*0.はじめに **0.0 先週の問題に関して - いわば,「正解のための手がかり」を簡単にまとめておきましょう。 - でも,それだけがねらいではありません。 - 実際に問題に取り組むときに,複数のアプローチがあります。 - どういうところで,どういう困難点を感じるのか。 - どういうところで,「スッキリ」できるのか。 - どういうところで,友達と話し合いをしたいのか, - どういうところで観察から「いい気づき」ができそうなのか。 - そうそうさまざまなところを「実感」し,それを「授業設計」や「生徒理解」あるいは「支援のための手がかり」に生かしていくことは,「ただ正解を知ること以上に大切」なのです。 *** 二次曲線に関係する問題 - 「垂直二等分線」の役割を考えてみましょう。「2点から等しい距離にある点の集合」です。 - 二次曲線の「焦点や準線に関連する定義」を考えてみましょう。 - きっと,「なんだ,そうか」となることでしょう。 *** 重心の軌跡 - 中点の役割を理解すると,「目からウロコ」の感じですよね。 *** 内心の軌跡 - まず,「円の一部」ということは,観察からわかったのではないでしょうか。 - 「円」であるために,特に中学校で使えるのは「二つの方向性」しかありません。「長さ一定」か「角一定」か - この場合はどちらでしょう。 - でも,もう一つ実感してほしいのは,「変な形」ということ。 - つまり,「円全体」を構成するには,.... - この点は誰も言及していませんでしたね。 ***備考 -上記の点は,「印刷してから」気づいたので,web上でしか掲載していませんが,... **0.1 みなさんからの「動く跡としての軌跡」の問題 -2点O(0,0)、A(1,0)と円x^2+y^2=1上を動く点Pを3つの頂点とする三角形の重心Gの軌跡を求めよ。 -- 基本的に扱いやすい事例 -放物線y=x^2・・・①とA(-1,-2)、B(4,-1)がある。点Pが放物線①上を動くとき、△PABの重心Gの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B 数研出版)) --「放物線」そのものは,GCの中では作図できないので(軌跡としては作図できるが,基本的な対象ではない),これを直接扱いたい場合は,GeoGebraなど,別のソフトの方が適している。 -座標平面上に2点O(0,0),A(2,4)と円x^2+y^2=64がある。また、Pをこの円周上の点とし、2点P、Aを通る弦をPQとする。 点Pが円周上を動くとき、弦PQの中点をMとして、動点Mの軌跡の方程式を求めよ。 -- 基本的に扱いやすい事例 -aは定数でa>1とし、点(a, 0)を通る傾きmの直線と円x^2+y^2=1と異なる2点A, Bで交わるとする。 (1)mの値の範囲を求めよ。 (2)(1)で求めた範囲をmが動くとき、線分ABの中点の軌跡を求めよ。 (2019 旭川医科大) -- 現象としては扱えるが,「直接的にmなどを扱う」感じではない。 -点Qが放物線y=x^2ー4上を動くとき、点A(0,4)と点Qを結ぶ線分AQの中点Pの軌跡を求めよ。
(クリアー数学Ⅱ+B 数研出版) -- 上記のコメントと共通 -2点O(0,0)、A(1,0)と円x^2+y^2=1上を動く点Pを3つの頂点とする三角形の重心Gの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 数学Ⅱ+B 数研出版) --扱いやすい -点Qが直線 y=2x+4 上を動くとき、点A(-5,2) と点Qを結ぶ線分AQの中点Pの軌跡を求めよ。
(クリアー数学Ⅱ+B 数研出版) --扱いやすい -2点A(3,4)、B(-2,-6)と円x^2-2x+y^2+4y-12=0を動く点Cを3つの頂点とする三角形の重心の軌跡を求めよ。
(チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B 数研出版) --扱いやすい゛ -双曲線x^2-2y^2=4と直線y=-x+kが異なる二点PとQで交わるとき、定数kのとりうる値の範囲と、その範囲でkを動かしたときの線分PQの中点Mの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 基礎からの数学Ⅲ 数研出版) --「双曲線」そのものは,GCの中では作図できないので(軌跡としては作図できるが,基本的な対象ではない),これを直接扱いたい場合は,GeoGebraなど,別のソフトの方が適している。 -2点A(3,0)、B(0,3)と円 x^2+y^2=9上を動く点Qを2つの頂点をする三角形の重心Pの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B 数研出版) --扱いやすい -直線y=mxと円(x-4)^2+y^2=12が異なる2点A、Bで交わるとき、線分ABの中点Pの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 数学Ⅱ+B) --扱いやすい -aは定数とする。放物線y=x^2+2(a-2)-4a+5について、aがすべての実数値をとって変化するとき、頂点の軌跡を求めよ。
( 改訂版 チャート式 数学Ⅱ+B 数研出版) --「実数値」というのを,現象としてどう理解するか -座標平面上に定点A(-3,0),B(5,-2)をとるとき、次の問いに答えよ。
(1)線分ABを3:1に内分する点をCとするとき、Cの座標を求めよ。
(2)点Pが円(x-2)^2+(y-1)^2=9/5上を動くとき、線分CPを5:2に外分する点Qの軌跡の方程式を求めよ。
(FocusZ 数学Ⅱ+B 啓林館) --扱いやすい -車が曲がるために必要な道幅について、車輪がどのような軌跡を描くのか(内輪差など)を考慮して求めよ。
(車幅などの数値はなるべく現実に近い値を設定する。) (自作 by 冨板 蒼真)
-- これはこれとして,みなさんに考えてほしい問題ではあります。 -- ねらいは少し変わってきますけど。
-放物線y=x^2 とA(1,2)がある。点Pが放物線上を動くとき次の点Qの軌跡を求めよ。
線分APを2:1に内分する点Q
チャート式 数学ⅡB 数研出版 -- 前述したように,難しい。 -原点O中心の単位円に、円外の点P(x?,y?)から2本の接線を引き、2つの接点を結ぶ線分の中点をQとする。点Pが直線x+y=2上を動くとき、点Qの軌跡を求めよ。 (名古屋大) --扱いやすいよね。 -2定点A(-4,0),B(2,0)に対して,AP:PB=2:1となる点Pの軌跡を求めよ。 (スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B 62) -- これは,「条件を満たす点の集合」です。 -点Qが円x^2+y^2=2^2上を動くとき、点A (4,0)と点Qを結ぶ線分AQの中点Pの軌跡を求めよ。(高等学校数学Ⅱ) --扱いやすい -点Pが放物線y=x^2+1上を動くとき、定点A(2,1)と点Pを結ぶ線分の中点の軌跡を求めよ。 (新課程 シニア 数学演習 Ⅰ・Ⅱ・A・B 受験編 数研出版) --扱いにくい(前述) -点(5,0)を通り、傾きがaの直線が円x^2+y^2=9と異なる二点P,Qで交わるとき、次の問いに答えよ。
(1)aの値の範囲を求めよ
(2)PとQの中点をMとする。aを動かすとき、点Mの軌跡を求めよ。
(2009年 群馬大) --現象を観察して,解釈する感じならいける。 -点Qが円x^2+y^2=9上を動くとき、点A(1,2)とQを結ぶ線分AQを2:1に内分する点Pの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 解法と演習 数学Ⅱ+B 数研出版) --扱いやすい -x軸上を自由に動く点Cを通り、点E(0,7)を中心とした半径5の円Oに対する接線をlとmとする。
この時直線lと円Oの接点を点G、直線mと円Oの接点を点Fとしたときの、線分GFの中点Hの軌跡を求めよ。
(オリジナル by 山本 智博)
--扱いやすそうだね。 -直線2x-y+3=0に関して点Qと対称な点をPとする。点Qが直線3x+y-1=0上を動くとき、点Pの軌跡を求めよ。
(改訂版 チャート式 数学Ⅱ+B 数研出版) --扱いやすそうだね。 --ただし,「点対称」や「線対称」の作図は,「エキスパート」モードだとやりやすい -2点A(5,3),B(?4,3)と円 x^2+y^2=25上の動点 Qとでできる,△ABQの重心Pの軌跡を求めよ.
