*0.はじめに **0.1 「最大・最小・関数関係」に関連して -「その後,どう取り組んでいくのか」を想定して,調べたり,選択したりしていますか? -実際に「作図して調べたり」していますか? *** みなさんからの投稿例(6/16) -x , yが,不等式 y≧0 , y≦x , x+y≦2を満たすとき,y−2xの最大値と最小値を求めよ -点(x,y)が不等式(x-3)^2+(y-2)^2≦1の表す領域上を動くとする。 このとき、y/xの最大値と最小値を求めよ。 -1辺の長さが1の正四面体ABCDにおいて、Pを辺ABの中点とし、点Qが辺AC上を動くとする。この時、cos∠PDQの最大値を求めよ。 -y=x^2-4xのk≦x≦k+2における最大値、最小値を求めよ。 -x、yが、 y<-x+2, y>2x+2, y≧0をすべて満たすとき、y-xの最大値、最小値を求めよ。 -実数x、yが、3x+y≧6、2x-y≦4、x+2y≦7を同時に満たすとき、x^2+y^2のとりうる値の最大値、最小値を求めよ。 -x,yが2つの不等式 x^2+y^2-4x-2y+3=0 を同時に満たすとき、 x+y のとりうる値の最大値と最小値を求めよ -一辺の長さが1の正三角形ABCの辺AB,BC,CA上にそれぞれ頂点とは異なるD,E,Fを取り、AD=x、BE=2x、CF=3xとする。三角形DEFの面積Sが最小となるxの値とその最小値を求めよ。 -長さ8㎝の線分CDと線分CDに垂直に交わる長さ4㎝の線分AC、長さ2㎝の線分BDがある。点Pが線分CD上を動くとき、AP+PBの最小値とその時の点Pの位置を求めよ。 -放牧場Aからの帰りに、川で羊に水を飲ませてから小屋Bへ帰ります。 --AP+BPを最短にする最短にする水飲み場Pを、直線l上に見つけるために、次の手順で作図をします。(※l:川) --ア 点Bを、直線lを対称の軸として対称移動した点Cを作図する。 --イ 線分ACとの直線lとの交点を求め、その点をPとする。 -このとき、次の問いに答えなさい。 --(2) この点Pが、AP+BPを最短にする点であるわけをいいなさい。 -三角形ABCがありAB=5㎝、BC=5㎝である。BCにAから垂直に線を下ろし、BCとの交点をDとする。(BD=3㎝)また、BDを2:1に内分する点Q、ABに点Pをとる。点PがAB上を動くとき、PQ+PDの最大値を求めよ。 -関数f(x)=x^2-2ax+a^2+2a-3があり、ただし、0≤x≤1とする。 --(1)f(x)の最小値を定数aを用いて表せ。 --(2)f(x)の最小値が0となるような定数aの値を求めよ。 -任意の三角形ABCに対し、三角形内部の点で、各頂点からの距離の和AP+BP+CPが最小になるような点を見つけよ。 -1辺が10㎝の正方形ABCDにそれよりも小さい正方形EFGHを内接させる。正方形EFGHの面積をy㎠とするとき、yの最小値を求めよ。 -|x-3|+|y-3|≦ 2 で表される領域をDとする。 --点(x,y)が領域Dを動くとき、x^2+Y^2-4x-2yの最大値と最小値、またその時の点(x,y)を求めよ。 -x≧0,y≧0,2x+y≦5,x+2y≦4を満たすx,yに対して,x+yの最大値とその時のx,yの値を求めよ。 **0.2 やっぱり聞きたくなるよね -「また」前の投稿に引っ張られていないか? -それとも,ホンネで,「こういう問題を,きちんと自分で考えて選択した」のですか? *** 再掲(前に見ましたよね) - C2では「ICTをどういうねらいで使う」ことにこだわりたいと思っている授業なのかな。 - そもそも,みなさんがそれぞれ探してきた問題って,「ICTはどういう役割を果たすの?」 - 「今日の話題を踏まえて課題に取り組む」ことを否定はしないけど,「その前のことはまったく忘れる」ようなのは,....おかしい。 - 「ちゃんと本をよめ」といいたくなる。 - それがいやなら,web上のリソースをよめ - つまり,「学べ」。 --「教えてもらうだけではなく」 *1. みなさんの問題を分類してみる **1.1 ある領域において, y = f(x) あるいは y = f(x,y) の最大値等を求める - これって,基本的に,「関数」の問題ですよね。 - もちろん,図形的,幾何的な側面が「ないとはいわない」ですけど。 -- 最も「普通」に考えるなら, -- z = f(x,y) のグラフを描画する -- 境界あるいは,領域でのグラフの様子について考察する - それって,GC使うと,....どういう問題に関して,どういう思考を支援してくれるのでしょうね。 **1.2 ある範囲における関数の最大値・最小値 - 文字通り,「関数」でしょ。 -- 普通に考えるなら,Grapes等で,y= f(x) を描画する。そして,「範囲」を描画し,動かす **1.3 別の観点からのアプローチとして - f(x,y) = k となる集合を描画し,kの値を変化させたときのグラフの変化の様子を観察する - でも,....GCでどうそれを表現する? **1.4 立体 - 「見方・考え方」に注目するなら,それはそれで,一つの「おもしろい問題の選択の仕方」といえるでしょうね。 - でも,「そういうことなのかな?」 - 考えずに,問題をコピペしただけじゃないのか? **1.5 元の意図に則していると思える問題 - 「元の意図」とはどういうことでしょう。 - GCは,「図形を関数的にみる」ためのソフトです。 - 図形が動くときに,「変化」が生まれます。 - その変化に注目すると,「最大」「最小」に注目のは自然です。 - それを明確にするためには,「大小関係」を証明するのが基本です。 - 関数関係がわかれば,さらに「よく理解する」ことになるでしょう。 - 「そういう問題をさがせ」「つくれ」というのが,「元の意図」です。 - それと同じ種類のもので「なければならない」というわけではありません。 -- でも,「たしかに,それも意味がある」と思えるようなものであるべきでしょうね。 *2. 注目可能な構成要素 - 長さ - 面積 - 角 *3.問題例 - 図から考えていきましょう。 **3.1 |#00186-0617-01| *** 長さの和だったら? - *** 長さの2乗の和だったら - *** タッチする場所を2つにしたら |#00187-0617-02| *** 三角形にすると |#00188-0617-03| *** 面積で考えるのも一つの手 |#00188-0617-03| **3.2 |#00189-0617-04| *** |#00190-0617-05| *** |#00191-0617-06| **3.3 |#00192-0617-07| **3.4 |#00193-0617-07| *** |#00194-0617-08| **3.5 |#00195-0617-09| *** |#00196-0617-10| **3.6 |#00197-0617-11| **3.7 |#00198-0617-12| **3.8 |#00199-0617-14| **3.9(追加) |#00216-0617-20|#00217-0617-21| |#00218-0617-22|#00219-0617-23| *3.「どんな授業の流れ」が想定できる? **3.1 焦点とする「数学的活動」 -「変化があるのがあたりまえ」と考えると,.... --「予想」は適切な活動の一つですね。 --それぞれのケースに応じて,きっと工夫の仕方は多様です。 -発見→証明 それとも, 証明→検証? -発見のあとの「証明」をする気持ちになるような工夫も不可欠ですね -理由を推測しやすそうであれば,「検証」として残しておく方がいいですね。 **3.2 問題はわかりやすくても証明が簡単とはかぎらない。 -図形を動かすことで生まれる問題,つまり問題状況としてはかなり明確なものが,ここでは扱われているわけですが,問題がシンプルなら解決もシンプルというわけではありません。 -証明を明確にした上で,その証明の発見に生徒が適切な形で関われるように,解決の流れを設計することが必要になります。 *4. 「課題(問題を解決していくストーリー)」に関連して ** 「図形が動かない」問題 -図形が静的な問題でも,「それを動的に考える」ことが必要な場合もないわけではありません。 -でも,「紙で出題し,紙の上で取り組むことで特に問題がない」問題の場合は,あまり適切とはいえませんね。 **「証明」しか書いていない - 普通,「証明」は静的に考えるケースが多いです。 - つまり,ストーリーの中で,「発見」等に関して動的な要素を生かすことができるかどうかが,改善の可能性があるかどうかのポイントになると思います。 **「問題の定式化」や「それに対する解決(証明)」等がまだきちんと書かれていない -問題をオープンの形つまり,少しあいまいな形にしておくというのは,一つの方法です。 -しかし,その場合は,観察した結果を基に,「問題をきちんと定式化しないと,解決を明示することができません」 -そして往々にして,その問題は「一つとはかぎらない」のです。 **「問題」が「問題」になっていない -いや,本人は問題と思っているのでしょうけど,解決の方から考えると,トリビアルな解決があるので,問題に「ならない」のです。 **「きまり」が列挙してあるだけ -中間段階として,それは悪いことではありません。 -生徒が気づきうることを列挙しているのですから。 -でも,それは「素材」であって,それらをどういう順序でどう生かしていくかということが,ストーリーの構成には必要です。 **特殊な場合が使われているので,その後どう一般化していくのかがよくわからない。 -あるいは,今扱われている問題としては,やはり「問題になっていない」ということかもしれません。 **発問が明確でない -「動かしてみよう」というだけでは,生徒にとっては「何を発言していいのかわからない」 -また,「動かしてみよう。なにか気づくことはないか」というような発問に変えるとしてみよう。そのとき,想定している回答「以外」にも「そりゃ,そういう答えがあってもおかしくない」という回答があるとしたら,それらもありうるという設定の上で,構成していくことが必要になる。 **証明をきちんとかく -問題は明確であっても,また答え(特に最大値・最小値のような場合)は明確であっても,それを証明するための論理は,決して簡単ではないことって,少なくない。 **証明に関して,可能であれば,「それを発見するための,適切な考え方」を明確にしておきたい。 -「正解はこれです。覚えてね」ということ以上の指導ができるといいよね。 *4.課題 **4.1 今日の授業の感想 -いつものやつ **4.2 次のいずれかに関連する「教材研究を深めたい問題」を見つけてくる - 「特殊化」「一般化」「統合」などに関わる問題 -「等分」に関わる問題 -「こういう条件を満たすものをつくりたい」という問題 - 可能であれば,その問題を調べるための図を,GC/html5のサイトに,オンライン保存してください。 -- 名称は,自分の名前-0624-問題 **4.3 「自分の問題にストーリーをつけよう」(2) -今回の「改善」というのも一つの選択肢です。 -新たな教材に変えてしまうというのも一つの選択肢です。 --過去に提出した問題でも,今日提出した問題でも,新しく「これいいな」と思った問題でもかまいません。「教材研究をして,できたら指導案作成まで...」と思っている素材に関してその問題についてのストーリー,つまり問題解決の概要をwordにまとめ,提出してください。 -- 最初は,「問題文と図」からはじまって....