*0.はじめに **0.0 「前回,何を学んだ?」 -きっと,毎回質問しますよ。 -そして,「今回は何を学びたいの?」って。 **0.1 確認 / 今さらですが - メーリングリスト,届いていない人は,申し出てください。 - この授業に関する連絡は,「メーリングリスト」に配信されていたら,みなさんが「みているはず」という前提で,いろいろなことを進めます。 - 「まなびネット」が出席等の代わりになっているということも,了解されていますよね。 ** 0.2 「まなびネット」 - 履修登録37名に対して,先週の「まなびネット」の状況は下記の通りです。 - どう解釈すべきですか? -- 対面参加(30), オンデマンド参加(1) -- 今日の感想(30) -- 類題(29) -- 玉置実践の感想(24) *** 残念だけど... - 約7名の方は,すでに履修放棄のようですね。 - 特別な事情がある方は,ご連絡ください。 -- 「きちんとした行動を取ることを求める」ことは,セーフティネットを用意していることを意味しています。特別な事情がなく反応しないということは,それも放棄しているということを意味します...よね。 -- でも,みなさんに「履修放棄の自由がある」とか,変なことは言わないでくださいね。「次の学年の学生たち」が迷惑するのです。彼らの権利を侵害する「権利」はみなさんにはないと思います。 ** 0.3 「授業から学べること」いろいろあるはずだよね。 - 今回のように,2時間必要になる課題は,「重たい」のだろうと思います。 - でも,それだけの手応えをみなさんは感じるはずだろうと,思っています。 - それなりのリソースを提供するのって... 決して「あたりまえのことではない」んですけどね。 ** 0.4 この授業では,いろいろな意味で,「ICTによって,みなさんの学びがどう変わりうるのか」を実験してもらっている側面が大きいのですが - 現実として,「劣化した学び」にしかなっていないように思うのは,気のせいでしょうか。 - デジタル化がもたらす影響は,多方面にわたり,そして深層から変えていきます。 - その影響はいいことばかりでなく,当然,光も影もあります。 - みなさんは,その両面あるいは「総体」を実感し,未来の出発点としての「教育のあり方」を考えられる人になるべきです。 - と思ってきたし,今も思っているのですけど,...それは妄想あるいは幻想に終わりそうですね。 - でも,私は「監視や管理のための道具」としてICTを使いたいわけではないのですよ。 *1. この事例や実践から,みなさんは「何を学んだのだろう」 **1.1 「教科書」にも記述しているように... - 前回のみなさんの行動や,生徒の行動は,「まったく想定できないこと」でしょうか。 - いや,「そんなことはない」のです。 - だからこそ,「授業として設計している」わけです。 - もちろん,「想定外のことが起こる」ことも,授業としてはたくさんありますが。 - 「そういうことを自律的, 自立的に行えるようになること」を,この授業では目指しているんですけどね。 - この授業の中で,「教科書を解説する」とか,「読みながら進める」ということはしません。それは「ライブ感」がなくなってしまうからです。 - 終わってから読み直すと,最初の理解と,授業のときの理解等から,より深い理解に到達できるはず... そう思っています。 - 特に今回の事例をふまえて,「玉置実践の周辺」や,「4角中点」あるいはその類題を読み返すと,いいと思います。 **1.2 「この授業の中で生徒が学んだこと」あるいは,「ICTを使うことで可能になったこと」は何だろう。 -もちろん,「附属中学校だから」という側面はあります。 -でも,公立学校での学びにつながるようなことでなかったら,「するはずがない」ですし,「みなさんに提供するはずがない」わけです。 -ただ,「むずかしい問題を扱った」だけでしょうか。 -「全員にわかるように解説した」のでしょうか。 -そうでないとしたら,「結果としての知識」以外にきちんと注意しながら,観察すべきです。 -「そういう実践の仕組み」を意識すべきです。 *2. 宿題としての「類題」 ** 2.1 原問題 -「四角形ABCDの4つの辺の中点をそれぞれE,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。ABCDがどんな形のとき,EFGHはそれぞれどんな形になるだろうか」 ** 2.2 「変える構成要素」とその結果としての「角の二等分線でできる四角形」 -文章の構成要素を意識し,その部分を他に変える -「四角形ABCDの4つの
辺の中点
をそれぞれE,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。ABCDがどんな形のとき,EFGHはそれぞれどんな形になるだろうか」 -「四角形ABCDの4つの
角の二等分線を引き,隣り合う2本の交点
をそれぞれE,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。ABCDがどんな形のとき,EFGHはそれぞれどんな形になるだろうか」 ** 2.3 類題をつくる上では - 「四角形→四角形」という構成になっているか,「三角形→三角形」という構成になっていること - 具体的に作図できること - 可能であれば,興味深い結果が生まれること。 ** 2.4 みなさんからの投稿 |01|三角形や四角形をいくつか繋ぎ合わせるとどのような形が出来上がるか。||| |02|線対称、点対称な図形を、線を引いて三角形や四角形などに分け、特徴を考える。||| |03|四角形ではなく、五角形や六角形のそれぞれの角の二等分線をとると、どんな図形が出来上がり、どんな特徴を見つけることが出来るのか、ICTを用いて証明する||| |04|線分AB,BC,CD,ADの垂直二等分線を引いたとき、それぞれできる交点をE,F,G,Hとする。
