかなり可能性があるだろう。

1.3 センサの利用による「現実のデータ」の利用

データの収集を支援するための方法は二つある。その一つは「現実」のデータを扱うものであり,もう一つは,マイクロワールドの中でのデータを扱うものである。現実のデータを扱うためには,何らかのセンサを使うことが不可欠だ。以前であれば,センサによる現実のデータの収集はその収集「のみ」を行うものであって,その後,そのデータの処理が必要であったが,センサをコンピュータに接続する事によって,そのデータを自動的に分かりやすい表現形式に変換し,思考の対象としうる点が異なっている。

1.4 マイクロワールドにおける関数関係の探究

センサの利用によるデータの収集が,現実の現象の背景にある関係の発見そのものであることに対して,対照的なのが,マイクロワールドにおける関数関係の探究である。センサを利用したデータの収集の場合,装置は特殊目的のものになりやすい。また,特定のハードウェアを必要とする。それに対して,マイクロワールドはほとんどの場合,ソフトウェア的に実現されるものであるから,特定のハードウェアを必要とするものはほとんどない。つまり,汎用のコンピュータで実現でき,場面の設定から,場面からのデータの収集,そして,そのデータの加工までを一貫して扱えるのである。
作図ツールによる関数関係の探究の支援は,このカテゴリーの典型例である。次章では,作図ツールに話題を絞って,考察を進めることにしたい。

2.作図ツールが生成するジオワールドと関数関係

2.1 幾何的対象と幾何的手続きによって構築されるマイクロワールド

作図ツールとは何か。飯島(1991)では,次のような定義をした。
「定義: 幾何での作図の仕方を反映した作図の仕方を実現しているソフトウェア,すなわち,いくつかの基本的な作図手続きを繰り返し用いて階層的に図を構成し,作図の手続きが明確な図については,(メモリ等が許す限り)任意のものを作図できるソフトウェアを「作図ツール」と呼ぶ。
注意1:以下の機能は,問題解決において「作図ツール」を使う場面での役割を考えると,その重要度は非常に高い。そのため,本稿では,以下の機能を伴った作図ツールについて考察する。
測定,変形(変換),軌跡,拡大・縮小
注意2 (略)」
上記の定義は基本的にソフトとしての機能の面から定義しているが,別の観点から考えると,一つのマイクロワールドである。垣花(1992)はこのマイクロワールドをジオワールド(GeoWorld)と呼んでいるので,それを踏襲すれば,ジオワールドとは,幾何的対象と幾何的作図手続きによって構成されるマイクロワールドと言っていいだろう。また,より正確に言うならば,Geometric Constructorなどによって構築されるジオワールドは,初等幾何的な対象と初等幾何的な作図手続きを思考のためのインターフェイスとして提供している。そして,実際には,それを解析幾何によって実装している。いや,そう言ってしまうと語弊があるかもしれない。「解析幾何」的な思考の対象は,個別な事実を表す「数値」ではなく,普遍性を表す「式」である。これに対して,作図ツールの実装においては,個々の場合を計算する仕組みとして解析幾何を用いている。様々な場合に対応する様々な結果の中に含まれる関係性を,連続変形したときの不変要素などによって,幾何的な思考の対象として認識しやすくなっている環境(マイクロワールド)が,ジオワールドなのである。

2.2 関数関係の豊富な存在

関数関係の探究のための環境としてジオワールドを考えた場合,大きな特徴は,単純な図形の単純な動きの中にも,様々な関数関係が存在していることではないだろうか。もっとも,それは「マイクロワールド」だからというわけではない。もともと関数教材の中に幾何的な素材は多いように,幾何的な素材そのものに,多くの関数関係が内在しているからと言っていいだろう。
また,しばしばジオワールドは図形のための道具であるから,図形領域でしか使えないという誤認識をする方がいらっしゃるが,このように豊富な関数関係が内在している点は,関数領域においても活用する余地は十分にあることを示している。

