*0.はじめに **0.0 オミクロン猛威 - 感染に関して,「ひとごとではない」状況にまで迫ってきているという認識を持ちましょう。 - 「体調が悪い」ときに「無理して出てくる」ことはしないようにしましょう。 - 「そういうときでも学びを継続するため」に,この授業では,以前から,複数の方法を用意しています。 **0.1 今後の主な流れ(再掲載) -「指導案」作成 -- 上記のプランが確立していないと,「形だけの指導案」になってしまいますから。 --@shidouan_2021.docx,ひな型ファイルはこちら -「模擬授業」という感じで,授業の流れを語る「動画作成」(発表の代わり) - 極端な話,今後すべてオンラインでのやりとりになってしまうことも想定しておきましょう。 **0.2 課題について ***0.2.1 「これはまずいよ」 - 出さない - 印刷したときに名前がわからない - 図がない - 問いが明確でない - 生徒の活動がわからない - 証明しかない - 活動しかない ***0.2.2 簡単なコメント **** 中島くん - 想定している「証明」がわからない - 何に注目させたいのかがわからない **** 阿久根くん -「考え」とは,観察結果ですか,予想ですか,... - その後の展開がわかりません。 **** 柳瀬くん - 発問と図はあっているのかな。 - スケッチをさせるとすると,方眼を使うと思うけど,再恣意から方眼にスケッチと比較して変わることはなんだろう。 **** 竹本くん - 今回は,wordだったよね。 ****斉藤くん -この図を考える必然性は生徒に伝わるのかな。 -流れを構成していくことが必要な気がする。 **** 中島くん - プロットしたら,モーレーの定理って,証明できるんだっけ? **** 野尻くん - 例の問題の類題なんで,...できそうだよね。 **** 菅原さん -長さの等しい「直線」はありません。 -最初がオープンすぎるんじゃないかな。 -合同と相似は....ねえ。 **** 杉山くん - 問題は自然な形で見つかると思います。 - 結論などをいい形でまとめていけるといいでしょうね。 **** 田口くん 相似な三角形というのもわかるけど,それだけって,ちょっともったいないかな ****中橋くん -証明するの? しないの? -しないとしたら,どう価値付けるの? -するとしたら,仕掛けが不可欠。 -傍心を追加した意図は? ****中平さん -証明の枠組みがきちんとできれば,なんとかなるでしょう。 ****中村くん -四角形ABCDとして扱う意図は? -線対称の場合しかないように思うけど...。 ****西部くん -「解決」は? -証明は? **** 橋本くん -この問題に関して証明から入る流れを否定はしないけど,.... -図形を動かす必然性などをどう位置づけていくのか。 ****半田くん -あの問題の類題だから,...ま,大丈夫でしょう。 ****平岡くん -発見や証明などをうまく構成していくといいと思います。 ****松村くん -どういう流れにしていくかで,複数の授業像が考えられますね。 ****松元くん -観察する価値があったなと,生徒が実感できるポイントはどこに設定しているのだろう。 ****宮崎くん -ほぼ例の問題というような構造なので。 **** 三輪さん - 「証明してみよう」という問いでいきますか? ****村松さん - 「こういう図を動かす必然性」を感じにくいところが....難点 ****矢野くん -反例って,出そうですか? -距離をはかることで納得する例なのでしょうか。 ****山川くん -せめて,負事例も扱う感じかな。 -あるいは,「逆」といってもいいかもしれないけど。 ****横地さん -既習事項と未習事項を明確にしていくことはきっと必要。 -60°というのが,ある意味特別な角で,その「特別性」を生かすのかどうか...なども。 ****吉田くん - 問いや図を明確にしようね。 -それによって,同じ「円に内接する四角形」でも,接し方が変わってくるから ****脇田さん -「測定」は使う方がいいのかな,使わない方がいいのかな,比較しましたか? -「アバウト」の方が,「ちゃんとしたい」と思ったりもするわけです。 -発見に力点をおくのか,証明に力点をおくのか。 ****石山くん -これは,「紙の上での問題」として考えるのが,適切なんじゃないか? ****伊藤くん - 「解決」としてどういうものを想定するのですか? -ここにあるのは,「定番」なので,一応それで指導案はつくれるでしょうね。 -ちょっと違う解決も.... -そして,どこまで「広げる」のかな ****稲垣くん -「問い」が明確でない ****片山くん -「この問い」でいくのですか? -「この問い」だったら,動かす必要なんてありません。きっと。 ****佐古くん -授業参加していた? -こういう文章を書いてねって,....どこかで言った? -証明問題の答え合わせをするような授業って.... --(ためいき) ****地田くん -「これは何度でもいい」なんていう指示をするんですか? -円周角の定理との関わりは,どうするのでしょう。 ****成田さん -気がはやいね。 -指導案? -方ベキの定理なんでしょ。 -もっと自然な形でいいんじゃないかな。 -ここで扱っているのは,「少し違う」アプローチのような気がする。 ****橋本くん -気がはやいね。 -指導案? -こういう流れ....になるのかな? -何を「考えさせたい」んだろう。 ****船越くん -「問い」などを明確にしよう。 -「この図のおもしろさ」はどこになるのでしょう。 -それを生徒が実感できるようにしていますか? *1. 指導案に関して **1.1 「教科書」や「指導書」での指導案 - 学校の授業は「教科書」に基づいて行うのが普通です。 - そういう意味では,「標準的な指導案の作成」は,「教科書の意図」を読み取り,それをもとに「授業の流れ」を表現するのが指導案作成です。 - 授業の中では,少し前のものになりますが,次のものを配布しています。 -- 「指導書」に掲載されている指導案 -- 該当する「指導書」での教科書の該当ページについての記述(指導の要点など) - つまり,「教科書」を元に,あるいは指導書の記述を手がかりにしながら,ここにあるようなものが書くスキルが身につくことが,もともと,みなさんくらいの段階では求められていると理解してください。 **1.2 「教育実習」では - 教育実習は,実習を行う学校によって,それぞれ異なりますが,公立学校であれば,基本的に,教科書の「どのページ」を扱うかを検討し,「担当している学級の様子」を踏まえて, 授業をするための指導案を作成することになります。 - 当たり前のことですけど,「生徒の実態を把握し,設計」しないと,指導案はつくれませんし,授業もできません。 **1.3 いろいろな書式 - 指導案は,一つの書式に決まっているわけではありません。 - 愛知県内でも,地域によって標準がちがっていて,7通りくらいかな,あるとうかがったことがあります。そういう意味でも,大学の中で,「この書式で指導する」と固定できるわけではないので,配当された地域・学校でのやり方に基づいて作成することになります。 **1.4 きっと,ネットで探せば見つかるけど,それをコピペすればいいという....ものでもない。 - おそらく,指導案は,「探せば見つかります」 - でも,教育実習などにおいて,「指導案はそれなりに書けていても,全然授業のための準備ができていない」というケースは多々あります。少し突っ込んで聞いてみると,すぐにわかるのです。 ** 1.5 「この授業」では,.....そういう意味では,「ちょっと標準的ではないこと」としての指導案作成を求めている。 - 「道具が変わる」と,ねらいが変わったり,活動が変わったりします。 - 特に「ICTを使う」ことは,そういうところの影響を無視することはできません。 - そういう意味でも,「魅力的と感じる教材」についての教材研究を行っていて,「その教材のよさを引き出すような活動」を想定し,それがうまく一付くような学年・単元を見いだして,その授業を設計するという,ある意味では,教育実習などでは「ありえない」スタンスで,指導案をまとめてみることを求めています。 *2.指導案作成で「意識してほしいこと」 **2.1 「授業は意思決定の連続」 -「意思決定」という言葉をどう理解するでしょう。 - もちろん,その場での臨機応変の対応もあるでしょう。 - でも,基本的には,状況にあわせた「複数の選択肢」を事前に暗黙のうちに持っていて,その場面において,「どれが最も最適か」を判断し,選択して,行動することを意味すると思います。 -授業の中では,「授業前の意思決定」と,「授業の中での意思決定」がありうると思います。 **2.2 授業前の意思決定の表明としての「指導案」 -「教科書」の中でも記述していると思いますが,指導案というものは「100%の発言など,すべての流れを確定しておく」べきものではありません。 -それでは,生きた授業にはなりません。 - 7割のストーリー構成は決めておくけれども,その状況に合わせて,臨機応変に対応しなければならないはずの存在なのです。 -逆にいえば,その7割程度の授業構成に関しては,「事前に意思決定しておく」ことが必要で,それを明示するものが指導案なのです。 **2.3 確定しておくべきこと(1) 発問と図 - 指導案において,「発問」は明示しましょう。 - そして,そこで使う「図」も明示しましょう。 - 教育実習で実感していると思いますが,これは授業前に決めておくべき,最も基本的な要素です。 **2.4 素材の魅力を生かすための「ストーリー」の選択 - 図形の魅力は,直観的にわかるとか,観察とか,証明とかだけではありません。 -- 直観って,「ひらめき」みたいな感じだけど,...「みんなが閃く」のかな。...逆に「だったらつまらない」よね。「わかりきっている」なら。 -- 「見ればわかるでしょ」...いや,「見ただけではわからない」「見ているようで,分かっていなかった」のが分かると,奥の深さを実感します。 -- たとえば,証明は,「正しいことをルールに則って記述するだけのパズル」ではないのです。 -- 「穴埋め式の証明」って,別の意味で,「むずかしい」 -- たとえば,20世紀初頭の数学者, Hilbertは「幾何学基礎論」をまとめましたが,「直観幾何学」もまとめましたし,何よりも,1900年のICM(国際数学者会議)で提示した「ヒルベルトの23の問題」は有名です。 - それらがうまく組み合わさり,有機的に機能しながら,理解が深まったり,問題が解決されたり,さらに新しい問題で見えたりしていくことを通して,そこに成熟した文化としての数学あるいは幾何学などが生まれてきたことを体験しながら受容していく過程ともいえます。 - その「断片」を体験できるようにするものが「教材」であるとするなら,そこには「ストーリー」が必要になります。 - 単純な図形でも,それを組み込めるストーリーはたくさんあります。 - 授業という短い時間の中で扱うためには,「その一つを選択」する必要があります。 - あるいは,教材研究とは,「その数多くのストーリーの可能性があることを理解し,一つのストーリー(の候補)として編集しなおす作業」です。 -- 実際の授業の中で起こることによって,そのストーリーは「その授業の中で初めてライブとして完成していくもの」なのでしょうけど。 **2.5 「図形との接し方」- 選択や組み合わせ - 「定規とコンパス」 - 「フリーハンド」 - 「念頭」 - 動的幾何ソフト - 証明(初等幾何的) - 数式 - 「生活の中に埋め込まれている状況」 **2.6 ICTを使う「類型」も意識しておきましょう。 - GIGAスクール時代では,「一人一台」での利用が可能なので,それがデフォルトのように感じている先生や学校も多いかもしれません。 - しかし,「それが最適とは限らない」ということをわきまえておきましょう。 - 教室に1台のPCを一つのスクリーンで使って考える場合には,独特の利点があります。 -- 教員のところに「視線が集まる」 -- 注目したい現象に注目できる。 -- 「触ってほしくない」場合は,「触らないで考えろ」という行動になるように,教員側でコントロールできる。 - グループ(4人あるいは2人など)で1台の場合は,言語活動の活性化に基づく学び合いを想定しているはずです。 - それは,「相手がいたら言葉にするのが自然」という環境があるからです。 - 逆に,通常のGCを使った授業の中で,「一人一台でなければいけない」というようなケースはあまり多くありません。 -それを事前に明確にしておくという意味で,指導案の中では,「6.使用する機器/教室等とそのねらい」という項目をおいています。 **2.7 素材に合わせて学年や単元は自由に選択していいけれども,「それは確定する必要がある」 -通常は,担当している学年や,時期もありますし,そこに「生徒」がいます。 -つかえる時間にも制約があります。 -今回は,それは「自由」です。 -とはいえ,それは「選択することが必要」です。 -つまり,「想定する生徒像」は明確であることが必要です。 -「なんとなく」なんていうのでは,授業になるはずがないからです。 -「二つの正三角形」の問題は,通常は,中2です。 - なぜなら,三角形の合同を使って証明するからです。 - しかし,同じ素材であっても,円周角に関わることを扱いたいと思うなら,学年は中3になるのが自然です。 - そのあたりは明確にする練習と思ってください。 ** 2.8 現実の授業では,授業の中で,「意思決定」をする -省略 -ただ,「そのライブ感は授業としての魅力」だと思いますけどね。 *3. 「ストーリー」の意識化 / 例を通じて **3.0 必要ならば,「複数データの保存」を -4つまでをまとめることができる。 --エキスパートモード --複数データの保存 --最後の保存をするときに注意 **3.1 かなり基本的な事例 @http://iijima.auemath.aichi-edu.ac.jp/ftp/yiijima/gc_html5s/rc/gc.htm?file=02270-B1-3-1-%E4%BA%8C%E7%AD%89%E8%BE%BA%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BD%A2.gcx,二等辺三角形に関して #00149-0113 #00151-0113-03 **3.2 みなさんに目線を合わせた事例 #00150-0113-02 **3.3 こういう工夫もあるのね #00152-0113-04 -これは,熊本大学附属中学校での実践でした。 * 4. 課題 ** 4.1 「今日の授業の感想」などを「まなびネット」書き込む - 今日の感想 / 次の視点のどれか -- a. 「この話題」について 「こういう点がよくわかった」 / 「こういう点がよくわからなかった」 -- b. 教師の観点からの教材研究について,自分の理解が深まったという点 -- c. ICT利用に関して,自分の理解が深まったという点 -- d. 「CIIという授業に関して」,「ここがよかったから継続してほしい」「ここがよくなかったから改善してほしい」という点 -- e. その他 **4.2 指導案作成 - 「できたな」と思ったら,メールで飯島まで - 「困っている」ときも,メールで -- 特に「むずかしいな」と感じている人 - 研究室には,いないことが多いかと思います。結構会議が多いし,卒論のこともあるので。 -- (拒否しているわけではありません。) **4.3 みなさんの資料として,互いに参考にしあう形で生かしてください。 -@http://133.96.162.46/2021c2c/0106-word/, いつものidとpwで