https://hiraocafe.com/note/kiseki.html#link2
練習問題(3)
--扱いやすい *1.軌跡(2) *1. 「条件を満たす点の集合」としての軌跡 **1.1 教科書等での「軌跡」=「条件を満たす点の集合」 *** 高校の教科書での定義の例 -平面上で,与えられた条件を満たす点全体の集合が作る図形を,この条件を満たす点の
軌跡
という。 -- 例 ---円 ---垂直二等分線 ---角の二等分線 -本当は,上記の定義は,well-definedではない。 --「三角形の内部」は,該当するのだろうか。 --平面に含まれる点全体の集合は,条件のはずだが,妥当なのだろうか。 --「x,y座標が整数になっている点」の集合は妥当なのだろうか。 --「x,y座標が有理数になっている点」の集合は妥当なのだろうか。 --つまり,一般的には,「その集合が,1次元的な広がりを持っている」集合であることを,暗黙のうちに想定しています。 -現実的には -- 「証明」や「計算が実行可能な対象」でもあることから,学校数学では,ほぼ次のものを想定しています。 --- 直線 --- 円 --- 二次曲線(楕円,放物線,双曲線) --- 特定の曲線(パラメータ表示等で記述されるもの)→これらはどちらかというと,「動いた点の跡」として生成されるけれども,式表現ができるので,条件を満たす点の集合としても記述できるという側面が強い。 **1.2 「GC」の中での軌跡は二つの側面 - 「動いた跡」としての軌跡 -
「条件を満たす点の集合」としての軌跡
--今日は,こちらです。また,多くの動的幾何ソフトにおいても,この2種類はほぼあると思ってよいでしょう。 *2. GCにおける「条件を満たす点の集合」としての軌跡とその拡張 ** 2.1 仕様 - 「点」の「編集」において,「軌跡の色」を設定することが「準備」 - すると「記録」ボタンが表示される。 - 「条件を満たす」場所において,「記録」ボタンを押す - これを繰り返すことで,「条件を満たす点」が増えていく。 - 「どこに条件を満たす点がありそうか」を推測したり,「どう調べていくか」の方針を考えたり,一定の数の点が集まったときに,「どういう点の集合なのか」を考えるところに,数学的活動が生まれる *** 余談 - 「軌跡を残したまま動かす」と,その「ウロウロした様子そのもの」すべてが記録されてしまいます。 - それをきちんとできる場合は,「動かし方がわかっている場合」です。 - そういう動かし方がわからないときには,「合致したときだけ記録を残せばいい」と割り切ると,「ポツポツとした点を次第に残していくので,時間がかかる」使い方になります。 - でも逆にいえば,「動く跡としての軌跡」は「ササッと作成できる」のに対して,「条件を満たす点の集合」は,「判断しながら,少しずつ作っていく」ことが,生徒の活動そのものになりやすいという側面もありますし,「ポツポツしかない段階で,『全体はどうなるんだろう』という推測をする活動にあっている」ともいえます。 - でも,「ささっとやりたい」ときには,「ささっとできるといい」わけですけどね。 ** 2.2 例 |#00200-1202-01| -∠APB=60°になる点の集合を調べよ。 **2.3 こんな図を作図してみよう。 -(1) 定点A,Bと動点Pがある。PA = PBとなる軌跡を求めよ。 -(2) 定点A,Bと動点Pがある。PA = 2 PBとなる軌跡を求めよ。 **2.4 「PA= 2 PB」を調べる/調べさせる 上で「どんな図がいい?」 - 線分だけあって,「見た目」で調べる - PAとPBを測定して,「暗算」で比較する - 2 PBを自動的に計算して表示し,PAと2PBの値を比較する *** 「ねらう数学的活動によって,図は変わる」 - 関連することとして,「精度」も重要 -- 「数値がきになる」 -- 「ほんの少しでも違えば」違う -- 「ぴったり」なんて,ほとんどない -- あえて,整数値だけしか表示しないのも一つの選択肢 ** 2.4 概念の拡張(ことばと数式) - 「条件」は,高校数学では数式で表現される。 - 条件を数式で表現し,「変形」して処理していく...