*0.はじめに **0.4 今後の大まかな流れ(再) - 「ストーリー」→「指導案」→「発表/動画作成」→「動画についてのコメント」→「指導案修正」 - 案2 --「動画に対するコメント」を,7/25までに行い --「指導案」を,7/28(木)夕方までに行う --それに対して,「修正した方がいいと思う点」をメールで送るので,それに基づく修正指導案をその後提出し,「ok」が出たらおしまい。 **0.5 「個別の事情」があったら,「相談」すること -コロナをはじめとして,さまざまな事情がありうると思います。 **0.6 「なんでもいい」わけではない -でも,それは,みなさんの状況に合わせた「学びの最適化」です。 -テキトーでもなんでもいいというわけではありません。 -そもそも,これまでも言っていますが,オンラインかリモートかだって,「みなさんが勝手に判断していいことではない」のです。 -一定の水準,いわば,「愛知教育大学ブランド」としての水準を考えたとき,「到達していないね」「学生としての学びが成立していないね」という場合は,再履修をおすすめしますし,「その方がいい」のです。みなさんの人生にとっては。 -もちろん,一人でも多く,さっさと単位をとって,次のステージに行ってほしいですけど。 *1.指導案について(全般的なこと) -下記は,今回提出された指導案全てを拝見して,感じたポイントです。 -それぞれの「詳細」までみているわけではありませんし,今後も,「詳細」を完成品にすることを求めるつもりはありません。 -重要なのは,「授業をイメージし,そのための準備としての指導案」をつくれているかです。 -「これじゃ,授業にならないよね」と感じていることを,下記にまとめているわけです。 -具体例を踏まえて,当日お話します。 **1.1 (改めて)今回つくっているのは「本物の指導案」ではない。 -まず,今回「本物の指導案」をつくっているわけではないことを再確認しておきましょう。 -本物であれば,いろいろな制約があります。 -- 時間的な制約 -- 「具体的な生徒」像 --適切な「読み手」 --(それに伴って)適切な「長さ」 --地域に依存する,適切な「書式」 **1.2 「みなさんが,授業をする上での準備」としての指導案 -ある意味,標準よりも「長すぎる」場合でも,「意図を明確にする」という意味で受け入れています。現実的な指導案をつくるときには,読み手に対するアピールを考えて,圧縮する必要があるケースもありえます。 -逆に,「どこかにあったもの」を準拠しているケースなどもあるかもしれませんが,「あなたは,それで授業できますか?」という観点で読み取っています。 **1.3 「図を明確に表示すべき」指導案は少なくない -自分ではわかっているつもりかもしれませんが,読み手にもわかるようにする上で,「図の情報が少ない」指導案が,かなり多いです。 **1.3 「図形を動かすこと」の意味 - それぞれのケースによって,もちろん意味は異なりますが,「動かす意味」を実感できるように授業を設計することが,このCIIでの指導案としては,「不可欠なポイント」です。 - 多くの場合,次のようなことが該当しているのではないでしょうか。 -- 動かしていろいろな場合を確認することで,「何が問題なのか」を生徒と一緒に発見し,定式化していく。 -- 「どんな場合にも成り立つ」ことに注目する価値に注目する。 -- 「特殊な場合」に注目し,たとえば,証明をつくる上での突破口を見いだしている。 -- 「すべての場合に成り立つ」ことを証明するのは大変で,場合わけが必要であることを実感し,どう場合わけをするべきかを検討している。 -- 対応表をつくり,「何が注目に値することなのか」を検討している。 - それが曖昧になっている場合も現実にはあります。 **1.4 「発見」 - 「事実」として,こういう場合を発見するはずという想定があるケースは,それを明示すべきです。 -中には,「その解釈」が問題になることもあるでしょう。「発見すべき具体的な事実」は,生徒が発表すに価値があるものでもあり,意識化すべきです。 -「仮説」あるいは「命題」あるいは「問題」 -事実等を観察して,「どう思うか」という判断は,とても重要です。あるいは,そこにある現象を「どう解釈するか」といってもいいのかもしれません。 -そういう意味では,「問題を定式化していくプロセスを,もっと丁寧に記述しておくべき」ものも少なくありません。 **1.5 発問 - 前から述べていますけど,「証明問題から出発する」ことは,かなり少ないはずなのです。 - 証明問題から出発するなら,静的な図,つまり紙の上の図をもとに,「どんな補助線を追加するか」を考えればよいので,動かす必要など「ない」ことになるわけです。 -- もちろん,例外はありえますし,静的な発見をもとに,「発展させる場合」に動かすというケースもありますから,「すべて」というわけではありえませんが。 **1.6 「証明」あるいは,「模範解答」 -事実の発見等に重点をおいて,いわゆる証明が,いい加減になっているものや,「証明をする」という記述になっているもの,あるいは,アイデアだけを示しているようなものもありますけど,授業としては,「模範解答」あるいはそれに準じるものに,「きちんと到達する」ことが不可欠なわけで,「証明」等は,模範的なものを,きちんと記述しておくことが必要です。 -それはアドリブでできるようなものではありません。 -多様な解答が想定される場合は,実際に授業の中では取り上げないことがありえても,事前に列挙して準備しておくべきです。 **1.7 「全体としての流れ」のコントロール -特に,一つのことを出発点に「いろいろな問題」に分岐するケースでは,指導案がとても長くなっているような方がいます。 -そのような場合に,個々のケースを詳しく書いておくというのは,今回の場合は必要なことですが,もう一つ重要なことは,「全体としての流れ」をどう設計するか,です。 -- ある場合は,いろいろな問題を,グループで分担し,全体で発表してまとめていくこともあるでしょう。 -- グループや個人に分担し,レポートのような形で提出することで,全体には返さないというようなこともあるかもしれません。 -- いろいろな問題があることを共有し,「今日は,どれをみんなで考えようか」と,焦点化し,選択することもあるでしょう。 *2.指導案について(「活動」の明確化のために) **2.1 「発問」 - 主発問を明示しましょう。 - 図を示す場合もありますが,どんな図を,どう示すのかがかなり大切になるケースは多いです。そして,それがよくわからないものも少なくありません。 - 元の図に,追加して作図しながら問題を提示する場合もあります。それはそれで,その様子がわかるように,そして,その中で,何を観察し,何に注目してほしいのかがわかるように,図やことばを交えて明示するようにすることが大切だと思います。 ** 2.2 プロジェクタ / グループ / 一人 の明示 - 一つあるいは複数を使い分けるはずです。 - 多くの場合,全体での提示から,グループ等での活動にしていくはずですけど,「図は配布する」のか,「自分たちで作図する」のかなどによって大きく異なります。 - 配布する図には,測定があるのか,それを使うことを想定しているのかなどが重要な場合もあります。 - また,「動かすことができる点」がどうなっているかが重要な場合もあります。 - どんな場合でも(任意の...)を扱っている場合と,「どんな場合も考えるのだが,そのために,まず」一つの場合に焦点化して検討するような場合もあります。 **2.3 発見した「場合」「事実」等を,その次に「どう生かすのか」 - 生徒が「発見したもの」を生かさないなら,活動させても意味がありません。 - でも,それがよくわからないケースって,少なくないです。 **2.4 生徒が困ったり,迷ったり,話し合ったり,.... -「ちょうどいい感じで困る」ように,「ちょうどいい感じで迷う」ように,そして,一人ではなく,4人程度で「話し合いたくなる」ように,課題を工夫しているはずです。 -どういうことで困り,迷うと想定しているのかがわかるようにしておくべきです。 -それがあるからこそ,「漠然とした問題状況」を,「問い」として明文化することの必然性が生まれてくるはずです。 -それを逃してはいけません。 -そういう意味での「言語活動」は,とても大切です。 **2.5 問題の出発点を,「受験問題」として,こんなのあるけど...という切り口の設定もありうる。 -たとえば,S君のような場合は,発問として問題が提示してあるけど,こういう場合に開き直って,「受験問題に,こんなのがあるんだ」ということから提示する切り口もありうるでしょう。今回は,それが中途半端 **2.6 作図に関して,GCと紙あるいは静的との混在の様子 -たとえば,Kくんのようなケースでは,最初に,紙での作図から出発しています。「同様なことをもっといろいろ調べたい」と思ったときに,別の紙にいろいろと手で作図するのか,それをGCで,生徒が作図して調べるのか,「そういうのをつくっておいたよ」と,先生が作図しかものを配布し,それを使うのか,そのような切り換えの様子が授業では不可欠なはずで,それがわかるように記述しておくことが必要だと思います。 **2.7 発見することの概要な明確化 - 対応表をつくれ,というなら,だいたいどういう対応表を結果としてつくるはずなのかの概要がわかるようにしておくべきです。 - そして重要なのは,「そういう結果を踏まえたときに,何を感じて,次に考えるべきこととして,何に焦点化されるのか」ということです。 - きっと多くの場合,「その思考の場」を生徒に提供し,「この図に関しては,より深く何について考えるべきか」を,生徒に考えさせているはずだからです。 - どういう結果を踏まえて,「生徒が思考する」のかがわかるようにすることが必要です。 **2.8 「問い」の明確化のために - 問題を定式化するわけで,「漠然と調べる」という発問から,「このことについて考えよう」ということから焦点化された,「証明問題」が導き出されることが多いのですが,その「証明問題」としての中心課題が明示されていないケースが多々あります。 **2.9 「方針」を生徒に考えることを求めたときに - 複数の方向性を生徒が見つけ,「それぞれ別々なやり方をさせ,発表させる」こともありえます。 - でも,その段階である程度整理し,「結局,一つの方向性だけ考えればいいね」と,方向性を整理しておく方がいい場合もありえます。 *3.指導案について(解決やまとめ) **3.1 模範解答の明示(再掲) - 証明問題に関しては,「なんとなく」ではなく,板書等で記述する,あるいは生徒が記述すると想定する「模範解答」を明示しておくべきです。 - 「正解がわかっていないんじゃないか」と思われる指導案も,ないわけではありません。 **3.2 「まとめます」ではなく, - 「まとめ」に関しては,きちんと事前に「想定」し,明文化しておくことが必要です。もちろん,実際の授業では,生徒の活動や,生徒からの発言を踏まえてカスタマイズすることは十分にありますが。 - 「わかった事実」や「わかったきまり」はたしかに「今日の授業でわかったこと」ですけど,それだけが今日の学びとはかぎりません。 - それを通してわかってほしかったことも,まとめに記述するに値することとして想定してあることがあるでしょう。 *4. 「論外」な指導案 や「問題」な指導案 **4.1 「ひな型」を踏まえていない -たとえば,実習経験後の場合,実習のときの書式に合わせる学生は,「ありうる」ことです。 -もちろん,今回だって,各種資料を参考にして,それに合わせることを,否定するつもりはありません。 -でも,明らかに,「ひな型を見ていない」と思えるケースもあるのです。 -「学年がわからない」とか,...... *** Kくん -先日も問題にしたと思うけど改善されているとは,全然思えない。 -学年もわからないしね。 -準備で,教科書とパソコン(タブレット」って,....そんな項目あったか? ひな型に *** Oくん - やっぱり,話にならない。 **4.2 きっとわかっていない ***Kさん -「解決」されていないよね。 -あるいは,活動させていても,それによって,何が解決できるはずなのかが意識化できていないよね。 -きっと,「この問題をきちんと理解していない」 **4.3 これじゃ,わからない ***Kくん -本人は,あの授業のビデオをみて,わかっているつもりなんだろうけど,この指導案では,何をどうするのかが全然わからない。 **4.4 図が少ないので,「これじゃわからない」 -結構多いよ。 -たとえば ***Iさん -どこでどう考え方というか,問題の設定をどう変えていくのかが,よくわからない。 -あるいは,前からのこととして,「この問題の本質」がわかっていないのかもしれない。 **4.4 おもしろさがわからない ***Iくん -いろいろな場合について調べているけど,結局,「一般的な結果」がそのままなので,....いろいろ調べる意味あるのか? **4.5 動かす意味がわからない ***Iくん -そもそも,ヒポクラテスの三日月って,動的な意味はむずかしいんだけど,この指導案では,図が少ないこともあって,「動かす価値」は全然わからない。 *5.そこまでいかなくても,それぞれ,「なんかなー」というところは,あったりします。 **5.1 今後の流れ - 提出順に,コメントを,メールでお送りする予定です。 -- できるだけ,日曜日までには全員にお送りできるようにしようと思います。 -- あるいは,今日の授業の中でコメントし,「もうわかったはずだから,それでいいよね」というケースもあると思います。 -- そういう場合は,「よくわからなかったら,ビデオを見直して」というスタンスで。 - 修正した指導案を,2週間後くらいをめどに(つまり 8/14くらいまでに) メールにて提出してください。 - 基本的には,それで「おしまい」にしようと思います。 - でも,「これではあまりに...」というケースもないとはいえませんよね。 - メールの返信で,「これでokにしましょう」「せめて,こういう点を改善しよう」「再履修をおすすめします」等をお送りしますから,必ず確認してください。 - 「改善しよう」という場合の基本的な期限は,8月末です。それを過ぎて再提出されない場合は,再履修確定とご理解ください。 *6.課題 **6.1 今日の授業の感想 -いつものやつ **6.2 修正指導案の提出