*0.はじめに **0.1 残り少ない / -今日を含めて, 1/18, 1/25, 2/2 でおしまいです。 -その間に,「自分なりの素材」をもとに,「指導案作成」まで到達しよう,というのが,今回のねらいです。 **0.2 「指導案」を拝見する中で感じたこと/かく上で気にしてほしいこと *** 「紙の上を中心に活動することを想定している」もの(教科書・指導書)での指導例を「そのまま」参考にすると,「動的」はいらない -ICT活用は,いろいろな形で進められてきてはいても,教科書などは,「GIGAを前提につくられたわけではありません」 -「動的」がどういうところでいきるはずかは,「みなさん自身がその事例の周辺で,いくつかの選択肢を検討しながら,選択すること」が必要なのです。 ***「動的」だけでいいわけでもない。 -「動的」は発見を支援することが多いですが,数学なら「証明」等も不可欠です。でも,証明などは,「静的」に進めるべきです。 ***「どの使い方を想定する」かはきちんと選択してほしい。 -「一人一台」 --GIGAによって「一人一台」が基本になりましたが,GCの利用では必ずしもおすすめしません。 --「教科書の代替」「ノートの代替」「答案用紙の代替」「テレビ会議(zoomなど)のための機器」など,いろいろな役割をタブレットは持ち得ますが,GCは作図の代替(なので,作図ツールともいう)であり,その活動でいえば,実験の代替といえるでしょう。 --実験をする「スキル」を身につけるなら,一人一台が適切です。 --「そのスキルを生かして一人で問題解決をする」ことがねらいなら,そうすべきです。 --でも,たぶん,みなさんが想定している授業はそうではなものが多いです。 --そうなると,「会話」が活性化しなくなる「孤立化した学び」になってしまうのです。 -「グループで一台」 --「密は避ける」のが今の学校状況ですが,それはずっと続くとは思えないとすると,「密で話し合いしながら取り組む」スタイルは意識していいと思います。 --授業ビデオの中でみていただいたいものの大半はこのスタイルです。 --適切な問いと,適切な図を与え,観察し,書き込み,....等の学び合いの時間をあたえ,証明をしたくなったら,ノート(紙)に移動し,個人の活動にうつっていくのがたぶん自然です。 --そういう意味で,多くのケースでは,このスタイルが適していると思います。 --そのときに重要なものの一つは,「発問」です。 --グループで話し合いながら探究するのに適した「問い」を考えてほしいのです。 --そして,そこで使う図はちょっと違っていても活動は大きく変わるので,「図の工夫」もしてほしいのです。 -「教室に一台(プロジェクタ等とともに)」 --生徒にタブレットを渡した瞬間に,「やりたいと思ったら,すぐに操作してしまいます」 --それが望ましい場合もあるけれど,「そうでない方がいい」こともあります。 --たとえば,「予想」をさせたいときは,「一つの画面だけを観察し,動かすかどうかは教師がコントロールする方がいい」のです。 --生徒が「その場で調べる」なら,それは予想ではなく,「観察」になるのですから。 --また,タブレット等を使う場合でも,問題を提示するとか,発表するなど,一斉指導の場面も不可欠で,そこではプロジェクタを使う方が基本です。 -「ロイロとを併用することもあるが」 --個人やグループの成果は,クラスで共有したり,記録をデジタルアーカイブすることが適切なので,そのために,ロイロノート等を使って名古屋中学校では保存しています。 --みなさんが学校に言ったら,そういうものを活用しているケースも多いでしょう。 --ただ,現時点では,大学でその環境を実感することはできないので,今回はあまり意識しなくていいと思います。(それを前提に書いてもいいけどね) -「ワークシート」 --「記録」しないといけないケースは多いでしょう。 --そのために,ワークシートを用意した方がいいと思う場合は,指導案において,ワークシートをつくっておくといいでしょうね。 **0.3 全員のものを扱えないかもしれないけど -前回と違って,今日は「多い」です。 -それなりの「発表」を伴うと,いままでの経験では10名程度が限界です。 -一方,「発表」とまではいかなくても,「自分の想定していること」を語らないと,「わからない」し,そこで想定している流れに無理があったら,そこを少し変えたときにどうなるかを実感しながら修正してくことを踏まえないと,「ただダメ出し」されて,「こう変えろと指示された」感じになるので,あまりよくありません。 -そういう意味で,「同じ素材」についてはある程度まとめながら扱うとしても,できるだけみなさんが「語る」時間は確保したいと思います。 -また,前に扱っている事例は,「多少軽い」扱いたいと思います。 -それでも言及できない場合,「どこかで相談しにくる」等もアリです。 -- 研究室は,自然科学棟522(544でゼミをしているともある) -- なお,今日は,比較的時間に余裕はあるが,明日は,授業とゼミでほぼ無理。 -- また,日によっては,「外に出る」こともある。 -- そういう意味では,メール等で確認しておくのも一つの手だし,どちらかといえば一人だけでなく,「複数でくる」方がいい **0.4 今日出していない方は,「代替案」の方なのかな? -どうなんでしょうね。 -「対面の場にいない方」の方が多いんでしょうけど。 *1. 具体的な事例についての検討 -一般論として,「前に扱っていない事例」になるべく焦点は当てたいんだけどね。 -「早い投稿をした方」の中には,前回以前に扱った方の「改善版」が多い気がする。 **1.1 豊田くん(方べきの定理) -指導案のことを念頭におきながら....かな。 **1.2 星原さん(円に内接する三角形) -「発見」と「証明」として,何を想定するのか。 -そのための「生徒の活動」として何を想定するのか。 -それに向かう上での「発問」と「図」はどう工夫したのか。 **1.3 松田さん(四角形の4辺の中点を結んでできる四角形) -少なくとも例年であれば,「この事例」は授業の中で扱っている,もっとも基本的な事例なので,「それなりに工夫」があるはずだよね,と確認する事例 -「どこの工夫」をみてほしい? **1.4 水野さん(接弦定理) -前回を踏まえて,どこが「検討してほしい」ところになりますか? **1.5 古橋くん -「最短距離」の問題ですね。 -指導案としてと,「この事例は,どういう位置づけ」つまり,「その前」等に,どういうことを扱うから,「この事例」はどう位置づくのかということが大切な気がします。 **1.6 戸苅さん -「本当に円周上しか同じ角度にならないのかな」って,「他にもあるでしょ。それを発見してくださいね」という意図に聞こえてしまうけど,....そういうこと? **1.7 平林さん -「流れにうまく見通しが立たない。」とあるけど,実際に模擬授業的に「流してみる」のが一番,「問題点がよくわかる」のではないかな。 -やってみましょう。 **1.8 柴田くん -2円の位置関係と,共通接線 -前回でほぼクリアかなと思うけど,まだわだかまりがあれば,ぜひ。 **1.9 永田さん -「四角形ABCDの対角線の交点をEとし、AEとCEの中点をそれぞれF、Gとするこのとき、四角形BFDGはどのような形になるだろうか。」 -この問いに対する結果は,「どれくらいの意外性」あるいは「そりゃそうだよ」感があるのかな。 -それによって,最初の投げかけ方も変わるし,「動かす図」の役割も,観察なのか,検証なのかなども変わってきますよね。 **1.10 宮本くん -「円周角の定理の逆を証明してみよう。 」という発問だけだとイメージしにくいけど,ただ証明問題として扱うと,「動かす意味は?」とききたくなる。 -それに対して宮本くんはいい反応をしてくれるでしょうか。 **1.11 津本くん -「ピザを三等分するのに面白い方法はないかな?」 -この問いで,「どういう活動をしてほしいのか」その想定してる流れによっても,「いい」のか「よくない」のか,変わりますね。 **1.12 壺井くん -「三角形のそれぞれの頂点を三等分した線分の交点が作る三角形の形は?」 -問いが日本語として「変」 -「頂点を3等分?」ってどういうこと? -モーレーの定理を一般的に証明させるの? -高校生だとしても,大丈夫? **1.13 鈴木くん -「4つの角の二等分線の交点を結んでできる四角形の特徴について調べよう。」 -これも,この授業の中で扱った素材でもあり,教科書の中でも扱ったいる素材他けど,「どういう工夫をしている」と思ったらいいでしょう。 **1.14 宮脇くん -等積変形に関しては,教科書的なアプローチと,動的に扱うアプローチではかなり「違う」のか普通なんだけど,どういうことを想定しているのかな。 **1.15 松井くん - ナポレオンの定理 - 「証明させる」としたら,「想定している証明はどんな方法なの?」次第ですね。 **1.16竹内くん -「平行四辺形になるための条件」 -前回も触れたように,「仮定」と「結論」は一遍に現れてしまうので,それを区別することはむずかしいです。 -そこをどうやってクリアしていくのか,が課題ですよね。 -そこへの答えは見つかったかな? **1.17 寺田くん -この手の問題に関しては,前回,3次元のグラフをイメージする,とか,「等高線」のことを話題にしましたが,その路線の具現化あるいは別の工夫の具現化? -「みせてもらう」のがわかりやすいように思います。 **1.18 水谷さん -「四角形ABCDの各辺の中点を結んでできる図形EFGHにはどのような特徴があるか調べよう。」 -松田さんと一緒 -「なるほど」という工夫ありますか? **1.19 西脇くん -Euler線 -簡単ではないけど,5心に関わる定理なので,定理そのものはわかりやすい。 -発見だけでいくのか,証明も求めるのかで,学年も変わる。 -証明も求めるとき,「自分でもそれなりに取り組んだ感」をかもしだすには,....どう工夫する・ -全然違うアプローチもある.... **1.20 中島くん -円周角の定理 -前回もふれましたね。 -前回とは違う流れを想定する人もいるわけで,一つの問題でも,「アプローチの仕方は複数ありうる」ようにも思います。 -「面白味」というのは,「どういう面白味」でしょう。 -ご自身にとっての数学的簡単からみた面白味なのか,中学校数学の内容としての面白味なのか,生徒が思いつく解答例のみうなものを考えたときの面白味なのか,学び合いを想定すると面白味なのか。 **1.21 正法地くん(境界線の引き直し) -これは,等積変形に関わる問題かと思います。 -教科書の中でも扱っていますが,教科書で等積変形を学んで,それを使えるようにするときの思考と,観察.プロットして発見していく流れは違うので,授業設計では注意が必要です。 -素朴なこととして,「導入」等において,それがまだ未習として取り組み,等積変形を学ぶ流れにするのか,それは既習として扱うのかによって,全くことなります。 -また,名古屋中で扱った鈴木実践では,それらも配慮して図の方を工夫していることも,要注意です。 **1.22橋本くん -平行四辺形の問題で,ある意味,「共通」するむずかしさがありますよね。 -何か工夫は可能でしょうか。 -一般に,「証明」は,「証明の論理で行う」のが基本なので,その命題の周辺を調べてみるところにターゲットを広げてみるとか,「身の回りの現象」の理解に広げてみるとか,そういうことも一つの手です。 **1.23 水野くん -「正弦定理を証明してみよう」 -前回の円周角の定理同様に,「特殊な場合を生かす」等に使っていく上では,うまく使える可能性もありますよね。 -そのあたりを意識しているかどうかに依存していると思います。 **1.24 須田くん -以前にコメントした方と同様です。 **1.25 中橋くん -チェバの定理 -高校の話題として注目する方が多いですが,一般にはあまりおすすめしません。 -「解説」中心に行う授業にとどまる可能性が高いと思います。 -もちろん,「それを扱うのがきまっている」場合は,「解説をするのにどの程度使おうか」を考えるのは現実的ですが,今は指導案作成のための素材を「選択できる」わけなので。 **1.26 杉田くん -「面積を変えずに形を変えるにはどうすればよいかな」(五角形) -正法地くんのケースと同様です。 -特に「五角形」に注目するとしたら,一般には等積変形は既習で,「どこに平行線を引いて変形するか」等を活用する流れが妥当なので,五角形を扱うことはあまりおすすめしません。 **1.27 藤井くん -「円周角の定理を使って証明にチャレンジしてみよう。」 --これは「問い」なのでしょうか。 **1.28 鈴木くん -本当に、円周角と中心角はいつでも円周角×2=中心角を保っているのかな」 --この図を動かしたときの「どういうところに注目」して,どういう命題(定理)にしていきたいのでしょうね。 * 2.課題 **2.1 指導案作成できる方は,指導案つくって,提出してください。 -普通,最初につくったバージョンは,修正しないといけないのが普通です。 **2.2 ??? - 授業の中で,協議した結果に依存しますね。