四角形ABCDを変形させると、中の四角形EFGHはどのように変化するだろうか。||| |05|四角形ABCDでABの中点をE、BCの中点をF、CDの中点をG、DAの中点をHとする。EG、FHと四角形ABCDの対角線が一点で交わるときは、どのような場合か。||| |06|円を様々な線分で区切っていくとどのような多角形ができるのか。||| |07|何角形から円に見えるようになるかをICTを用いて徐々に角を増やしていき意見を出し合う||| |08|どのような四角形や三角形でも切って長方形を作ることはできるのか。||| |09|同じ図形を複数、敷き詰めて、敷き詰めた図形と相似の図形をつくることができるのはどんな図形か。||| |10|今回行った角の二等分線を引く作業を五角形六角形でもおこない中にどのような図形が出来上がるか考える。||| |11|四角形ABCDの内接円と各辺の交点によって作られる、四角形EFGHの形を調べる。||| |12|三角形や四角形だけではなくいろいろな多角形の線や角度の二等分線を引いてみる||| |13|同じ大きさのひし形を組み合わせて他の図形を作ることができるか。||| |14|円に内接する四角形の性質として対角の和が180°であることは学んだが、円に内接する五角形(または六角形)の性質として何かないかを考察する。||| |15|立方体を切って三角柱を作り出す||| |16|円の直径をもとに四角形をつくる||| |17|三角形の頂点から向かい合う辺に向かって垂線を引いてできる三角形を考える。||| |18|周の長さが一定の四角形について、縦と横の長さをいろいろ変えたときの面積変化。||| |19|任意の四角形の各辺に垂直二等分線を引き、それらがどのような図形をえがくか調べる。||| |20|任意の三角形の傍心を頂点とする三角形はどのような形をとるのかを調べる。||| |21|三角形、四角形の垂直二等分線、角の二等分線を用いて図形を作る。それはどのような場合にどのような図形ができるか||| |22|三角錐の底面の三角形で各辺の中点を結び新しい三角形を作り新しくできた三角形から三角錐の頂点へと結んでできた新しい三角錐はどのような図形になるか。||| |23|合同な三角形を二つ組み合わせれば平行四辺形になるなど、合同な多角形を組み合わせたとき、それぞれどのような形を作ることができるかを調べる。||| |24|十角形の頂点と頂点を結んで三角形の形に全て分けるとき、何種類の切り分け方があるのか。多角形の角の数を変えて考える。||| |25|四角形ABCDについて、対角線ACと対角線BDの交点をOとする。
線分OA,OB,OC,ODの中点をそれぞれE,F,G,Hとするとき、四角形EFGHはどのような四角形になるか。
また、四角形EFGHの面積は四角形ABCDの面積の何倍か。||| |26|四角形の各辺を4等分し、その中の点を結んでどのような四角形を作ることができるか。||| |27|好きな四角形あるいは多角形を書き、その各辺の垂直二等分線を引き、性質を調べる。||| |28|斜辺10cm、斜辺から直角部分の頂点までの(最短)距離が6cmの直角三角形の面積を求めよ。(答え、このような三角形は存在しない。)||| |29|四角形より頂点の多い図形において角の二等分線を引くと内部の図形はどのようになるか。||| |30|||| ||||| **2.5 どう思う? - たとえば,授業記録ビデオの50分以降って,「そういう課題だ」ということを説明しているのではないのかい? - 前回の「課題」は次の通りwebに掲載していますね。 --類題(四角形をもとに,四角形がきまるタイプの問題,あるいは,三角形をもとに,三角形がきまるタイプの問題など)をつくる -「4.「4角中点」の類題」として,かなり「解説」もしていますよね。 - それをふまえた結果が上記というのは,「どういうことですか?」 *** 私の解釈 - A.「7名以外の方々も,ほとんどの方が,座っていても授業に参加なんてしていない」 - B.授業の中での説明があまりにひどくて,「わからない」 - C.授業の中では,ぜんぜん別の説明と課題を提示していた - D. 私が提示した課題が,あまりに低レベルのものだったので,自分にとってもっと適切と思える課題に解釈しなおして,取り組んだ。 ** 2.6 「今回の課題」の一つとして次を追加します。 -(1)自分の『類題』はどういう気持ちでつくったのかを説明する。 -(2)その類題についての「模範的な生徒の探究例」の概略を記述する。 *3. 