*0.はじめに **0.1 「出席」には... - わかっていますよね。 -- この授業は,「対面でも,zoomでもオンデマンド」でも参加可能にしています。 -- でも,「出席」には,「課題提出」が不可欠です。 -- いろいろな事情がありうるので,1週間くらいのアドバンテージはみています。 -- しかし,火曜日くらいまでの提出なら,.. -- それ以降は,「ただ,出しているだけ」という意味しかありません。 **0.2 「課題」の件 -「動かして調べる勝ちがありそうな問題」を探すのは,今のみなさんには決して簡単ではなさそうですね。 -少し時間をかけながら,深めていくことが必要のようです。 *** 中橋くんの例 -「動かす」ことを追加した方がいいよね。 *** 松村くんの例 -一工夫できそう。 -どこかで扱うかも *** 松本くんの例 - 12角形って,「自由」だとすると,....発見すべきことがうまくコントロールできるのかな。 *** 三輪さんの例 - 問いの文章を工夫するといいんじゃないだろうか。 *** 田口くんの例 - 動かす必要がない。 *** 村松さんの例 - ①の条件って,「交わる」ことだけだよね。「自由に動かす」ときに,「線分ABと線分CDの交点の角度はどのように変化するか」って,答えようがないような気がしますが。 *** 吉田さんの例 - どう発展させたいのかが....? *** 佐古さんの例 -「四角形ABCDはどのようになるか」というのが,....何を答えていいかが,ちょっとよくわからない(ちゃんと私が探究していないせいかも) *** 杉山くんの例 -「教材 長方形の白い紙」 -素朴には,「紙」でいいよね。 -「動かして調べる必然性」まで広げたいよね。 *** 柳瀬くんの例 -いずれ,最大問題として扱うと思いますけど,「問い」は自然な形でいいんじゃないかな。 ** いずれ,「どんな探究ができたか, できるはずか」を語れるように - 「出せばいい」わけじゃないよ。 - それらを元に,今後教材研究等が必要なわけで。 **0.3 「ビデオ」の件 - 今日から余裕があれば,教室の「前からの映像」も撮影し,zoomで中継したり,アーカイブに残したりしたいと思います。 - 今後,課題等として,中学校等での授業の様子をビデオで試聴する機会を増やしたいと思いますが,生徒の様子って,「後ろから」だけではよくわからないのです。自分たちの様子はどう見えているのか,それを実感するための「実験」でもあります。 * 1. 今日のねらいは二つ -「動いた点の跡」としての軌跡 -作図の基本(1) * 2. 軌跡の二つの側面 - (1) 「動いた点の跡」としての軌跡 - (2) 「条件を満たす点の集合」としての軌跡 -- 高校の教科書では, どういう定義になっているでしょうか。 - 「この授業の教科書」の中では,あまり触れてはいませんが... - 「図形を動かす」ことによって,必然的に「注目したくなる数学的現象」の一つです。 ** 2.1 「動かして調べる」という観点から - 「図形を動かす」というのは, 「図形を関数と見よう」ということでもある。 -- 点Aが動いたら,点Bはどんな動きをする? -- B = f(A) -- 点Aが動く範囲(たとえば,直線l上」)であれば,fによる像は,1次元的な広がり,つまり直線や曲線になる。 ** 2.2 「どれがどれ?」 #00013-4centers-nocolor - 三角形ABCの4つの心を作図したのですが, どれがどれかわからなくなってしまいました。 - どれがどれなのか, 調べてください。 ** 2.3 「点Aを水平に動かしたら, ○心は....という動きをするはず」 - それは, 点Dの「動いた跡」としての軌跡に注目しているということです。 - これ,便利でしょ。 #00014-4centers-nocolor-2 ** 2.3 「設定」がしてある場合の使い方 - そのまま動かしても「残らない」 - 「軌跡のスイッチ」をonにすると,「残る」 - 「clearボタン」で「消去」することができる。 - 「軌跡のスイッチ」をoffにすると,「動かしても残らない」 -いつも残るのは,うれしくないことがあるから。 ** 2.5 「動いた点の跡」としての軌跡 - Pをある動かし方をしたときに,Qの動いた跡によってつくられる曲線/直線 ** 2.6 「類題」を作ろう -課題にしておきます。 * 3. 作図の基本 / 追加する ** 3.1 外心の場合 #00012-triangle -この図形に, 外心を追加しましょう。 -- 手順は --- 作図 --- 点 --- 外心 --- 元にする3点を順番に選択する --- 出来上がったら,動かす ** 3.2 抽象化してみると - 「作図」 -- つくる「種類」を選択する -- 「手続き」を選択する -- 「元にする対象」を選択する --- 「候補」が赤く表示されている --- 違うときには, 候補を変更 (新しい候補の近くをクリック, タッチ あるいは, 矢印キー(↑↓)) --- 確定(候補の近くをクリック,タッチあるいは enterキー) -- これを階層的に積み上げていく。 --- まちがったときには, undo (Ctrl + U でもいい) --- 手続きが同じときには redo (Ctrl + R で少し簡略) ** 3.3 ここから先は「メニューを眺める」と,....いろいろできるようになりますよね。 - メニューの構成は -「作図」 -「構成するものの種類」 --点の場合にはさらに分類 -「構成する手続き」 -(元にするものを選択) * 4. 軌跡の設定と描画 ** 4.1 「軌跡」のコンセプト - 「軌跡の色」というプロパティ(属性) - 「軌跡のスイッチ」 -- いつも描画されるのは「ウザい」 -- スイッチが入っているときだけ描画させたい - これを設定するには,「編集」→「点」→「軌跡の色」 - 概念の拡張 -- 数学的には,「軌跡」は「点」を考えるが, 直線や円などの幾何的対象に関しても「軌跡の色」がある。(ソフトによっては, traceという言葉で表現) -- だから,「編集」→「直線や円」→「軌跡の色」がある。 - メニューを見ると,「関連して他にできること」がわかる -- たとえば, ---点の「色」 ---点の「名前」 ---点の「変形可能性」(これってなんだ?と思ったら,「設定」してみて,元の図で何が変わっているのかをみればいい) ** 4.2 練習 #00013-4centers-nocolor - さきほどの例に関して,「軌跡の色を設定していない図」です。 - 4つの心の色分けをしよう。 - 点Aを水平に動かしたとき,4つの心はどういう動き方をするだろうか。 - 点Aを鉛直方向に動かしたとき, 4つの心はどういう動きをするだろうか。 - 点Aを斜めの直線上で動かしたとき,4つの心はどういう動きをするだろうか。(アバウトでいい) - 点Aを円のような動かし方をすると, 4つの心はどういう動きをするだろうか。(アバウトでいい) ** 4.3 探究結果を「記録」したいよね - いずれ課題としたいと思います。 - 何を観察したのか - それをどう解釈したいのか -そして何をしたいと思ったのか -「観察だけ」でいいはずはない。 -そう,少なくとも証明とかがないと,数学にはならない。 -そういう一連の流れが「あなたの探究記録」です。 -「生徒にそういうことを再体験させたい」と思うわけです。 -自然にそういう流れがうまれるようにするには,「どうしたらいいだろうか」というのが,この授業で考える「教材研究」であり,「授業設計」です。 ** 4.4 「ちゃんと動かしたい」 #00015-4centers-circle -この図において,点Aを円上をきちんと動かしたときの, 4つの点の軌跡をきれいに描きたいと思ったとします。 *** (1) その場でささっと対処する方法 -あるボタンを押す -シフトキーを押しながら動かす -- このことで, もっとも近い対象の上に射影する *** (2) きちんと対処する方法 - 編集 - 点の束縛条件 - 円の上 - 「この円」の上と指定する *** 備考 - 「きちんと対処するのがいい」とは限らない ** 4.5 「キーボード」での変形も便利 - 動かすべき点が確定している状態で,「キーボード」で矢印キーを使ってみましょう。 - マウスよりも便利なこと,多いです。 *5.保存 - 通常は, 「保存(オンライン)」 -- サーバの上に保存されます。 -- 50人で共用しているので, 「自分の名前」も含めた命名にしましょう。 - オフラインなどの場合には, 「保存(ダウンロード)」 -- このファイルは, 「読み込み」→「読み込み(PC)」でファイルを指定すると読み込むことができます。 - こんな方法も -- 読み込み → 「読み込み(本機)」によって, 10個の図に関して, 読み書きができるようになります。 -- たとえば,iPadをオフラインで使うような場合に,この機能は使えます。 -- 過去においては, 「保存(本機)」というメニューも用意しましたが, 普通の人は使わないので,こちらだけにしています。 -- ちなみに, この機能は, web storage という機能を使っています。 *6.作図 / 最初から ** 6.1 「出発点」さえあれば... - 「出発点」さえあれば, もういろいろな図を作図できることをお分かりではないでしょうか。 - あとは,「出発点」をつくっておく手続きさえ知っていればいいというのが,GCでの作図です。 - 他の動的幾何ソフトでは,違う考え方で取り組むものもあります。 - それぞれのコンセプトの違いを理解しておくといいでしょうね。 - ただ,「動的幾何ソフト」で共通しているのは,「その後動かして調べることができるように図を分析し,作図する」ということです。 ** 6.2 手順 - 次のような感じで「最初から」作図できます。 -- (1) GCの画面を表示する -- (2) 「新規」 -- (3) 「もとにする点」を作成する (画面上をクリックする) -- (4) 必要な点の数の作成が終わったら, Esc キーあるいは右クリック -- (5) たとえば, 多角形とか線分など, それを元に次につくるべきものを「3」の要領で作図し, 継続していく。 ** 6.3 練習 - 次の図を「最初から」つくってみましょう。そして, 保存してみましょう。 |(1)| |#00017-1111-02| |自分の名前-垂直二等分線-交点| |(2)| |#00018-1111-10| |自分の名前-垂直二等分線-軌跡| -(2)はかなりハードル上がっていますね。 -- 円は, 「中心と半径」で, 半径を数値で入力しています。 -- 点を動かないようにしたいときには, 「編集」→「点」でプロパティを眺めてみてください。適切なのがあります。 -- 軌跡が設定してあるかどうかは, 図のあるところをみると分かります。 -- これも設定してあります。 -- 軌跡を描くと.... きれいでしょ。 *7. 自習のためのリソース - 上記で「基本的な作図」に関して, 「対話的なやりとりをする授業」として行いました。 - よくわからなかった人, 参加できなかった人などは, 下記のリソースをもとに,「習得」してください。 -@http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/construction_index.htm, 作図の手引き -動画も用意してあります。 -私の感覚では,こういうものこそ, 「オンデマンド」だと思っています。 *8. 課題 ** 8.1 「今日の授業の感想」などを「まなびネット」書き込む - 今日の感想 / 次の視点のどれか -- a. 「この話題」について 「こういう点がよくわかった」 / 「こういう点がよくわからなかった」 -- b. 教師の観点からの教材研究について,自分の理解が深まったという点 -- c. ICT利用に関して,自分の理解が深まったという点 -- d. 「CIIという授業に関して」,「ここがよかったから継続してほしい」「ここがよくなかったから改善してほしい」という点 -- e. その他 ** 8.2 「軌跡の問題」を二つ見つけて「まなびネット」に書き込む - (1) 動いた点の跡としての軌跡の問題 - (2) 条件を満たす点の集合としての軌跡の問題 (例 A,Bは定点(たとえば, 原点と (4,0), P は動点 PA = PB となるようなPの軌跡を求めよ。) ** 8.3 実際に作図して保存する - 今回「宿題として提出した図形の問題」あるいは,上記の(1)(2)あるいは,より簡単な問題でもいい。一つの問題を選んでください。 - この授業用の保存領域に, 「自分の名前-1111-課題」という名前で保存する -- 図によっては, 作図することが難しいものももちろんあります。今回は,「練習」ですから, 決して難しいものを作図する必要はありません。ただ, 最終的なターゲットとしては, 「自分で扱いたい問題」の作図をできるようになりたいのです。