第29回数学教育論文発表会論文集
      論文発表の部
                                                                                
                                                                                
      テクノロジーを用いた数学的探究の研究において注目すべき諸変数について
                      - 学習環境の変化によって変わるもの -
                                                                            
                                                              飯  島  康  之  
                                                              愛知教育大学    
    
    
    
    
    
        数学教育におけるテクノロジーの影響を明確にするには,数学的探究の研究の一
        貫として扱う必要がある。ソフトの開発とは学習環境の開発であるが,その影響
        は開発時点で把握できるものではない。我々の数学的探究, 特に教室での数学的
        探究は様々な制約の中で行われているため,環境の変化によって,様々な変数が
        変化する。テクノロジーの影響を明確化するためには,それらの様々な変数につ
        いて,様々な具体的な事例を収集・分析・議論することが不可欠である。この作
        業には多くの人の参加が必要であり,ネットワークを利用したデータベース構築
        が有力である。本論では,(1) 「ソフト」によって変わる数学の特徴,(2)探究者
        の行動の変化と多様性,(3)授業者の変化という3つの観点から, そのような変数
        の候補を考察した。そして,これらの変数の変化を把握するためのWWW のページ
        を試作し,いくつかの事例について分析した。
        
0.はじめに

  ツール型のソフトウェアやグラフ電卓など
様々なテクノロジーが,数学的探究の改善の
ために開発されている。その影響は大きいと
指摘されつつも,教育実践事例の蓄積も少な
く,影響の全体像全体像が掴めないのが現状
ではないだろうか。
  その一つの要因に,これらの研究が「コン
ピュータ利用の研究」として扱われることが
多く,「数学的探究の研究」として扱われる
ことが少ないことが挙げられると思う。
  そこで本稿では,「ソフトウェアの開発=
学習環境の開発」という見方をし,それによ
って数学的探究の研究を行う立場においては
,どのような変数に注目しうるのかについて
明らかにすると共に,それらの変数に注目し
た, 教材・授業に関するデータベース形成の
必要性と可能性について述べる。

1.「数学的探究の研究」としてのソフト開
    発・利用の研究

1.1 「省力化」ではない
  一般のソフト開発においては,たとえば定
型的な作業をコンピュータによって代替させ
省力化を図るということも,情報化における
第一のステップであるが,教育的利用におい
ては,この「省力化」という発想はあまり意
味を持たないことの方が多い。省力化に伴っ
て,学習内容あるいはそのための契機として
用意されていたことまでなくしてしまうこと
によって,適切な学習が成立しなくなってし
まう危険性さえある。
1.2 コントロール可能な変数としての「学習
    環境」
  重要なのは,そのソフト等によって生成さ
れた学習環境の中では,どのような学習(探
究)が可能なのか,そして,たとえば紙と鉛
筆等の学習環境と比較した場合に,どちらの
方がどういう場合に適切なのか,等を明らか
にすることである。つまり,
・環境が変わると数学的探究はどう変わるか
・数学的探究を変えるためには,どのような
  環境を生成すればいいのか
という観点が不可欠な研究領域であり,「数
学的探究の研究」の一部なのである。
  ここでは「学習環境」が,研究における「
コントロール可能な変数」であり,さらに以
下の特徴がある。
・数学的探究への影響が大きい,
・学習環境を柔軟に設計可能,
・複製が容易,
・ユーザーが構築する世界は,設計段階での
  予想を越える

1.3 原理は変わらなくても, 人間の数学的探
  究は変わる
  数学的知識は,普遍的概念によって定式化
される。時間や労力は関係ない。たとえば,
数学的帰納法について,それを実行するため
の時間を考えることはナンセンスである。
  原理が変わらなければ,数学的知識は変わ
らない。こう考えると,ソフトの開発は,数
学の原理を変えるわけではないため,数学へ
の影響はあまりないようにも思える。
  しかし,現実は,想像以上に,数学的知識
はプラグマティックな性格を持っている。環
境が変わることによって,「それをどう使え
るか」という面が大きく変化する。
  特に,「授業」という場面を考えると,「
時間」という要因は非常に大きい。また生徒
が投資可能な「労力」の制約もある。
  さらに,授業で扱うには,様々な「適切性
」が必要だ。省力化によって,生徒が行うの
が「判断の必要性もないままにキーボードで
入力するだけの作業」であれば,学習には値
しない。様々な制約の中で成立しているのが
授業であり, 学習であることを考えると,環
境の変化に伴う数学的探究の変化は,授業等
に様々な影響を及ぼす可能性がある。

