*0.はじめに **0.1 具体例を元に,教材研究や授業設計をイメージしていく - 模擬授業的に,みなさんに「生徒目線」でも考えたり活動したりしつつ, 「そういう学びを生徒も再体験できるように」というのが,基本的なスタンスです。 * 1. 「発見」と「証明」 - GC のような道具は, 多くの場合, 「発見のための道具」として使うことが多いです。 - しかし, 「発見だけに焦点を当てる」のでは,数学らしい授業にはなりません。 - たとえば, 「証明」の必要性や, 「計算などの必要性」など,数学的活動の必然性を生み出すための問題状況として位置づけていくことも,数学の授業としては必要になります。 *2. 現象を観察し, 「言葉で説明」を求めるような, ちょっと気軽な例から - 「2週間」ぶりですからね。 - 今日とオンライン多いと思うしね。 - オンラインの方は, 「ブレイクアウトルームで話し合う」ことを仕掛けたいしね。 - 少なくともオンラインはそういう時間を意図的につくらないと, 「まったくの受け身になってしまう」ので。 ** 「過去の教科書にあった図」から |#00124-0521-02| ** この図から定理を発見して証明...できる? |#00125-0521-03| ** 3匹の虫 |#00126-0521-04| ** それぞれについて検討してみてください。 - 特に最初の事例は, 教科書の中にあるような問題です。 -- 「普通」だったら,どういう授業が想定されますか。 -- その授業の中での「意図」あるいは「問題点」は何でしょう。 -- この方法は, それに対して, どういう位置づけになるのでしょうね。 -- 「わかりやすい解説」なのかな? -- 他にもあるのかな。 - 二つ目の図も, ある意味高校での「解説」で使われる図だと思います。 -- 普通の使い方とは何が違うのかな。 - 三つ目は, 「オリジナルな問題」です。 -- どういう点が「オリジナル」なのでしょう。 -- それって, どういう意味があるのかな。 ** 「一人一台」が一番優れているとはかぎりません。 - 数学は, 「数学的活動を効果的に行う」ことに基本的な焦点を当てたいのです。 - 「もし, 動かしたらどんなことが起こるはずなのか」を「操作しないで推測する」のも, いいことなのです。 - そのためには, 「触りたくても触れない」方が適切なこともあり, それは教師側がコントロールしてもおかしくありません。 - 終わった後で,「納得」するかどうかが大きいと思います。 - そういう意味では, 数学は「書き込み」はとても大切です。 - それ自体が「アイデア」を表現することですから。 - また,今回のような方法では, 「言語活動」つまり, 「言葉で表現する」ことを求めていますよね。 - それはどういうねらいがあるといえるのでしょうか。 - 少なくともこういう活動は, 「教科書」や「普通の授業」の周辺にあることですが, 「何も考えなくても授業化できること」ではありません。 - そういう感覚は, ぜひ, 全員が習得してください。 * 3. 「長谷川実践」を模擬授業的に取り組んでみる。 - 以前, 附属名古屋中学校で, 長谷川先生が取り組まれた内容に関して, 模擬授業的に取り組んでみましょう。 - みなさんが「生徒目線」で参加してみたら, どんな流れになるでしょうか。 - この素材はある意味「教室でする」方がやりやすいかもしれないので, 様子を見ながら進めてみたいと思います。 ** 問題 図のように, △ABCの3辺の上に,それぞれ正三角形ABD, BCE, ACFをつくります。そして, 四角形EDAFをつくります。 点Aを動かすと,四角形EDAFはどんな形になるでしょう。 #00123-0521-01 *** 千田くんが「作図」していましたね。 - オンライン保存の方で, 千田くんがこの図をつくっていました。 - 千田くんに,授業プランがあったら,それを少し「試してみていただきましょう」 - そうでなければ,私の方で..とおもいます。 *** ある程度の「解決」まで,「大学生として(ある意味優秀な中学生集団として)」取り組んでみる。 - ** どんな数学的活動があるのだろう。 - - ** どういうところに, どんな意図を感じましたか? - - ** 「授業化」を考えるとすると, どんな流れが想定できますか? - 通常は, 学年・単元・時間数・生徒像などが決まっている中で授業は考えます。 - でも,こういう教材研究を考える場合, 「元の問題」の位置づけとは少し違う扱いが可能になることが多いです。 - 幅を広げて考察してみることがCIIの授業の中での教材研究としては適しているとおもいます。 **教科書などでの「元の問題文」はどんな感じだと思いますか? - そして,それをどう「変える」ことによって, 今回のような問題になっているのでしょう。 *3. 課題 - (1) 実際の授業ビデオの視聴と分析 -- この長谷川実践の授業ビデオを,ネット経由で視聴可能にして,mlにてその情報を配信することにします。 -- また,この長谷川実践に関連する文献も,mlで配信するとともに, この下の部分に掲載します。(模擬授業のときに置いておくのは適切でないから) ---@http://hdl.handle.net/10424/5237, 愛知教育大学リポジトリ収録の文献 -- それらを参考にしながら,実際に附属名古屋中学校での長谷川先生と生徒の様子を観察してみてください。 - そして, 次の点に関して,自分なりに分析し, まなびネットにかきこんでください。 -- (a) 課題などに関して工夫しているなと感じた点 -- (b) 長谷川先生の発言や行動で, 「なるほど」と思った点 -- (c) 生徒の活動や発言の中で, 注目した場面と感じたこと -- (d) その他(改善の可能性など) - (2) 「今日の感想」について, まなびネットにかきこんでください。