*0.はじめに **0.1 残り少ない / -今日を含めて,1/25, 2/2 でおしまいです。 -その間に,「自分なりの素材」をもとに,「指導案作成」まで到達しよう,というのが,今回のねらいです。 **0.2 「指導案」を拝見する中で感じたこと/かく上で気にしてほしいこと -
九点円の指導案
:ひな型として使う指導案 --授業の具体的な部分は, 違う形でもよいけれども, 全体の枠組みは踏襲すること。 **0.3 「指導案」の役割など *** 「添削」? -指導案に関して「添削」を求める方もいます。気持ちとしてはわかります。 -でも,その前に,複数の役割があること,この授業の中で,デフォルトの指導案のねらいでは何を想定しているのか,代替課題の方では何を想定しているのかを理解していただくことが必要だと思います。 *** 「教科書の意図を読み取って,標準的なものをかけるようにする」 -代替課題の方は,「教科書の意図を読み取れる」ことが基本的なねらいといえます。 -そして,「教科書指導書」で掲載されているような「標準的なもの」を,他のページに関して「練習してみる」というのがその役割といえるでしょう。 -つまり,世の中での「標準的なものとしての教科書」をもとに,「標準的な指導案」をつくることができるということです。 *** 教育実習の指導教員や,職場の仲間に,「授業の意図を伝える」 -多くの場合,指導案は,「ただかくだけ」のものではありません。教育実習で研究授業を行うなど,「みてくれる人がいる」のが普通です。その方々に対して,「今回は,こういう工夫をしようと思う」という思いを伝え,授業を見てほしいというのがねらいといえます。 -すると,「その地区での標準的な書式」で,「このクラスだから,どういう工夫をするのか」等,標準的なものをカスタマイズしたポイントがわかるようにするというのが,基本的なねらいということになります。 *** 「授業の流れを考え,実際に行動するための準備」 -今回は,この役割が強いと認識してください。 -たとえば,等積変形の素材のような場合は,教科書の意図とは異なるものを想定しなければいけません。独自の教材の場合は,もちろんのことです。 -その素材をどういうねらいで扱いたいのか。 -そのねらいを実現するためには,どういう発問で,どういう図を使うと,どういう生徒の活動が想定され,そのことを踏まえて,次にどうするのか。そういうことを行っていくための「準備」としてまとめるものが指導案です。 -つまり,「模擬授業として取り組んでみたときに,足りないところがある」なら,「まだ準備が足りないから,用意しておこう」ということになるはずです。 -逆にいえば,模擬授業が十分にうまくいき,その場の生徒の反応にも臨機応変に対応できることが実感できれば,その指導案でほぼ問題ないと言えるでしょう。 -だから,本来は,想定している授業の肝心な部分に関して,模擬授業的に取り組んでみて,「想定通りだったか」「発問や図,流れを変えないと自然に流れないとしたら,それを反映させていこう」「準備として想定すべき部分があれば,それを検討し,自分のための指導案として,記述してこう」ということだと思います。 -そういう指導案は,ある意味で,オリジナルな指導案作成であり,みなさんにとっては,ちょっと高度なことを求めすぎているのかもしれません。 -「自分なりに取り組んでみて,その反応から学んでほしい」のです。 *** 0.4 今後の流れ -次回が授業としての最後ということを踏まえると **** 「デフォルト路線」の方 -少なくとも次回までには,自分の授業の流れを「発表して検討する」ことをしましょう。 -その際,一回目の指導案を略案でもいいから提出しておく方がいいでしょうね。 -そこでの検討等を踏まえて修正したものを, 2/23までには提出することにしましょう。 -なお,来週までの授業の時間の中で,協議がうまくできない場合には,別の時間を確保することも考えます(それは来週の授業終わりのときに協議) ****「代替路線」の方 -以前に示したものを,2/23までに提出することにしましょう。 *1. 具体的な事例についての検討 **1.1 松本さん(三平方の定理の応用) -三平方の定理そのものは,動的に扱うのは,意外にむずかしいのです。 -そういう意味では,今回は,三平方の定理の「応用」という位置づけなので,ある意味,やりやすい事例になっていると思います。 -一般,想定している「発問」に対して,想定通りの活動があり,想定通りの発見があり,想定通りの....となるかどうかは,想定している生徒像によっても変わるわけですが,みなさん,つまり「大学生」対象に取り組んでみて,検討してみることが,とてもいい「実験」になると思います。 -大学生でうまくいったことは,それなりの確率で,中高生に通用する可能性はあるでしょう。 -逆に,大学的でうまくいかないことは,中高生では決してうまくいかないのです。 -みなさん,そういう意味で,「生徒の立場」で,取り組んでみてください。 **1.1' 豊田くん(方ベキの定理) -先週検討していなかったっけ? **1.2 横田くん(Euler線) -Euler線の話題は, 簡単ではありません。 -今年,金1の3年生の人たちで何人も関心をもっている人がいるので,明日の授業でも集中的に議論することになっています。(ぜひ,参考にしてください。) **1.3 野田さん(外心) -外心にはいろいろなストーリーの作り方もありえます。 -野田さんなりのアイデアを模擬授業的に発表してみていただいて, 流れがうまくいかないところがあれば, それをサポートするというようなことが適切かと思います。 -内心や重心も,ある意味では共通の特徴もありますが, 問題状況等は変えることが必要になってきます。 -それらに着手する方がいてもいいかと思います。 **1.4 宮脇くん(等積変形) -等積変形に関しては, 教科書の中でも扱っていますが, 「中学校教科書での扱い方」とは違う流れになるはずという点が, かなり注意が必要です。 -その点も含めて, どう想定しているのかを検討できるといいなと思います。 **1.5 畑中さん -「和が一定」ということ自体は, 小学校5年生でも扱っていた話題です。 -中学校で取り組む話題として扱う上で,「どういうねらい」を設定しているのかが,一つの鍵になります。 -「オープンな問題」から,「問題あるいは性質を発見する」という考え方もできますが, だとすると, 「複数の問題を見つけられるか」「その中で,この問題が適切ということを実感できるか」なども必要になるでしょう。 -「関連する命題への広げ方」つまり,一般化などをどの程度考えるかということでもあります。 -逆に,そういう意味では, 「まだこの素材にづいて,畑中さん自身があまり深めていないんじゃないかな」という印象があるんですけどね。 **1.6 宮本くん(円周角の定理の逆) - 「GCでプロットすることによって発見し,証明を行う」とありますが, それがまたきちんと形になっていませんね。 - そのあたりを模擬授業的に, あるいは指導案の文章の形で表現できると,次のステップにいけると思います。 **1.7 松井くん(ナポレオンの三角形) -この定理も,金1の3年生も話題にしていました。 -まず,「証明」を明確にしてみるのは,教材研究として必要ですね(終わっている)。 -それをそのまま生徒に与えて適切な難しさであれば, 証明問題としての教材になりますが, この問題も, そう簡単ではないので, 何を支援し, 何を生徒に委ねるかを考えることは不可欠です。 -一方, それは「証明問題」なので, 「動的」な要素はあまり関わりません。 -すると, 命題の発見等で動的を生かすのか,あるいは, 証明に関わる部分で動的が生かせるのか,そのあたりが, CIIとしての目につけどころということになっていきます。 **1.8 鈴木 祐大朗くん(四角形の角の二等分線の交点でできる四角形 -この話題は,教科書の中でも扱っているし,CIIの授業の中でも扱った話題です。 -また,実際の授業のビデオも試聴した素材です。 -「その流れ」でいった時,複数の選択肢が生まれるのも事実です。 -想定している流れにならない可能性もあります。 -どういう発問に対して,どういう発言があり,それらを踏まえて,どういう流れを構成していくのか等を設計することが大切かなと思います。 **1.9 西脇大裕くん -中1で取り組むという割り切りは「いい」と思うけど,「どういうことを発見する可能性があるのか」に関しては,豊富に準備しておくことが必要な気がします。 -実際,岡崎中で取り組んだときは,「想定外の行動や発言」がいろいろありました。 **1.10 星原さん - * 2.課題 **2.1 指導案作成できる方は,指導案つくって,提出してください。 -普通,最初につくったバージョンは,修正しないといけないのが普通です。 **2.2 次回が,正規の授業としての最終回です。「独自の指導案を提出予定」の方は,自分の授業プランを簡単にプレゼンすることが不可欠と理解してください。 - 水曜日朝までには,まなびネットに書き込んでください。 - 来週のこの時間に,それなりのプレゼンをしてください。 - もし,時間が足りない場合には,他の機会に,私に対して行うことが基本です。そうでないと,「指導案に関する議論」がうまくかみ合わないのです。