2.「ソフト」によって変わる数学の特徴

2.1 数学的概念・方法の直接的操作可能性
  数学ソフトの場合,ある数学的手続きや方
法を実行してくれる。それによって,数学的
概念や方法を直接的に操作する方法を拡大し
ている。これまでの教具の多くも,それを目
的として作られていると言っていい。
  たとえば,一次変換を調べる場合,これま
でであれば,固有値等の概念によって,その
特徴を分かりやすく捉えるためのシステム (
数学) が不可欠であった。しかし,ソフトを
使えば,行列のある要素を変化させたときに
,像がどう変わるかを調べることなどが可能
となる。実際に「分かりやすくなるかどうか
」はケースバイケースであろう。しかし,直
接的操作の可能性を増やすことは,実験の可
能性を増やすのみでなく,理解のための手掛
かりも拡大することを意味している。
  作図ツールの場合,その仕様から分かるも
のとして,連続的変形,軌跡,測定などがあ
るが,それに伴って,不変要素,共点性,共
線性など,他の概念等も含まれる。
2.2 数学的概念・方法を現実に適用しうる問
  題の集合
  教具の多くは,「分かりやすさ」を求めて
開発される。一定の理解に到達したら,その
助力なしに思考を進めるようにするのが普通
である(コンピュータ利用に関しても,「使
わないとできないのでは困るのではないか」
という議論がしばしばある)。
  しかし,ソフトはそのような「分かりやす
さ」だけを実現するのではない。「適用可能
性」,つまり「使える道具」を提供する点に
大きな違いがある。
  我々は数学的知識は普遍的な知識として記
述する。理論を構築する上では,実際に適用
可能かどうかはあまり問題ではない。「理論
的に分かる」ことは,「使える」こととは別
である。ある意味では妥当なことだが,一方
で不思議な現象も招く。「原理としては学習
したが,実際にはなかなか適用できない知識」
がかなりある。「分かるため『だけ』にしか
使わない知識・教具」がかなりある。
  たとえば,y = f(x)の形の関数のグラフの
概形を調べる最も基本的な方法は,「対応表
を作り,点をプロットすること」である。こ
の方法は,二次関数の導入などで「理解のた
め」に使われるが,しかし,その後,ほとん
ど使われることはない。実際の問題解決にお
いては,かなりの時間と労力が必要なため,
現実的な方略ではないのである。
  しかし,ソフトとして記述され,実装され
ると,その適用可能な範囲は飛躍的に拡大す
る。それによって,これまでは「理解のとき
のみに使われた方法」が,「実際の問題解決
において有用な方法」に変わるのである。
2.3 方略の適切性
  上記のような,これまでは現実的でなかっ
た方略が現実的なものに変わったり,またソ
フトの機能によって新しい方略が生まれると
,方略としての適切性が変化する。そして,
それらの変化がかなり大きくなれば,今まで
指導してきた方略と新しい方略のどちらを指
導すべきかという適切性にまで影響すること
になる。