高校での数学IIでのねらい - 表現される数式は, Pを使うなら, f(P) = 0 - P(x,y)として,x,yで表現するなら f(x,y) = 0 *** 陽関数と陰関数という見方 - 「x が決まればyが決まる」 -- y = f(x) -- これまで扱ってきた普通の関数がこのタイプで,陽関数という。 - 「円」のようなものは x^2 + y^2 = r^2 のようにも表現できるが,これは「普通の関数ではない」 -- 無理やり扱おうとすると y = √(r^2 - x^2), y = -√(r^2 - x^2) -- でも,素朴に,x^2 + y^2 = r^2 で扱う方が自然 -- f(x,y) = 0 -- これを陰関数という。(implicit function) ** 2.5 GC/html5では,こういう機能もある(が,生徒には使わせない) - 「測定」において,「数式 = 0」となるような集合を調べる形の数式をつくっておく - 「プロフッショナルモード」に変えておく。 - f(P)=0 に該当する点Pを少し動かしておく。 - 「測定」を表示すると,ボタンが表示される。 - ボタンを押すことで,自動的に軌跡を調べることができる。 *** なぜ,生徒には使わせないのだろう。 - 逆にいえば,どういう場合には適しているのだろう。 **2.6 GCには適していない問題 - 「二次曲線(関数)上の点」を使う問題 -- 「二次曲線」を基本的な幾何的対象として扱うことが,GCではできません。 -- でも,それを扱う問題は,教科書にはあります。 -- たとえば,GeoGebraなど,他のソフトを使うのも一つの手です。 - 「転がす」問題 -- 正方形を滑らないように転がす問題などもあります。 -- 「できないわけではないけれども」あまり適していません。 -- 個人的には,「モノ」を使えばいいんじゃないかと思います。 - その他,どの数学用ソフトでも,「扱う数学的対象」や「それに対する操作」の集合が規定されているわけで,それらはそのソフトで扱うのに適している「数学的現象の世界」があります。 -それをうまく見極めて,ソフトを選択する等が重要になっていきます。 **2.7 みなさんから提出された問題について ***「基本的」な問題 **** アポロニウスの円 -2点A(-3,0),B(2,0)からの距離の比が3:2である点Pの軌跡を求めよ。 -2点A(?4,0),点B(1,0)からの距離の比が 3:2である点 Pの軌跡を求めよ. -2点A(0,0),B(5,0)からの距離の比が2:3である点Pの軌跡を求めよ。 (改訂版 チャート式 解法と演習 数学Ⅱ+B 数研出版) -2点A(-4,0)、B(2,0)からの距離の比が2:1である点の軌跡を求めよ。 (改訂版 チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B 数研出版) -2点A(0,0)、B(3,0)からの距離の比が2:1である点pの軌跡を求めよ。 (数研出版 数学Ⅱ) -座標平面上の点Pから放物線y=x^2へ2本の接線が引けて、かつ、この2本の接線が直交するような点Pの軌跡を求めよ。 (FocusZ 数学Ⅱ+B 啓林館) --図をかいて実験してみるのがよさそう。 -長さが2の線分ABを1辺とする三角形PABの頂点Pが、等式AP^2-BP^2=2を満たしながら動くとき、点Pの軌跡を求めよ。
(チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B 数研出版) **** 円周角の定理 -xy平面に原点O(0,0)と点A(0,2)をとる。x>0の領域に∠OBA=60°となるように点Bをとるとき、点Bの軌跡をxy平面上の方程式で表せ。 (三訂版 メジアン数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B 受験編 数研出版編集部) **** 楕円の定義 -異なる2定点F、F'からの距離の和が一定である点Pの軌跡を求めよ。 (楕円の定義より) 画像 冨板 蒼真 *** 「式を解釈する」とわかりやすい問題 -点A(-4,0),B(4,0)からの距離の二乗の和が36である点Pの軌跡を求めよ (改訂版 チャート式 数学Ⅱ+B 数研出版) -- あるいは,「計算」してから見直す問題かも。 *** 「式を計算する」のが適切(?)な問題 -3点o(0,0)A(-1,0)B(1,2)に対して、AP^2+BP^2+9=OP^2を満たす点Pの軌跡を求めよ。 (クリアー数学Ⅱ+B 数研出版) -ある点から直線 x+y-1=0 への距離と直線 x-y-2=0 への距離の比が 2:1 である。このような点が作る軌跡の方程式を求めよ。 (立教大) -- 距離の比が1:1ならば,角の二等分線だけどね。 -平面上の定点A(0, 0)とB(6, 0) に対してAP^2+BP^2=50の関係にある点Pの軌跡を求めよ。(明治薬大) -2点A(-1,0)、B(1,0)からの距離の2乗の差AP^2ーBP^2が8である点Pの軌跡を求めよ。
(改訂版 数学Ⅱ 数研出版 P.112 問題16) -長さ4の線分ABがある。2点ABに対し点Pが等式2AP^2-BP^2=17を満たしながら動く時、点Pの軌跡を求めよ。 (チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B 数研出版) -2点A(-1,0),B(1,0)に対して、AP^2+BP^2=10を満たす点Pの軌跡を求めよ。(高等学校数学Ⅱ) -座標平面上の2点A(1,4),B(-1,0)からの距離の2乗の和AP^2+BP^2が18である点Pの軌跡を求めよ。 (新課程 シニア 数学演習 Ⅰ・Ⅱ・A・B 受験編 数研出版) -原点Oを通る直線上の2点P(x,y),Q(X,Y)がOP・OQ=8を満たし、PとQは原点Oに関して同じ側にある。 (1)x,yをX,Yで表せ。 (2)点Pが円(x-2)^2+(y-1)^2=5上を動くとき、点Qの軌跡を求めよ。 (改訂版 チャート式 数学Ⅱ+B 数研出版) ***「動く点の跡」かな? -長さ2の線分の両端A, Bがそれぞれx軸とy軸を移動する。線分ABの延長上にBP=1となる点Pをとるとき、Pの軌跡を求めよ (改訂版 チャート式 基礎からの数学Ⅲ 数研出版) -xy平面の原点をOとする。xy平面上のOと異なる点Pに対し、直線OP上の点Qを次の条件(A)(B)を満たすようにする。
(A)OP・OQ=4
(B)QはOに関してPと同じ側にある。
点Pが直線x=1上を動くとき、点Qの軌跡を求めよ。
-- OP・OQ=4をどう考えるといいだろう。 *** GCでは扱いにくい -点(1,2)に関して、曲線y=2x^2-3x+4と点対称の位置にある図形の方程式を求めよ。 (2004年 武蔵工大) -- 「放物線」そのものは作図できないから。 -- ただ,この問題は,「点対称」を作図し,軌跡として理解すると,すぐにわかるともいえるけど。 -xy平面における2つの放物線C:y=(x-a)^2+b,D:y=-x^2を考える。 CとDが異なる2点で交わり,その2交点のx座標の差が1となるように実数a,bが動くとき、Cの頂点(a,b)の軌跡を図示せよ。 (スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B 180) * 3.教材研究 - 「教育用ソフトとしてGCを探究する」 **数学用ソフトのいろいろな側面 - 基本的には,「解けない問題や,簡単には解けない問題を,解けるようにする」 - ある意味で,「楽になる」 - 同時に,それは,「取り組むことができる数学の世界をひろげる」ことでもある。 -そして,そこにまた,未知の問題,未解決の問題などが発見され,さらなる研究開発の原動力になっていく。 **教育で「へたに使う」と - 「ずるい」方法 - 「カンニングの道具」 - 生徒がするべきことを奪ってしまう。 **「教育用数学ソフト」であるためには - どういう使い方をすることで,どういうことを実現するためのものであるべきか,を考える -- 教育目標を深めることもある。 -- 教材を変えることもある。 -- 教育方法,指導法をかえていくこともある。 -- など ** 少なくとも,教育用数学ソフトは - 「観察可能な数学的現象の世界」をひろげる。 -- 新しく,どういうものを観察可能になったのか -- 「百聞は一見にしかず」に該当する例は? -- 「いわれてみたら,そういうこともあるのか。紙だけでは気づくにくいね」という例は? --「これって,扱うことはできないけど,現象の観察だけなら,できるんだね」という例は? --「こうすることで,観察可能・操作可能になってくる数学的概念・方法がある」という例は? - 「答えを出す」こと以外に,生徒にとって価値がある活動は -- 「観察」することで,「次にこういうことを問題にしたい」等を考えるきっかけを提供する -- 「仮説」をつくり,証明等を考え,「検証する」ような活動 -- 協力しながら,データを集める /それぞれの見方等を出し合って,「そういう見方もあるか」を実感する - 「授業設計」のためのいろいろな選択肢 -- 軌跡に関していえば, -- わかりにくいところに課題がある事例であれば...「わかりやすい解説する」 -- 一定以上の力量がある生徒なら,解決は難しくない事例であれば... 「問題状況を提示し,紙で解決し,実験で検証する」 -- 現象から,問題を見つけるところを,先生から生徒にゆだねられることができるようにする -- 「いろいろな条件かえ」等をしたとき,今までだったら,「それは....無理」と先生がいうのではなく,観察から「なるほど,ちょっとこれは自分たちの手にはおえない」と自分で判断するようにする -- など * 4.中学校的/初等幾何的な問題でも,「軌跡」的な見方を生かせることもある ** 「中の四角形を....になるようにするには,点Dはどこならいい」という問い |#00202-1202-02| - その「動かし方」は,性質との関わりを考えると,「納得」に至ります。 -同じように,「こういう形になるような場所をプロットしてみよう」という問題は,いろいろと作ることができます。 ** 中2の代表的な図なんだけど。 -「軌跡」を考えると興味深いところ,あるんです。 |#00203-1202-03| * 5. 条件を満たす点の集合を「動く点の跡として作図」することも,特には可能 - たとえば,「楕円」って,どういう作図の仕方あるでしょう。 * 6.課題 **6.1 「動して調べる価値がありそうな問題」と,「その探究でのおもしろさ」 - まず,すべきこと --「動して調べる価値がありそうな問題」を見つけましょう。(過去に見つけたものを使ってもいいです) -- その問題に対応する図をオンライン保存してください。 ---ファイル名は,「自分の名前-1202」 ---(複数保存するようなときは,a,b,c等を付加するといいかと思います) -- そして,動かして調べてみてください。 -- そこで感じる「おもしろさ」を言葉で表現したいのです。 -- 今回は,「まなびネットにかける程度」でかまいません。(図を書くとすると,Wordでないといけないけど,みんなで共有したいから) - まなびネットに次のような書き込みをしてください。 -- (1)「動して調べる価値がありそうな問題」 -- (2) 「探究でのおもしろさ」 **6.2 授業ビデオ課題としての「松元実践(2018)」 -12/16は,名古屋中学校で,GC活用研究会という,授業研究会を実施するので,「自習」になります。 --@https://www.nj.aichi-edu.ac.jp/wp-content/uploads/sites/2/2022/11/b555bf5fef43e8f52a942dcab5ad7f3f.pdf,ここに,案内があります(2ページ目) -当日,対面やzoomでの参加も可能ですが,たぶん,他の授業・ゼミ等で難しいでしょうね。 -もしかすると,「その授業で扱う内容」について,少し検討するようなこともあるかもしれません。 -2018年の松元先生の実践は,「基本的な図を動かして,いろいろな発見をしよう」というスタンスのものでした。 -いろいろな意味で,「見応えがあります」 -- 次の観点で,分析して, 「まなびネット」に書き込んでください。 ---(1)課題の工夫 ---(2)想定されている「数学的活動」 ---(3)「なるほど」と思う,「先生の発言や行動」 ---(4)「なるほど」と思う,「先生の発言や行動」 ---(5) 授業としての改善点や,その他感じたこと