*0.はじめに **0.1「まなびネット」に関連して -書き込みをしていない方も数名いるようですが,「出席の代わり」としての機能でもありますから,よろしく。 - 「まなびネット」は,出席の代替です。 - 「いつ書き込むか」に関して,もちろんいろいろな事情があるでしょうけど,「次の授業に反映する」米の資料でもあります。時間が経ってからの書き込みは,「その価値は激減します」 -そもそも,「終わってすぐにかく」くらいでないと,忘れます。 -「そこから何を学ぶべきなのか」「何を学んだのか」を明確に意識しないと,この授業は理解できません。 -かなり「実践的な側面」が多いので,2年後期という今の時期では,「理解しにくい」部分も多いかもしれませんが。 ***0.1.1 「ホンキで取り組んでいる先生方の授業」を見る「価値」 -本学には,小学校2校,中学校2校,高校1校(それ以外に,幼稚園と特別支援学校)があり,それぞれで算数・数学の研究・実践を行っていますが,学生のみなさんに実際の授業を参観していただく機会をつくるのはなかなかむずかしいのが現実です。 -実際,80-100名が一遍に参観することはできませんから。 --なお,コロナ以降,「zoomでの参観」という方法も試しつつあります。 -附属での授業は,公立学校の授業とはちがう面もあります。では,参考にならないのでしょうか。 -そんなことはありません。 -「まず,みて,実感して,肌で感じてほしい」と思います。 -そういう意味で,この授業では,前回の鈴木実践のように,いろいろな授業のビデオを提供していきます。 -最初は,「生徒目線でみる」ことしかできないかもしれません。 -でも,ぜひ,「教師目線でみる」ためのトレーニングと思ってください。 -「オンラインでみる」時間を確保することが必要になるのはたしかですけど,「そういうチャンスをきちんと提供できないる大学は少ない」ですし,「本学でもそういうことをしている授業はとても少ない」と思います。 ***0.1.2 「いろいろな人の意見」から学ぶ - 感想など,すべて「フォーラム」にしています。 - 本当は,授業の中での議論にしたいですけど,授業は授業の中でやりたいことも多々ありますから,「オンラインでの学び合い」の実践・実験という意味でも,「フォーラム」にしているわけです。ぜひ,他の人は何をみているのか,何を感じているのかを,自分の中に生かしてください。 **0.2 「前回,学んだことは何ですか」 - 今年前期,この質問をよくしました。 - そして毎回,落胆していました。 - みなさんの場合はどうでしょうね。 - おそらく,毎回,聞くと思います。 ***「中学生としての学び」のはずはない - 去年,この質問をすると,たとえば,「中点連結定理を学びました」というような発言をする学生もいました。 -- でも,それでは単位になりません。 -- 「中学校の復習」をしているわけではないのですから。 - もちろん,久しぶりに,「中学校での定理」を学び直すこともあるでしょう。 -- でも,それは学び「直し」であるべきです。 -- 「大学生としての,これまでのいろいろなことをふまえる」と,「違う理解」が深まっているはずなのです。 - 「大学の数学を経験すると」数学としての理解のしなおしもあるでしょう。 - 逆に,「中学生として接する数学の世界の再発見」もあるでしょう。 - 理学部の学生でなく,教育学部の学生としてなら,どういう意味での「専門的な理解」ができるでしょう。 *** 体験と省察 -この授業で扱っているような「ICT利用」は,みなさんにとっての「数学とはこういうものだ」と少し違うかもしれません。 --少なくとも,「公式に当てはめて答えを出す」ようなことではありませんから。 --いや,ある人たちにとっては,「これまでも経験してきたようなことに,道具としてのICTが加わっただけ」かもしれません。私にとっては,そういうものですから。 -少なくとも, そこで意図しているのは,「図が動くからわかりやすい」というようなことではないのです。 -「体験しないことはわからない」と思うので,この授業では,みなさんが体験することを,まず,重視しています。 -きっと,その中で,生徒が「再体験する価値がある」ことを,みなさんが意識化することが大切なのです。 --逆にいえば,「そういう意識をもてないことの教材化や授業化は,たぶん,できないのです」 -「それは何なのか」を自分の言葉で表現してみたり,他で語られている言葉と結びつけてみること。それがきっと大切で,そういうことのために,「まなびネット」での課題を想定しているわけです。 **0.3 次回は「自習課題」 - 次週,熊本県の中学校の数学の先生方の研究大会に行くために,「自習課題」にします。 - 次週のWEBに課題を掲載していますから,11/16までにまなびネットに提出してください。 *1.「いろいろな場合を調べる」 **1.1 「対応表を使って」一通り調べてみる - 対応表を一通り埋めると,「それですべきことが終わった」ように感じる人も多いかと思います。 - でも,「それは暫定的な結果」で,「次への出発点」であることを,前回実感していただいたはずだと思います。 - 今回,「第二の例」について,取り組んでみたいと思います。 - ただ,今回の事例の解決例は「教科書」にも掲載されています。 -- (申し訳ないけど,)それを読んで,今後の解決の流れが「わかっている人」は,「他の方々を中心に取り組む」様子を観察するスタンスで取り組んでください。 **1.2 「4つの角の二等分線の交点を結んでできる四角形」の問題 |#00002-1027-01| **1.3 上記の事例の「今日の探究」では,どういうところに特徴があったといえるでしょう。 *** 作図 - *** 観察 - *** 解釈 - *** 判断 - *** 証明 - *** 発見 - *** 「道具の変更」によって,何が変わるのか (紙などの伝統的な道具と,GCなどの動的幾何ソフト(作図ツール)の利用による違い) **1.4 「類題」をつくる方法としての what if not ストラテジー - 前回の問題文を「きちんと文章にしてみましょう」 - 今回の問題文も「きちんと文章にしてみましょう」 - この二つには,「関係」がありますよね。 - 「前回の問題」から「今回の問題をつくる」ノウハウを使うと,「類題」をつくることができますね。 -きっと,他の授業(CI,CIIIなど)の中でも扱われてきたことではないかと思います。 **1.5 紙の場合には,「特別な例」にしか使えなかった見方・考え方を,より多くの場合にも使えるようにする道具としての「ICT(ソフトウェア)」 - 解説してくださいね。 - 今回の事例を通して。 - また,「類題」も使ってみましょうか。 - 実際に作図することは,いずれできるようになりますが,必要ならば,「その場でつくってみます」ね。 *2.一つの図から生まれる「問題」はけっして一つではない - 前回と今回で,二つの図を扱いましたが,それらを元に,「いろいろな問題を見いだす」ことができます。 - 「与えられた問題文」の答えを見つけるのも,たしかに問題「解決」です。 - でも,「与えられた状況」から問題を見つけていくことも,「問題」解決です。 - 実際,授業でも,「先生が出したから取り組む」のではなく,「そういう問題を考えるのは自然だ」と問題の必然性を生徒が実感するように,工夫してきたと思います。 - そういう,「問題を見つける」感覚,「一つの図からも,いろいろな問題をつくれる力」をつけてください。 - いっしょに,今回の二つについて,「ちがう問題」をつくってみて,取り組んでみたいと思います。 *3.「授業ビデオ」 - 今日みなさんが取り組んだ素材に関して,約30年前の名古屋中での実践のビデオがあります。 - もちろん,タブレットはありません。windowsさえありません。 - でも,みてみるとわかりますが,授業の中からいろいろなことを学べると思います。 *4.課題 -今日の感想 -今日の探究の中に感じた「数学的なプロセス」 --今日の問題は,教科書の中の「1.5」の中で詳しく扱っています。きっと今日のみなさんの探究は,そこでの記述と重なる部分もあれば,そうでない部分もあるでしょう。それと比較・考察しながら検討してみてください。 -授業ビデオを試聴して感想をまとめる(「玉置実践」) --- (1) 課題の工夫点 --- (2) 先生の行動や発言について --- (3) 生徒の活動や発言について --- (4) その他