*0.はじめに **この授業の「教科書」のこと - 希望者は,研究室にて。 - もともと,「なくてもいいよ」という位置づけではないからね。「教科書」という位置づけということは。 ** まなびネット - 今回から,まなびネットが使えるようになりました。 -- 毎回,授業に関する感想等を,授業後に記述することを求めます。(これが,出席の代替になります) -- また,今後,毎週1つずつくらい,「授業ビデオをみて,感想をかく」ことを,課題にしたいと思います。 -- -- その感想は,まなびネットの中に書き込み,また全員の意見を「みえるようにして」意見を共有できるようにしたいと思います。 *1.「教科書」に準じていうならば - 「コロナ禍」で加速されている「変化」を感じますか? -この変化が収まっていくまでには,10年くらいが必要になるでしょうし,それまでは教育現場はいろいろな混乱が続くだろうとおもいます。 -でも,少なくとも「みなさんの目の前に登場するであろう子どもたち」は,もう「去年から,GIGAは当たり前」という環境で育つ中で,「みなさん自身が時代遅れになってしまうリスク」が高いのです。 **「これまでの学び」に準じて「ICTを使う」ことが,まだ当分続くだろうけど - みなさんが育った時代は,そうでした。 - これからも,一定期間はそうでしょう。 - そこには,「昔の環境しかなかった」から,特に問題になることもなかったとおもいます。 - でも,「GIGAを含めたいろいろな環境が整っている」中で,あるいは,「地域によっては先進的な試みをしていく」中で,それでもずっと「今のまま」でいられるはずはないとおもいます。 ** 「次世代の学び」などのことばは,岡崎中などが好きだったけど....。 - まちがいなく,そういうことに,みなさんがアンテナをはる必要はあると,私はおもいます。 ** 「学習指導要領解説」での「グルグル」 - 算数・数学の学習過程のイメージ - きっと,卒論等でよく「使う」ことでしょう。 - そこに,何を「感じ」,そして,「何に取り組む」のでしょう。 ** 「受け身の学びの個別最適化」の手段としてのICT -きっと,これは時間とともに,充実していくと思います。 **「対話と探究」を支援するものとしてのICT -この授業では,そういう部分に注目しています。 -それは,「体感的に実感している人もいるかもしれません」 -しかし,大半の人にとっては,「意識的に理解し,取り組もうとしない」と,たぶん,何も身につきません。 *2.前回,何をしたことになるのだろう **2.1 きっと,今後も聞くことでしょう。「前回,何を学んだ?」 - まさか,「中点連結定理について学んだ」なんて言わないですよね。 -- それは「中学生としての学び」であって,「教育学部の学生としての学びではない」です。 **2.2 「対話」という要素として,....何がみなさんには「残って」いますか? - 対話 -- 自分と数学の問題の対話 -- 自分のコンピュータ(あるいは,GCというソフト)との対話 -- 自分と友達の対話 -- 教室全体での対話 - そして,これらは,もちろん自然に成立している側面もあるけれど,「授業」としては,かなり意図的に「ねらっている」ものです。 **2.3 「探究」という要素として,.....何がみなさんには「残って」いますか? *3.「いろいろな場合を調べる」とは **3.1 「いわゆる教科書的な問題」とは - 「いわゆる教科書的な問題」では,証明すべきことを明示しています。 - 「いわゆる教科書的な問題」では,....どんな図が掲載されているのでしょう。 - そこには,どんな意図があるのでしょう。 - 逆に,生徒は「そういうものとして理解してくれている」のでしょうか。 - 理解していないとしたら,「そういうものなのだ」という理解をサポートする必要があるともいえますね。 **3.2 「4角中点」の問題は,「実際の教科書」では? - これは,「いわゆる教科書的な扱い」ではありませんでした。 -どういう扱いをしていたのでしょう。 -そこにはどういう意図があるのでしょう。 -でも,「他の教科書の問題」では,そういう扱いはしていません。 -なぜでしょう。 **3.3 「4角中点」の問題に関して,「前回はどういうアプローチをした」のでしょう。 - 前回,どういう流れで取り組みましたか? - それは,「他の図ではできません」か? - いえ,ほとんど多くの問題に関して,「そういう探究の仕方を可能にするもの」として,GCというソフトは設計されているのです。 - つまり,「そういう探究の仕方」を「汎用に可能にするもの」が,GCであり,他の多くのソフトは,そういう側面を持っています。 **3.4 大まかな流れ *** (1) 図について(関数的に)理解する - ABCDを元にして,EFGHがきまっている。 - ABCDの形を変えると,EFGHの形が変わる。 - その対応の様子を,対応表(ワークシート)にまとめてみることによって,理解が深まるのではないだろうか。 *** (2) 図形を動かし,観察し,対応表をつくる - 「どんな場合」を考えるといいでしょうか。 - ABCDの種類をリストアップして,観察します。 - その種類は,最初からきまっているわけではありません。足りないと思えば,追加すればいいでしょう。 - ABCDが平行四辺形の場合といっても,本当は無限にあります。 - 観察しているのは,その中の「一つ」あるいは「いくつかの場合」でしかありません。 - 観察したものが,どんな形になっているのかは,「自分が解釈」しているものです。 - つまり,なにかを見落としているリスクも十分にあります。 - そこに提示されている図が正しいからといって対応表が完璧なんていうことは,「ない」のです。 - つまり,「対応表をつくる」ことは,出発点であって,終着点ではないのです。 *** (3) その結果を吟味する - そこから,いろいろなことを考えます。 - 「すべてに共通すること」もあるでしょう。 - 「特殊な場合」に注目することもあるでしょう。 - 一言でいえば,「目の前には,現象があり,その中に,数学的に証明するような価値があることってなにかをさがす」わけです。 *** (4) その命題に対して,どう取り組む? - 「証明すること」もたしかに一つの選択肢です。 - でも,それだけではありません。 - 「反例」なら,一つ見つかるだけで,「そんなことは成り立たない」ことがわかります。 - 逆に,「どんなに探しても反例が見つからない」というのは,「妥当性」をサポートしてくれます。証明する価値もありそうです。 - 意外な発見もありうるかもしれません。 *** (5) 証明などの活動 - *** (6) さらに吟味や発展 - 問題によって,どこまで深く探究できるかは,「変わり」ます。 * 4.「4角中点」の類題 ** 4.1 条件変え / what if not ストラテジー / ... *** 元の問題 「四角形ABCDの4つの辺AB,BC,CD,DAのそれぞれの中点をE,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる」 *** 「変えるとしたら」....たとえば -(1) 「中点」ではなく... -(2)「四角形」ではなく... - 今日注目したいのは「辺の中点」ではなく,「角の二等分線」 *** 変えてできた問題 「四角形ABCDの4つの角∠A, ∠B, ∠C, ∠D, のそれぞれの二等分線を引き,それぞれ隣り合う2つの二等分線の交点を,E,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる」 |#00002-0405-01| -前回と同じように調べてみよう。 -そして,証明に値するような問題を見つけてみよう。 *5.「授業ビデオ」 - 前回の課題の「鈴木実践」に関して,課題の書き込みをしている人は,4/21の段階で,20人。 - なぜ,「20人しか書いていない」のでしょう。 - 「自分が生徒目線で体験したもの」を,附属名古屋中学校では,「実際にはどういう授業が行われたか」を観察できる,貴重な機会のはずなのです。 -この授業では,この手のレポートは,すべて「共有可能」つまり,他の人がどういう意見を持っているのかを「互いに見合って刺激になる」ような仕組みにしています。 -そういう学び合いの環境として「生かして」ください。 -授業とはまったく関係のないことを記述している方もいますが,....困ったものですね。 -この手の課題を「軽視する」方を,指導する気にはなれませんので,...よろしく。 -特別な事情があれば,別ですが,そうでない場合,1週間以内に書き込みがされない場合は,「提出せず」と同等の扱いでいこうと思います。 -- そういう「ルール」なんて,作りたくないと思っている人間ですけどね。 * 6.課題 - 今日の課題に関連してどこまでいけるかに応じて,少し課題を提示する可能性はあります。 - 類題(四角形をもとに,四角形がきまるタイプの問題,あるいは,三角形をもとに,三角形がきまるタイプの問題など)をつくる - 授業ビデオを試聴して感想をまとめる -- 「玉置実践」 --- (1) 課題の工夫点 --- (2) 先生の行動や発言について --- (3) 生徒の活動や発言について --- (4) その他 --- この授業は,1992年の授業です。使っているコンピュータも古いですが,「授業」としては,決して古さを感じさせないと思います。