2.3 関数関係の探究のためのツールや方略を内在したマイクロワールド

出発点のみを考えると,作図ツールというのは,「作図・変形・測定等を精確かつ迅速に行ってくれる環境」である。しかし,その後の様々な数学的探究の蓄積や,そこでの知見のフィードバックによって,作図ツール自身は進化する。環境自体の機能等を拡張し,たとえば関数関係を探究するためのツールが内蔵される。あるいは,環境外のツールを併用するようなノウハウが蓄積される。また,数学的探究自身が,これまでのものとは違った特色を持ちうることが分かり,我々の数学的探究の方略が変化する。それらの全体像として捉える必要がある。(具体的なことは,以下で述べる。)

3.作図ツールを用いた関数関係の探究のための方略

3.1 目で見る

最も基本的な方略は,「目で見る」ことである。これによって,「相等性」や「定数倍」や「定数」のような関数関係はかなり把握することが可能である。また,多少複雑な関数を調べる場合には,特殊な場合を調べることが多いが,そのような特殊な場合の値に関しては,図を目で見るだけでも把握できることが多い。また,単に数値の変化のみを見るのではなく,その関係が成立する理由を推察することも行いながら考えることが多い(本来の狙いはそちらにあると言っていい)。そのようなときには,「補助線」等を気軽に書き込みながら思考できる「紙と鉛筆」の方が適切なことも多いが,様々な場合を迅速かつ精確に描画し,幾何的な推論も行えるということは,たとえば表計算ソフトや数式処理ソフトのように,元の状況への回帰がしにくい環境とは大きく違っている特徴と言うことができるだろう。

3.2 測定

前述したように,ジオワールドと「紙と鉛筆」との相違点は,「精確な作図」のみにあるわけではない。そこで得られたデータを,同一環境の中で,「処理できる」点にある。その中の最も基本的なものが,「測定」である。つまり,幾何的対象に関する量および,幾何的対象間の量の測定である。この機能は,ほとんどどの作図ツールにも実装されている。

3.3 数式

図形の中に見いだせる関数関係で,測定値だけを観察することによって気づきうるような関係は,実はそれほど多くない。「目で見ても」わかるような「相等性」,「定数倍」,「定数」程度でしかない。それら以外の場合に関しては,何らかの方法で,そのような「気づきうる」ような形式に,幾何的に変換したり,数式的に変換したり,あるいは,その数式的な結果を,グラフ等によって別の意味で幾何的に変換することによって,「気づきやすい」することが不可欠である。換言すれば,そのような変換のための手段として,どのような方法をどの程度豊富に,またどの程度容易な形態で持っているかが,「関数関係の探究のための環境」としての作図ツールの良し悪しの判断基準となる。そして,この部分は,作図ツールのそれぞれによって,大きく異なる部分でもある。
このような機能に関して,Geometric Constructorにおける第一の機能は,「数式」である。数式と言っても,任意のものが扱えるわけではない。既存の数値(変数)と四則,巾,およびいくつかの関数(sinなど)の組み合わせが基本である。ただ,階層的に数式を作れるので,プリミティブにはカッコは使えないが,実質的には使えるなど,利用において工夫可能な面はある。

3.4 作図(補助線の追加)

通常,我々にとっての作図というのは,問題としている図そのものを作ることである。しかし,たとえば紙と鉛筆による思考においては,そこに書き込みをする。書き込みをしながら,幾何的な推論を支援する。そのような作業を的確に表現する言葉が「補助線」である。換言すれば,紙の上に書く図というのは,補助線を書き込みながら,推論をするために使う図である。
このような目的に使うことを考えると,作図ツールが描く図というものは,使いにくい。Geometric Constructor では,「落書き機能」といって,マウスで自由な書き込みができる機能も実装しているが,紙と鉛筆での補助線を引くというような行為にはかなわない。
しかし,作図ツールでは,別の意味での「補助線」の使い方がある。たとえば,∠APB = 60°になるような,点P の集合を求めているとする。ある程度調べてみると,それが円の一部のように見えてくる。そうしたら,候補としての円を実際に追加してみるのである。そして,その内外あるいは,円上のときに,∠APB の大小関係がどうなるかを調べてみたりするのである。このような,推測を確かめるために使うこともあるし,また現象の変化をより分かりやすく表現するための新たな幾何的対象を構築する場合もある(次のグラフ化などは,その典型である)。
このように,同じ「作図」や「補助線の追加」という言葉で表現される行為も,紙と鉛筆の場合と,作図ツールにおけるものとはかなり様相が変わってくる。

