*0.はじめに **0.1 今後の大まかな流れ(再) - 「ストーリー」→「指導案」→「発表/動画作成」→「動画についてのコメント」→「指導案修正」 -「動画作成」の提出を7/22にしたい -- 「発表」を全員にお願いすることは難しいと思います。 --今後の数回の中で,「発表=模擬授業的に」をしていただくと,みなさんに参考になると思います。 --そういう意味で,進度の早い方は,「発表」をしてくれることを期待します。 --インセンティブとしては,「動画作成なし」ということで。 --実際,その場で「検討」できるわけですから。 **0.2 7/9-10に広島大学で,集中講義をしました。 -以前本学にいた,影山先生の授業の一部を担当 -テーマは,幾何のカリキュラム -今回を機会に考えたこと --「愛知教育大学ブランド」ってなんだろう。 --「ただ先生になるための資格がとれればいい」ということでは「ない」ですよね。 ---「この授業でみなさんに求めていること」は,そういうことに無関係ではありません。 --「幾何」って...なんだろう。 ---「みえないものがみえるようになること」なのかもしれない。 ---たとえば,補助線だって,みえない人にはみえないし,意図的に見つけるものでもある。 **0.3 7/14に,稲沢市祖父江中学校に行ってきました。 -教職大学院に,祖父江中学校の高橋先生が在籍しています。 -今日は,2回目の研究授業を実施するということで,行ってきました。 -GCを使った指導案を2クラスで実施しました。 -実際に中学生が取り組み様子を拝見すると,いろいろなことを実感します。 -指導案の検討においても,模擬授業においてもいろいろなことを想定しますが,現実はまた,少し違います。 -このCIIの授業の中では,実際の生徒での検証はできませんが,....他の授業での反応を「参考に」できるといいですね。 *1.祖父江中学校での高橋実践から **1.1 ねらい -2年生の「一次関数」の単元において,「測定してきまりを発見するための導入」として,内心に関する関係性を扱いました。 -また,初めて使うので,「練習」をかねて,外心の関する関係も扱うことにしました。 **1.2 外心の図 |#00271-0715-01|#00272-0715-02|#00273-0715-03| -実際の授業で使ったのはどれでしょう。 -どんなことが起こったでしょう。 -意外に「こっちの方がいいかも」と思ったのはどれでしょう。 -また,細かい工夫としては,次のような工夫があってもいいのかなと思いました。 -複数に分けてみましょう。 |#00274-0715-04|#00275-0715-05| **1.3 テキトーにすると,どういうことに困るのだろう。 -最初,テキトーに行いました。 -「どうするといいと思う?」 -- どういう指摘があったでしょう。 **1.4 まず,これをクリア - 方針がわかってくると....簡単にクリアできますよね。 **1.5 第二の例(内心) |#00276-0715-11| -内心の場合は,外心の場合と違って,「測定」に関してはそれなりになっとくしていいはです。 -しかし基本的な問題は,もちろん「個人にゆだねられる」ことになりますが。 **1.6 「想定していた会話」が成立するところもけっこうある -「想定していた」というのは,どういうことでしょう。 *2.指導案等に関連して ** FくんとAくんの問題 -偶然なのか,あるいは,同じ出典をみていたのか,同じ問題を素材としていました。 -ちょっとむずかしい問題です。 -「ちょっとむずかしい」ということにはいくつかの意味がありえますが,たとえば,Euler線のような場合は,「証明はむずかしいけれども,その定理注目すること自体はかなり自然」な問題ということになります。 -一方,今回のような問題は,...「発見することがかなりむずかしい」種類だと思います。 -当然「証明」に関するところは,従来の指導の路線で取り組んでもよいはずですが,「発見」に関するところにおいて,「こういう場合について観察してほしい」と,かなりトップダウン的になることが,「ちょっと残念な点」ということになるかなと思います。 -証明を発見するところに,なにかを仕掛けることができるのかどうか,そのあたりが,「工夫のしどころ」ということになるでしょうね。 ** Mさんの問題 -Mさんの問題の「出発点」は,今回取り上げてくれているように,Euler線です。 -逆にいえば,「それを証明したい」という原動力があるからこそ,「この図に注目することが意味がある」わけですけど,する」のは,「なんで,こういう人為的な感じがする問題を扱うのだろう」ということになるでしょう。 -そういう意味では,「ちょっとしんどい」かもしれないけど,いわば,「特殊解としての,直角三角形の場合」と,一般の場合の橋渡しをするのが,今回の図ということを理解できるような指導案にしてみるというのが,「本道」だろうと思います。 ** 今日と欠席予定(コロナ濃厚接触疑惑)の,O君 -「いろいろな問題を生成」し,「それぞれの問題についての模範解答」をつくっておけたので,基礎的な準備はできたと思っていいのかなと思います。 **Sくん -角の二等分に関連して,最初のところで,「二等辺三角形から一般に」と一般化し,そこで成立する性質の発見の部分を動的に扱っているという意味での工夫はよくわかります。 -授業として,それで手応えよく成立するのか,証明の部分もサポートしないとうまくいかないのか,は検討の余地のあるところでしょうけどね。 *Oさん -「折れ線で特殊解を見つけ,一般化する」と割り切ったところで,流れは明確に記述できたと思います。 -実際にそれでいけるかどうかは,「やってみないとわからない」ですけどね。 --なぜならそれは,「どんな生徒を対象にするか」「そのときに,その生徒たちがどういう活動をするか」に依存することなので,かなりの部分は,「授業をしているときの観察や意思決定にゆだねるべき問題」だからです。 -「このCIIの授業では,目の前に生徒はいません」だから,「こういう生徒がいるとしたら,それをこういかしていきたい」というストーリーを明確にして,それを指導案や動画の中で表現することを課題としています。 -そういう意味で,「CIIの課題に対して,割り切ることができ,流れが明確になった」ことは,とても重要なのです。 --もちろん,「それを見つける子が少ないとき,あるいは,いないときにどうするか」とか,「それに気づきやすいようにするとしたら,それまでの流れや前時まででの学びをどう工夫しておくか」等の検討ということもありますけどね。 *Kさん -後半は「静的な見方での複数のアイデア」というのを明確にする代わりに,前半を動的に,と割り切れているので,よいのではないかと思います。 *Kくん -「問い」は,「手で作図する」のが適切な問い。 --そこでの生徒の活動は,どうする?(念頭だけで考える, フリーハンドで考える,定規等で一つ作図する,たくさん作図する, GCで作図し動かして調べる) --特に,GCでの作図に関して,(先生が作図しておいた図をつかう,生徒が作図をして使う, グループで話し合いながら作図して使う...) --どこで,「この素材のおもしろさを現象として発見し,そしてそれを証明したいという流れになり,証明で,何を思考するのだろう」 -あるいは,それは「四角形を考える」ところなのだろうか。 *Iさん -なぜ「CB+BC」に注目するのだろう。 -素直な注目であれば,「CD」でいい。 -もし,「別の実践記録等でCDは使われているから」が心の支障だとしたら,今回はあまり気にしないで,ストーリーの明確化に集中すればいい。 -つまり,もともと「相似性への注目」が大切であれば,「和が最大・最小」に注目する必然性とは異なってくる。 -「和」に注目するということは,最大・最小の解決において,「折れ線をまっすぐな線分に変えるべき」というのが標準的な思考で,今回の問題には使えない。 -むしろ,「BCとBDの長さには,比が同じという関係がある」等への注目が重要 -だとしたら,「BCとBDの関係について調べよ」みたいな問いでもいいのかもしれない。 *O君 -「等しい角を見つける」というときに使っていい方法は? -- 見た目, 分度器, GCの測定機能 -何が観察結果として得られるはずかは,指導案の中に記述する方がいい。 -「証明をさせる」って.... --どういうねらいで,「まず,丸投げしてみる」のだろうか。 --そこで何を感じさせたいのか。 --そして,「なるほど,だから.....とするのか」と思わせたいのか。 *Iさん -詳しすぎるくらいの指導案になってきましたね。 --現実の授業では,そこまで詳しくすることはありません。 --他の先生にとっては,もう少し圧縮した形で,授業の流れがみえるようにしてほしいと思うでしょう。 --それは,「参観する人」「どんな授業かを知りたいひと」の目線で。 --ただ,Iさんにとって,「授業のための準備として,これくらいしておきたい」と思うとしたら,それは「つくっておく方が安心」なのです。 --また,次の段階として,「授業のための資料」と,完成物としての指導案は,少し区別する方が,「教員になってから書く指導案」としては適切でしょうけどね。 --なお,たとえば,名古屋中学校の先生たちの場合,初めてチャレンジする授業では,とても長いものをつくることもあります。 --多くの場合,「想定される先生と生徒の会話」をすべて記述していることが多いです。 --というように,いろいろなところで,いろいろな指導案があるというのが,教育の現場でもあるのです。 -つまり,次のステップとしては,「動画作成」において,自分が考えているストーリーを的確に表現できるようにしてみることですね。 *Iさん -さきほどのIさんとほぼ同様です。 -ただ,Iさんの場合「証明の論理」として,何を想定しているのかが,ちょっとぶれていて,高校的な記述も残っていますが,この素材の場合は,中3に合わせる方がいいでしょう。 -そして,後半のそれぞれの証明は,もっと簡略化できるかもしれません。 -ただ,そこにエネルギーを注ぐよりも,動画作成の方に力点をおく方がいいと思います。 -それをしてみて,指導案として改善すべき点が見つかったら対処するというスタンスで。 *Oくん -「観察から,問題の定式化」の部分が明確になるようにした方がいい --観察としては,「正方形のときに4心は一致」 --「証明すべき問題」を明確にするときに,「この観察結果って,よくよく考えると,不思議な現象」であることを,きちんと認識できるようにすることも必要 --その理解を踏まえた上で,「証明すべき命題」を複数つくり,そして順次解決していく -同時に,上のプロセスで「学んでいること」は何なのかを,教員側として明確に意識化することが大切 -でも,この指導案では,「冒頭の部分」でも,そういう意識はみられない。 --それは生徒目線で考えているレベルに,まだO君がいることを意味しているように感じる。 * Kくん -「基本的な図形」を題材にしていることは,「いい」と思います。 -一方,この図形に注目するのであれば,「単元の中の位置づけ」の意識化は不可欠で,「既習事項」と「未習事項 あるいは,「これを通して学ぶべき知識」というものも明確なのではないかと思います。 - そもそも,その問題は,「どの単元で扱う」のでしょう。 -- 中学校3年生で,「平面図形」という単元はありますか? --「相似は学習していることを前提」とありますが,「円周角の定理」は既習でしょうか,未習でしょうか。 -「動かすことの意味」は? -- 「この図の中の点を動かしてもいつも相似」ということ? --特殊な場合には注目しない? --「限界」みたいなのには注目しない? --どんなことを生徒は観察するはずなの? --実は隠れた相似もあったりする? --Kくん自身が,この図を「楽しんだ?」 *Iくん -指導案としては,「次の動画作成に進む」でいいかなと思っていましたけど,...末尾の方では,「別の思いが強くなってきた」ということなのかな。 -ちょっとそこを深掘りする余裕がないんだけどね。私の方に。 *Kくん -前から進展しているのかどうかが,よくわからない。 -というのは,そもそも,「どの学年で扱う」のでしょう。 -折れ線の最短距離が中心的なねらいであれば,それは中1です。 -直線の方程式そのものであれば,それは中2ですけど,この問題は,方程式は必要ですか? -対称点の座標やその後の直線の方程式を考えることがターゲットだとしたら,それは中2の範囲ではなくなります。 -つまり,学年がわからないし,それは「どういうことを考えることをねらいとしているのか」が明確でないということを意味しています。 *Kさん -なんとなく正方形というのは,触っているうちにわかるんだけど,.... -たとえば,この素材のよさをいかす方法として --「どんな四角形を与えられても「4手で正方形になる」ことをみつけよ。そして説明せよ。 ---「(ローカルな意味での最大化としての)極大化を4回」行うという意味 -あたりの問いを投げかけるといいんじゃないかな。 -つまり,説明させるための必然性をつくるということ。 *Iくん -ピポクラテスの三日月は,前回も触れたように,「おもしろい素材」ではあるけど,「動かす必然性がない」ところを,どうするかがポイントだよね。 ------ *3.動画作成に関して **3.1 ねらい -「発表」の代替 -「こんな感じの授業をやりたい」というのを,言葉と行動で示したい。 -できれば3分程度。それがむずかしいときには5分程度まで -必ず盛り込んでほしいこと --「主発問」(ひとによっては,最初の発問と,主発問は異なることもある) --「図」 --「生徒はどういう活動をして,どういうことに気づくのか」 --それを授業ではどういかしたいのか。 --できれば,「表情を含めて豊かな発表の代替」としてほしい」 --「顔出しはいやだ」という人に強制はしません。 --でも,「誰が発表しているのか」がわかるように,最初の数秒だけでも,「誰かがわかる」ようにしてくれるといいです。(みなさん全体のためにも) **3.2 「動画の作成」のノウハウとサンプル -
メイキング映像(zoom)
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9点円に関するサンプル
**3.3 提出期限と方法 -次回の,この時間にはアクセスできるようにしたいので, -7/24(木)12:00までに提出するようにしてください。 -20M以下であれば,まなびネットに -それ以上になってしまったときは,メールに添付で。 -それもむずかしい場合には,「メールで相談」 **3.4 並行して,可能であれば,指導案あるいは中途段階のものを,まなびネットに -次回の授業の素材にできると思います。 **3.5 その後 - 動画に関して互いに見合い,コメント等をかきあうことを課題にします。 - そのコメント等を元にして,指導案を修正し,最終案を提出します。 - 動画に関しては,基本的に,今回のもの「のみ」でかまいませんが,修正したいと思う人は,修正したものを再提出してもかまいません。 *4.課題 **4.1 今日の授業の感想 -いつものやつ **4.2 動画の提出 -上記 **4.3 可能であれば,指導案あるいは中途段階のもの -ねらいは,「次回の授業でサポートするため」 -今回でほぼで上がっている人などは,不要