*0.はじめに **0.1 まなびネットへの提出は「出席の代わり」 -勘違いしている人いませんか? -まなびネットへの提出は「出席の代わり」です。 -一週間も経過してから「授業の感想」なんて,....「ありえない」 **0.2 「コロナ禍への対応」とは - オンラインでの参加も認めますし,録画視聴も可能です。 - でも,学びの機会をきちんと提供している以上, 「それなりの学びの実現」は求めます。 **0.3 「動かして調べる価値がある」とは - これまでの学びを踏まえるなら, 次のような問題でしょうか。 -- 「いろいろな場合」を調べる価値がある問題 -- 一般化・特殊化などを意識するような問題 -- 証明をする価値を実感するきっかけとして,「動かすこと」が機能するような問題 -- 条件変えに関わる問題 - 他にも,いろいろなものがありえます。今後の授業の中でも扱いますが。 -- 自分の感性の中で「こういうことが可能だから, 動かす価値がある」ということが提案できるようになると, さらにいいですよね。 -- そういうことを期待しながら, 新しい教材研究をできる力をのばすことを, ICTの潜在的な力にも, またみなさんにも期待しています。 **0.4 「授業の感想」に関して - いろいろな希望などを書いていただいて構いません。問題点を指摘していただいても構いません。それが理由で, 減点するようなことはしません。 - しかし, 勘違いしないでいただきたいことがあります。 -- この授業は, 「中学校の数学の授業」ではない。「中学校や高校で数学を教える人」のための授業です。 -- みなさんは卒業後,いろいろな学校に行くでしょう。「『その学校での授業』をどうやればいいか」を実践的に教える授業ではありません。 -- 『その学校での授業』を考えるためには,『その学校の生徒の様子』を踏まえながら臨床的・実践的に取り組まないといけません。 -- 附属学校の授業のビデオを使うのは, いろいろな理由があります。 --- 公立学校の授業のビデオも多数ありますが, それはこの授業でみなさんの力量を高めるために撮影許可を得ているわけではない,というのが最大の理由です。 --- 「附属学校の生徒は頭がいいか参考にならない」とお考えの方は, 授業のいろいろなところをみて, 検討してみてください。そこでいう「頭がいい」って, どういうことですか? 知識があるということですか? もっと奥が深いと思いますよ。少なくとも彼らは「いろいろな反応をしっかりしてくれています」。うまくいったとき, うまくいかなかったとき, どんなことが起こるのかを調べるために, 彼らは「生徒としてのプロ」でもあるのです。そういう生徒に対していろいろな教材を考えたり,指導法を検討したりする上で, 先生方もプロなのです。 --- それを見て,物足りなさを感じたら,それを仮説として, 公立学校の授業をみて, そして実習で教える側からいろいろなことを体験してください。 -- この授業の中では, 「ICT」にも注目しています。 -- GIGAスクール構想後, 学校の中でのICT利用は加速されるでしょう。みなさんもあてにされるでしょう。 -- でも, ICTを適切に使うことは, 決して簡単なことではないのです。 -- 一方, ICTを適切に使うことは, 難しいことでもないのです。 -- きちんと, 「それを使うとどういうことが円滑にいくように設計されているはずか。そして人間は使いこなしていけるはずか」をきちんと知りながらススメでいけば, きっと前向きな使い方が待っている。 -- でも, そのためには, いろいろな試行錯誤をしないといけない。 -- モニタリングをしながら,「何がよくないのか」「何がいいのか」を感じながら, 共有しながら, 「つくっていくしかない」のです。 -- うまくいかなかったサンプルは, 「反面教師」にしてください。 -- それをきちんと指摘してくれたら, それは「加点要素」ですよね。間違いなく。 * 1. 今日のねらいは二つ -「動いた点の跡」としての軌跡 -作図の基本 * 2. 軌跡の二つの側面 - (1) 「動いた点の跡」としての軌跡 - (2) 「条件を満たす点の集合」としての軌跡 -- 高校の教科書では, どういう定義になっているでしょうか。 ** 2.1 「動かして調べる」という観点から - 「図形を動かす」というのは, 「図形を関数と見よう」ということでもある。 -- 点Aが動いたら,点Bはどんな動きをする? ** 2.2 「どれがどれ?」 #00006-0430-01 - 三角形ABCの4つの心を作図したのですが, どれがどれかわからなくなってしまいました。 - どれがどれなのか, 調べてください。 ** 2.3 「点Aを水平に動かしたら, ○心は....という動きをするはず」 - それは, 点Dの「動いた跡」としての軌跡に注目しているということです。 * 3. 作図の基本(1) / 追加する ** 3.1 外心の場合 #00007-triangle -この図形に, 外心を追加しましょう。 -- 手順は --- 作図 --- 点 --- 外心 --- 元にする3点を順番に選択する --- 出来上がったら,動かす ** 3.2 抽象化してみると - 「作図」 -- つくる「種類」を選択する -- 「手続き」を選択する -- 「元にする対象」を選択する --- 「候補」が赤く表示されている --- 違うときには, 候補を変更 (新しい候補の近くをクリック, タッチ あるいは, 矢印キー(↑↓)) --- 確定(候補の近くをクリック,タッチあるいは enterキー) -- これを階層的に積み上げていく。 --- まちがったときには, undo (Ctrl + U でもいい) --- 手続きが同じときには redo (Ctrl + R で少し簡略) * 4. 軌跡の設定と描画 ** 4.1 「軌跡」のコンセプト - 「軌跡の色」というプロパティ(属性) - 「軌跡のスイッチ」 -- いつも描画されるのは「ウザい」 -- スイッチが入っているときだけ描画させたい - 概念の拡張 -- 数学的には,「軌跡」は「点」を考えるが, 直線や円などの幾何的対象に関しても「軌跡の色」がある。(ソフトによっては, traceという言葉で表現) ** 4.2 練習 #00006-0430-01 - 4つの心の色分けをしよう。 - 点Aを水平に動かしたとき,4つの心はどういう動き方をするだろうか。 - 点Aを鉛直方向に動かしたとき, 4つの心はどういう動きをするだろうか。 - 点Aを斜めの直線上で動かしたとき,4つの心はどういう動きをするだろうか。(アバウトでいい) - 点Aを円のような動かし方をすると, 4つの心はどういう動きをするだろうか。(アバウトでいい) ** 4.3 探究結果を「記録」したいよね - このあたりは,みなさんの方が詳しいでしょうね。 ** 4.4 「ちゃんと動かしたい」 #00008-0430-03 -この図において,点Aを円上をきちんと動かしたときの, 4つの点の軌跡をきれいに描きたいと思ったとします。 *** (1) その場でささっと対処する方法 -あるボタンを押す -シフトキーを押しながら動かす -- このことで, もっとも近い対象の上に射影する *** (2) きちんと対処する方法 - 編集 - 点の束縛条件 - 円の上 - 「この円」の上と指定する *** 備考 - 「きちんと対処するのがいい」とは限らない *5.保存 - 通常は, 「保存(オンライン)」 -- サーバの上に保存されます。 -- 50人で共用しているので, 「自分の名前」も含めた命名にしましょう。 - オフラインなどの場合には, 「保存(ダウンロード)」 -- このファイルは, 「読み込み」→「読み込み(PC)」でファイルを指定すると読み込むことができます。 - こんな方法も -- 読み込み → 「読み込み(本機)」によって, 10個の図に関して, 読み書きができるようになります。 -- たとえば,iPadをオフラインで使うような場合に,この機能は使えます。 -- 過去においては, 「保存(本機)」というメニューも用意しましたが, 普通の人は使わないので,こちらだけにしています。 -- ちなみに, この機能は, web storage という機能を使っています。 *6.作図(最初から) ** 6.1 「出発点」さえあれば... - 「出発点」さえあれば, もういろいろな図を作図できることをお分かりではないでしょうか。 ** 6.2 手順 - 次のような感じで「最初から」作図できます。 -- (1) GCの画面を表示する -- (2) 「新規」 -- (3) 「もとにする点」を作成する (画面上をクリックする) -- (4) 必要な点の数の作成が終わったら, Esc キーあるいは右クリック -- (5) たとえば, 多角形とか線分など, それを元に次につくるべきものを「3」の要領で作図し, 継続していく。 ** 6.3 練習 - 次の図を「最初から」つくってみましょう。そして, 保存してみましょう。 |(1)| |#00009-0430-04| |自分の名前-垂直二等分線-交点| |(2)| |#00010-0430-05| |自分の名前-垂直二等分線-軌跡| -(2)はかなりハードル上がっていますね。 -- 円は, 「中心と半径」で, 半径を数値で入力しています。 -- 点を動かないようにしたいときには, 「編集」→「点」でプロパティを眺めてみてください。適切なのがあります。 -- 軌跡が設定してあるかどうかは, 図のあるところをみると分かります。 -- これも設定してあります。 -- 軌跡を描くと.... きれいでしょ。 *7. 自習のためのリソース - 上記で「基本的な作図」に関して, 「対話的なやりとりをする授業」として行いました。 - よくわからなかった人, 参加できなかった人などは, 下記のリソースをもとに,「習得」してください。 -@http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/gc_rc/construction_index.htm, 作図の手引き -動画も用意してあります。 -私の感覚では,こういうものこそ, 「オンデマンド」だと思っています。 *8. 課題 ** 8.1 「軌跡の問題」を二つ見つけてまなびネットに書き込む - (1) 動いた点の跡としての軌跡の問題 - (2) 条件を満たす点の集合としての軌跡の問題 (例 A,Bは定点(たとえば, 原点と (4,0), P は動点 PA = PB となるようなPの軌跡を求めよ。) ** 8.2 実際に作図して保存する - 今回「宿題として提出した図形の問題」あるいは,上記の(1)(2)あるいは,より簡単な問題でもいい。一つの問題を選んでください。 - この授業用の保存領域に, 「自分の名前-0430-課題」という名前で保存する -- 図によっては, 作図することが難しいものももちろんあります。今回は,「練習」ですから, 決して難しいものを作図する必要はありません。ただ, 最終的なターゲットとしては, 「自分で扱いたい問題」の作図をできるようになりたいのです。 ** 8.3 今日の授業などの感想を書き込む