3.5 軌跡(幾何的対象の動いた跡/条件を満たす点の集合)

作図ツールでは,図を動かして調べることができるが,その動き等を視覚的に表示するための基本的な機能が「軌跡」である。Geometric Constructor においては,幾何的対象の運動の跡としての軌跡の機能と,点P が動いたときに,条件f(P)>,<,=0がどういう領域で成立するかを残すという意味での,条件を満たす点の集合としての軌跡の機能を持っている。軌跡が特定の形(直線,円など)になる場合や,極値となる場合などは,関数関係を調べるときにもかなり有効に使える。

3.6 作図によるグラフ化

Geometric Constructor において,この機能を追加した経緯は,次章の事例で述べているが,測定や数式によって得られた数値(変数)を使って,新たな幾何的対象を作り,その軌跡を取るというアイデアによって,関数関係は容易にグラフ化される(具体的な事例等は次章)。Geometric Constructor における手続きは,若干煩雑なので,改良の余地はあるが,このような機能を強化することによって,作図ツールは,関数関係を調べるための環境としての性格を十分に持つことができるようになるだろう。

4.関数関係の探究に関わる2つのケーススタディ

4.0 はじめに

ソフトは,使いこむことによって,開発当初の想定とは変わった側面を見せるようになる。そして,そこから,その環境における「数学的探究の探究」が始まる。同時に,ある時点での環境(ソフト)を使った数学的探究に問題点を感じたときに,それらの探究がより容易に実行できるようにするために,環境そのものを修正したり,ノウハウ等を蓄積したりする。このような意味で,コンピュータ利用の研究とは,数学的探究の研究であり,また数学的探究のための環境の研究である。そして,そのような研究を進めていく上では,ケーススタディが非常に重要な役割を占める。
「条件を満たす点の集合としての軌跡」の機能に関しては,飯島(1995)の中で記述しているが,以下では,Geometric Constructorの開発(や改良)において,関数関係の探究のケーススタディとして特徴的な2つの事例を挙げる。なお,探究例と言っても,飯島(1995)や飯島(1996)のように,実際の探究の記録そのものの記述ではなく,一つの問題に関して,実際にこういう探究があったという記述やこういう道具を使うとこうなるのではないかというアイデアなどが混在しているが,複数の環境(ソフト)を念頭に置いて,関数関係の指導の在り方を考えるための資料としては,こちらの方が適切ではないかと思ったためである。

4.1 三角形の内心に関する角の関係

まず第一の例を問題の形式で,提示しよう。 問題1 : 次の図における x =∠BAC と y =∠BIC の関係を調べよ。

図1

(1) 推論から分かる関係

元々,この問題は,推論による証明のための問題である。次のような解答が考えられる。
ΔABC に注目すると,
∠ABC + ∠ACB + x = 180 °
ΔIBC に注目すると,
∠ABC/2 + ∠ACB/2 + y = 180 °
よって,
∠ABC + ∠ACB + 2 y = 360 °
よって,
2 y - x = 180
y = 1/2 x + 90
つまり,yはx の一次関数になる。

(2) 数値の観察

さて,この問題を,「調べるための課題」として考えてみよう。つまり,作図ツールで図を動かして調べることが可能な状況において,「x とy にはどういう関係があるだろう」と問うのである。このとき,図を動かすだけでは,やはり手が出ないだろう。そこで,二つの角の大きさの測定値を表示しておく。

図2                  図3
このことによって,「数値の観察」は容易に行える環境が整備されたわけである。いろいろな図を作って,分度器で測定するのとほぼ同じで,しかもより迅速かつ精確な環境ができたわけである。

