*0.「課題」の件 -「動かして調べる勝ちがありそうな問題」という表現が適切でなかったのかな? -- 課題を提出している側の意図としては,「今回の問題と同じような」という前提で考えていました。 -- そういう趣旨の問題が提出されていなかったわけではありません。 -- でも,もっと広い意味で,次のようなジャンルに分けることができるように思います。 ---「決定問題」つまり,変化させる中で,ある特定の特徴をもつ解を求める問題 ---軌跡(動いた点の跡」 ---最大・最小問題 ---動点問題 ---(まったくの勘違い?)の問題 --これらは,今後単独のテーマとして扱います。 *1.「前回の例」の特徴に注目し,一般化してみよう。 #00003-test **1.1 元の問題文 -四角形ABCDがあり,4辺AB,BC,CD,DAの中点をそれぞれ,E,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。 -いろいろな場合について調べよう。(想定しているのは,四角形のいろいろな種類 / 別の問いの設定もあるが) -どんなことに気づくか。(→成立する命題群は,この問題の場合多様。) **1.2 想定している性質 -EFGHの形状 -EFGHの面積と,ABCDの面積の関係 -その他にもいろいろありうる。 **1.3 「動かすこと」で,どういう数学的探究が可能になるのか? - 略 *2. 上記のような位置づけに「ちょっと似ている」課題例 **2.1 三輪 帆香 さんの例 -円 A の円周上に 弧BC をとり,弧BC を除いた円周上に点 D をとります。 B.C.Dを動かして、∠BDCについてどんなことが言えるか調べましょう。 -- いわゆる円周角の定理 -- この問題は,「そのまま解答すると,何が解答例になる」でしょう。。 -- 問題の提示の仕方などで,なにか工夫はできますか。 **2.2 松本 陸 くんの例 - 三角形ABCのそれぞれの点を動かして、外心、重心、垂心を動かします。気づいたことはありますか?気づいたことの証明もしてみましょう。 -- ここで想定している「気づいたこと」とは何でしょう。 -- その証明は簡単にできますか? **2.3 矢野 瑠我 くんの例 - 三角形ABCの三つの頂点から、それぞれの対辺またはその延長に下ろした垂線はどのように交わるのか考えましょう。 -- ここで想定している「気づいたこと」とは何でしょう。 -- 「作図」は生徒がするのかな? -- 問題の提示の仕方などで,なにか工夫はできますか。 **2.4 土森 元詞 くんの例 - 円に外接する四角形ABCDがあります。この図形を見て気づくことはありますか。また、四角形ABCDが特殊な四角形になる条件はどのようなものでしょうか。 -- ここで想定している「気づいたこと」とは何でしょう。 -- なんで,円に外接する四角形に注目したのかな。 -- 問題の提示の仕方などで,なにか工夫はできますか。 **2.5 片山 佳亮 くんの例 -好きな三角形を書いてみましょう。 -・それぞれの辺の垂直二等分線 -・それぞれの角の二等分線 -を書いて、気付いたことをまとめてみよう。 -- ここで想定している「気づいたこと」とは何でしょう。 --「かく」の? -- 問題の提示の仕方などで,なにか工夫はできますか。 **2.6 松村 海良 くんの例 -三角形の外角の和を求めましょう。また、多角形の外角の和はどうなるか調べましょう。 -- ここで想定している「気づいたこと」とは何でしょう。 -- どう発展させたいの? -- 問題の提示の仕方などで,なにか工夫はできますか。 **2.7 阿久根 健汰 くんの例 -台形ABCDの対角線の交点をOとする。 -台形を動かした時に、台形の中にできる三角形はどのような関係になるのかを考える。 -- ある意味,今回の趣旨に一番近い「問題」例かな。 -- どういう答えを想定していますか? -- 問題の提示の仕方などで,なにか工夫はできますか。 -- 関連する問題もつくれますか? **2.8半田 睦博 くんの例 -正十角形の面積を1としたとき、頂点を結び、中に表すことのできる図形(正十角形の辺のうち隣り合う2本を有する)の面積を求める。 -- これは「動かす?」のか,それとも,「頂点を結ぶパターンが多様にある」ということなのか。 *3.阿久根くんの問題を「一般化」や関連問題について考える **3.1 阿久根くんの問題の一般化 #00004-1104-01 -四角形ABCDがあり,二つの対角線をひき,それらの交点をPとします。 -四角形ABCDをいろいろな四角形に変えてみたとき,中の4つの三角形について,どんなことがいえるか調べましょう。 **3.2 関連問題 #00003-test -例の問題です。この図の中に,4つの三角形があります。 -阿久根くんの問題同様に,四角形ABCDのいろいろな場合に関して,4つの三角形に関して成り立つことを調べましょう。 *4.円周角の定理(三輪さんの問題) **4.1 教科書では - 「教科書」では,どうなっているのでしょう。 **4.2 活動の比較 - 紙の上で分度器などを使って調べるときには,どんな活動になりますか? - GCを使って調べるときには,どんな活動になりますか? - それを比較してみてください。 #00005-1104-02 **4.3 幅広く探究してみて,「何がおもしろい活動になりうるのか」を考える。 -さて,ここからが重要なわけです。 -ICT関連を使うとき,「教科書通りにやる」ことが,最善とはかぎりません。 -というのは,教科書は,基本的に,「伝統的な道具」で取り組むことを前提にしています。 -しかし,それが,「道具を変えることによって,変ってしまう」ことが起こり得るわけです。 -それは別にICTだからということではなく,「教具を変えることによって,変ってしまう」のが基本なのです。 -目標に対して道具を選んだり,道具に合わせて目標を変えたりすることが重要なわけです。 ** 4.4 「発見」と「証明」 -「数学らしい活動」を考える上で,基本的な活動は,「発見」と「証明」です。 -今回の円周角の定理に関しても,「それを発見する」ことに焦点をあてるのか,「証明する」ことに焦点をあてるのかで,構成する流れや図そして発問は大きく変わります。 -また,「発見」というときに,いわゆる円周角の定理「だけ」を想定するのは片手落ちであり,関連するさまざまな事柄も含めて検討ることが不可欠です。 -そう考えることによって,さまざまな教材化の可能性,授業設計の可能性が生まれてくるわけです。 **4.4 ここから先は,みんなで検討していきましょう。 *5. 四角中点の「類題」について **5.1 「条件変え」「What if not」 **5.2 元の問題文 -四角形ABCDがあり,4辺AB,BC,CD,DAの中点をそれぞれ,E,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。 **5.3 「辺の中点」→「角の二等分線の交点」に変えると -四角形ABCDがあり,4つの角の二等分線をひき,それらの交点を図のようにそれぞれ,E,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。 #00006-1104-03 **5.3 「辺の中点」→「辺の垂直二等分線の交点」に変えると -四角形ABCDがあり,4つの辺の垂直二等分線をひき,それらの交点を図のようにそれぞれ,E,F,G,Hとし,それらを結んで四角形EFGHをつくる。 #00007-1104-04 **5.4 「辺の中点」→「2:1に内分する点」に変えると -この場合には,実は2種類あって,片方だけが,意味がある #00008-1104-05 #00009-1104-06 **5.5 四角形でなく,三角形に変える手もあります。 -省略 **5.6 平面ではなく,空間に発展する手もあります。 -省略 **5.7 いずれ -こういう「命題に対する操作」は,また組織的に検討してみることになるでしょう。 **5. 課題 - (1)今回取り上げた問題の中の一つについて,「自分なりに取り組んでみて,その記録等を次の項目としてwordにまとめ,提出してください」 -- 問題文と図 -- 自分なりの解決の概要 -- その中で,自分にとって「ここがおもしろかった」と感じた部分 -- 生徒(中学生でも高校生でもいい)に「再体験してほしい」のは,どういうことか。 - (2)今日の感想 / 次の視点のどれか -- a. 「この話題」について 「こういう点がよくわかった」 / 「こういう点がよくわからなかった」 -- b. 教師の観点からの教材研究について,自分の理解が深まったという点 -- c. ICT利用に関して,自分の理解が深まったという点 -- d. 「CIIという授業に関して」,「ここがよかったから継続してほしい」「ここがよくなかったから改善してほしい」という点 -- e. その他