*0.はじめに ** 0.0 前日 21時時点で「未提出」の方は,「放棄」ですか? - 締め切りは,火曜日の23:59でした。(まなびネットでの設定は木曜日の00:00にしてありましたけど。) - 督促メールも出しました。 - なのに, - 水曜日の21時時点において,登録者53名中,提出しているのが31人です。 - 「履修放棄」ですか? -- 朝の時点で,53名中40名。 -- 追加されたファイルの「名前」は.... -- 動画のはずなのに,静止画を出した方もいる。 *** 今後「個人の作業」が中心になります。 - 自分なりの素材がないと「学びが成立」しません。 - しかも,「もう残りの回数は...」 **0.1 やってみて,「どうでした?」 - それなりに,「楽しかったのではないか」と感じています。 **0.2 でも。 - でもね。 - 「解説動画」という言葉が悪かったのかな。 - 「生徒に向けて,解答を解説している感じ」の動画も少なくありません。 - いや,ここでの「解説」というのは,「図形を動かして調べる」ということに関する「魅力」や「おもしろさ」を解説してほしいということであって,「そういうおもしろさを生徒に再体験できるようにしよう」というのが,ねらいなのです。 - 授業での主役は,「生徒」であり,「生徒の活動を活性化するために,ICTを使っている」ということを意識してください。 - 少なくとも,「このままでは授業にはならない」ケースが多いです。 - 「授業を構想するための出発点」として位置づけ,「改善」していきましょう。 **0.3 今後の主な流れ - 「発問」→「生徒はこんなことを考え,こういうのを発見し,こういうのを発表し」→「それをどう生かして...」→というような授業の流れを,「生徒の活動例を記述する」観点で,Wordにまとめてみる。 -- ある意味で,「想定される生徒目線からの授業記録」とでもいいましょうか。 -「指導案」作成 -- 上記のプランが確立していないと,「形だけの指導案」になってしまいますから。 -「模擬授業」という感じで,授業の流れを語る「動画作成」(発表の代わり) **0.4 でも,「授業の流れを意識した動画をつくる」のを,もう一回してみる方がいいんじゃないかと感じています - 他の人の動画をみて,「いい点」や「改善点」を考えることを一つの課題にしますが,同時に,「自分が抱えている素材」を,「授業の素材,生徒が数学的活動をするための素材」として位置づけていく上で,再考してみて,もう一度動画をつくってみる方がいいんじゃないかな。 - 「今の素材」をそのまま生かしていくというのも,一つの手です。 - 扱いにくいと思ったら,(いつでも)別の素材に移ってもかまいません。 *1. 今回提出された「動画」に関連して **1.1 それぞれへの基本的な感想 - 「証明を語る」ことが中心で,ほとんど「動かしていない」事例も,...いくつもあるよね。 --それは「証明の解説動画」です。 -最初から,測定値がたくさんあるものも,....いくつかあるよね。 --測定値を使うのも,一つの方法ではあるけれど,....あまりおすすめはしません。 --「数値」にかなりひっぱられてしまいます。 --こういうことを測定したい,という生徒の気持ちが表現されてから...でいいんじゃないでしょうか。 - 「いつもうまくいく」のも,一つの方法です。「こんなときだけはうまくいく」のを観察させるのも,一つの方法です。 -- いくつかのバリエーションを工夫してみるといいと思います。 -「気づくべきことは一つ?」 -- きっと関連して,いろいろなことがあるはずだよね。 -「たねあかし」的な話題 -- 「解答編」としては悪くないけど,....「それを生徒が見つける」ように生かせないかな。 -「きれいな提示」 -- アバウトで,「なんとなくこうなりそうなんだけど」を気づくようにしておいて,「ぴったりだったら,こうなるはずだと思うんだけど」と思わせるとか。 -- そう思うと,「きれいじゃない」成果を生徒がつくるとか,先生がみせるとか,そういうもの「アリ」のはず。 -図が妙な動きをする -- 不自然な動き方に関しては,...気持ちが安心するような作図に変えておこう。 - 「自然な問い」を出発点にしたい -- 「最初に与える図」と,....「途中」あるいは「最後」に到達する図 -「教科書」に準拠しているもの --地味にみえるかもしれないけど,指導案はつくりやすいかもしれませんね。 --「ワークシート」や「発表」あるいは,「発展に切り換えるところの発問」を考えるといいかも。 - この授業で扱った素材でもいいけど -- 「自分なりの工夫を実感できる」ようにしようね。 --- そうでないと,他の学生からみたら,「え,それでいいの?」と思うはずなので。 --- とくに「四角形の4辺の中点を結んでできる四角形」など。 --- 発問とか,活動あるいは授業の流れなどを変えたいよね。 - きっと最初は,「シンプルな図」から出発する方がいい -- 証明の最終段階なんかで,複雑になる場合もあるけどね。 -杉山統紀くんが「いいこと」を言っていた。 --「どこまで自由にしていいんだろう」を考えることがある。 ---「決めすぎる」と,自由度が少なくなって生徒が考えることがなくなる。 ---「自由すぎる」と,何を考えていいかわからない。 --この事例を「どう料理するのか」は,検討の余地があるけど。 -中平さんの図は,「意外に奥が深い」よね。 --扱う単元によって,いろいろな使い方もあるし。 **1.2 作図に関するTIPS ***1.2.1 測定値の「表示/非表示」 - 編集「変数」でできます。 ***1.2.2 測定値の桁数 - 小数点以下はない方がいいこともあります。 - とても長くした方がいいこともあります。 ***1.2.3 「ストーリー」を表現したいときに - 複数のファイルを使う - 一つのファイルに,複数の図をいれて「ステップ1,2,3,4」とする。 -- エキスパートモードにする -- 「複数の図の保存」にする -- オンライン保存のときに「注意」 *2. 「次」に考えたいこと **2.1 その素材で引き出したい「数学的活動」について考える - 「数学の授業」で「探究の道具としてICTを使う」なら, まず基本になるのは,「発見」と「証明」です。 *** 証明に関連して - 「証明の解説」をしている動画もいくつもありますが,「それは先生が解説するのですか?」 -- 基本的には,「それは生徒がすべきこと」です。 -- それなりにむずかしい問題を扱っているとしたら,ただ「証明せよ」ではできない生徒も多いかもしれません。どんな工夫をすることができるか,というのも注目点になります。 -- 証明のための「思考」をサポートするような発問や発言などもあるでしょう。 - 複数の証明方法(別解)があるものもあります。 -- それはぜひ,生かしたいですよね。 - 「場合わけ」が必要なものもあります。 -- 「複数の場合」というのを,どう位置づけるといいのでしょう。 -- 「いくつの場合があるのか」を発見させることもありうるかもしれません。 -- 「ある場合をみんなで取り組んで」から,「その他を自分で」というやり方もあるかもしれません。 - 「特殊な場合」と「一般的な場合」などの関わり -- 「特殊→一般」がいいのか「一般→特殊」がいいのか --いろいろな場合を分担する方がいいのか。 - 論法など -- 図形の証明の中では,「論法」の工夫が必要な場合もあります。 -- 「手が出ない」と思わないように,何らかの工夫が可能なこともあります。 *** 発見に関して - GCなど,動的幾何ソフトの基本的な役割は,「正確な観察を豊富に行えるようにする」ことです。 - 「みればわかる」ということよりも,むしろ,「その気になって観察していないと,気づかない」ことが多いということの方に注目すべきでしょう。 -「観察」って,そんなに簡単なことではないのです。 -「観察」を活性化していく上では,「外化」は重要で,「ことば」で表現したり,「図をかく」ことで表現したり,「その中の重要なところに書き込みをする」ことや,さらに「グループの中での対話をする」ことなどが重要です。 - 発見の基本は「事実」かもしれません。 - でも,それだけではありません。数学的に「見抜く」のは,「事実の向こうにある一般的な性質」です。あるいは,それらに関する「証明の核となるもの」だったりします。 - さらに,もっと価値がありそうなものとして,「問題」の発見もあります。 - こういう事実などを観察していると,「こういうことに注目すべきではないか」など,「問題の発見」もありうるわけです。 *** 「発見」する価値があるようにするには,「発問」や「図の工夫」が大切。 - クローズドな問題に「観察での発見」はありません。 - オープンにしすぎると,何をしていいかわかりません。 - オープンにしておいて「気づいたことを手がかりに,本質的な問題に迫っていける」といいよね。 - 杉山くんが指摘していたように -- 図の工夫も大切です。 **2.3 「その素材」の「教材としての魅力」は何だろう。 - みなさんに実感してほしいのは,「教材としての魅力」です。 -- もちろん,その前段階として,「みなさん自身が,その素材にどんな数学的な魅力を感じるのか」ということも大切で,今回の課題は,「それを語ってほしい」ということだったわけですけどね。 - でも,「教材としての魅力」は,ちょっとちがった観点から考えることも必要です。 -- つまり,それに接するのは,生徒であって,生徒が活動する上で,どんな価値をその素材は持っているだろうか,という観点です。 -- それはある程度,研究授業などを経験しないと分かりにくいところでもありますけど。 *** 「正しい/正しくない」から少し距離を置いてみる - 数学で意見を発表することを嫌がる生徒は少なくありません。 - とくに「間違ったことを言って恥をかきたくない」と思う生徒は多いです。 - 「正しい/間違っている」ということとは少し違った観点で発問することも大切です。 - 「誤答を生かす」ことができることは大切ですが,臨機応変にそれをするためには,かなりの力量が必要です。 - 「なるほど,それはおもしろい着眼点」というようなことを,クラス全員で共有できるといいですよね。 - そういうことの基本の一つは,「予想」であり,「観察」でもあります。 -- 「予想」は「予想」ですから,「当たる/はずれる」ことはあっても,「正しくないことも含めて予想」なので,「間違った予想をしても,それははずかしいことではない」のです。 -- むしろ,「予想と違った」結果が出ることは,「えーっ,そうなの?」と,知的興奮を高めてくれるきっかけになります。 -- つまり,「予想がはずれることが多い素材」というのは,「いい教材」の可能性を持っているわけです。 - 「観察」も,.... -- ここはみなさんの意見を聞きましょう。 *** 「解決していくために,みんなが貢献可能なことはなにか」 - 「正しい答え」だけが,大切なのでしょうか。 - 「正しい答えを書けない生徒はいつも恥を書くだけ。」...授業って,そういうさびしいことなのでしょうか。 - いい授業って,「みんなが活気ある雰囲気」ありますよね。 - 「全員がすぐに正解を答えられる問題」を出したらいいかといえば,....「こんな簡単な問題なんて...つまらん」となるのではないでしょうか。 -「みんなで取り組む価値がある問題」, 「それを一歩でも前に進めていくような貢献」,そういうことを引き出すような授業でありたいわけです。 -みなさんが試聴した,附属中学校での授業って,そういう空気になっていませんでしたか? -「できる生徒だから」ということではないです。 -もちろん,「こういう生徒集団だから,こういう問題にし,こういう活動にしている」等の工夫はありますけど。 **2.2 「発問」として,複数の候補を考えてみる。 それに伴って,「生徒の数学的活動」がどう変わるかも考えてみる。 - 前回も扱いましたが... - たとえば,提出された,次の問題があります。 --問題:「任意の三角形において,外心をO重心をG垂心をHとおくときO,G,Hは一直線上にあり,OG:GH=1:2 」 -これは「いい素材」だと思います。 -しかし,この問題文では,「ということを,証明しなさい」というのが,妥当な質問ということになります。 -これを「発見する」ためには,問いをかえないといけません。 *** 「どれがどれ」での工夫 - 発問 -- △ABCの外心,内心,重心,垂心を作図したのだが,...時間がたったら,どれがどれだったかわからなくなってしまった。どれがどれなのかが一目瞭然にわかるようにしてほしい。 - 基本的な解決の流れ -- 最初は,適当に動かしてみる。 -- 4つの心が動くことなどを観察する。 -- 「特徴的」なことに注目する。 -- 「外心」と「垂心」に関して,見極められるような「場合」をつくり,その理由について語れるようになる。 -- そして,「内心」と「重心」が「見極めにくい問題」ということに焦点化される。 -- それらについての「状況証拠」を見つける -- もっと「決定的な証拠」がほしいと考える。 --- だって,「数学」だから。 -- ある場合に注目すると,内心と重心を一目瞭然に見極めることができることに気づく。 -- その理由を「ことば」で表現する。 -- さらに,「そこでの関係」は,「この場合だけでしか成り立たないか」という意識を持って「動かしながら観察」してみる。 -- すると,「その場合以外でも,一直線上にあることに気づく」 -- あるいは,場合によっては,「その間隔の比が一定ではないか」ということに気づく。 -- 測定してみると,その比についてもわかる。 -- それに関して,Euler線という名前があることを,たとえば教師側から追加してもよい。 -- 観察によって,定理を発見することができたが,....それを証明の対象とするかどうかは,....ケースバイケース。 - 上記のようなことに関して,複数の「教材化」あるいは「授業化」 -- 中1の授業,つまり「証明はやらない」と割り切り,「観察中心」の授業として位置づけることもできる。(岡崎中学校1年での小笠原実践) -- 高校1年くらいで,既習内容を総合的に生かしながら,「定理の発見」までを中心として構成していくこともできる。(高校での出前授業(飯島)) -- 高校1年くらいで,さらに「その証明」を中核として,構成していくこともできる。(名古屋中学校3年での近藤実践) **** 上記の「発問」では,どういう工夫をしているのでしょう。 -それによって,どういう活動が可能になっているのでしょう。 **2.3 扱っている数学的知識・方法など→学年や単元の明確化も -いずれ,指導案をつくるという意味では。 -もちろん,普通は,扱う学年も単元も生徒も明確になっていて,その枠の中で考えるわけだけれども, -今は,「考えてみたい図形」の方から出発しているので。 *3. 課題 ** 3.1 「今日の授業の感想」などを「まなびネット」書き込む - 今日の感想 / 次の視点のどれか -- a. 「この話題」について 「こういう点がよくわかった」 / 「こういう点がよくわからなかった」 -- b. 教師の観点からの教材研究について,自分の理解が深まったという点 -- c. ICT利用に関して,自分の理解が深まったという点 -- d. 「CIIという授業に関して」,「ここがよかったから継続してほしい」「ここがよくなかったから改善してほしい」という点 -- e. その他 **3.2 「解説動画」をzoomで作成し,まなびネットにアップしてください。(締め切り 12/21,23:59) -次回の授業で素材として使う予定です。 -また,別のサーバに置き直す必要があるかもしれないので,期限厳守にて。 **3.3 「今回提出されていた課題」に関して,「自分の番号に続く4名」の方について --ここがいいと思う --ここを改善するといいと思う。 -をまとめて,書き込む -
: id, pw は授業中で