*0.はじめに **0.1 来週以降のこと - zoomに切り換えるというのはどう思う? - - ご存じのように,大阪・東京などは,緊急事態宣言発出になります。 - 愛知も時間の問題かもしれません。 - 愛知県も緊急事態宣言になったら,おそらく自動的に「入構禁止」になり,授業はすべてオンラインに変わります。 - 今でも,名古屋市は「マンボウ」ですから,名古屋市在住の学生が移動するのは止めた方がいいはずの状況です。 - そういう意味では,できれば,来週から,少なくとも一定期間は,「zoomでの授業の実施」に切り換えた方がいいのではないかと思いますが,みなさんはどう思いますか? - ちなみに,水2の1年生の授業は,「zoomに切り換え」ることにしました。 **0.2 zoomの場合は - 本学では,入構禁止のとき以外は,「対面」か「オンデマンド」が基本になっています。 - しかし,この授業は,オンデマンドだけでは「伝わりにくい」のではないかと思います。 - また,去年の手応えでは,ブレイクアウトルームを使ってみなさん自身のアクティブラーニングを実現することはかなり有効です。 - さらに,そこでの画面共有等での説明能力を高めることは,意味があることだと感じています。 - 大学に「来たい人」は,教室等で参加するということが可能です。 - それでも支障がある方向けには,授業のビデオを録画したものをuploadしておくので,それを「オンデマンド映像」として試聴するという方法もあります。 - 事前に,mlにてurlを配信し,それを手がかりにアクセスする感じになります。 - 大体,90分で 1G程度のパケットを消費する感じではないかと思います。もちろん,自宅等のWiFiを使うなら,問題ないですが。 **0.3 まなびネットはどう? -私自身なれていない部分も多いので,「適切な使い方」についての意見をぜひ。 -今回,みんなで他の人の意見も「みることができるように」してみたいと思い,フォーラムにしてみました。 **0.4 メーリングリストの確認 - 今日, ZOOMのURLを配信しました。 - 届いているかどうかを確認してください。 - 届いていない方は,飯島まで(メールで)。 *1.前回の問題を「ちょっと」片づけておこうか。 **観察結果(1) |ABCD|EFGH| |正方形|点| |長方形|正方形| |ひし形|点| |平行四辺形|長方形| |台形|四角形| |四角形|四角形| ***こだわり - 観察した結果をまとめるだけでは,「数学じゃない」 -「わかりきっていることが正しいことをいっても,それは生産的な証明じゃない」 -「正しいかどうかがよくわからない」から「証明する」 -「証明すること」で,「さらに知見が広がっていく」 ***だから -「証明」は単独ではなく,「別のことと結びついたプロセス」として位置づけていきたい -「観察」は一回でおしまいではなく,「もっと深い観察」に結びつけてたいし,そのためには「解釈」や「疑問」などをいかしたい - そういう流れは,「授業の中で教師側が意図的に設計していかないと実現しない」 ***この観察結果からうまれそうなこと(疑問など) -「EFGHが点」になるのは他にどんなときがある? -「EFGHが平行四辺形」になることはある? -「EFGHがひし形や台形になることはある?」 -「四角形」って,「ただの四角形」? ***「次になにをするか」(意思決定) - なにをクリアしたい?(次に考える問題の選択) - 「もっと観察を」 - 「推論を」 - べつの道具で - 関連する問題を **観察(2) - 観察を深めるときには,一回目とは違っているはず。 - たとえば,「いろいろな場合」を充実させる - たとえば,「観察したい場合」を充実させる - たとえば,「最初は見た目だけど,測定してみる」 ***観察結果の例 |ABCD|EFGH| |正方形|点| |長方形|正方形| |ひし形|点| |平行四辺形|長方形| |等脚台形|たこ形| |たこ形|点| |台形|向かい合う対角が90度の四角形| |四角形|四角形・点・等脚台形| |くさび形|二つの三角形| -見つからないもの = 平行四辺形・ひし形 -「ただの四角形」ではなく,... ** そういう「問題解決の流れとして位置づけていきたい, 価値づけてあげたい」 - まずは,「一つの図」でも,いろいろな数学的探究の可能性がありうることを理解する - それは生徒の数学的活動として,どういう活動と位置づけたらいいか,考えてみる - それを生徒が再体験可能であるためには,.... -- どんな図を使うといいか -- どんな発問がいいか -- どんなことに気づくはずで,それをどう共有するといいか -- そのためには,どんなワークシートがいいか -- それを「授業として仕上げていくためには」 - みたいなことを可能にしていくための道具として,ICTをいかしていきたい。 ** また, そこで重要になるはずのものとしての「対話」 - 人と機器の対話 - 自分だけの中での対話 - 自分ともう一人の友達との(二人の)対話 - グループ活動(4人くらい)の対話 - 自分と教室全体との対話(発表とそれに対するやりとり) - 教師と生徒集団との対話(立場のとり方によって,いろいろなケースがある) ** その素材のおもしろさは決して一つだけではない - 道具(ICTと紙)でも変わる - 図をちょっと変えるだけでも「変わる」 - 発問を変えるだけでも「変わる」 - 学習形態を変えるだけでも「変わる」(グループ活動の有無など) - 対象(生徒集団,学校など)が変われば反応が変わり,授業も変わる - 先生によっても変わる ** このCIIの授業では - 「教材研究」を深く行えるようにしたい - 最終的には「指導案」がoutputだが,それは「授業の形にしあげていく」つまり「授業設計」を指向する - 関連する授業のビデオをみたりして,授業から学ぶ, 授業に向かうことをしたい - そういうこと全体を通して,次のことも学びたい -- 数学的探究のための道具としてのICT -- 授業のための道具としてのICT -- さらにいえば,GIGAスクール時代あるいはコロナ禍のようなオンライン環境の中でのICT ** ケーススタディを重視しよう - 「いい事例」を究めてみると,いろいろなことがみえてくる。 *2.代表的な事例(教科書にも掲載されている事例から) ** 2.1 二つの正三角形の問題 #00004-0423-1 *** 教科書でよくある「問い」は何だろう。 -教科書によっても違います。 *** 普通,「複数の問い」で構成されているけど,その意図はなんだろう -これも,教科書によって違います。 -この素材の生かし方が複数あり,その中の一つを選択して,「問い」として構成しているわけですが,「その意図」を読み取れるようにしましょう。 -生徒の力量などによって,「それを少し変えることもできる」ことを実感できるようにしましょう。 -違う展開もありうることを見抜けるようにしましょう。 ** 2.2 二等辺三角形と「折れ線」の問題 #00005-0423-2 *** 教科書でよくある「問い」は何だろう。 -教科書的には,ほとんど一緒かもね。 -まず第一段階に関しては,「複数の解き方」があることが魅力かな。 *** 普通,「複数の問い」で構成されているけど,その意図はなんだろう -「この図のまま」ではうまくいかないよね。 -「その意図」を読み取りつつ, 紙だったら,GCを使ったら,別のものを使ったら...そういう選択肢を複数考え比較できるようにしましょう。 -違う展開もありうることを見抜けるようにしましょう。 * 3.課題(まなびネット) - 3.1 「動かして調べる価値がありそうな」例を一つ見つけてみよう。 - 3.2 「今日の授業の感想」を書き込む ** 「課題」とその提出・共有等の「意味」 -いろいろなケースがあります -まなびネットにもいろいろな機能があるのは,それらを「使い分ける」ことでもあります。 *** 「全員に同じことをクリアすること」を求める - 「クリア」や「提出」そのものに意味があり, 「同じ答え」が普通と思えば「カンニングはいけない」ケース - この授業では,こういうケースは,そう多くない。 - でも,高校までの「課題」というのは,この種類が多い。 ***「いずれ自分が深めていきたい素材を見つける」ことに意義がある場合 - 「同じ答え」でもかまわないし,むしろそれらについて「友達同士で話し合いが活性化する方がいい」 ***別に深めることは考えていないが,「多様性があること」を集団で実感したい場合 -「同じ答えを投稿することには意味がなく, むしろ,投稿内容をふまえて発展させたり,付け足したり,それにコメントすることの方がいい」 ** この授業では - 最終的には,「教材研究」や「指導案作成」に到達するための「ペースメーカー」的な役割 - 「出す」ことだけに意味があるわけじゃなく,「みなさんの力量を高める」こと「具体的な素材について深めていく」ことに意味がある。 - また,「評価のためのリソース」でもあるわけで,「全然出さない」のはリスクが高いよ - 「みんなのためになる」ようなことは,貢献度高いと思えるよね。 - そういう振る舞いそのものも,ネット社会の中での振る舞い方を高めていくことになるよね。 - 「もう一つの学びの場」として使っていきます。 - 多くの場合は,「共有可能」なスタンスでいこうと思います。 - でも,使いこなし方がわからない部分も多いので,みなさんから「他の授業ではこういう使い方があって,よかったからここでもやってね」みたいな指摘をください。 ** 付記 - まなびネットへの動画等の掲載は,「それほど大きなデータではない」ことが求められています。 - たとえば,「授業まるごと」は別サーバを使います。 - いずれ行いますが, GC/html5のデータ作成等も,別サーバで行います。 - もちろん,まなびネットそのものをカスタマイズすれば,それらも含めた環境開発ができますが,「私にはその権限はない」ので, それは行いません。 - ついでにいうと,2年前までに使っていたPuKiWikiでは,そういう改良をしながら使ってきました。でも,学内限定でないと問題があるので, 今年は使いません。 - 情報系に関心がある方は,そういう面での質問やご意見を寄せていただいても結構です。