3.探究者の行動の変化と多様性

3.0 「インターラクティビティ」と多様性の
  発生
  ソフトの利用は,処理の高速化と必要な労
力の軽減をもたらす。そのため,実行結果の
評価とやり直しの実行をするだけの時間的・
精神的なゆとりをもたらす。これまでも,こ
のようなサイクリックなプロセスの重要性は
,いろいろな場面で指摘されてきたが,同時
に,なかなか難しいのが現実でもあった。し
かし,上記のゆとりは,そのようなサイクリ
ックなプロセスを実現してくれる。
  また,実際にツール型のソフトがその効力
を発揮するのも,サイクリックなプロセスが
生じる場合の方である。問題状況が漠然とし
ているときに,まずそれをソフトの中で実現
し,何らかの実験を行ってみる。すると,何
らかの結果が帰ってくる。それを見て,その
結果が意味することを解釈したり,どういう
場合が重要かを判断したり,次に何を調べた
らいいか,どう定式化したらいいかなどを考
え,また何らかの実験を行ってみる。このよ
うに,コンピュータと人間のインターラクシ
ョンが高い使い方をするときに非常に有効な
のである。
  このようなインターラクティビティが関与
してくると,元の問題は同じであっても,そ
れを使った数学的探究は多様になってくる。
ソフトの機能等の多様性ではなく,探究者が
持っているものの多様性が反映されるのであ
る。以下で,そのような変数を挙げよう。
3.1 事実の発見
  処理の高速化は,基本的に,「事実の収集
」を容易にする。これまでであれば,一つの
図やグラフしか描けなかった時間内に,数多
くのものを描くことができる。たとえば,図
の場合ならば,条件を満たすような,様々な
図を変形することによって生成できるが,そ
の中には,様々な場合がある。その中のどの
ような図を作成するかは,探究者によって,
かなり変わってくる。
3.2 事実の解釈
  たとえば,同じ一つの図を見たときに,そ
れをどう解釈するかという多様性がある。も
ちろん,手で書いた静的な図でも,そのよう
な多様性はあるが,動的という要素が入るこ
とによって,さらに多様性が増えることが多
い。
3.3 探究の進め方と「次の一手」
  多くの場合,最初は漠然といろいろと変形
してみて観察するだけから始まるが,観察し
ては,その意味を考え,次にどういう場合を
調べるかを考えていく中で,探究は次第に組
織立ったものになっていく。その過程におい
て,「どのような手順でどういうことを調べ
ていくか」という探究の進め方は,探究者に
よってかなり異なる。また,同じような図を
観察している場合に,「次に何をしたいか, 
どういう場合を調べたいか」等が,やはり探
究者によって異なってくる。
3.4 問題の発見
  このようなインターラクティブな探究を続
けていく中で,次第に,問題が明確化されて
いく。もちろん, 授業の場合は,教師の発問
によって生徒の探究が進展していくわけであ
るが,そこでいろいろな場合を観察し,自分
なりのこだわりを持ち,そしてそれに関連し
た図を自分なりに探していくことによって,
自分にとってのより具体的な問題が生まれる
のである。そして,この具体的な問題は,人
によってかなり異なることが多い。
  たとえば,次図のように,四角形のそれぞ
れの角の二等分線によって四角形を作る図を
考えてみよう。たとえば,「外の四角形の頂
点を動かすと,中の四角形が変わる。いろい
ろと変えてみよう。どんなことに気づくか」
というような,かなりオープンな発問をした
場合,大学生や教員からは,次のような問題
が生まれることが多い。
゚繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
瘋繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙
(1) 外の四角形の形と中の四角形の形の対応
  を調べる。
 (外が長方形, 平行四辺形のときは結果は明
確。それ以外の場合は分かりにくい。結果が
分かる一番一般的な場合としての「台形」に
注目すると,突破口が開けやすい。) 
(2) 中の四角形が1点になるための外の四角
  形の条件
 (ひし形, 正方形, たこ形がそうなるのはす
ぐ分かる。しかし,それだけから一般的な条
件を導くことは難しい。図を変形すると,そ
れ以外の場合があることはすぐに分かる。ま
た, その軌跡を残すと,かなり明確になる。) 
(3) 外の四角形がくさび形になるときの中の
  四角形の形状
 (紙と鉛筆では,この場合を意識化すること
はあまりない。また,作図ツールによっては
,作図の条件に合わない場合として,作図が
できない場合もある。) 
(4) 外の四角形と中の四角形の面積の関係
 (この図では,この問いはあまり意味がない) 
また,このようにすべての場合に関連するも
のでなく,特殊な場合 (たとえば平行四辺形) 
にのみ成立する性質を発見することもある。
 (たとえば,上下の二つの辺の中点と中の四
角形の上下二つの点 (合計4点) は共線) 。
゚繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
瘋繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙繙

4.授業者の変化

4.0 生徒の探究の変化が授業を変えさせる
  コンピュータを使った授業において,結果
を見せて納得させることが目的であれば,2
章で挙げた変数を検討すればいい。しかし,
それ以上を意図しているときにそれだけしか
考慮していないと,生徒に「だから何なんだ
」という感想を生んでしまうことが少なくな
い。生徒はどのような役割を果たせるのか,
生徒の反応をどう生かすかという考察が不足
しているためである。
  特に一斉授業のよさを生かす授業には,生
徒からの反応の適度な多様性が不可欠である
。そのような観点から考えるには,3章で示
した諸変数の変化について注目することが重
要になる。そしてまた,それらの変化を生か
した授業を設計・実施する上では,授業者の
側も,いくつかの変数を変える必要が生じる
ことが多い。以下でそのいくつかを挙げる。
4.1 発問
  最も基本的なものは発問である。現象を観
察することができれば,問題を明文化して与
えなくても,生徒が定式化できる可能性が高
い。オープンにできる余地が増える。また,
これまでは証明問題として与えるしか手がな
かった問題を,調べる作業が可能であれば,
決定問題として与えることもできる。また,
作業が関与することによって,動きや現象な
ど,これまでよりも,発問の中に盛り込める
対象が増えてくる。
  発問を検討するきっかけを多く提供してく
れるのは,想定している授業と実際の授業と
のズレである。たとえば,次のような現象が
よくある。「ソフトを使った授業において,
生徒はその環境の中で適切な反応を示してい
るのだが,先生は紙と鉛筆の中での反応を想
定していて,生徒の発言等を理解できない。」
  生徒はどうしてそういう発言をしたのかを
,(紙と鉛筆という環境での先入観を捨て去
って)その環境の中でまず考えてみる必要が
ある。多くの場合,その発言の妥当性が見え
てくる。同時に,我々が自分自身の環境から
受けてきた制約が見えてくる。そして,次に
生まれるのが,そのように感じる環境の中で
問うには,どういう発問が妥当なのか,とい
うことなのである。
4.2 学習目標
  このような発問の変化は,単に「問い方」
だけの変化ではない。その問いを出発点とし
た授業全体の変化でもあり,また生徒の学習
の変化でもある。それらの中で,ここでは学
習目標を挙げてみよう。
  授業で扱う問題は,元々目標が設定されて
いる。たとえば,「四角形の4 つの辺を結ん
でできる四角形」の問題は,基本的には中点
連結定理の定着を図る問題である。この問題
は,従来の指導においても,いろいろな場合
について調べたり,逆を考えたりしているが
,そのような調べる要素がより大きくなり,
また調べ方等が広がっていくと,単に「中点
連結定理の定着」だけが学習の目標でなくな
っていることは明らかだ。
  一体何の学習をしていることになるのか,
そういう問いをする必要が生じる。特にここ
で考慮を促すのは,プロセスの同定とその意
味, そして関連する問題 (群) である。
4.3 教授方略
  新しいメディアを使った授業は,新しい教
授方略を生む。たとえば,Geometric Constr
uctor を使った授業に関連するいくつかのも
のを挙げてみよう。
(1) 覗き込み
  これは教授方略というよりも,そうなって
しまう現実をどう使うかと言った方がいいか
もしれない。作図ツールを使った作業は,デ
ィスプレィに表示される。そのため,見渡す
と,それぞれの生徒がどういうことをしてい
るのかが一目瞭然になる。紙と鉛筆では身を
乗り出して覗き込まないとできないし,「カ
ンニング」だが,それが簡単にできてしまう
。全員に同じことを要求するならば,カンニ
ングになってしまうが,それぞれの違いが出
てくるような発問にすれば,コミュニケーシ
ョンをうまく刺激した活発な授業にできる。
(2) OHP シート(TP シート) 作戦
  条件を満たす点の集合を調べるとき, 自動
的にプロットしてしまう方法もあるが,中学
生ならば,「この点はどうだろう」と予想し
ながら, 点を見つけていく方が適切だ。しか
しこの方法では, 一人で多くの点をプロット
するのにかなり時間がかかる。
  そのため,ディスプレィにTPシートを張り
, その上にプロットさせる。一定の時間後,
それを比較したり,重ね合わせてOHP で提示
することによって,「学級全員」で条件を満
たす点の集合の概略を得るという方法。
(3) サバイバルゲーム
  教科書では一般的な図が書かれているが,
特殊な場合から始める。するとそこでは様々
な性質が成り立っているが,図を少しずつ一
般的なものに変形していくと,それらのかな
りのものが成り立たなくなる。いわば定理の
サバイバルゲームであり,生き残った定理は
,かなり一般性のあることが認識される。

5.データベース化の必要性と可能性

5.1 「ネットワーク」の必要性
  これまで,3つの観点からいくつかの変数
について挙げてきたが,ソフト開発の時点で
明確なのは,「2.1 数学的概念・方法の直接
的操作可能性」程度である。もちろん,他の
変数についても配慮するが,「そういう環境
の中での経験をしたことがない」ため,未知
のことの方が多い。それらの経験を蓄積し,
共有すること, そして様々な観点から議論し
てみることが不可欠である。そのためには,
人間のネットワークの形成が不可欠であり,
コンピュータのネットワークはそれをかなり
支援してくれることが明確になっている。
5.2 事例のデータベース化の必要性
  そのような議論をする上では,具体例が不
可欠である。「この問題への取り組みがどう
変わるか」, 「この素材をどう授業化するか
」という事例の収集と不可欠なのである。し
かしまた,単なる収集では意味がない。収集
・検索・提案等が容易であり,ソフトによる
数学的探究への影響が明確であるような位置
づけと記述そして議論が必要である。 (本論
は,そのような変化を記述するための候補で
ある。) つまり,単なる一般論あるいは事実
の収集でなく,両方がかみ合ったデータベー
スを構成することが必要なのである。
5.3 インターネット上での可能性と試み
  このようなデータベースを構築する上で,
インターネットの普及と実用化は,大きな可
能性を与え, 筆者もすでに, WWW 上での試作
を試みている。まだ事例は少ないが,自分で
蓄積するだけでなく,(ftp 等による) 「投稿」
を可能にすることによって,様々な人が少し
ずつ情報提供することによって,結果的には
,大きなものを構築できる可能性があるので
はないかと期待し, 実験を続けている。
 (http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/tea
cher/iijima)