想定された問題例 *3.1 三角形の「5心」のようなことをイメージして四角形バージョンを想定なら |重心|ある意味では,四角中点が該当すると思えないこともない|| |内心|角の二等分線|前回の問題(その2)| |外心|辺の垂直二等分線|4つの辺の垂直二等分線の交点でできる四角形| |垂心|頂点から対辺への垂線|そのままではできないので,対角線を追加し,それへ垂線を下ろして四角形をつくる| *3.2 四角形を対角線で三角形分割し,四つの三角形をつくったのをもとにするなら |4つの三角形の重心をむすんでできる四角形|| |4つの三角形の内心をむすんでできる四角形|| |4つの三角形の外心をむすんでできる四角形|| |4つの三角形の垂心をむすんでできる四角形|| *3.3 四角形の内部に点Pをとり,それぞれの頂点とむすびできる4つの三角形分割し,四つの三角形をつくったのをもとにするなら |4つの三角形の重心をむすんでできる四角形|| |4つの三角形の内心をむすんでできる四角形|| |4つの三角形の外心をむすんでできる四角形|| |4つの三角形の垂心をむすんでできる四角形|| - このときは,Pを動かすときに,変化があるかどうかを調べることにもなるので,上記に対して糞数(自由度)が増えることになるともいえる *3.4 三角形をもとに三角形をつくる |3つの頂点から,対辺に垂線の足をおろす|| |3つの頂点から角の二等分線を引き,,対辺との交点をつくる|| |3つの頂点を,対辺に対して線対称移動してできる3つの点を結ぶ|| |3つの頂点を,半時計周りに「となり」の点に関して,点対称移動してできる3つの点を結ぶ|| *3.5 三角形に1点Pを加えて,それをもとに三角形をつくる |Pをそれぞれの頂点に関して点対称移動してできる3点から三角形をつくる|| |Pをそれぞれの辺に関して線対称移動してできる3点から三角形をつくる|| |Pをそれぞれの辺に下ろした垂線の足の3点から三角形をつくる|| -など *4.GCにおける「作図」 **4.1 「追加」 *** 意識すべきこと - 追加する幾何的対象(点・直線・線分・半直線・円など)の「種類」 - それを構成するための「手続き」 - 「元にするもの」 *** 練習 |#00003-triangle| -上記をもとに,次のものをつくって「保存しよう」 -保存のときには,「自分の名前-外心」のような名称にすること -なお,2直線の「交点」はきちんと構成しないと「ない」まま。 |外心|辺の垂直二等分線|| |内心|角の二等分線|| |垂心|垂線|| |重心|中点をとり,頂点と結ぶ|| |傍心|外角の二等分線は直接できないから工夫しないといけないね|| **4.2 この「続き」は「自習」 -GCに関する基本的なリソースは下記にあります。 --@http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/index.htm,http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/index.htm -その中で,「作図の手引き」が下記にあります。 --@http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/construction_index.htm,http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/construction_index.htm -解説動画もありますから,作図に関して必要なことは,これを使って「学んで」ください。 -もちろん,「わからないことは質問」してください。 *5.「類題」を作図して探究してみる -類題をつくるのは,前回と同じような「探究」をしたいからです。 -そこにどういう数学の世界が広がるのかを,実感したいからです。 -その中には,中高生にとって「学ぶ価値があるもの」があるかもしれません。 -もちろん,もしかすると,私が想定していた「類題」よりも,みなさんがつくってきた「類題」の方が価値がある可能性だって,十分にあります。 -それは自分の課題として,取り組んでみてください。 **5.1 垂直二等分線でつくる四角形 |#00004-0506-01| **5.2 対角線への垂線の足でつくる四角形 |#00005-0506-02| **5.3 対角線分割した4つの三角形の重心でつくる四角形 |#00006-0506-03| **5.4 対角線分割した4つの三角形の内心でつくる四角形 |#00007-0506-04| * 6.課題 **6.1 作図のスキル(1.4 まで) - 次回までに,下記を手がかりに,「作図」を1.4までモノにしておいてください。 -もちろん関心があるなら先までマスターしてしまってかまいません。 --@http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/construction_index.htm,http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/construction_index.htm --(繰り返すけど) -解説動画もありますから,作図に関して必要なことは,これを使って「学んで」ください。 -もちろん,「わからないことは質問」してください。対面でも,メール等でもかまいません。 **6.2 「5.1 - 5.4」 の中の一つについて探究する - wordに次のことをまとめ,まなびネットに提出する -- 対応表 -- 対応表から気づくこと -- 取り組むに値すると思われる「問題」 -- 可能であれば,その解決 **6.3 自分がつくった課題について探究する -まなびネットのフォーラムにテキストで表現できる程度の範囲でよいので,次のことについて記述する。 -なお,図を伴ってより深い記述をしたい場合には,「今後自分なりに取り組む課題」の候補が見つかったはずなので,来週以降本格的に取り組むことにしましょう。 -今回は,「軽く報告するだけ」でいいです。 --(1)自分の『類題』はどういう気持ちでつくったのかを説明する。 --(2)その類題についての「模範的な生徒の探究例」の概略を記述する。 **備考:今回は,授業ビデオ課題は「ありません」 **次回は -「点が動いた跡としての軌跡」を中心に扱います。