(3) 数値の観察だけでは分からない -推測と反駁の例 -

答えを知っている側からすると,数値の観察が容易になったことによって,かなり発見が支援されるように思える。最初に授業でこの事例を扱っていただく前の検討会のときも,「かなり気がつくのではないか」と思っていた。しかし,現実はそう甘いものではなかった。図を動かすことによって,確かに数値は変わる。「変われば変わる」という現象が見えるのだから,「関数関係がある」ということは分かる。(逆に,円周角のように,「変わっても変わらない」ものは,不変であることに意味があるとは限らない。「無関係だ」と思う生徒もかなりいる。)しかし,少なくとも,それを漫然と観察したって,何も分からない。その授業で,かなりの生徒は次のようなプロセスは経験していた。
  「x = 60 のときに y = 120 になる」
  「y = 2x かな」
少し図を動かしてみる。
  「大体そうだけど,少しずれているよ」
  「多少は誤差があるんじゃないかな」
さらに変形を続けると,そのずれが大きくなって,無視できなくなる。
  「y = 2xじゃないみたい」
考えようによっては,このような,推測と反駁のプロセス自体は,作図ツールを使ったからこそ生まれたものかもしれない。紙と鉛筆では生じにくいだろう。実際,いくつかの三角形を調べてみよう,ということになれば,正三角形,直角三角形などと,いくつかの典型的なものを調べるだろう。そのときには,連続的変形によって,だんだんずれが大きくなるということでなく,正三角形のときは2倍だが,直角三角形のときには違う,というような認識になると思われる。
同時に,そのように,自分なりの推測を持ったときに,それに当てはめながら観察し,合っているかどうかを調べ,検証するというプロセスは「数値の観察」だけでもできるが,反駁されたときに,「次の推測」を立てるとき,「数値の観察」だけでは足らないのである。

(4) ソフト以外の「表」や「グラフ」の利用

その授業において,大半の生徒は困った。次に何をどうしたらいいのか,困った。コンピュータは役に立ちそうもないからと,紙と鉛筆で推論を始める生徒もいた。しかし,幾人かの生徒は自分なりに突破口を見つけた。一つは「特殊化」であり,一つは「表やグラフの利用」であった。たとえば,次のような図を意図的に作り, 典型的な場合を見いだしたのである。また,別の生徒は,小数点以下第二位まで表示されるいろいろな数を,ノートに記録しはじめたのである。
図4                  図5
 x = 60 のとき,y = 120           x = 90 のとき, y = 135

図6                  図7
 x = 180 のとき, y = 180           x = 0 のとき, y = 90 (推定)

そして,これを表にしたり,またグラフに表現することによって,関係性を調べはじめた。そういう突破口を見いだした生徒が現れたので,授業者は,それらを紹介し,多くの生徒が方向性を持って調べ続けるようになった。(詳しいことは,上越教育大学附属中学校(1991)pp.72-79)
この事例から示唆されることは,「コンピュータ以外のものをうまく活用するスタンスを持つことが重要」ということである。つまり,そのソフトの機能だけですべてを処理しようというのではなく,「紙と鉛筆」による表やグラフあるいは,演繹的推論も積極的に併用する心構えを持つことである。そして,数学的探究として,うまい目の付けどころを持った生徒を生かすということである。実際,通常の授業でもそうであるが,すべての生徒がいい方法を思いつくとは限らない。しかし,40 人前後の生徒が作業を行うときには,いろいろなアイデアが出る。それをうまく生かすことは,授業を成功させる上でも,またよりよい数学的探究のプロセスを発見する上でも,不可欠の要因である。

(5) 環境内での「グラフ化」の可能性

ソフトのユーザーとしては,上記のような使い方もあることを知り,それをうまく生かすことでいいだろう。また,そういうソフトを使った授業者としては,授業のノウハウとしてまとめることや,教材の新しい扱い方についてまとめるということでいいだろう。しかし,そういうソフトの開発者の立場においては,それだけでは不十分である。つまり,

「関数関係の探究を部分的には支援するが,数値の観察だけでは不十分」

ということが分かったわけである。関数関係の探究を支援する道具として洗練していくためには,